天文写真館
(2003/12/01〜2003/12/03)
___ バリアフリーか堕落か  ̄ ̄ ̄
先日マスターに星を見せたときにはPCで導入してDVカムで見てもらう手を使いました。
勘がいいマスターは「これって部屋の中から制御できるんじゃない?」と見抜きました。
やらないけど、できるのですよ。
簡単な概念図ですがTGv-Mからのコンポジット信号線とオートスターと信号を往復させるモジュラーケーブル(いわゆる電話線ではなくRJ12という受話器を繋ぐケーブル。RS232C側やオートスター側を延ばしてもOK)があればよいのです。
オートスターの延長ではなくステラナビゲータ(または望遠鏡を制御可能な星図ソフト)を使うのがミソで、ステラナビゲータならFL=660mm(35mm換算で3000mm)で刻々と位置を変える彗星の追尾も難なくこなす精度が得られ、TGv-Mからの画像とつき合わせて随時補正を行うことも楽です。
要領としては次の点が上げられます。
先日はノートPCにステラナビゲータを入れてUSB-シリアルアダプターを介して制御とフィードバックを行いました。
画像側はDVカムにつなぎ画像確認と画像記録を兼用させています。
鑑賞会ならTV直に繋いでよいでしょうし、記録重視ならTVキャプチャボードを介してPCに直接繋いだ方がよいでしょう。
出来合いの組合せだけですので誰でもできますし、汎用性も高いです。
一度セットすれば後はコタツ観測が容易にできますから、家族や仲間へのサービスにはうってつけで、明るい場所で雑誌などの資料を広げながら観測対象を選んでいくこともできます。
TV鑑賞と同じですから一度ピントを合わせれば爺婆にも楽しんでもらえます。
面倒な彗星の追跡もステラナビゲータならお手の物ですし、疑問天体が拾えればネットや紙の資料と楽に突合せができますし、検出の第一報も流しやすいです。
身障者にカスタマイズされたぱPCも見かけますので、セットと配線だけやってもらえば後は負担を極力かけずに数多くの天体を自分の意思で観測していくことも可能だと思います。
じゃ、そんな画期的なシステムをなぜ自宅でやらないかといえば、生の星々の輝きが捨てがたいこと、そのために毎度ジプシーしているのでメリットが少ないこと、自宅のベランダでは北極星が見えないこと、自宅の駐車場からでは30mもケーブルをひかねばならないことが上げられます。
畑に観測小屋を作れば極楽観測も実現できるのですが、小屋から機材を引っ張り出してジプシーに出かけるのも大変です。
いいところ厳冬期に車に退避したまま観測するパターンでしょう。
もちろん世間にはこの極楽観測を切望し、実現可能な人もいると思いますので家電品並みに直接TVに繋ぐことができるTGv-Mという超高感度カメラはは非常によいツールです。
このカメラを世に送り出したワテックと天文ガイドはエライ!
オートスターの弱点を補って余りあるステラナビゲータを生んだアストロアーツはエライ!
私ごときでこの程度のアイディアが出るのですから、本職が考えればどんどんアイディアが出そうです。
さし当たって内外を繋ぐこの二本の信号ケーブルを無線化してくれるツールが出れば私も自宅で親孝行も家族サービスもできるのですがどんなものでしょう?(コンポジット信号を無線で飛ばすとノイズだらけになりそうです。)
___ 極楽観測計画  ̄ ̄ ̄
上の図を睨めばジプシー観測でも楽ができそうなことには当然思い当たります。
LX90-20の制御とTGv-Mの表示を同じ画面に表示できたら便利かな、と考え上の画像部分はDVカムに接続し更にIEEE1394経由でノートに取り込みDaddyさんのLiveCapture2(通称LC2。12月現在β6。)で表示します。
Muse Ishikawa氏のListCamではなくLiveCapture2を使うのは主に三つ理由があります。
一つは、LC2が画槽表示をメインにしているのでスペースを取らずにすみますし、設定がすんでしまえば監視のスタート/ストップとスナップショット以外は事実上操作の必要がないので専用ソフトのようにマッチするのです。
そして、LC2はフリーソフトなのです。
最後に、どのドライバーが不調なのか分かりませんが360×240なんて変な静止画しか出力しないため対応できるのがLC2しかないのです(^o^;
表示だけならおなじみUFOCaptureでもできるのですが、今回の目的は「インターバルタイマー」です。
ノート上の配置を見れば意図するところがすぐわかるかと思います。
右にオートスターとシンクロさせたステラナビゲータ、左上にLC2、左下にノートパッドを配しています。
