ふたりはプリキュア
朝7:15。
シンカフェ前に止まったツアーバスに乗り込み、いよいよホーチミンともお別れだ。
ここではろくすっぽ観光をしなかったが、ほうれん荘にいたおかげで
色んな旅遠士に出会えた。
これまで極力日本人を避けていたが、人を選べば悪影響はないものと気がつく。
場合によっては得がたい情報を得る事もできるので
これからはそのあたり気にせずに行こう。
ある程度、海外旅行の空気にも慣れた余裕もあってか
対人関係を恐れる理由は最早なくなっていた・・・。
バスに中で、例の女パッカーコンビ・桃と伊達に会う。
ほうれん荘から別の宿に移ってから、てっきりすでに移動していると思っていたがまだホーチミンに滞在していたようだ。
伊達は相変わらず元気のようだが、
桃も相変わらず体調がすぐれないようだった。
9:00出発。
彼女達とは座席が離れていたので、道中話し相手がおらず暇だ。
都会を離れ、またぞろ田舎の山道を進んでいく
海岸線を走るかと思っていたが、全然内陸を走行するので1時間もすると風景に飽きる。
途中、何回か休憩所に寄る。
なんだかこの二人声かけづらい雰囲気を持ってるので
少し近寄りがたい。
会話してても受け答えが、なんかテンション低い。
旅慣れするとここまで愛想なくなっちゃうのか?
モモはなんか始終ぼんやり
病院行った意味まるでないやんけ。
まーそれでも話を聞くと、
かなりタイトなペースでベトナムを回る予定だとか・・・
ムイネー→ニャチャン→ホイアン→フエを一都市1〜2日程度の配分で北上していくらしい。
移動する都市がオレとまるで同じだったが、オレはもう少しゆっくりテキトーに動くつもりだ。
何をそんなに急ぐのか?
昼頃
視界に美しい青い海が見えてくる。
ムイネーに到着したようだ。

南国チックな町並み。
ヤシの木はデフォルトだな。

でもなぜか人の気配がしないんだが・・・
静かで結構。といいたいところだが、
これまで騒音でやかましいホーチミンに長居していただけに、そのギャップでなのかかなり寂しい印象。
バスを降りて、さっそく宿探しをしなくては・・・
ところがどこも11$以上と高い上、人の気配は無いくせに満室で部屋が無いときた。
「地球の歩き方」」で10$と思われていたところがことごとく値上がりしており出鼻をくじかれた感じだ。
せめて予算的に10$に抑えたい、できればカード払いできるところ。
声をかけてきたバイタクがいた。
「乗ってきなよ」
「いやいい。宿探してる」
「お勧めの宿あるよ」
「いくら?」
「10$ネ」
「どこ?」
「すぐ近く」
「なんて宿?」
「バオチャン」
「案内するネ」
もうこれ以上、値段が下がるとも思えないので贅沢にシングルに泊まることにした。
どこのホテルもそうなんだが
海岸線にそって宿が立地されてるので
ひょいと部屋からでると目の前に海が広がる。

これがリゾートビーチか!
これなら2.3日滞在してもいいかもしれねぇ。
隣のコテージから人が出てくる。
「あら?」
「あれ?」
桃と伊達だった。
ここの宿で嬉しいことがあった。
シャワーが温水。
これまでの宿では、水シャワーが当たり前だったわけだが。これサイコー。
とにもかくにもこの日のために用意していた水着に着替えて海岸へ。
宿が設置したパラソルの下に先客の外人さんがのんびりくつろいでいらっしゃる。
年配のセレブなおじさん・おばさんばかりで、まるで目の保養になりませぬ。
オレも一つのパラソルを占拠して、波音をBGMにねっころがるのだった。
ほどなく彼女らもTシャツに短パンとラフなスタイルで登場。
伊達は日記を付け始める。
桃もチェアで横になるが、しんどそうだ。
伊達は、イヤホンで音楽聴いてるし、桃はその余裕もないだろうし
話しかける隙がまるでないよ。
なんだよこの二人は。
よし!定番の散歩をしよう。
あまりにもきれいな海岸だったので、海岸線ぞいを飽きるまで歩いてみようと思った。

なんかタライのような物がたくさんあるが、これ漁師さんのボート。
どんな魚とるのかしらないけど・・・なんか心もとない船だな。おい。
しかしビーチリゾートのくせに誰も泳いでないよ。
いや地元のちびっ子が水浴びとかはしてんだけど・・・
不思議と旅行者みかけない。
ああ、そうか。
ココは泳ぐ場所じゃなくて
ただ「くつろぐ」だけのところなのかもしれないな。
もしくは「ひきこもって」んのか?
その内、漁の下準備をしている一団のエリアに進入してしまい
奇異の視線にさらされる。
飽きたので通りに出る。

