DRM (Digital Radio Mondiale) 放送受信のためのリソース

DRM(Digital Radio Mondiale)とは中波帯、短波帯の電波を用いるデジタル・ラジオ放送の方式のことで、現在は主としてヨーロッパでDRM方式によるデジタル・ラジオ放送が実施されています。日本からもこれらのいくつかの放送が受信可能です。

このページはCQ出版社 CQ ham radio 誌、2006年8月号から短期集中講座として連載した「DRM放送を聴いてみよう」の中で触れた、DRM放送の実際の受信データ、DRM受信用コンバータの設計データ、復調ソフトDream のコンパイル方法、その他、有用なリンクを提供し、DRM放送の受信に挑戦される方の参考になるよう、準備したものです。

DRM放送のスケジュール

ヨーロッパ各国、ニュージーランド等、世界中で実施されているDRM放送のスケジュールは以下のリンクを参照してください。DRM復調用ソフト、Dreamのステーション・ダイアログでもこれら、最新のDRM放送のスケジュールを取り込む機能があります。

      http://www.drm-dx.de/

DRM放送の受信音の録音例

実際に日本(東京、八王子)で受信したドイチェ・ベレ(DW)、ラジオ・ニュージーランド・インターナショナル(RNZI)のDRM放送の受信音を録音したものを以下に置きます。(ZIPファイルになっています。解凍すると48kbps、2chステレオのWAVフォーマットのデータになりますので Windows Media Player 等で再生してください。)

    1)RNZI15720_081306_1448J_3au.zip
      (RNZI,15720kHz,2006年8月13日,1448JSTより約3分間: 22.4Mbyte)

    2)DW15440_081206_2252J_3au.zip
      (DW,15440kHz,2006年8月12日,2252JSTより約3分間: 28.9Mbyte)

1)のRNZIの例はモノラル放送、2)のDWの例は2chステレオ放送の例です。

受信機から取り出した12kHz IF信号

現状、DRM放送に対応したラジオ受信機はまだ一般的ではなく(特に日本では)、通常の短波受信機(帯域幅10kHz)で受信したのち、中間周波(IF)増幅段からIF信号を取り出してオーディオ帯域の信号(12kHz±5kHz)に周波数変換し、パソコンのサウンド・カードに入力します。パソコンではDRM復調ソフトを実行し、OFDM変調されたDRM信号を復調して音声を再生、あるいはデータ放送についてはパソコンのディスプレイに表示します。

以下は上の録音例のもとになった12kHzのIF信号のデータです。(ZIPファイルになっています。解凍すると48kbps、モノラルのWAVフォーマットデータになります。)

    1)RNZI15720_081306_1448J_3.zip
      (RNZI,15720kHz,2006年8月13日,1448JSTより約3分間: 15.3Mbyte)

    2)DW15440_081206_2252J_3.zip
      (DW,15440kHz,2006年8月12日,2252JSTより約3分間: 15.3Mbyte)

これらのデータは復調ソフトの調整、サウンド・カードの試験に利用ください。以下のような方法があります。


A) DRM復調ソフトのDream には、入力信号としてサウンド・カードからのリアルタイムの信号ではなく、WAVフォーマットのファイルとして記録されたデータを読み込んで復調する機能があります。Dream を実行する際にコマンド・ラインのオプションとして -f "ファイル名" を付加して起動します。実際には、WAVフォーマットの12kHz IF信号をDreamをインストールしたフォルダに置き、Dreamをショートカットから起動するようにして、そのショートカットのプロパティの「リンク先」の中で -f "ファイル名" を記述するのが簡単です。(プロパティ参照)

B) サウンド・カードの機能、性能も含めてDRM復調の環境を試すには、パソコンをもう一台用意してそのパソコンでこれらの12kHz IF信号を再生(スピーカから再生するとシャリシャリという音にしか聞えません)、その出力をDRM復調ソフトを実行しているパソコンのサウンド・カードに入力します。DRM復調ソフトのサウンド入力の設定、感度(ボリューム)を調整してDRM信号が正常に復調できるようにしてください。

C) サウンド・カード(アダプタ)によっては自分自身で再生しているデジタルデータをデジタル入力として取り込む機能を持ったものがあります。(YAMAHA:UW10、EDIROL:UA-1EXなど)これらのサウンド・カード(アダプタ)を使用している場合は12kHzIF信号再生のための別のパソコンを用意する必要はありません。