LC2は動体監視とインターバル監視のモードがあり、このときはTGv-Mインターバルの8.5秒に合わせて9秒インターバルでBMPを記録するようにしてあります。
操作はノート上から目標天体をクリックしGOTOします。
すると左上のLC2に256フレームスタックされた画像が表示されていますから目標天体が導入されればすぐわかります。
レイアウトをステラナビゲータの望遠鏡コントロールで微調整してLC2の記録ボタンを押すと9秒間隔で勝手に静止画が取り込まれていくのです。
後は適当に記録を停止してやればコンポジットのネタが階調的に有利なBMPで準備されている段取りです。
記録の待ち時間にメモを付けたり次の天体の検索を行うので無駄時間がなくなり大変忙しくなります。
事前に準備/セッティングを入念にしておけば16コマワンセット程度のお気軽撮影なら1時間に10〜12対象を撮影できそうです。
一晩完走すれば110対象程度は楽に越えるのですが・・・データを整理するのも自分ですので自縄自縛になります。
付記すればLC2にはWebカメラ機能がありますから「生メシエマラソン中継」もできないわけではありません。
この方法で気をつけるべき点はノートPCの電源確保でしょう。
私は一応予備バッテリーとACアダプタで武装していますが、RV-GEARのACから電源を取ると消耗が激しいので弱っています。
計算上はバッテリー1本で4時間、RV-GEAR併用で合計12時間は持たせたいところなのですが甘くはありません。
ゼロから構築すると大変なのですが、今回の鍵はソフトの組み合わせで既存製品を120%使いこなそうという意図なので違う機器構成でも応用は可能なはずです。
地味に観測してきた人はいつのまにか相当する環境が出来上がってるかもしれません。
___ ちょっと極楽  ̄ ̄ ̄
上のテストを自宅で行ったのは12月3日PMですから月齢10で決して恵まれた条件ではありません。
しかもQVGAの画像ですからアルバムに回せるものも限られます。
最もこのシステムでメリットが出るのは彗星や小惑星などでしょう。
2003/12/03 2002T7 LINEAR
20cmF10シュミット+x0.33RD
TGv-M直焦点
256フレーム
各12コンポジット
どないでっしゃろ?
オートスター単体では精度よくこの手の天体を対象導入するのはかなり難しいです。
惑星はToUCamに切り替えて撮影するのですが、これもステラナビゲータに制御させる方がはるかに導入精度が上がります。
03/12/03 20:00 土星
20cmF10シュミット
x3バロー直焦点
ToUCam
600コンポジット
03/12/03 土星
20cmF10シュミット
x3バロー直焦点
ToUCam
600コンポジット
シンチレーションに食われてあまりいい仕上がりではありません。
火星もだんだん小さくなって苦しいです。
系外銀河も同様で、ステラナビゲータであれば銀河の表示を光度と対象別で絞り込めますから空のコンディション次第で観測対象をその場で決めることができます。
メシエ天体クラスであれば楽勝なのでしょうが小銀河はステラナビゲータで狙い打つ方が楽で正確です。
3日のコンディションはM33で推し量れます。
2003/12/03 M33
20cmF10シュミット+x0.33RD
TGv-M直焦点
256フレーム
14コンポジット
周辺減光の嵐ですな。
背景が明るいのが主因です。
2003/12/03 NGC891
20cmF10シュミット+x0.33RD
TGv-M直焦点
256フレーム
16コンポジット
2003/12/03 NGC925
20cmF10シュミット+x0.33RD
TGv-M直焦点
256フレーム
16コンポジット
2003/12/03 M110
20cmF10シュミット+x0.33RD
TGv-M直焦点
256フレーム
16コンポジット
2003/12/03 NGC185
20cmF10シュミット+x0.33RD
TGv-M直焦点
256フレーム
16コンポジット
2003/12/03 NGC147
20cmF10シュミット+x0.33RD
TGv-M直焦点
256フレーム
16コンポジット
2003/12/03 IC342
20cmF10シュミット+x0.33RD
TGv-M直焦点
256フレーム
16コンポジット
9〜10等のマイナー銀河です。
M31やM33があるエリアなので他の銀河は分が悪いです。
ともあれこの日の撮影時間は21時から22時までのわずか1時間強です。
マイナー天体を拾い集めるのには最適なシステムではないでしょうか。