2003年1月のニュース

 

 

 

[ニュース]

                RSCエネルギア社は1月31Progress M-247貨物船を搭載したソユーズ Uロケットが午前5時(モスクワ時間)に射点に到着したと発表しました。Progress M-247は国際宇宙ステーション(ISS)へ向けて2月2日1559分(モスクワ時間)に打ち上げられる予定です。

 

                RSCエネルギア社は1月30、国際宇宙ステーション(ISS)へ向けたProgress M-247貨物船の打ち上げ前準備作業としてProgress M-247がソユーズロケットに搭載されたと発表しました。また、同じ日に打ち上げ前審査会が行われ、Progress M-247を搭載したソユーズロケットをバイコヌール宇宙基地の射点に輸送することが承認されました。

                    *今回の打ち上げでは日本の「タンパク質機能・構造解析のための高品質タンパク質結晶生成プロジェクト」の第1段として実験用試料が搭載されて打ち上げられます(回収は2003年5月6日予定)。回収された試料は第三世代大型放射光施設「Spring-8」で構造を解析する予定です。このプロジェクトには国の研究機関のほか、民間の製薬会社も蛋白質構造解析コンソーシアムを結成して参加しています。

                    Progress貨物船の型番ですが、ロシア航空宇宙庁(Rosaviakosmos)のプレスリリースに従い、Progress M-247としました。

 

                International Launch Services (ILS)社は1月2920021126日に通信衛星Astra-1Kの軌道投入に失敗したプロトンロケットについて、失敗の原因はロケット上段に使用していたBlock DMRSCエネルギア社が製造)にあるとする自社の調査結果を発表しました。今後は1.Block DM内部の浮遊物質が燃料を放出するパイプを詰まらせた。2.浮遊物質が燃料供給用のバルブを詰まらせた。の2通りのシナリオについて可能性を検討し、合わせて是正計画(2月半ばまでにRSCエネルギア社が発表する予定)のレビューを行う予定です。

 

                ISC Kosmotras社は1月28、地球観測衛星DEMETER2004年第2四半期に打ち上げる契約を1月10日にCNESと締結したと発表しました。DEMETERは質量125kgで、高度700740kmの軌道上から地球大気の電磁環境を測定することを目的としています。

 

                RSCエネルギア社は1月27、国際宇宙ステーション(ISS)へ向けたProgress M-47貨物船の打ち上げ準備作業がバイコヌール宇宙基地で進められていると発表しました。燃料を充填されたProgress M-47はアセンブリ施設に運ばれ、準備の最終段階に入っています。

                   ロシア航空宇宙庁(Rosaviakosmos)によると、Progress M-47の打ち上げは2月2日1559分(モスクワ時間)の予定です。

 

                Massey Newsは1月24、ニュージーランドの最初の人工衛星Kiwisat2005年にロシアから打ち上げられる予定だと報じました。Kiwisatはアマチュア無線用の衛星で、重量は5〜10kgです(バスケットボールよりちょっと大きいくらいだそうです)。ロシアの衛星に相乗りして高度800kmの極軌道に打ち上げられます。

 

                インタファックス通信は1月23、ロシア人宇宙飛行士2名(Pavel Vinogradov及びAlexander Poleshchuk)の訓練がロシアの医学委員会によって中止されたと報じました。2名は2003年5月と2004年春に国際宇宙ステーション(ISS)へ向けて飛び立つフライトのバックアップクルーです。理由ははっきりしませんが、宇宙飛行士の資格に対する基準がロシアの基準からアメリカの基準(ロシアより厳しい)に切り替わったのが原因だと見られています。

 

                プラウダは1月22、フランスのアルカテル社がRussian Space Communications Company (RSCC)の通信衛星Express-AM2及びExpress-AM3に搭載するモジュールを製作する契約を結んだと報じました。モジュールはデジタル放送、衛星通信、インターネット用のデータ通信に使用されます。

 

                ISC Kosmotras社は1月22、次回のDneprロケットの打ち上げについての顧客との交渉を2003年2月から3月に予定していると発表しました。打ち上げ時期は正式に契約を結んでから決定するとのことです。

 

                宇宙開発事業団は1月22、高品質タンパク質結晶生成プロジェクトの概要について宇宙開発委員会に報告したと発表しました。このプロジェクトではグラナダ大学の開発した実験装置を使用し、民間企業その他から提供されたサンプルを封入して国際宇宙ステーション(ISS)サービスモジュール上で実験を行います。実験装置は2003年2月以降にプログレス貨物船を利用して合計6回打ち上げられ、ソユーズ宇宙船で実験の終了したサンプルを地上に持ち帰る予定です。

 

                Sea Launch社は1月21、同社がIntelsat社と衛星打ち上げの再委託契約について交渉中であると発表しました。2001年に締結した当初の契約ではIntelsat社の衛星をZenit-3SLロケットを使用して海上から打ち上げる予定でしたが、これがプロトンロケットを使用して2003年に打ち上げに変更になりました。

 

