※ これは日本市場のみの考察です ※
※ 海外市場でのシェアが日本市場に劇的な影響を及ぼした事がないため、ここでは無視します ※
ロンチとハードの勝敗の関連性
xbox360の発売日、ロンチソフトが決まり、4度目の次世代ゲーム機戦争の幕があけた。
先陣を切るxbox360は、ロンチとしては過去のあらゆるハードの中で1,2を争うほどに豪華なソフトラインナップだが、果たしてロンチのソフトというのはハードの帰趨にどれだけ影響を与えているのか? これまでに勝ったハード、負けたハードの状況から考察します。
§1 ロンチデータ集
※ ロンチとは元来本体と同時発売、ないしは発売週を差すが、影響力という面からここでは発売日から一ヶ月とします ※[ 第1次次世代ゲーム機大戦 ]
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後出しのスーパーファミコンがファミコンからタスキを受ける。しかし、間にディスクシステムがあり、発売時期に3年のずれがあったりと同じ時代での競争という感は薄い。もちろん、ロンチが勝敗に影響を与えたとは言えない。
また、メガドライブは358万台、PCエンジンはCD-ROM2を除いて392万台の出荷を記録している。
[ 第2次次世代ゲーム機大戦(主要3機種以外省略) ]
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PS,SSの初回出荷台数は各10万台。新規参入のPSが3DO等の他機種を振り切り、メガドライブという前世代機の信用があったSSと互角のつばぜり合いを繰り広げられたのは、この圧倒的なロンチの物量で将来性を証明したからであろう。横一線からのスタートであればロンチのタイトルが大きな効果を持つことを示す事例である。
そして両ハードが互角の攻防を続ける中、水面下で任天堂とスクウェアが破局。即座に誘致獲得合戦が起勃発し、96年1月により有利な条件を示したとされるPS版FF7の製作発表があり、サードパーティーも雪崩を打ってPS参入。Nintendo64発売前に勝負が決まった。
SSの出荷台数は560万台、N64は554万台と2位対決は互角なれど、N64が出荷台数を稼いだ時期はむしろSS後継機のDC発売後である。この500万台というのが2位ハードの限界点と言えるかもしれない。
[ 第3次次世代ゲーム機大戦(一月はソフトの発売からではなく、ハードの発売から) ]
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前世代のトップハードとの互換性、そして当時まだ高価であったDVD再生という付加価値を持ったPS2が初動60万を越える史上最速のロケットスタート。圧倒的な数のロンチタイトルを揃え、出た瞬間に勝負有り。付加価値というものの効果が実証された例。
xboxは質、量共にPS2に匹敵するロンチタイトルを揃えたが、ロンチがたった3本のGC以下の出足。傷問題が発覚したのはその後なため、ロンチの数字には影響なし。この結果から、ハードというのはロンチのタイトル数や性能よりも将来性で買われるものであることがわかる。
[ 第1次携帯ゲーム機大戦 ]
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ロンチではないが、ゲームボーイの普及を決定づけたのは、テトリス。ゲームギアの出荷台数は178万台と勝負になってないが、先に出ていたらどうだっただろうか。
[ 第2次次世代携帯ゲーム機大戦 ]
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スワンが戦ったのは正しくはゲームボーイカラーであり、GBA発売前にはほとんど死にかけていた。戦う敵がおらず、初代GBとの互換性を持ったGBAはPS2同様初動で60万台を越えるロケットスタートし、圧勝。互換性の効果をまざまざと見せつけた。
しかし、スワンは価格の安さも手伝って300万台出荷と健闘。
[ 第3次次世代携帯ゲーム機大戦 ]
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携帯ゲーム機で初めて大戦と呼ぶに相応しい戦いになったが、PSPが数を揃えられない内にDSが一気に普及してしまい、供給が追いついた時にはもう届かない位置に逃げ切られてしまった。PSPの失策とも言えるが、GBAとの互換を持ち、初動40万台を越えGBA並のハイペースで売れたDSが圧倒的に強く、例えPSPの数が揃っていても結果は同じだったかもしれない。
ロンチのソフトとしての力量はPSPの圧勝であり、PSの勝利者イメージを持って将来性をアピールしたものの、GBAとの互換性と後に控えるポケモンという絶対的な安定感の前に敗れ去った。
[ 各ハードの発売一ヶ月販売台数グラフ ]
※ Dreamcastの5週目は2週合算の数字から1/2の数値を使用しています。
§2 考察
[ 大前提〜コンシューマーゲーム市場の構造〜
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[ ロンチソフトの効果 ]
大前提としてコンシューマー市場には、
・勝ちハードは据置、携帯共に常に1つずつである。
また、例えぎりぎりの勝負をしていたとしても
・一度勝ちハードが確定すると逆転は不可能となり、最終的には圧倒的な大差が付く
という市場の法則がある。
過去にロンチがハード戦争の勝敗に影響したのはPSのみである。この場合は、次世代の覇者が決まっておらず、3DO等との競争に勝ちSSへの挑戦権を得た形となった。そして、xboxに見られるように勝負が決した後に出たハードは、ロンチソフトがいかに多く、強かろうともあまり効果がないことがわかる。ユーザーは目の前に見えるソフトよりも、ハードの将来性をハードの購入動機にしていると言えよう。どんなハードでも、ある程度ソフトがあれば10万台は売れるという過去の実績があるが、これは将来性に無関係なゲーマー層によるものだと推測される。将来性で動いた層の動向は2週目以降に如実に表れる。
また、ハードの勝敗に関係ないが、ロンチソフトの販売実績は将来性で生まれた需要をソフトの持つ力量順に分け合う+上記ゲーマー層の動向で決まるものだと推測される。それでは、ハードの勝敗をわける将来性とは何なのか?
