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印刷したものがあります。ご希望の方はクリニック受付にお申し出下さい。
1998年 3月号
そこで
町の薬局をうまく活用する方法、クスリ情報をお届けします。
薬局と薬店、ドラックストア。いったいどう違うの?
薬局と呼べるのは薬剤師が調剤するお店。病院からの処方箋を持っていき、調剤してもらうお店が薬局です。開設するには都道府県知事の許可が必要です。開設する人自身が薬剤師であるか、またはお店の管理に専任の薬剤師を置かなければならないことが法で定められています。薬店は、「市販薬なら売ってもいいですよ」と許可を得た商店のような感覚のお店。健康食品や化粧品、日用雑貨などを売っているのが特徴ですが、最近は薬局でもそれらの商品を売るようになってきました。
ドラッグストアという言葉が使われ始めたのはつい最近のことですが、薬局と薬店の両方を指します。ちなみにドラッグストアの本場のアメリカでは、ホットドッグやジュースなどが飲食できるカウンターがあるそうです。
クスリを安く買う方法はある?
消費者にとって最大のサービスとなるのはやっぱり値段が安いということ。クスリの値段はお店によってずいぶんと違うものです。少しでも安くクスリを買おうとするなら、それはもう、新聞の折り込みチラシを比較研究するしかありません。チラシ広告を出した日はいつもの10倍のお客さんがやってくるのが普通。それだけにクスリ屋さんにとっても勝負です。なかには赤字覚悟の商品も多々あります。複数のお店のチラシを見比べてお買い得商品を探しましょう。セールは週末に行われることが多いため、木曜日にチラシが入ることが比較的多いそうですよ。
白衣を着ているのはみんな薬剤師さんなの?
薬局・薬店で働いてる人の多くは白衣を着ています。では彼ら彼女らがみんな薬剤師なのかというとそれは違います。なかにはアルバイトの学生さんやパートのおばさんが白衣を着ているお店もあるでしょう。だから薬剤師でない人がクスリを売ることもよくあるのです。また、逆に薬剤師だからといって白衣を着なければならないという決まりもありません。
薬剤師はなぜ女性が多いの?
男性が珍しいとまでは言わないまでも、確かに薬剤師は女性が目立つ職業といえるでしょう。いろいろな理由が考えられると思いますが、その1つは、薬剤師は女性にとって将来家庭をもっても働きやすい仕事であるため。薬剤師国家試験に合格しなければ修得できない薬剤師免許ですが、1度ライセンスを修得すれば出産などで仕事を辞めても再就職しやすく、しかもお給料もよいのです。もう1つには、薬局や薬店には女性のお客さんのほうが多いため、女性がいろいろな体の症状の相談をしやすいように配慮して、女性薬剤師を置いている店もあるようです。
近頃よく耳にする「スイッチOTC」って何?
「OTC]というのはOver The Counter(オーバー・ザ・カウンター)の略。胃薬の「ガスター10」などの発売で注目を集めているスイッチOTCとは、いままで医科向けだった薬剤が市販薬として売り出されるようになったもののこと。各製薬メーカーが厚生省に申請し、許可がおりるとスイッチOTCとして一般の薬局で販売されるようになります。胃薬のH2ブロッカーや痛み止めのイブプロフェン、貼り薬に入っているインドメタシンなどがその代表例です。もともと病院で使われていた薬だけに効果の大きい薬ですが、医師や薬剤師のチェックが入らないため、服用方法が守られずトラブルが現れるのではないかと心配されています。薬を飲むときはきちんと注意書を読みましょう。
最近街中に薬局が増えた気がしませんか?
薬局密集エリアには安売り店ありき
カラオケボックスが流行りだした当時、「こんなにカラオケボックスがあったらお客のほうが足りないだろうな」なんて思っていたが、今、薬局でも同じような現象が起こっている。繁華街に密集してドラッグストアが立ち並び、隣の店まで10mも離れていない、なんてところもある。なんでそんな近くにお店をつくるのか、果たしてそれで利益が上がるのか、他人事ながら気になってしまう。大手ではないが「安売り」をウリにしているドラッグストアの店長に聞いてみた。
なんでこんなに薬局が立ち並んでいるんでしょうかね?
