天文写真館
(2005/04/04〜2005/04/15)


___    ディープ・インパクト・ミッション    ̄ ̄ ̄

  2005/7/4 15:10にアメリカの独立記念日に合わせて人工的な天体ショーが予定されています。
 9P Tempel 周期彗星に秒速10.2kmで370kgの銅合金の弾をぶち込むのです。
 ディープ・インパクトといわれる派手な実験で彗星の正体を探るものです。
 この彗星がただの雪だるまなら地球から観察できるほどの氷の欠片を宇宙に散らすでしょう。
 もし小惑星に近いのなら穴が開いておしまいかもしれません。
 日本時間では昼間の出来事になりますが3日と4日の観測を比較すれば面白そうです。
 困ったことにこの時期は丁度梅雨で・・・。
 ま、さしあたりどんな彗星か撮ってみましょう。


05/04/04PM 9P/Tempel 1
20cmF10シュミット+x0.33RD
TGv-M
256フレーム
22コンポジット

05/04/09PM 9P/Tempel 1
20cmF10シュミット+x0.33RD
TGv-M
256フレーム
17コンポジット

 9日は花曇でした。
 かろうじて尾が見える程度ですがこれからが楽しみです。 


___    4月新月期    ̄ ̄ ̄

 うちのあたりは花見は寒いものと相場が決まっています。
 それというのも曇りがちの季節だからです。
 何とか晴れた4日は久々におおぐま座を狙います。


05/04/04PM M81
20cmF10シュミット
TGv-M
256フレーム
24コンポジット

05/03/04PM M82
20cmF10シュミット+x0.33RD
TGv-M
256フレーム
32コンポジット

 自宅じゃいささか明るいのですがそれにしてももう少ししっかり出したいものです。
 「M82を白黒で出すような素人が!」と言われそうですが架台と干渉するのでフィルターボックスが入らないのです。
 フォーク型はこれが辛いです。
 南天を狙うとフードと架台が干渉するのでオメガ星団より下が狙いのも歯がゆいです。
 もっともそこまで透明度が上がることは年に何度もありません。

 8日金曜夜は晴れの予報で土曜からは下り坂です。
 当然準備をしていたのですが空模様ときたら「超」春霞状態。
 気象衛星でチェックしても雲は見えません。
 水蒸気分布も不満はあるものの酷いものではありません。
 「はて?」と可視光を見ると・・・「うわあぁぁ、なんじゃこりゃ!」。
 中国地方から北九州にかけて白い雲(?)がどっかりと乗っているではないですか。
 しかもいつもの雲なら西から東に流れるのにこいつは東から西に低速で這っているのです。
 おそらくこれが春霞の正体です。
 こりゃどこに観測に行きゃいいんだか?
 じっくり見ると南東海岸線は良好で山岳部にぶつかると雲になるようです。
 この雲がなかなか消えないので山口県は晴れなのにすっきりしない状態になっているようです。
 端的にいえば「四国がなければ晴れ」なのですね。
 すると今日は土佐と日向以外は沈没状態でも不思議ではありません。
 そんな遠くに行っていたら夜が明けますから近場を仔細に見ると日照アメダスは柳井地方が晴天であることを指しています。
 やっぱ皇座山なんですか?
 ご無沙汰している白木山でもいいんですけど桜が咲いてますから駐車場は大変なことになるかもしれません。
 到着すると山頂は微妙に風が強いので中腹に移動します。
 ガスはあるものの一応晴れで自宅よりは良好です。
 セットアップして木星を撮ると後はあっさり曇天。
 セットアップが済むのを待っているようなタイミングが腹立たしいですね。
 一縷の望みを託して車内待機していたら朝になってしまいました。
 トホホではありますが木星だけは撮れたので坊主ではありません。

 続く9日は晴れていたので先の9Pを撮る前に土星を記録しておいたのですが、木星を始める前に急速に曇ってしまいました。
 ん〜、今月はろくに収穫がないまま新月期を終わることになりそうです。


05/04/04PM 土星
20cmF10シュミット
LV15mmリレーレンズ
ToUCam
600コンポジット

05/04/04PM 木星
20cmF10シュミット
LV15mmリレーレンズ
ToUCam
600コンポジット

05/04/09PM 土星
20cmF10シュミット
LV15mmリレーレンズ
ToUCam
600コンポジット

05/04/08PM 木星
20cmF10シュミット
LV15mmリレーレンズ
ToUCam
600コンポジット

 先月末にステライメージがバージョンアップしました。
 このたびはAVIが扱えるようになったので8日のイメージを再処理してみると下の様子。

 RegiStax3のウェーブレットよりかなりやわらかいです。
 そのRegiStax3での処理は下のとおり。

 これを色彩強調したのが先の8日PMの画像です。
 色再現はステラのほうがよさそうなのでRegiStax3を白黒処理してみます。

 これをL画像にしてステラのRGBを色情報にするとこうなりました。

 これ、結構いいかも。
 つーか、RegiStax3を使いこなしてないんですかね?