これあれだろスターフルーツだよな。
輪切りにすると星型になるヤツ。
ぎっしり実がなってるじゃないか。なるほどこんな木にナルのか・・・
誰も見てないことをイイコトに一つだけ拝借。
散歩がてら食べる。
ほどよく酸っぱくてなかなかジューシー。
リンゴっぽい味だが果肉はひたすら瑞々しい。
一昔前に何かの拍子に食べた経験はあったものの
まぁたくさん食べるほどの物じゃないな。

もうヤシの木多いな。

ヤシの木陰でマッタリする連中。

犬だ。
ハノイでは彼らを使った料理が食べられるというが・・・。
オレなら食べる事ができる。

うわーなんだかたくさんの船がゴチャゴチャとー。多っ!
なんだか効率悪い漁の仕方してんな・・・と事情も知らずにつっこんでおく。

宿のはずれに金持ちそうな家発見。
多分、ベトナム人の成金の家だな。
あとで気がついたことだがある法則を持って立地されているのだ。

それなりの大きさのビーチなのだが・・・やはり人の気配がしない。

こういう立派なホテルだと、一体いくらするのか?
・・・するのかつっても日本円で一泊3000円もしないんだろうけどさ。
しかし超つまんね!
そうか市場とか生活観漂わせるような場所が見当たらないからだ。
これはオレ的に致命的じゃないか?
お金とか時間があれば静かで良いところなのかもしれないが
一人で過ごすとなると、かなり寂しい場所なのではないのか?
わかった。みんながここに寄らない理由。
そもそもここパッカーが来るような場所じゃないんだよ。
次元が違うんだよ。次元が。
あかん。ここ2.3日もいる必要ないかもしれん。
これはもう明日にはニャチャンに移動した方がいいかもしれねぇ。
というわけで
早々にニャチャン行きのチケットゲット。明日の昼出発。夕方着。
宿に戻る。
彼女達は、翌朝、ムイネーの名所を巡るバイタクツアーを申し込んだそうだ。
なんでも天然の砂漠があるらしく、そこで朝早くの日の出を見ることができるものらしいの。と
色々教えてくれる。
そういえば、オレをこの宿に連れてきてくれたバイタクのおっさんもそのような紙切れオレに見せてくれてたっけ・・・。
そんなゆとりはオレにはねぇとロクに話も聞かずに無下に断っていたが・・・
さした値段じゃなかったから申し込んでりゃ良かったなコリャ。
「そりゃいいなー。でもオレ明日はニャチャンに向かうよ。ここなんだか肌にあわんわ」
「アタシ達も明日移動するよ」
「ん?ツアーいくんじゃないの?」
「バスは正午発だから、午前中には終わっちゃうもん」
「ああ」
なるほど。しかしこのタイミングで申し込んでもなぁ。
さておき腹が減った。
「今から夕食食べにいくけど一緒に付き合わん?」
「あー。3時頃にずれた昼食食べちゃったから。・・・いいや」
スッパリ断られる。
ちょっと離れた場所にあった貧相な食堂に立ち寄る。
彼女達と一緒なら目をつけていた良さ気なレストラン(カード払い可のところ)に行くつもりだったんだがな・・・
スタンドアローンな豪華な食事はむなしさ倍増なので、たまには豪勢な物をと思っていただけに素直にがっかりだ。
一人寂しく20000ドンの飯を食う。
なんてこたないポークとエッグの乗ったライスだ。
帰り道。
バイタクの兄ちゃんから声をかけれれる。
「宿までどうです?」
「んー近くだからいいよ」
「どこ泊まってる?」
「バオチャン」
「明日はどこいく?」
「んー寝てるかな?」
「いい場所あるね」
「・・・!・・・そうだ。砂漠とかいく?」
「あるね。これ」
胸ポケットからよれよれのカラーの紙切れを出す。
ふむふむ。
赤砂の砂丘レッド・サンデューン
白砂の砂丘ホワイト・サンデューン
赤土の谷レッド・キャニオン
あとフィッシング・ビレッジ、まんま漁村だよな。
・・を見物するルート。
多分、あの時のバイタクが見せようとした物と同じ物だ。
「日の出見れるの?サンライズ?」
「見れるね」
「12時には戻れる?」
「ノープロブ」
「いくら?」
「7$」
「5$なら行く」
「5$?OK」
やけにあっさり了解される。もっと値引くべきだったかな?
まぁいい。
「それでは朝6時に宿の前でお待ちしてますね」
伊達は4時頃には出ると言っていたが・・・・
まーそんなに早起きせんでもいいだろうよ。

んー良い夕日だ。
海岸線で意味も無くたたずむオレ。かっこいいぜオレ。
超ヒマだ。
桃と伊達は早々に部屋に引きこもっている。
さすがに部屋に押しかけてまで仲良くなる気はねぇ。
とっても絡みズラい二人はプリキュア。
プリミティブに究極的に愛嬌が無かった。