てんかん

てんかんの定義と分類

てんかんとは慢性の脳の病気で、大脳の神経細胞由来の発作や脳波異常を特徴とします。原因は様々で頭のケガや、腫瘍、脳卒中など脳の傷が原因のものもありますし、体質が大きく関与しているものもあります。前者を症候性てんかん、後者を特発性てんかんと呼んでいます。またてんかん発作を脳の中で起きる火事に例えた場合、脳のある部分から火が出るタイプを部分てんかんと呼び、左右の大脳半球から同時に火が出るものを全般てんかんと呼びます。現在この2つの分類の組み合わせから、特発性部分てんかん、特発性全般てんかん、症候性部分てんかん、症候性全般てんかんの4つのグループに分類されています。

WHOの定義
てんかんとは、種々の病因によってもたらされる慢性の脳疾患であって、大脳ニューロンの過剰な放電から由来する反復性の発作(てんかん発作)を主徴とし、それに変化に富んだ臨床ならびに検査所見の表出が伴う(和田豊治訳)。


てんかんの分類には症状の分類であるてんかん発作の分類(ILAE1981)と病名の分類であるてんかんおよび関連発作性疾患の分類(ILAE1989)が用いられている。

てんかんの診断

てんかんの診断には詳細な病歴、症状の聴取に加えて、種々の検査が行われます。中でも脳波検査は最も重要で、脳波所見と発作症状の相関がみられます。

また、てんかんの原因となる脳病変の検出のため頭部CTMRIなどの画像診断が行われます。最近ではてんかんの発作の焦点(火事に例えた場合の火元)を確認するためにPETSPECTなどの機能画像が撮影されることも多くなっています。

てんかんの治療

火事に例えられるてんかん発作を鎮火するために、抗てんかん薬が用いられます。前に述べた分類ごとに効果的な薬物が異なるため、正確な診断が必要です。また抗てんかん薬は発作を抑制する効果が発現する量と中毒症状(薬に酔っぱらったような状態)が出現する量とが接近しており、安全かつ効果的な治療を行うためには血中濃度の測定が必須です。薬剤には相互作用が存在し、他の薬剤の服用により血中濃度が大きく変動することがあり注意を要します。詳しくは十分な経験と知識を有する専門医にご相談下さい。

てんかんと運転免許

旧道路交通法ではてんかんは運転免許取得の絶対欠格事由でした。平成146月施行の改正では発作の抑制状況や発作の種類により運転免許の交付が制限される相対的欠格事由に変わりました。実際の判定については、各都道府県の公安委員会が行っており、また個々のケースにより状況が異なるため、専門医に相談してください。

てんかんと妊娠

てんかん患者さんの妊娠で問題になるのは抗てんかん薬の催奇形性と、発作の母体や胎児に与える影響です。このテーマについては弘前大学の兼子先生らが精力的に取り組まれており、兼子先生のガイドラインに沿って計画出産が行われることが多いようです。詳しくは専門医に相談してください。

てんかんに関わる福祉制度

てんかんの患者さんが外来において医療を受けるにあたり、通院医療費公費負担制度(障害者自立支援法)を利用することが出来ます。また一定の用件を満たしているものでは障害年金の受給を受けることが出来ます。その他身体障害者手帳、療育手帳、精神保健福祉手帳などの手帳に関する制度もあります。詳しくは市区町村の年金課や障害福祉担当課(市区町村により担当課名は違う)、掛かり付けの医療機関にお問い合せ下さい。

てんかんに関わる学会、協会

てんかんという病気を専門に研究したり、治療や医療・社会環境を向上させるための組織として日本てんかん学会、日本てんかん協会があります。また、静岡のてんかんセンター(現神経医療センター)をはじめ京都、新潟など各地にてんかんセンターが出来、てんかんの医療の中心となっています。

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