流星ホイホイ計画
UFOCaptureの世界


 天体は数あれどもっとも派手で市民的なのは流星でしょう。
 非常に動画に適した天体なのですが、予定通りに撮れない対象でもあります。
 動体監視付きのキャプチャソフトとしては泣く子も黙る「ListCam」やお手軽な「LiveCapture」があるのですが流星ほどの微細な動きとなると守備範囲外のようです。(LiveCaptureは別項で大活躍することになります。)
 これだけ撮像デバイスやPCが発達したのなら流星だけを撮れないか・・・と、開発した人がいるんですよ。

 TGv-MやWAT-100Nをお持ちの方はぜひこの世界に触れてみてください。
 病み付きになること請け合いです。

 このUFOCaptureは開発速度が速く、この項を書き溜めてもすぐ陳腐化します。
 発表から1年もたっていないのに驚異的なソフトに仕上がってきました。
 最新情報についてはUFOCaptureのHPでご確認ください。


___   UFO Capture とは    ̄ ̄ ̄

 UFOCaptureはSonotaCoさんが開発した(正確にはずーっと開発中の)動体を検知して動画を記録するWindows用ソフトです。
 表向きは野鳥観察や防犯用途ですが、裏テーマは流星の検出なのです。
 個人的にはナローバンド環境ですからBMP記録で上等なのですが、意外と対象が動いた瞬間をタイムシフト記録できるソフトというのは限定され、動体対象を微細に絞り込めるソフトにいたってはUFOCapture程度しか見当たらなくなってしまいます。
 この対象の絞込みがUFOCaptureの本領のひとつです。
 4等などという流星は眼視でも厳しいのですがUFOCaptureはシビアな設定をすればかなり写すことができます。
 VGA画面の中のわずか4画素程度の変化でも捕らえてみせるのです。
 また、シンチレーションマスクという技術でシンチレーションによるミスクリップを押さえ込んでいます。
 他にも流星キャプチャに即した機能が盛りだくさんになっています。

 QVGAのフリー版とVGAのシェア版があり、レジストキーを得ると実験要素を取り込んだEX版を利用することができます。
 レジストキーで分析やバックアップ関係のシリーズソフトも使用することができます。
 遊んでみるにはフリー版、流星のAVIを得たいのならシェア版を手持ち機材でテストし、本格運用はEX版になるでしょうか。

 ちなみにUFOCaptureとはいいましても、私は今のところUFOをキャプチャしたことはありません。


___   機器構成    ̄ ̄ ̄

 UFOCaptureで流星を捉えるには概ね以下の構成が必要です。

 設置状態と構成を写真で示すと次のようになります。
 
 25年以上前の一時引退していた三脚を一杯に伸ばして使用しています。
 電源はACアダプタまでキャプタイヤで引いてきています。
 とにかく高感度ですから様々な光を拾いやすく、フードは付けるべきです。
 ただし、広角ですからケラレに気をつけてください。
 手に入りやすいのは52mmのものですがCBC6mmのフィルター径は40.5mmです。
 マルミなどに40.5mm-52mmのステップアップリングがありますからこれを使うと52mm用の各種小物が使えるようになります。
 小物の代表がフィルターで光学的には嫌うべきなのでしょうが、CBC6mmはレンズ面からの雨に弱い構造なのでフィルタ一枚で安心感が増します。
 上の写真で使っているのはマルミのウォータープルーフの素通しのもので、コートが硬いので保護の意味もあります。

 PCとの接続は本来、BNCであるべきだとは思うのですがお手軽にAVケーブルで対応しています。
 屋根より上に観測ポールを伸ばせば観測方向に自由度が増すとともに虫などによるミスキャプチャも減少します。
 太陽の光がレンズに差し込むまでにシステムを取り込まねばならないというのは夏であればかなりのプレッシャーになると思われますから本格的な長期観測を計画されるときはご注意ください。
 北に向ければ昼でもレンズに太陽の光が入らずにすみますから天候さえ許せば出したままにもできます。
 CBC6mm自体は絞り全閉ができるのですが光学機器で直射日光を見るのはは気持ちがいいものではありません。

 「天候さえ許せば」というのは重要な要素で、カメラが雨に濡れるとトラブルの元です。
 特にCBCの6mmは防滴でもなんでもないので要注意です。

 一般には庇の下から観測し天頂を諦める構図にしますがhttp://www.spycameras.com/low_light.htmの屋外カメラや上の写真でフードとフィルタの間に挟むように防水ジャケットをかける方法も考えられます。
 防水ジャケットを大きくしすぎると風の影響が出やすいので気をつけてください。
 三脚ごと転倒する可能性もあります。
 防水ジャケットの作例はUFOCaptureのSonotaCoさんのページにもあります。