これまでのハード戦争の結果から、以下の法則を提唱する。
[ 勝ちハードの法則 ]
法則1. 前世代の勝ちハードとの互換性、正統な後継機としてのポジションPS2、GBA、DSと前世代の勝ちハードと互換性のあるハードは全勝している。しかも、初動が50万前後と爆発的であり、早期に勝負を決める大きな要因となっている。
法則2. ファイナルファンタジー、ポケットモンスターの本編新作
一番有名な法則。PSに勝利をもたらしたのがファイナルファンタジー7であることは今更言うまでもない。本来ドラゴンクエストも入ると思うが、過去には勝敗が決まってから投入された例しかないため、ここでは省略する。
法則3. 週間40万という壁97年からのデータによればソフト、ハード共に週間40万以上という数字をはじき出したのは勝ちハードだけである。データはないが、過去に遡ればSSのVF2が唯一の例外だったかもしれない。
つまり、法則1を満たせば発売週に法則3を満たし、結果として法則2も満たすという循環になる。
ロンチソフトが豪華であるというのは、あくまで互角の勝負をしている場合に効果があるだけで、勝ちハードの法則にはなんら関係がない。
次に、負けハードに至る法則。
[ 負けハードの法則 ]
法則1. 発売前に既に勝ちハードが確定している常に勝者は一人という原則からすれば必然。勝負が決まってから出すハードは生まれた時から負けハードの宿命を負うことになる。
法則2. 同世代の他ハードに先に勝ちの法則を満たされてしまう
SSやPSPが該当。強いタイトルを発売しても、思いの外売れないという事を繰り返し、ライバルハードにどんどん差をつけられていく。
[ DS VS PSP に見る法則 ]
・ DSは、発売前からGBA互換(勝法則1)、ポケモン(勝法則2)が確定していたが、GBAとは路線の違う異色のハードだったためにGBA2の影は消えず、正統後継機と言い切れなかった。この時点では勝ちハードの法則を完全には満たしていなかったと思われた。
・ 05年12月2日。DSが発売される。そして、発売初動44万台を記録。この時点で法則の勝法則3を満たし、数字からしてユーザーがGBAの後継ハードと認識(勝法則1)していることがほぼ確実となったため、PSPには発売直前にして負法則1.2.が適応され、勝負が決した。考えてみれば、一般ユーザーはGBA2の存在を知るよしもなかった。結果論から言えば、発売前に勝負が決まっており、その当たり前の結果がDSの初動44万台という数字に表れたということになる。
[次世代据え置き機に見る法則 ]
・ PS3はPS2の正統後継機であり、互換性を確保している(勝法則1)
この時点で勝負有り。勝法則2及び3は結果としてついてくると思われる。
他ハードにチャンスがあるとすれば勝法則2を満たした時だけ。過去に負けハードの法則を見たしたハードにファイナルファンタジーの新作ナンバーが投入された例はない(もちろんxbox360版11は非新作扱い)。矛盾の故事ではないが、法則同士がぶつかりあったらどうなるのかは興味深いが、おそらく勝ちハードに移植されるとユーザーが判断し、買い控えられるのではないかと思われる。
[ 法則の限界 ]
これまでの考察によれば、PS3、DSの後継機が互換性を確保し続ける限り、永続的に勝ち法則1を満たし続け、勝ち続けるという結論になる。しかし、あくまでこの法則は今のコンシューマーゲーム市場の枠組み、市場規模を維持し続けるという前提に立った法則であり、以下のようなケースであれば法則ではカバーしきれない。
ケース1. 据置機が小型化し、携帯機になる
ケース2. コンシューマーゲームという概念の枠が広がる蛇足となるが、レヴォリューションはまさにこのケース2狙いであろう。
§3 結論
・ 次世代の勝者はPS3で間違いない。他の追随を許さない圧倒的なロケットスタートを切ると思われる。ただし、市場縮小のためにPS2には及ばないかもしれない。
・ 次世代機の先頭を切ってこの12月に発売されるxbox360は、xbox同様壊滅的な敗北必至。北米市場で有望なために将来性がないわけではないのだが、日本の一般ユーザーがそんなことを知るよしもなく、将来性無しと判断されるであろう。
・ レヴォリューションについても、市場縮小の苦しい状況下では新規市場を開拓できなければGC以上の大敗が待っている。
戦うから勝負が決まるのは、競争による切磋琢磨の余地もなく残念なことであるが、勝ちハードは一つという市場特性からすればこの流れは必然といえよう。