天文写真館
(2003/12/04〜2003/12/15)


___   留守でも流星ホイホイ    ̄ ̄ ̄

 先の日誌に11月の流星統計を掲げましたが実は11月27日AMも晴れの予報に応じてカメラをセットしています。
 データがないのは予報が外れて曇ったためで、更に憤慨すべきは雨まで降ったのです。
 フィルターのおかげで大事無かったのですが、今後のことも考えると気流が不安定な夜はカメラを軒下に入れざるを得ないようです。
 軒下にカメラを入れるということは天頂部分の観測ができないということでいささか不自由です。
 適当に真南に入れるとベテルギウスがフレームから出てしまい、オリオンの全景までは撮りたいと思っても、軒にかかって入りません。
 視野を下げると庭木が写り込み、光害の影響も出ます。
 妥協して真南は諦めたのですが、この余波は先の日誌の合成写真がきれいに繋がらないという結果を生みそうです。

 もうひとつ困るのはTGv-Mと違ってWAT-100Nは発熱が小さいのです。
 このため結露の心配が出るので軒下観測は合理的でもあります。
 それでも確実に快晴が見込めるときは天頂を狙いたいものです。
 対策は当然ヒーターですね。
 本当はベルト式のヒーターが欲しいところですが、望遠鏡と同じフィルムヒーターを準備するつもりです。
 設定もスパイクノイズなどの対策で調整中ですが、Min3設定で落ち着きそうです。
 つまり、3コマレベル検知されないとキャプチャのトリガーが働かないようにしたのです。
 雲や月光に反応しにくくするためにはDeltaを触りますがこれも3をチェック中です。
 反面、微光流星はロストすることになりますが、バランス的には誤キャプチャを減らすのが先でしょう。

 ふたご座のピークは14日PMから15日AMになります。
 幸い日曜日に夕からに当たりますからセットにも余裕が持てそうです。
 生観測だと「週末でなくて残念!」のパターンになるのですが自動観測ではそんな甘えを許しちゃくれません。

 晴れないと愚痴りながらも12月4日はどうにか晴れ、月に翻弄されながらも明け方を中心に70個キャプチャしました。

 設定変更で誤検出率7%と絶好調だったのは早めに灯りを消したことと寒くなって虫も減ったおかげもあります。

 ところが肝心の12月14日が近づくと天候は下りっぱなしで気まぐれな晴れ間しかありません。
 これでは危なっかしくてカメラも出せません。
 そもそも今年はペルセウス座流星群が月と曇りで駄目、ふたご座流星群が月で駄目で天気予報も怪しい、明けてしぶんぎ座流星群が四年に一度のハズレ年でしかも月がある始末と三大流星群が続けてお話になりません。
 オリオン座流星群が何とか極大で狙えたのが幸いなほどです。
 月に被ると流星は一段と減りますからふたごがもし晴れたら画角から月を外してやらねばなりません。
 しかし、月と輻射点は40度も離れていませんし、赤緯では16度のずれしかありません。
 輻射点を諦めれば南か北に大きく外せばいいのです。
 ふたごの後はささやかにこぐま座流星群がありますから北がいいでしょう。
 しかし、寝室にPCを持ち込むのもいやなので長いRCAケーブルを買いました。

 なんと30mあります。
 この際、画質は二の次・・・とは思ったのですが、念のためにその筋の店から買ったごっついケーブルです。
 本当はBNCにしたかったのですがBNC中継コネクタが手元にないので止めときました。(1個あったと思ったんですが・・・。)
 窓格子への固定は25年も前の自作フォルダーです。

 黒い部分は自由雲台なのですが赤い部分は釣り道具です。
 釣り船のふちに竿を止めるためのクランプ部分です。
 取り付けると下のような具合になります。

 準備が整えば後は寝て待つだけなのですが肝心の天気が駄目です。
 まあ、北の軒下なのでこのまま暫く放置してUFOCaptureの自動起動/停止に任せてみます。
 これで出張中も自動的に流星が撮れます。
 問題はその膨大なデータをいつ整理するかということで・・・。


___   VGA記録を目指す    ̄ ̄ ̄

 極楽観測もDVカム経由の場合はQVGAなので記録用には少々不満です。
 本気でやるときは遠征ですから厳冬時期にこそ極楽観測で車内に避寒したいものです。
 そうなるとIEEE1394カードではいけません。
 アナログキャプチャカードの旧来のものはQVGAがほとんどです。
 VGAのアナログキャプチャカードにはIMPREX社のVCE-Proがあり、日本ではデルフトハイテック株式会社が扱っています。
 このCard bus用のカードはVGAでアナログキャプチャできる希望の星といえます。
 動画はAVI、静止画はBMPとJPEGで記録できます。
 つまり、DVカムがなくても良いので構成がシンプルになります。
 お値段は$495.95でディスクトップ用のものが何枚も買えるほど高価です。
 他に選択肢はないかと見渡すとエスケイネットのMonsterVR Mobileというアナログキャプチャカードがあります。
 ハードウェアMPEGエンコーダなので画像の圧縮にはピッタリ・・・って、私はBMPをとりたいだけなんですけどね。
 720×480なんてキャプチャ寸法が少々気に入りませんが、18,000円ほどです。
 他にもカノープスがUSB2用のTVキャプチャUSTV-1が発売されました。
 意外に安くてネットでは15,000円ほどになるのではないでしょうか。
 ソフトウェアエンコードですからLiveCapture2との相性を期待して買っちゃいました。
 ご町内では17,000円ほどです。

 屋内試験では640×480のでちゃんと機能しました。
 TV機能はアンテナからでも少々厳しいですが、RCAからなら問題ないです。(カノープスはBNCが好きなようですけどね。)
 同じような機械はノバックからも発売されています。
 よく分からないのでブランドに頼ってしまいましたがどんなもんでしょう?