___    うあぁ!    ̄ ̄ ̄

 「TGv-M」で検索してうちのページがトップに来るねじれ現象は解消されたようです。
 で、原稿はどうなったかというと4月22日に『 天体ビデオ撮影マニュアル』の犯行事例として掲載されます。
 1,890円ですが皆さん購入の上、私のページを糊付けしてご利用ください。
 これだけで本のグレードがアップします。

 とはいえまだ現物を見ていないのですよ。
 背筋がむず痒いです。


___    クローズアップ    ̄ ̄ ̄

 月が邪魔になり始めました。
 こんな日はコンパクトで明るいものに限ります。
 まっ、惑星でしょう。


05/04/13PM 木星
20cmF10シュミット
LV15mmリレーレンズ
ToUCam
600コンポジット

05/04/13PM 土星
20cmF10シュミット
LV15mmリレーレンズ
ToUCam
600コンポジット

05/04/13PM 木星
20cmF10シュミット
LV15mmリレーレンズ
ToUCam
600コンポジット

05/04/13PM 木星
20cmF10シュミット
LV15mmリレーレンズ
ToUCam
600コンポジット

 一番下の木星は先の方法に倣ってResgistaxでL画像をRGBをステライメージの5で処理したものです。
 シーイングに自信があるときは今後はこの手を使ってみようかと思っています。

 さて、下のC2004Q2マックホルツ彗星とM64黒眼銀河の違いはなんでしょう?
 月光対策と極付近の対象への対策でレデューサを使わず直焦点です。


 いずれもTGv-Mの画像で左がガンマOFFで右がガンマLoのものです。
 背景が明るいときはガンマなんて役に立たないという証左です。
 これでも明るい対象なのでそんなに破綻してないほうです。
 わかりやすくM51子持ち銀河を写すと下の調子です。

 右下は熱かぶりです。
 縮小しているのでさまになりますが熱被りで破綻するほどトーンカーブで持ち上げないと駄目なのです。
 やはり、暗い空に明るい光学系で撮りたいものです。

 おまけは無理せずにレデューサをつけて撮ったテンペル第一周期彗星です。


05/04/13PM 9P/Tempel 1
20cmF10シュミット+x0.33RD
TGv-M
256フレーム
22コンポジット

 光学系の影が見苦しいです。
 7月4日に向けて時々監視しておきたいですね。


___    亡国の光害    ̄ ̄ ̄

 たまにはヘビーな光害論をめぐらせて見ましょう。

「最近の人は想像力が足りない」とメディアでよく言われています。
 この後に「教育が・・・」と続くのでしょうがこれはおそらくハズレです。
 思うにこれはもっと根が深く3歳までに勝負がついています。
 皆さんにお尋ねしますが寝室に明かりは灯っていますか?
 少なくとも半数の人はYESだと思います。
 今から半世紀前はほとんどの家でNOだったと思います。
 では小さい頃のことを思い出してください。
 夜トイレに行くのに親を起こしていませんでしたか?
 身に覚えがある人がいると思います。
 これは「怖い」からですね。
 なぜ怖いのでしょう?
 何を恐れているのでしょう?
 夜の闇の中に自分で恐れるべき対象を「想像」していたからです。
 明かりが灯っていればふんだんに情報が与えられ何も恐れるものがありません。
 これは想像せずに単に情報処理をしているだけだからです。
 闇の中で異音がすれば人は想像を働かせて音源を特定しようとします。
 明かりが灯っていれば食器が傾いた音だのネズミだのゴキブリだのと特定してしまいますが闇ではそれができません。
 大昔であれば起き出して囲炉裏の火を灯火に移し音がした辺りを探るのでしょうが悠長なことをしていればネズミがかじりかけた食器が転がっているだけになります。
 これが付物神、即ち妖怪の元になります。
 現在では妖怪が水木しげる氏の世界に限定されてしまったのは闇が失われたことが全てだと思います。
 即ち妖怪を生み出したような想像力もそがれてしまったのです。
 小さいときに想像力を働かせるトレーニングを積んでいないので長じても想像がうまく働かないのです。
 全て視覚情報として与えられてしまえばそれは精々「思考」する程度で足りてしまい、「想像」する必要はなくなります。
 寝室のみならず道路も街も灯りがあふれ視覚情報が満ちています。
 もはや妖怪なんて生まれません。
 闇に対比するからこそ星は輝けるのです。
 「星」が希望を意味したり、オーラを放つ人を意味する真意を皆が忘れようとしています。

 想像と創造が同じ音を持つのは根がひとつだからです。
 日本の繁栄はケータイがもたらすものでもコンビニがもたらすものでもありません。
 すべて製造業がもたらしているといって過言ではありません。
 世界の人にとって魅力的な製品を提供し得られた対価で日本の経済が成り立っているのです。
 ものつくりというのは創造する楽しみの極みなのですが職人が軽んじられサービス業が成長している現在はタコが自分の足を食っているのと同じことです。
 この結果、光害は単純な環境問題ではなく「想像力」を軸とする致命的な日本の問題にいたるかもしれないのです。


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