天文写真館
(2005/07/01〜2005/07/31)
___ 星見る人々 I  ̄ ̄ ̄
先の天ガとのやり取りですがもちろん架空・脚色されたものです。
このネット時代に勤め人同士が電話でやり取りするのはもはや非合理なのはお気づきの通りです。
ただネット上で情報を公開しているのも事実でときどき「うああ
ぁ!」というような人からメールが舞い込んだりします。
私もミーハーな人間ですがありがたいことに立派な方々や、とんでもない奴等と付き合いがあるので名刺や肩書きに惑わされずにすんでいます。
天体観測でも同じことがいえまして、闇の中では容貌や年齢に惑わされることも無いので生の人格で相手に接するほかありません。
後で肩書きを知っても観測現場での印象が優先されるのが常だと思います。
当然これはお互いが趣味の世界での利害関係が無いからです。
我を張ってもいい星空に恵まれるはずもなく、ご町内に同好の士がいるほど普及しているわけでもないので旅先で仲間に出会うとすぐ打ち解けてしまいます。
しかし所詮観測は場所が同じでも同床異夢なのです。
星祭はその点では目的が同じです。
イベントというのは大変な作業ですが、これを天文ボランティアとしてやりくりしているのが「菊川町星を観る会」です。
古い天文設備はあらかた光害に埋もれているのでそこでの「観望会」は年々不毛なものになってきています。
むしろ依頼があった地域周辺のほうが光害の影響が少ないことが多いので出前観望会が成立するのです。
秋吉台の定期観望会(次回2005年10月
8日)は「俺も行くからあんたらも来い」という観望会で40cmや30cm級の望遠鏡で星空を楽しんでいただく贅沢な行事です。
ヘルプ(というか同好の士)は山口県のあちこちや県外からも駆けつけてくださいますからありがたいです。
機材もドブ、双眼、シュミカセと様々ですから幅広く天体を見ていただけるのが特徴です。
実際にこの観望会に参加して望遠鏡を購入なさったご夫妻もいらっしゃいますから一味違った大人の楽しみの観望会といえそうです。
___ 梅雨明け  ̄ ̄ ̄
南九州の梅雨が明け、待ちかねた連休です。
残念ながら中国地方はまだ梅雨でご近所は雲が多くて観測になりません。
各天気予報を見てみると・・・久住かなぁ。
月齢が10なので明け方の観測がメインですから夕方からのんびり出かけます。
途中まで高速で残りを彦山、日田、小国と一般道を走るルートですが小石原の道の駅で通行止め!
このあたりは地理不案内なのでPC-GPSとゼンリンZでルートを検索し、国道500号で迂回することにしました。
山道ズリズリ走行は嫌いではないですがガスっぽいのがいやです。
ガスっぽいままヒゴタイ公園に上がると何とかガスの上ですが透明度はあまりよくないです。
月があるのでなおさらです。
今日は車が大量に止まっていますがいずれも箱バンやキャンピングカーの類で2グループ十数台もいます。
星屋はいませんから滑空場でしょうか?
あせらず設定を始めます。
地平線はお笑い状態ですが天頂はOKなので夏の大三角あたりの天体が対象です。
画角から考えればM27のリテークが妥当でしょう。
05/07/17AM M27
20cmF10シュミット+x0.33RD
TGv-M
256フレーム
LRGB120コンポジット
う、美しい。
どんな天体でも撮影は南中に限ります。
でも、普通にトーンカーブ+コントラスト処理ではこうなりません。

