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1997年 5月号
あ、あ、頭が痛い!!一口に頭痛と言っても痛み方や原因は様々で、一説によると150以上もあるといわれています。
最も一般的なものは、かぜなどの発熱に伴って起こる頭痛です。これは熱が下がれば自然におさまります。このほか、過度の飲酒、喫煙、睡眠不足、天候不順、炎天下に長時間いることなどでも起こります。
頭痛の原因の80%は、これらは日常的に起こることなので、さほど心配はいりません。ただし、突然激しい痛みが現れる頭痛は、くも膜下出血や、脳出血、急性髄膜炎などの前兆になる場合もあります。このときの症状はいずれも激しい痛み、吐き気などを伴うのが特徴です。このような場合には、早急に脳神経外科へ行って適切な治療を受けましょう。
・頭痛の四大症状
頭痛を症状別にみると次の四つに大別されます。
1.血管性の頭痛
これは高血圧症や自律神経失調症などが原因となっています。この場合は、後頭部や頭の片側がズキズキと割れるように痛み、嘔吐、吐き気を伴うのが特徴です。
2.かぜや扁桃炎、中耳炎などが原因となっておこる頭痛
これは、原因になっている病気がおさまれば頭痛も治ります。
3.心因性の頭痛
不安や悩み、心身の疲労やストレスが引き金になって、筋肉内の血液が圧迫され、頭痛という形で現れます。症状は、締め付けられるような圧迫感や、どんよりとした頭重感があります。
4.その他の頭痛
むち打ちや打撲、損傷による頭痛のほか、更年期障害や月経痛によるものもあります。
東洋医学教室
みなさんに東洋医学を少しずつでも知っていただくために、今月より当院鍼灸マッサージ師の加藤且実がお話ししましょう。vol.1 東洋医学での頭痛とは・・・
頭痛は臨床上よくみられる自覚症状で、多くの急性・慢性疾患に現れます。この疾患は中国の医学古典の中でもいろいろな名称ででてきています。例えば2000年以上前に書かれたとされている「黄帝内経素問」(こうていだいけいそもん)の風論篇には「脳風」「首風」という名称があり、これは外界からの風や寒さによって頭や脳が侵襲されて頭痛がおこることをさしています。また、「丹渓心法(たんけいしんぽう)・頭痛」では、体の中をめぐっている”気”がスムーズに流れなくなるためであったり、体内の水分が上手に代謝できず”痰”という形になって影響したり、血行が悪いためであったり、気も血も充分に体に備わっていない(虚している(充実 していない)状態)などの理由によっておこる、としています。原因による分類ももちろんですが、中医学では、痛みのある部位によっても分類していきます。例えば前頭部の痛み、側頭部の痛み、後頭部の痛み、頭頂部の痛みはそれぞれ原因を追求する上でも、治療法を考える上でも重要なポイントになってきます。
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前頭部・・陽明経=胃、大腸と関係あり |
(消化器系) |
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側頭部・・少陽経=胆と関係あり |
(消化器系) |
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後頭部・・太陽経=小腸、膀胱と関係あり |
(泌尿器系) |
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頭頂部・・厥陰経=肝、心と関係あり |
(循環器系) |
頭の全体が痛い、とか、はちまきをしたように痛いとか、ぎゅーっと痛い、拍動と同じようにドキンドキン痛い、などといろいろありますが、痛い場所によって自分で刺激するならここがいいという経穴(ツボ)をそれぞれいくつか紹介しましょう。基本的にどこの場所が痛くても大体有効なのが”風池”と”太陽”です。”風池”は一般的に「盆のくぼ」とよばれる首筋の両脇のくぼみです。”太陽”はこめかみの上で目尻から少し耳よりのところのくぼみです。この二つは風をうけたあとに出る頭痛や、寒くて風邪をひいたときの頭痛には特に有効です。
前述したように、痛みの部位によって内臓との関わりも考えられますし、経絡との関連もあります。それぞれの痛みの部位別に指圧するなら、という経穴(ツボ)をご紹介しましょう。
- 前頭部の痛み=合谷、足三里
- 側頭部の痛み=外関、陽陵泉
- 後頭部の痛み=天柱、陽谷
- 頭頂部の痛み=内関 、大敦
ほかに拍動と同じ様にドキンドキンと痛い時は風池や太陽のような「痛いから手がいく」というところを押すのではなくちょっと離れた場所のあごにある”頬車”を押すのがよくききます。
しかし、人によって「どうしてそのように痛いのか」がちがうので、これらの経穴(ツボ)が絶対にきく、とはいえませんが、有効だと思います。ただ、興味がある方は鍼灸・マッサージ担当の加藤まで、お気軽に質問してください。
治療時間 ; 月〜金曜日 午前9:00〜12:30、午後2:00〜5:00
頭痛の話あれこれ
その1:「借金で頚が回らな〜い。頭が痛い!!」そのわけは?