「20年ほど前までは、薬の乱用を防ぐために500m以内に薬局を2つ以上つくっちゃいけないという法律があったんですけど、それがなくなりましたからね。」
でも、こんなに薬局が密集して増えたのはつい最近のことでしょ?
「人が集まるところはライバルがいてもそれなりに儲かるから。同じような安売り店が増えてきたことも影響しているかも」
えっ、安売りのお店が多くなったことと薬局が密集していることと関係あるの?それに答えてくれたのが東京の一等地にお店を構えるある薬局の店長さん。そこは薬の安売りはしていない。
「昔からある薬局は、安売り店が近くに建つことを恐れていました。そこで、つきあいの深い薬の問屋さんに頼んで、新しく建つ安売り店に対して根回しするようなこともあったようですよ」
薬局も薬を卸してくれる問屋さんなしでは商売できないもんなあ。じゃあ、最近状況が変わってきたのはナゼ?「問屋さんも経営があまりよくないので、大手ドラッグストアをそのままにしておけなかったんでしょうね。」そんなウラがあったとは。
クスリ屋さんのチラシに値段が書かれていない理由
じゃあ、今や薬局の花形は安売り店なのかーと思いきや、安売り店には安売り店なりの苦労もあるらしい。なにせ「安い」ということに消費者は目がないから、競争はし烈だ。お互いのお店の値段をチェックして、自分のところより安いと相手に合わせて値下げすることもあるという。うーん、秋葉原のようだ。ただ、安売り店の苦労はライバルが多いだけではない。あまり値段を下げすぎると薬の乱用につながるとして、保健所から注意がくることもあるらしい。また、製薬メーカーが力をいれている薬を安売りしすぎると、消費者の不信感をあおり、かえって商品に競争力がなくなることもあるので、メーカーから「お願い」がくることもあるそうだ。クスリ屋のチラシでときどき値段がふせてあるのは、こういった事情もあるのか…。で今後生き残るのはどんな薬局?「安売り、つまり薄利多売型か、お客さんの相談をきめ細かく受けて固定客をつくる相談重視型か、どちらかでしょうね」「薬局ビックバン」もそう遠い未来ではなさそうだ。
ところで薬はどうして効くんだろう?
カプセル、錠剤、粉薬、薬にはいろいろな形があります。どうして、こんなにバラエティに富んでいるのでしょうか。昔は植物などをそのまま薬として使っていました。しかし、植物そのものだと、たとえそれに劇的な効果があったとしても、飲んだときに体に吸収されずにそのまま体を素通りしてしまう割合が多かったのです。また、吸収されたとしても、体の中で効果を発揮するには、さらにさまざまな関門をくぐり抜けなければならないのです。そこで、どうすれば、効率よく薬の効き目を引き出すことができるか研究した結果、いろいろな薬の形状が考え出されたのです。
もちろん、ユーザーが使いやすいように、という部分でも改良されました。最近、水を飲まなくても服用できる薬が増えてきましたが、それもそういった工夫のひとつです。
また、薬の形によって、吸収される量だけでなく、効果を発揮するまでの時間も変わります。もっとも速攻性があるのはガス。手術のときの麻酔がそうです。次に、液体のもの、そして錠剤など固形のものと続きます。市販薬を買うとき、もしすぐに効かせたいと思うのなら、ドリンクタイプのものか、カプセルの中身が液状のものを選ぶといいでしょう。
ところで、薬は体の中でどのように動いているのでしょうか。まず、一般的な飲み薬の場合、口から入って食道を通り胃に入ります。胃に入ると、強い胃酸にさらされて薬が溶け、小腸に運ばれ体の中に取り込まれます。これを吸収といいますが、吸収された薬は血液中に入り肝臓に運ばれ、そこでさまざまな形に加工されます。この段階で薬の一部は効力を失い、体の外へ排出されてしまいます。そして残ったものだけが心臓から全身に送られ目的の臓器に届けられるのです。
そう考えると、薬が効く、ということは、ある意味、感動的なことかもしれませんね。
イレギュラーな薬の飲み方に注意!!