見てお分かりのようにLab処理で赤を強調しています。
しかも撮影は難航しました。
時々、追尾が停止するので流れてしまうのです。
どうも故障ですが「時々」というのが困ります。
これでは観測不能です。
そのタイミングでキャンパーから声をかけられたので急遽臨時観望会です。
故障さえしなければいて座の諸々や球状星団オンパレードもできたのでしょうがM27とM57だけで後はレーザー片手に天文講話です。
その結果一番ウケたのはグリーンレーザーでした。(チャン♪チャン♪)
明け方の火星が目当てですから皆さんが寝た後で原因の切り分けを続けたのですが結論が出ずしかも曇ってしまい泣く々々撤収します。
いつもならどこかで早朝の湯を借りて馬刺しとキムチを買って帰るのですがその元気もなく小石原を迂回して中津から帰ってしまいました。
LX90-20が本格的に故障だと私は手も足も出なくなるのです。
元気が出るはずもありません。次の晴れの日に再現性確認して対処を決めることになりそうです。
___ 困る・・・かも  ̄ ̄ ̄
天体写真は暗いところで撮ります。
でも機材を持ち込まないといけないので車でいける田舎道が前提になります。
そのため峠のレーサーが元気だった頃はいい迷惑でした。
彼らも今では「高齢化」で最近はほとんどトラブルも聞きません。
しかし、9月からしばらくは悪夢の再来があるかもしれません。
3000万部以上売り上げたあの「頭文字D」が実写映画になるのです。
日本映画であれば冗長な作品になったでしょうが香港作品を日本ロケしたのでかなりの仕上がりになったようです。
何しろ生のドリフトをダブルやトリプルで決めるのですからファンが見れば燃えるのは間違いありません。
中華圏ではすでに一億元以上の興行成績があったということで、香港の歴代興行収入1位も狙う勢いです。
もちろん中華圏の映画は癖がありますから吹き替えも含めて日本版に作り変えられるようです。
(一部のファンは楽曲まで入れ替えるのは行き過ぎと呆れていますが。)
大陸版では文太のおやっさんは臭豆腐と呼称され演者の黄秋生も文太という名前も忘れており大変お気の毒です。
中華圏のプロモーションには「藤原とうふ店(自家用)」のステッカーを貼った車両が大量に使われ日本人社会を混乱に陥れたとか。
セットや背景の類はべたべたの日本(ニポンではない)なのに飛び交うのは広東語という世界が素敵です。
中国でもとうふはポピュラーな素材なので「頭文字T」などというパロディーをすぐ作る学生がいたりします。
すでに中華圏興行は終了していますが日本人社会は「あのエンディングなら続きがあるぞ」とささやいています。
私、このイニシャルD好きなんですよ。
ですから予想のとおりにヒットしてくれればうれしいのですが、それに続く騒動は勘弁してほしいものです。
___ 困った  ̄ ̄ ̄
先日の久住で不調だったLX90-20を18日に再チェックしました。
月齢は12ですがその割りに透明度は良いです。
M27のときでも分かるのですが「南中は勝利」ですからM57でいいでしょう。
05/07/18PM M57
20cmF10シュミット
TGv-M
256フレーム
LRGB100コンポジット
背景が明るいので出来は今ひとつです。
肝心の追尾は前半は良かったのですが最後のBフィルターの頃はずれては止まり、止まってはずれる有様で座標がずれてしまうため肝心の自動導入も利かなくなり効率がた落ちです。
M57の後で月を入れてみたのですがもはやズリズリです。
座標をカーソルで戻してやると一瞬まともに追尾するのにすぐ流れ始めます。
こりゃ駄目です。
早速ミックインターナショナルに修理発送手順の問い合わせをメールしたのですが「修理は技術担当」とされるとこのメールは無視される?
業務中に技術担当に電話やファックスを入れるのはちょっと無理があるんですけど。
___ Idle Talk  ̄ ̄ ̄
ミックはあっさり連絡が付いて「現物見るから送って」とのことで里帰りしました。
後は見積もりと納期が気になるところです。
夏はデジタルイメージングデバイスがタコなのでバタついても仕方ないのですが少々事情がありましてタコでもイカでも早めの退院を祈らざるを得ません。
望遠鏡が不調になったら普通は一人ひざを抱えて泣いていればいいのかもしれませんが、星仲間との予定があるので影響は自分ひとりにとどまりません。
さしあたり菊川町星を観る会では夏休みの出前観望会のヘルプができなくなります。
私は望遠鏡がないとメシエ天体の位置も怪しいのです。(胸を張っていうことじゃないぞ。)
長崎のスターパーティーは8月13日なのですがこれも手ぶらで皆さんの機材で楽しむだけになります。
最大の影響は・・・。
天
「望遠鏡こけたんか。」 マブチモーターもCD、ビデオ、計器用等々の工業用も出しているので気の毒です。
症状からいえばコンデンサか接合部の剥がれだと思うのですが所詮素人判断です。
今時であれば基盤交換で即修理完了かもしれません。
最悪のケースでは国内対応不能になりアメリカでの修理が待っており、この場合は3ヶ月待ちを覚悟する羽目になります。
すると天文ガイドのスケジュール表に影響が・・・凄く不味いです。
結局焦っても何も始まらないので手持ち機材で面白そうなことを探すことになります。
いくつかアイディアはあります。
一つは星野写真のLRGBテストです。
サクラカラー400での感動の再現ができればと思っていますので星雲の赤の表現がどこまでできるかが肝です。
赤道儀同架ではないので手早くやらないと流れてしまうのですが赤を強調しようとすればNBN-PVでも撮っておきたいです。
使えるレンズが1/3型CCD用のレンズですがF1.4と明るいのでガンマはOFFでゲインも絞り気味で使うことになりそうです。
もう一つは星空コマ落し撮影です。
単純に一晩インターバル撮影すればOKです。
ただし、手持ちのバッテリーは6時間しか持たないですね。
いずれも透明度がよくないとできない芸当なので西日本の透明度の悪さがネックです。
___ 夏だ、ノイズだ  ̄ ̄ ̄
夏にデジタルイメージングデバイスがタコになるのはノイズの増加によるためです。
ノイズには2種類あり明瞭なヒートピクセルは目立ちはしますが処置はできないわけではありません。
むしろこいつはマイナス10度の極低温でも発生することがあるので処置法を知らないとお手上げになります。
もうひとつが厄介な斑状ノイズです。
これは明瞭ではないのでリダクションも利きにくいです。
コンポジ枚数を増やせばよさそうなものですが、ノイズが埋め尽くすことになるので背景が明るくなることを意味します。
この状態はカラー諧調にはどうも面白くないようなのです。
コンパクトデジカメのノイズリダクションでは結構これで泣かされました。
TGv-Mはどうかというと気温が20℃をこえると原寸ではこんな調子です。