たとえばよく、「借金で頭が痛いよ」などといいます。借金などは、大変なストレスとなります。ストレスは頭や頚の筋肉(頭頚部筋)の緊張を起こします。頭頚部筋の過度な緊張は「凝り」を起こします。この「凝り」が頭痛となるのです。日本人の感覚では「頭重」として訴えられます。「借金で頚が回らな〜い」とは肩こりならぬ「頭凝り」の状態です。このような頭痛は、医学的には、緊張型頭痛といいます。
その2:不二家のペコちゃんは頭痛もち?
ペコちゃんは街角の愛嬌者ですね。しかし頭痛博士がみたところ、ペコちゃんは意外と頭痛持ちかもしれません。なぜなら頭が「超でかい」ので、頚筋にかかる負担が大きく、緊張型頭痛になりやすいのです。頭痛もちなのに笑顔でがんばっているペコちゃんの頭を叩いたりしないでくださいね。うつむき姿勢をとったり、鶴首や頚椎がZライトのような人も頭痛が起こりやすいのです。
その3:音楽家の頭痛
メンデルスゾーンは21歳から激しい頭痛発作に悩まされ、37歳で悲鳴をあげて意識を失い死亡しました。モーツアルトは、依頼主の名を知らされないまま、「レクイエム」の注文を受けました。頭痛・嘔吐に悩まされながらも、レクイエムを書きかけて、12月5日35歳で亡くなりました。ライバルのサリエリが毒をもったというのは嘘で、実は慢性硬膜下血腫が死因だったという説があります。
その4:悪魔のプレゼント=麦からとれた頭痛の特効薬
ライ麦に蹴爪のような黒っぽい角(ergotといいます)が生えることがあります。(麦角病菌の感染による)。これをうっかり食べると妊婦は流産、手足はえそする、幻覚が生ずる、そこで悪魔の蹴爪と恐れられました。麦角には、いろいろな活性物質が含まれます。そのひとつがエルゴタミンは片頭痛の原因となる血管を収縮させて、頭痛をおさめます。そこで片頭痛の特効薬となりました。しかし連用すると反動的に血管が拡張して頭痛がとれなくなります。エルゴタミンは悪魔からのプレゼントですが、うまく使えば悪魔を出し抜くことができますよ。
その5:サルにも頭痛がある?
頭痛は人間さまの専売特許といわれています。サルは眩しさを避けるようにして頭をかかえて食物を吐くことがあります。ちょうど人の片頭痛とそっくりです。「うちの犬は頭痛もち」という愛犬家もおります。
その6:南太平洋の楽園に頭痛はあるの?
南太平洋の島々の楽園には、ストレスがなく、頭痛と無縁・・・・誰でもそう思いますね。昭和大学の松本教授らはパラオ、トラック、サイパン等で頭痛の調査を行いました。そうしたところこれらの島々でもなんと70〜80%の住民に頭痛が認められ、頭痛で寝込む人も少なくなかったということです。頭痛の性質は島々で若干異なります。たとえばトラック島では片頭痛が多いということでした。松本教授は「日差しと頭痛が関係あるかもしれない」と推定しておられます。どこへいっても頭痛とは縁が切れそうにもありませんよ。
食べて頭痛を治そう!!