例えば、頭が痛くなり、クスリ屋さんで頭痛薬を買ってきて、朝昼晩毎日きちんと飲めばすごく効きます。これはいい、と思ってますます飲み続けてしまえば、クスリがなければ頭が痛くてしょうがないという常用患者に陥れてしまうという危険を持っています。自分で市販薬を購入し、服用する際は、説明書をよく読み、用法、用量を正しく守って服用するようにしてください。分からないことがありましたら、医師に相談してください。
クスリの話、いろいろ
薬の形はちゃんと効果を考えてつくられている
薬にはいろんな種類の形があります。いったい、どのような理由できめられているのでしょうか。多くの場合、決め手は薬の効果や飲みやすさです。例えば、甘い砂糖で周りをコーティングしてある糖衣錠は、薬の苦みを消して飲みやすくしてしたり、デリケートな薬が空気などに触れて変質するのを防ぐといった目的を持っています。カプセルの中に粉末や顆粒(粉末より粒が大きめのもの)、場合によっては液状の薬が入っています。これは飲みやすさ以外に、薬の溶ける速さなどの調節もします。また、胃酸などに弱い薬については、胃で溶けずに腸で溶けるようにコーティングした腸溶錠という製剤もあります。
しかし、高齢者の中にはこのような錠剤やカプセルは飲み込みにくいという人も。調剤薬局などでは、このような人に対して、飲みやすい形状のものに変えてくれたり、錠剤などをつぶして粉状にしてくれます。ただ、腸溶錠などのように特殊な工夫がなされているものについてはつぶすことができませんので注意してください。最近、高齢者向けに、ゼリーのようにツルンとしたのどごしの飲み込みやすいゼリー製剤や、口の中に入れるとラムネ菓子のようにフワッと10〜20秒で溶け水なしで服用できる錠剤なども新たに登場しています。これらは飲みやすさを重視して作られた、飲む人にやさしい薬と言えるでしょう。
一方、副作用などの害をできる限り少なくするという目的で、飲む人にやさしいものもあります。ドラッグ・デリバリー・システム(DDS)という言葉を聞いたことがあるでしょうか。これは、薬物を目的の場所だけに必要な量、時間だけ送り届けるという送達システムのこと。現在、さまざまなものが開発されていますが、いくつか例をあげると、体の中に入ってある場所で代謝を受けてから薬としての効能を発揮するプロドラッグ、1日1回皮膚に張り徐々にそこから吸収させて長時間、強い副作用もなく効果を持続させる経皮吸収剤、薬の溶け出す量を特殊なコーティングで調節し、徐々に薬の成分を体内に吸収させて効果を持続させる徐放剤もあります。
食後、食前…etc、飲む時間は守らなきゃダメ?!