 ただし、USBなりの問題もあります。
 USBに直接挿すことはもちろんできるのですが、この図体ですから付近のポートが全滅になってしまいます。
 更に消費電力の問題も明白になっています。
 PCのバッテリ駆動時間が4時間から2時間になってしまいます。
 7.4Ahの予備バッテリーがあれば一晩持っていたのに、これでは夜半だけでガス欠になってしまいます。
 RV-GEARに依存すればよさそうなものですがこの外部電源も13Ahしかありません。
 冬至時期に丸一晩走らせると40〜50Ahも電気を食われそうですから次善の策を練っておく必要がありそうです。
 新しいものではラトックシステムに新発売のTVキャプチャカードがあります。
 REX-CB90TVというCardBus用のハードウェアMPEG2エンコーダTVキャプチャカードです。
 18,000円ほどです。
 BMPのキャプチャが目的なのであればハードウェアエンコーダというのが少々気になります。
 MPEG2を静止画にしてもたいした画像は期待できません。
 実際のところはどうだか分かりませんが、比較的消費電力が低いREX-CB90TVも検討する必要があります。
 いずれにしても実写での成績が重要で、恐れているのはTV向けのチューニングが強く夜空がノッペリと潰されることや逆にゲインを上げるとパターンノイズが顕著になる場合です。
 こればかりは人柱モードです。

 過去の例ではEX-VISION 700TVとGV-BCTV5/PCIは恒星のイメージが違います。
 これは主に輝星に対して見られるものですが、EX-VISION 700TVの輝星イメージは「∞」になります。
 一方のGV-BCTV5/PCIは「o○o」状になります。
 どっちもどっちですがTVキャプチャボードが変われば恒星イメージが変わるのいうのも変な話です。
 
これも人柱がないと分かりません。


___   戦え!UFOCapture    ̄ ̄ ̄

 うだうだしているうちにふたご座流星群です。
 12月13/14日の観測結果は下の様子です。

 いつもと様子が違うのはカメラを北天に振ったためですね。
 レイアウトは上が輻射点にしてありますから星が降るように見えます。
 いつもは流星がシンチレーションマスクの青なのですが、シンチレーションマスクでは雲が白く表示されます。
 この日は雲が多かったので下手に加算すると真っ白になるのでCbmpを加算しています。
 Cbmpは雲を(星雲も)キャンセルするのでこういうときには都合がよいです。

 13/14日はこんなものですんだのですが、14/15日は比較的雲が少なかったので大変です。
 174クリップのうち168クリップが流星という驚異的な結果です。
 一晩のクリップ数としては最多ですが、晴天に恵まれた地域では5割も多く撮れたようです。

 今回のシステムの問題点はケーブルの取り回しにあります。
 自動観測を行う条件としては黄道(太陽の通り道)が視野にあってはいけません。
 CBCの6mmF0.8は自動全閉まで絞れるようなのですが、レンズの胴を陽光が炙るのは気持ちがよくないです。
 この時期の太陽の南中高度は30°程しかありませんから天頂でも北天でもよいのですが、屋外カメラでもない限り雨は避けなければいけません。
 データの平準化を考えると月が通る白道も視野から外すべきでしょう。
 すると、北の軒下が適当な場所だと思われます。
 ここは寝室ですのでケーブルだけ窓から引き出したのですが・・・冬なのです。
 隙間風は想像以上に寒いです。
 どこの窓から引き出しても隙間風になるので「厳冬期は辛いので流星観測中止」なんて実視観測と同じ言い訳が出てきそうです。
 そこを我慢して12月14/15日の極大を合成すると下のようになりました。
 流石は三大流星群で、雲によるロスはあるものの一晩で楽に100個を越えて散在流星も含めれば170個ほどにもなります。
 大量に流れたようですが散在流星がおいしい時間帯が曇りだったのが残念です。

 0等レベルが抜けている感じがるのはUFOAnalyzerの特性か群流星の特性によるものか分かりません。


___   文化であり財産である星空    ̄ ̄ ̄

 飛び出しの出張でまた長野に出ましたが、今度は何も準備なしでした。
 おまけに昨夜は雪が降ったとかで下手に走り回ると事故りそうです。
 1000mほどの峠に行ってみたところ、南にオリオン座を眩しく感じました。
 以前に宮崎の三秀台に行ったときもオリオン座の眩さにしびれたものです。
 地元山口ではそれほどの星空に恵まれたことがありません。

 最近、東京天文台から環境省に光害防止の法制化の申し入れがあったそうです。
 天文に限らずエネルギー面でも大変なロスですし、交通事故を防ぐためには車両運行の専念を妨げる灯りは消すべきです。
 もっとも恐れるのは自然生態系への影響で、大概は問題が顕著化してから対策を取っても手遅れになると見ています。
 ニホンオオカミ、カワウソ、トキなどは対応が遅すぎた一例に過ぎないでしょう。
 また、日本文化から考えても天の川を見たこともないのに七夕祭りを楽しむなんてチャンチャラおかしいです。
 文化を醸し出すには百年の計が必要で、建設という名のハルマゲドンは一瞬です。
 教育面でも、もっともシンプルな夜の闇に対する恐れすら知らない子供が膨大な数に上っているのも変です。
 星空も子孫に残すべき環境財産のひとつだと思うのですがいかがなものでしょうか?


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