片頭痛に効く
だいこんおろし
だいこんには体を冷やす作用があるので、頭痛のときには外用薬として手軽に利用できます。とくに片頭痛にはすぐれた効果を発揮します。ガーゼにだいこんおろしをひたして、直接頭を冷やしたり、大根をしぼった汁を数滴鼻孔から注ぐのもよいでしょう。左右どちらかの頭が痛む場合には、痛む方の鼻孔に注ぐとより効果的です。外用以外でも、だいこんおろしにハチミツや水飴をたらしたものを飲むと、頭痛をはじめ、ぜんそく、せきを伴うかぜにも有効です。
発熱を伴う頭痛には
ハッカ湯が一番
陰干しにしたハッカの葉をこまかく刻んで、茶さじ山盛り2〜3杯を茶こしに入れます。これに熱湯を注ぎます。ハッカ湯はのどごしもさわやかで熱いうちに飲むと汗がでて熱が下がり、かぜやそれに伴う頭痛を治します。
のぼせや高血圧の
頭痛をとる菊花茶
菊は頭痛、めまい、耳鳴りなどといった、おもに頭部におこる不快な症状に有効です。血行をよくし、視力を回復させる漢方薬としても知られています。頭痛には、菊の花びらで作った菊花茶が有効です。また慢性の頭痛には、生の菊なら20g、乾燥させた菊なら6gとくこの実をまぜ、300mlの紹興酒の中にいれて20分ほど蒸したものを飲むと、とても効果的です。
冷えからくる頭痛には
しょうがスープ
しょうがを乾燥させたものは漢方では乾姜(かんきょう)とよばれ、体を暖めて発汗させ、解熱作用にすぐれています。体の冷えからくる頭痛や下痢、下半身の痛み、また、かぜのひきはじめの悪寒、頭痛、くしゃみなどにもってこいです。特に冷えからくる頭痛には、しょうがのスープがおすすめです。かつお節やこんぶでだしをとるとさらにおいしくなります。子どもにはハチミツをたらしてあげると飲みやすくなります。このスープは葛根湯などのかぜ薬を服用したあとに飲むと、より一層効果が得られます。●しょうがスープ
なべにしょうが3かけ、しその葉3枚、ねぎ5cm,水600mlをいれて、しばらく煮る
かぜの頭痛には
ねぎとにんにくのスープ
ねぎの白い部分は、漢方では葱白(そうはく)とよばれ、かぜのひきはじめや、それに伴う頭痛によく効きます。ねぎの白い部分20gとにんにく10gを細かくきざんで、600mlの水で半量になるまで煎じます。この煎じ汁を飲むと、かぜの頭痛にとても効果的です。ねぎの発汗作用でどんどん汗がでますから、そのたびにタオルで体をよくふき、下着を取り替えるとよいでしょう。
今月の食べ物
キャベツ
栄養・効用
キャベツはあくがなく、生でも加熱しても持ち味が生かせる応用範囲の広い野菜です。緑の濃い外側の葉にはビタミンA、芯に近い白い葉にはビタミンCがたっぷりと含まれています。また、血液の凝固作用があるビタミンUをはじめ、カルシウムなどのミネラル、食物繊維も豊富です。
キャベツの成分に含まれているビタミンUやビタミンKは、胃潰瘍や十二指腸潰瘍の予防や治療、また痛風発作の予防によいとされています。また、ビタミンKは、赤ちゃんの脳内出血を防ぐ働きがあるため、妊婦や授乳期の母親に十分とってほしい栄養素です。このほか、ビタミCはかぜの予防や疲労回復に役立ち、食物繊維やカルシウムは便秘や整腸、神経のイライラを防止します。さらにキャベツの葉には鎮静効果があり、やけどの場合は、葉を手でもんで患部にはると効果的です。
選び方・保存
外側の葉が緑色で、芯の切り口がみずみずしく、葉脈の細いもの、そして玉がしまっていて重量感のあるものを選びます。外皮が白いものは古くなった皮をはいである場合が多いので、避けたほうがよいでしょう。ラップに包んで冷蔵庫に保存します。ビタミンB1・Cは毎日どんどん損なわれていくので、なるべくみずみずしいうちに使いきることをおすすめします。
調理法
栄養的には生が一番です。一枚一枚はがすのではなく、縦割りにしてきざめばビタミンAとCをあわせてとることができます。ただし生ではそれほど量が食べられません。さっとゆがくか、炒めればかさが減り、かなりの量が食べられます。加熱するときには、ビタミンCの損失をおさえるためにも手早く調理しましょう。キャベツは胃や十二指腸の粘膜を再生し、潰瘍を治す働きのあるビタミンUやKを含みます。生でも、加熱してもおいしく、日頃から食べていると体調を整えてくれます。ただし、ビタミンUは、煮たり炒めたりすると壊れてしまうので、潰瘍の食事には、生か、さっと加熱して用います。ジューサーにかけたり、しぼった青汁を、少しあたためて、食前に飲みます。約10日間、症状によってはそれ以上飲み続けると、効果があらわれます。
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