2)のDWの12kHz IF信号にはデータ放送である NewsService Journalineのデータが含まれており、3分間データを復調した最後のころには English News Headline、Deutsche Schlagzeilen の取り込みがほぼ完了し、画面でクリックしていくことで内容を確認できます。

以上のサンプルデータは2006年8月19日、20日に東京ビッグサイトで開催されたハムフェア2006のクラブブース、「カソードタップ」でDRM復調ソフト Dreamのデモンストレーションの際に使用したデータです。

これ以外にも以下のリンクには日本では受信できないDRM局のIF信号のサンプルが多数、用意されています。(ページの中程のAuxiliariesのセクション)

      http://drm.sourceforge.net/

FPGAによるDRM IFコンバータのHDLソースコード (2006年10-12月号)

CQ ham radio 誌 2006年 10月号 から12月号の記事として、高速A-DコンバータとFPGAによって、デジタル受信機の構成をとりながらDRM放送の受信を試みた例をご紹介しました。このFPGAに実現した信号処理部の各モジュールのHDL(VHDL言語)の記述を以下に置きます。

      iq_sep : 複素化(入力信号の複素化、I信号、Q信号の生成)
      sync : デシメーション(A-D変換クロックからフィルタクロックへの同期)
      dfir32_ctrl : FIR LPFフィルタ制御部(32タップFIRフィルタ - 2チャネル分)
      spdif_cnv : S/PDIF インターフェース
      clk_gen : クロック生成 (24.576MHzを4分周、リセット信号発生)

以下はアルテラ社FPGA設計環境 Quartus II Web Edition バージョン 6.0 SP1での設計データのアーカイブです。

      drm_if_conv.qar

DRM復調ソフトDreamのコンパイル手順 (2006年11月号) 及びサウンド・カードの左右で1サンプリングずれる問題の対処の方法(2007年1月号)

DRM復調ソフトDreamのソースコードはGPLライセンスのもと、無償で提供されていますが、コンパイルされた実行可能なバイナリファイルは米国Dxtra社から購入することになります。最新のDreamのソースコードはSource.Forge.comから誰でも入手できますので、Visual C++の開発環境を利用できる方はご自身でコンパイルすることをお勧めします。詳細なコンパイル、ビルドの手順を以下にまとめますので参考にしてくさい。サウンド・カードによっては、左右でサンプリングがずれる問題があります。この問題に対するソースコードの修正の例も以下を参照ください。

      Dream のコンパイル、ビルドの方法

DRM受信用ダイレクト・コンバージョン受信機プリント基板 (2007年2月号)


CQ ham radio 誌 2007年 2月号 にご紹介した、ソフトウエア・ラジオの形式による、DRM放送受信用ダイレクト・コンバージョン受信機のプリントパターンのデータ(パソコン上のプリント基板設計ツールPCBEによる)を以下に置きます。

      TA7358DCR_rev2_2.PCB

プリント基板設計ツールPCBE は以下の Vector のサイトからダウンロード可能です。

      http://www.vector.co.jp/soft/win95/business/se056371.html

回路図、部品配置図に以下の誤りがありますので製作時にはご注意ください!

 1.図8 の回路図において、Iチャネル(下側)のTA7358の電源パスコン、0.1uFの部品番号が
   C27となっていますが、C19が正しいです。
 2.図9 右の部品配置図において、電源安定化用ツェナダイオードD1(3V)の極性が逆になって
   います。 (上図の赤の部分)
 3.図9 右の部品配置図において、R16(120Ω)の表記が抜けています。上のダイオードD1の
   右側、未使用の2個の部品穴がR16のためのものです。 (上図緑の部分)
 4.p86コラム、図AのUSBコーデック部分の回路図において、PCM2900Eのピン名称が pin#23
   から #28の間、ずれています。正しくは以下のようになります。
      pin#23 -> VCCXI
      pin#24 -> TEST0
      pin#25 -> TEST1
      pin#26 -> DGND
      pin#27 -> VDDI
      pin#28 -> SSPNDB
   結線に誤りはありません。

  (2.3.はJA1SCW局よりご指摘いただきました。ありがとうございました。)

小数ですが、私の手元にエッチングまで終った基板(部品の穴は開いていません。ご自身で加工ください。)があります。頒布可能(有償、送料込み 1200円)ですのでご希望の方はメールにてお問い合わせください。(スパムメール対策上、ここにはアドレスをリンクしません。このURLから1ページ上の階層の「メールはこちら」からご連絡ください。)