                International Launch Service (ILS)社は1月2020021126日に発生した通信衛星Astra-1Kの軌道投入失敗の原因を調査していたロシアの調査委員会が最終調査結果をロシアに提出したと発表しました。この調査結果はILS社の調査委員会にも提供され、現在モスクワで結果のレビューが行われています。調査結果ではBlock DM RSCエネルギア社が製造)が失敗の原因だとしており、第2次燃焼時にメインエンジン内部に燃料が過剰にあったためにエンジンが過熱し、破壊されたとしています。また、ロシアの調査委員会では対策としてBlock DMの試験及び検査を含む7項目を提案していますが、これは全てRSCエネルギア社が対応することとなっています。

 

                インタファックス通信は1月19、国際宇宙ステーション(ISS)の第7次滞在クルー3名(Yuri Malenchenko Alexander Kaleri 及びEdward Lu)が1月21日と22日にガガーリン宇宙飛行士訓練センター(GCTC)で訓練を受けると報じました。この訓練ではロシアが製作したモジュールのモックアップを使用して打ち上げから地上帰還に至るまでの運用手順を訓練します。訓練の終了後、ロシアの委員会によってクルーがテストにパスしたと承認されれば次はジョンソン宇宙センターで訓練を受ける予定です。

                    *第7次滞在クルーは3月にスペースシャトルでISSへ向けて飛び立つ予定です。

 

                RSCエネルギア社は1月15、ロケットの上段にBlock DM-3L B、上昇ユニットにLandを使用した打ち上げシステムについてCouncil of Chief Designersによる基本設計審査が行われたと発表しました。この審査会によって基本設計が承認され、Landの飛行試験が2004年半ばに実施されることとなりました。

                    LandZenit-3 SLと上段のBlock DM-SLを元にしたシステムで、完成すればバイコヌール宇宙基地から打ち上げられる予定です。

 

                Spacenews.ruは1月13、ロシア航空宇宙庁(Rosaviakosmos)長官Yuri Koptev2003年の宇宙開発に関する計画を発表したと報じました。主な計画は以下の通りです。

                    −国際宇宙ステーション(ISS)向けに、ソユーズ有人宇宙船を2基、プログレス貨物船を3基打ち上げる。ISSへ輸送する物資は合計で7624kg(このうち燃料が2700kg、生活物資が3392kg、実験装置が242kg

                    −通信衛星Express-AM、海洋探査衛星Sich-1M(ロシアとウクライナの共同ミッション)、通信衛星Yamal-200の開発を継続する。

                    2004年の打ち上げに向けて地球探査衛星Resurs-DKの開発を継続。

 

                日経B20は1月15、東京大と東工大がそれぞれ開発した手のひらサイズの小型衛星を2003年6月にロシアのロケットを利用して打ち上げると報じました。どちらの衛星も10センチ角で重さは約1kg程度だそうです。

                    *ニュースでは「独ロ合弁企業製ロケット」といっていますが、どうやらこれはEurockotRockotロケットのようです。

                    *東京大のミッションについては東大Cubesatミッションのページをどうぞ。3月10日と11日には第1回国際Cubesatシンポジウムも開催されるようですね。

                    *東工大のミッションについてはこちらをどうぞ。これを見ると、200212月にEurockot社で基本設計審査会(PDR)を開催していたんですね。

 

                RusAviaNewsは1月14、ロシア航空宇宙庁(Rosaviakosmos)が傘下の組織の再編計画を発表したと報じました。この計画によると、第1段階(2004年まで)で傘下の組織を30の企業に統合します(このうち宇宙関係の企業は11社)。第2段階(2004年から2006年)では、30に統合した企業をさらに5または6の持ち株会社に統合する予定だとのことです。

 

                Kingsport Times Newsは1月15、国際宇宙ステーション(ISS)内部の騒音レベルが危険なレベルにまで到達していると報じました。現在Zaryaのもっとも静かな場所での騒音レベルが72デシベル、Zvezda内の騒音レベルが70から75デシベルに達しているとのことです。

                    NASAが騒音レベルに関してもともと設定していた要求レベルは24時間で平均55デシベルを超えないことでした。その後、ロシアのモジュールに対応して要求を60デシベルまで緩和しています。

 

                AFPは1月13Russian Space Forceロシア宇宙軍)のAnatoly Perminov司令官が宇宙での軍事技術にもっと資金を投入すべきだと述べたと報じました。この発言の背景には、ロシアが資金難のため過去に打ち上げた軍事衛星が老朽化しても代わりの衛星を打ち上げることができず、結果としてロシア領内を衛星で全て走査することができなくなっているということがあるようです。

 

                AFPは1月10、仏領ギアナのKourouからソユーズロケットを打ち上げる件についてヨーロッパ宇宙機関(ESA)とロシア航空宇宙庁(Rosaviakosmos)が最後の詰めの段階にきていると報じました。順調に行けば2003年4月にモスクワで協定が締結され、アリアンー4ロケットの代替機としてソユーズロケットでKourouから衛星を打ち上げることになります。ソユーズ打ち上げのためには2億5000〜3億ユーロをかけて打ち上げ施設を改変する必要があると見積もられており、ESAがロシア側に対して費用の3分の1の負担を求めていたことから交渉が難航していました。200211月にフランスがロシア側の負担について将来の打ち上げで得られる利益から支払うことを提案していましたが、資金問題はまだ解決していないとのことです。

