B・P・Sしよう
喉も痛い。
腹もクダし中。
でも、このまま沈没するわけにはいかない。
なぜならオレは
青銅クラスの旅遠士(ジョウント)なのだから(二回目)
次の目的地を決めたので、近くの「シンカフェ」とかいう旅行代理店に行く。
やりました。
カードばっちり使えました。
マゲノスケありがとう。
バンコクで再会できたらお礼いわなきゃな(伏線:いえない)
これにより、交通費・宿泊代は「カード払い」でしのぐ事が可能とわかりました。
今後は極力、カード払いで現金の目減りを抑えるようしなければ・・・。
そんなこんなで
ベトナム・パーフェクト・セイハ。
略して「B・P・S」の計画を発動したわけですが・・・・
手持ちの資料を総ざらいし、なんとなくおもしろそうなスポットをピックアップする。
特に丸ちゃんの「地球の歩き方・ベトナム篇」は超重宝。
ラオスに入るタイミングを考えた上で、残りの日数から
ベトナム滞在の大よその期間を決め。
あとは財布との相談だが、現金は減る一方なのであまり期待はできない。
今後は、うまくカード払いで調整していこう。

ムイネー:セレブな感じのビーチリゾート
ニャチャン:ベトナムの代表的なリゾート地。
ホイアン:古い町並みはユネスコの世界遺産。日本人が昔住んでたとか・・・
フエ:アマドウ某の言葉「賞賛すべき建築上のポエムである」。意味がわからん。
ハノイ:ベトナムの首都。
こんな感じで主だった街を把握しつつ、メンミツに行動ルートをまとめる。
ホイアン以降は、ラオスへの突入ルートがどうも情報不足だったので
着いてからまた考えることにした。
近づけば自ずと入ってこよう。
砂と埃にまみれた地べたを這いずり回る旅に辟易していた俺。
今度は常夏の海へ行きたい。
そう。
今後のテーマは「ビーチ」だ。
なので、思い切ってハイソなビーチリゾート「ムイネー」に寄ってみる事に決めた。
宿のいる連中は、大抵いっきに「ニャチャン」までいってしまうようだったが・・・
多勢な行動にはあまり気乗りしないAB型の自分の性格を鑑みて「ムイネー」にしたのだった。
ムラサキ曹長もセシリアもその他の連中も朝から各々の目的地へ出発。
宿も少しさびしくなったと思いきや、またぞろ新参が入ってきていた。
その中に、
パッカーにしては、やけに現地に溶け込んでいるかのような妙な余裕を感じさせる兄ちゃんに出会う。
ヨレヨレの洗いざらしのTシャツを着た身なりはエラクだらしない。
大きなカバンの割には、ベッドに散乱してる私物はたいした量ではない模様。
真っ黒に日焼けした顔面に目だけはギラギラと妙な輝きを持つ不思議な男であった。
オレはそんな目をした人間を二人知っている。
そんな彼と、いまだに送金待ち(笑)の丸ちゃん含めて仲良くなる。
27歳。
「NGO」とかいうボランティア団体の一組織に所属しているらしく。
お試しでココ一ヶ月ほどカンボジアで活動していたが、ビザが切れちゃうってことで
一度ベトナムに出て「長期のビザ」を仕入れ本格的に奉仕活動に専念しようというのである。
わざわざ国境を越えないと入手できない特別なビザだそうだが、その辺はどうでもよろしい。
ボランティア活動に関しては、色々聞いたんだが・・・
あんまり興味がなかったためほとんど覚えていない。
いや、どちらかというとこの
ギラ・ヤマトの家族の話があまりにインパクトありすぎ
ために印象に残らなかったといっても過言ではない。
夕食を一緒に食いに行った際に聞いたヤマト家の顛末はこうだ。
どうせ仮名なので特に迷惑になるとも思えないので敢えてさらしてみよう。
どうぞ。
ヤマト家は
父・母・兄・ギラの四人家族。
父は独立心が強く、若くして自営業をはじめコツコツ努力を続けて
街でも有数のスーパーマーケット店を経営するにいたった。
しかし、調子に乗りすぎたために徐々に経営者として破綻がはじまる。
ギャンブルにのめり込んでしまったそうだ。
なんとなく自営業自体ギャンブル性の高い生き方だと思うので、
そうゆーものに嵌ってしまう気持ちもわからなくはない。
しかし家族の目をよそにギャンブルにはまる父の姿は息子ながらにみれたもんじゃないと当の息子は語る。
ギャンブルに負けた日などは母や息子達にあたりまくりで荒んでいく一方だ。
スーパーで経営が順調なだけにお金はくさるほどあるのだが・・・
そのギャンブルにのめりこむあまりスーパーの経営を丸投げに対応。
あげくやってしまう。
5億円の借金を抱えて店がつぶれるという笑えない憂き目に会う。
そこからが転落人生、住む場所も場末のアパートになる。
しかしできた母親の甲斐もあり父は立ち直り
ギャンブルを一切やめ、
借金返済のために今度は配管事業を立ち上げる。
年を追い業績も上がり、数年で借金を返済するまでにいたる。ホントか?
そして借金完済を成し遂げたものの、数年もたたずに
またギャンブルにはまる父。
その頃、ギラも家を出て社会人となっていたが・・・・
毎度毎度、母親の泣きの電話がかかってくる。
これはまずいと一家そろって「家族会議」開始。
なんとかみんなで父を説得し、たしなめる事に成功したという・・・が。
今でもダマシダマシギャンブルを続けているかもしれないとか。
いいのかよほっといて(笑)
そんな中、時を前後してサラリーマンの兄が鬱になってしまう。
まじめな人間らしく、何事も考えすぎてしまうためにそうなってしまったとか・・・。
自殺の傾向すらあったというが、そこは家族愛で支えてきたようだが・・・
さすがにこのままではいけない。
何か兄に生きがいを感じてもらおうと
あの手この手を考えた。
ふと、母親が「この子は子供の頃、学校の先生になりたかったと言っていた」と語る。
病室で欝の兄に家族で説得した。
「教員免許とって先生を目指してはどうだろう」
なんだそれ?
そして
欝も完治してもいないのに、やる気になった兄。
数年もたたずに脱サラし教員免許を取得。
今ではまじめな「小学校の先生」をやっているという。
先生ってそう簡単になれる者なのか?しかも元鬱病患者なんだぜ?
・・・なんというか下手なドラマより濃厚な人生を送る家族だと知る。
そしてギラ・ヤマトも日本を出てカンボジアでボランティア活動に従事するという。
なんだかテンヤワンヤな人生ではあったが
結局は家族仲良く、上手くやっているのだからいいんじゃないかと。
ただ彼らは家族そろって超法人集団「せんべい」の構成員。
それをうっかり知ってしまう。
ああ、だから目がギラギラしてたのか・・
希望と自信に満ちた目ってああいう目のことをいうんだろうな・・・
ホント、
○教パワーはスーパーポジティブだよね。
彼曰く「隠しもしないし、正当化するための意見もしない」との事。
そりゃそうだろ。子供の頃から、あの教義叩き込まれたら否定も出来ないだろうて・・・・
まぁそのあたり話し出すと止まらないたちなのでここで終わる。
もしかしたらNGOの団体も「せんべい」なのかもしれないと邪推。
ただギラ・ヤマトは好青年であった。立派な人間だと思った。
そして三人で街をウロツク。