___   UFOCaptureの設定    ̄ ̄ ̄

 UFOCaptureのページとHELPに構成例が出ていますからこれを参考にすればOKだと思います。
 現在の私の設定は次の通りです。

WAT-100Nの設定

 ゲインは絞りたくはないのですが快晴になるとAGCが過激にゲインを上げることがあり700TVでは縦縞ノイズの原因になります。

UFOCaptureEXの設定

 これらの項目の説明と補足はUFOCaptureのご本家を参照してください。
 どの項をBMP記録するか、LOGをどう残すかの参照にもなります。
 裏技として
Auto Delete Long Clipを0secでONにするとAVIを残さずにBMPだけを記録することができますからHDDの容量や監視目的(人工衛星・飛行機記録)で便利に使えます。

 また、LevelのスーパーインポーズはONにしています。
 後で見返すときに何に反応したのか見極めるのに大変役に立ちます。
 (個別のAVIを確認するのにはWindows Media PlayerのVer.6がスライダと画の連動で便利です。)

 記録フォルダーの自動生成機能も付きましたから、たとえ数日留守にしてもデータが散らかることはありません。

ELSA 700TVの設定

 この項はRUNした後で選択キャプチャ機器横のSetボタンから入って設定します。
 WAT-100Nは白黒ですが700TVはRGBとして処理しようとしまいますから、偽色やノイズの原因となる色情報を絞るものです。

 細かなところまでは書きとめかねますが、概ね上のようになります。
 これらの設定はキャプチャ、カメラ、レンズ、透明度・光害が変わればコロコロ変わります。
 IOのGV-BCTV5/PCIを使うとWAT-100Nはフルゲインになりますし、TGv-Mを4フレームスタックで使うとNoise Trackingが使えずMinも0で運用することになります。


___   運用の実際    ̄ ̄ ̄

 UFOCaptureによる自動観測は実際のところどうでしょうか?
 正直なところ「驚くべき」という形容詞が似合います。
 EX版のBMP Cを見れば分かりやすいのですが、驚異的な感度で空中の微細な移動体を拾いまくります。
 このため、窓のそばなどにカメラを設置すると地上光がある限り虫の軌跡を撮りまくり、HDDの残容量に悲鳴を上げることになります。
 私の記録開始が概ね0:00からなのは家人が寝て明かりが消えた後でないと虫のキャプチャが減らないことが一因としてあります。
 虫が写らないくなると今度は雲の心配で、地上光を反射した雲が明滅しても反応しますし、雲から明るい星が出てきても反応することがあります。
 快晴になるとようやく本領発揮ですが、電源や機器内のスパイク状ノイズにも反応します。
 もっとも快晴ならキャプチャ比率は圧倒的に流星が多いはずで、機器の組合せや設定がうまくいくと0:00-6:00でも100個程の流星の記録が撮れることもあります。
 晴天時の流星キャプチャの成功比率は設定を詰めれば75%程度までは上げられると思われます。
 今のところキャプチャの最低光度は4等以下ですが、実視観測でも4等はかなり辛いので結果は上々でしょう。

 観測結果は整理すると後々まで使えるものになります。
 このために使うのがLogで、Excalででも開き、流星かそうでないか/光度/群判定/痕の有無/特徴などを記録すればと思います。
 私はこれがなかなかできません。
 ケチなのでともかくデータを取りたがり、データ整理の時間がなくなるからです。

 ここを見事にフォローしてくれるのがUFOCaptureシリーズのUFOAnalyzerです。
 このソフトは驚くべきことに流星と非流星の選別、群流星判定、光度推定、経路作画と観測流星の面倒な記録を処理してくれます。
 固定カメラならば最初に画角と星図のマッチングを地味にやっておけば100個ぐらいの流星の整理でも朝のラジオ体操をする間に終わってしまいます。


___   サンプル    ̄ ̄ ̄

 UFOCaptureのサンプルはSonotaCoさんのページに大量にあります。
 撮れるのは流星に限りませんからサンプルも多種あります。
 その中でもエポックメーキングなのは「スプライト」の撮影です。
 ぶっちゃけた話、雷の親分で雷雲のはるか上空での巨大放電現象です。
 「雷雲の上のものが写るんかい!」と突っ込むところですが、新潟の発生現象を関東で観測するほど巨大なのです。
 従来は特殊機器でしか観測しなかったのは、ミリセカンドクラスの現象なので、根気良く何時間分もの記録を1コマづつ調べるのが事実上無理だったからでしょう。
 UFOCaptureは「その瞬間」だけを記録できるのでアマチュアでも可能になったのです。

 UFOCaptureをセットしておけば夜の空で起こることをあなたでも簡単に記録できるようになります。
 「見てはいけないもの」が撮れる可能性もないわけではありません。(そんな設定にはしたくないし・・・。)


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