 

                RSCエネルギア社は1月9日20021126日に通信衛星Astra-1Kの軌道投入に失敗した原因(打ち上げにはプロトン Kロケットを使用)について、ロシアの調査委員会がプロトン Kロケットの上段のBlock DMに使用されているメインエンジン11D58Mが第2次燃焼の際に故障を起こしたことが原因であると結論したと発表しました。第1次燃焼の終了後に燃料排出パイプが閉塞したか、または燃料供給バルブからの漏洩によって燃料が過剰にエンジン内に残っていたのが直接の原因と見られています。

                    Block DMRSCエネルギア社が製作しています。

                    *このニュースですが、14日にアクセスしてみたらリンクがなくなっていました。もしかしたらRSCエネルギア社の勇み足だったのかもしれませんが、とりあえずこのページには残しておきます。

 

                Spacenews.ruは1月9日2003年2月にバイコヌール宇宙基地でロケットの打ち上げが2回行われる予定だと報じました(注:ロシア語です)。一つは国際宇宙ステーション(ISS)へ向けたプログレス貨物船の打ち上げで、1月9日にバイコヌール宇宙基地で準備作業を開始しました。もう一つはプロトンロケットの打ち上げで、こちらはロシアの通信衛星を打ち上げる予定です。2003年にはプロトンロケットによる衛星の打ち上げが10回予定されているとのことです。

 

                APは1月8日、国際宇宙ステーション(ISS)に搭乗中のロシア人宇宙飛行士Nikolai Budarinについて健康状態に問題はないとロシア側の医学担当者(IBMPdeputy directorValery Bogomolov)が述べたと報じました。これは、アメリカ側がNikolai Budarinの心血管系に問題があると述べたことに反論するものです。このニュースによると、Budarinは自転車(ジムにおいてあるような、一ヶ所でこぎつづける自転車だと思いますが)を使用したテストでアメリカの基準をパスしなかったとのことです。

 

                ロイターは1月7日、現在国際宇宙ステーション(ISS)に搭乗中のロシア人宇宙飛行士Nikolai Budarinに医学上の問題が見つかったため、1月15日に予定されている船外活動はアメリカのDonald Pettitが代わって行うと報じました。Nikolai Budarin200211月からISSに搭乗しているExpedition 6のクルーの一人で、3月に地球へ帰還する予定です。

 

                RSCエネルギア社は1230New Technology誌の記者によるRSCエネルギア社社長へのインタビューを掲載しました。このインタビューの中で今後の宇宙開発分野の事業の見通しを次のように述べています。

                    − 有人宇宙飛行(火星探査、月探査、再利用可能な宇宙機):検討段階

                    − Asia Pacific Space Center (APSC)向けにAuroraロケットの開発(2004年に第1回目の打ち上げ予定)

                    − Sea Launchの衛星打ち上げサービスで、2003年は打ち上げを4回実施する予定

                    − Yamal-200衛星用バスの開発(2003年中頃に打ち上げ予定。多分Gascom社向けだと思います)

 

                Interfax通信は1月5日、ロシアとカザフスタンがバイコヌール宇宙基地のリース期間の延長に関する協定を2003年中に締結しそうだと報じました。ロシアとカザフスタンでは延長協定について2〜3年前から取り組み、締結に向けて折衝を続けていました。

                    *バイコヌール宇宙基地のリースについては昨年からリース期間を50年に延長するなどのニュースが流れています。

 

                RusAviaNewsは1月5日、ロシア宇宙軍が2002年にロシアが25基のロケットを打ち上げたと発表したことを報じました。これらのロケットによって打ち上げられた衛星は36基でした。

                    *このニュースによると、2002年に世界で打ち上げられたロケットは65基、衛星は95基だったとのことです。

 

                1ヶ月ほど前のニュースになりますが、ヨーロッパ宇宙機関(ESA)20021210、火星探査ミッションMars Expressで使用する着陸船Beagle 2を最終インテグレーションのため1月30日にツールーズに輸送すると発表しました。インテグレーションの終了後に探査機はバイコヌール宇宙基地に運ばれ、2003年6月にソユーズ-Fregatロケットを使用して打ち上げられる予定です。

                    Beagle 2Astriumの製作です。

                    *ソユーズ-FregatロケットはStarsemを通じて調達したそうです。

 

                ILS (International Launch Services)社は123120021126日に軌道投入に失敗したAstra 1K(打ち上げロケットはプロトン Kロケット)について、ロシアの調査委員会の結論(速報)を発表しました。これによると、プロトン Kロケットの上段に使用されていたBlock DMのエンジンが異常に過熱し、2回目の燃焼のときにメインエンジン内部に燃料が過剰に残っていたためにエンジンが破壊されたと言う見方をしています。委員会では引き続き調査を続け、1月中に最終報告をまとめる予定です。