コントラストを上げるとこんなになっちゃいます。

ただし、ヒートスポットがメインなのでノイズリダクションを地味にかけるとかなり消えます。
その代償は画像が穴だらけになってしまうことです。
すると柔らかな原画でも硬く見えてしまいますがコンポジ枚数でかなり緩和されますからL画像だけでも32枚程度撮ったほうがよさそうです。
実際はそれでも背景のノイズが出るのでコントラストを上げて淡いイメージをあぶりだすのには向いていません。
UFOCaptureもビデオ入力です。
WAT-100Nにも夏はノイズが乗っているのでしょうがこちらはあまり気になりません。
キャプチャーボードが変わると性格が大きく変わるので小さなことは言いっこなしです。
ELSAのEX-VISION 700TVでは縦縞が出てフルゲインは使えません。
IO
DATAのGV-BCTV5/PCIはフルゲインが使えます。
シンチレーションマスクで見るとUFOCapture側の設定が同じでも全く性格の違いに驚きます。
___ 2005年7月流星統計  ̄ ̄ ̄
6月の流星統計は惨憺たるもので月間で148個しか飛びませんでしたが今月は236個飛びました。
しかし昨年は676個飛んだのです。
機材がへたったのか透明度異常かはわかりません。


7月終わりあたりの流星は下の調子です。

中央より左上はペルセで下の収束はみずがめ座流星群です。
右下にやぎ座流星群も見えています。
とはいえこの状態で8月ですか?
ちょっと辛そうです。