常夏とはいえ、夜は結構涼しくて気持ちがよろしい。
食後に、丸ちゃんが地元のコーヒーを飲んでみたいとのたまうので
テキトーに場末の露店でコーヒーを一杯。
そういえば市場の中にもえらくコーヒー豆店が点在してたな・・・
丸ちゃんから聞いていたんだが
けっこう有名なベトナム産コーヒーとかがあるとかないとか・・・・
そこはよく覚えていない。

ギラの脚には、唐獅子だか牡丹のイレヅミが・・・
そういえば外人パッカー達は腕だ足だにタトゥーをするのが流行りのようだ。
オレはこの手の刺青に関して、否定的ではないので
正直かかっこいいと思う。
バンコクにいけば、安く刺青をほれるというので気が向いたら彫ってもいいかな・・・。
ただデザインはもう少しクールなものにして欲しいな。
LOSTのジャック(声:井上和彦)もバンコクでタトゥー彫ってたし(笑)。傷心旅行だったみたいだけど。
ちなみに右の太った女性は店員さん。26歳。
なぜか日本語を流暢に操る。
コーヒー飲みがてらオネーチャンとだべって過ごす俺達。
なぜ日本語をしゃべれるのか?
と聞いたところ、今の恋人が日本人だからとか・・・なるほど。
「今、彼は日本に行っているの。両親に私との結婚をお願いしにね。
帰ってきたら結婚かもしれないがどうなるかはわからないわ・・・」
なんてアンニュイに語る彼女の姿に、人生色々だよなと思った。
結婚できたら一気にセレブだろう。
でも間違いなく破綻だろうな。
インドシナ半島の女性はお金持ちの日本人と結婚する事が悲願だと聞く。
しかし彼氏側の家族が反対する事必至。
なぜなら、彼女との結婚はいわば
彼女の全家族を養う事と同義なのだからな。
オレが親なら絶対反対だな。
明日、「ほうれん荘」を出ると丸ちゃんに話したところ
借りまくっていた(半ば私物化していた)
「地球の歩き方・ベトナム篇」をオレにくれるという。
「良かったら餞別にコレ持ってってください」
「え、いいの?もったいなくね?」
「いいですよ。実は、もう必要ないし」
「サンキュー助かる〜」
「よく、この手の本が旅人の手を回るっていいますよね。じょうさんも必要なくなったら次のパッカーに渡してくださいね」
「そりゃいいや。わかった」
「じゃあ、初代はオレってことで名前書いとくかな?」
「じゃあ、二代目でオレも書いとこう」
こうやって
「地球の歩き方・ベトナム篇」に丸ちゃんとオレの名前が刻まれた。
これがオレから次の旅人、次の旅人へと巡っていくと思うとワクワクしてきます。
今頃、あの本は誰の手を渡っているのだろうか?と思いを馳せる。
実は、まだオレの自宅にあるんだけどね(笑)
だってベトナムで出会う連中、みんなコレ持ってんだもの。