さて、薬の形の次は飲む時間の話です。「1日3回毎食後」、「1日2回朝食後と寝る前」など、薬の飲み方はたくさんありますが、なぜこのように細かく飲む時間が決められているのでしょうか。一番の理由は、薬の効果を最大限にあげるため。「食前、食後」などの指示は、胃腸障害などの副作用を防ぎ、効率よく胃腸から薬を吸収できるように設定されています。指示通りに服用しなければ効果がかなり落ちてしまう薬、(血糖をコントロールする薬や抗生物質など)もあり、服用するタイミングは薬の効き目にとって意外と重要な要因です。1日だけでなく、もっと長い周期の体内リズムに合わせた薬もあります。女性ホルモン剤がそれ。女性の持つ月経周期に合わせ、月経中から3週間服用し、その後1週間薬をやめるというサイクルで整理不順や月経困難症などの治療を行います。
骨粗鬆症の新しい薬
「周期的間欠投与法」とは
一方、今年7月に、骨粗鬆症の治療薬として新たに認可された薬も今までにないユニークな服用サイクルを持っています。この薬の成分は、骨量減少を抑える働きのある「エチドロン酸二ナトリウム」で、2週間服用続けてその後10週服用を中止、また2週間服用するというサイクルを繰り返します。12週=3ヶ月というサイクルは、骨の作られる周期に合わせたもの。体の中で、骨は削られたり作られたりしていますが、この薬はその削られている部分にだけ作用して骨の量が減るのを抑えます。そして、骨がつくられる期間は休薬し、このサイクルを繰り返すことで骨量を増やしていきます。このような特異な服用方法は「周期的間欠投与法」と呼ばれ、今後はこのような生体リズムに合わせてより効果的に薬効を発揮できるような投与法が増えてくることが予想されます。また、こうした特別な服用法であるがゆえに、患者さんの側でもきちんとしたご理解が必要です。今後、薬の服用方法は特殊なものが増えてくればくるほど、医療者側が患者さんに納得できる形で詳しく薬の説明をすることがより大切になってくるといえるでしょう。
レントゲンってあぶない検査?
レントゲン=X線の発見はレントゲンさん!!
会社での定期健康診断などでおなじみの「レントゲン検査」。正式には「X線検査」といいます。「レントゲン」という言葉はX線を発見したドイツの物理学者の名前です。1895年、ヴイルツブルグ大学のレントゲン教授は、陰極線の研究を行っているとき、偶然、これまで知られていなかった透過性の強い放射線の存在を発見しました。そして、正体不明の光線という意味で、「X線」と名付けたのです。X線は、人体に傷をつけることなく内部の様子を透視することができる画期的なものとして、たちまちそれを利用した診断法が世界中に広まりましたレントゲン教授も妻の手のX線写真を写し、論文に発表しました。そして1901年にはX線の発見によって第1回ノーベル物理学賞を受賞しています。
問題児だったレントゲンも改良の結果優等生に
X線は電磁波の1種で放射線の1つです。ラジオ、テレビなどに使われている電波やこたつでおなじみの遠赤外線、赤外線、電子レンジのマイクロ波、お肌の大敵、紫外線などと基本的には同じグループのものです。波長の違いによって性質が異なっているだけです。「X」という名前の通り、X線は正体不明のまま、医療をはじめとしたさまざまな分野で利用されていきました。ところが、X線が使われたわずか3ヶ月後から、放射線障害が現れ始めたのです。X線をあてた部分の皮膚がやけどしてしまう放射線皮膚障害などから、白血病をふくめたガン、造血機能への影響など深刻な被害が報告されるようになってきました。この大きな原因のひとつには、エネルギーの弱いものから強いX線まですべて照射していたことがあります。体を通さない弱いX線が皮膚の表面で吸収されて障害を起こしてしまったのです。しかし、改良の結果、撮影に必要なエネルギーのX線だけを選んで照射できるようになったので、現在ではそうした障害は起こっていません。また、そもそも放射線は、自然界にも存在し、私たちは検査を受けなくても1年間で胸部レントゲン100枚以上の放射線を被曝していることになります。ですから、ある量に達しないと影響が発生することはありません。その被曝する量を最小限にする努力も絶えず行われているのです。たとえば、より高感度のフィルムを使用したり、コンピューターを使った画像処理技術の発達によって、少ない量の放射線でもコントラストのはっきりした写真がとれるようになっています。
そんなに怖がらないで
公的にも、過去の被害事例から、健康に影響のないX線の量についての取り決めが行われています。IAEA(国際原子力機関)という国家組織で、安全な放射線量の基準が定められています。もっともX線の影響が大きいといわれる妊娠中のX線検査で、「1番危険な妊娠2〜8週の間受ける放射線量は100ミリシーベルト以下」であれば胎児の影響も心配いりません。裏返して考えると、腹部レントゲンの放射線量は1枚で0.2〜1ミリシーベルですから、たとえ妊娠に気づかずに1度くらい受けてしまっても問題になることはないということになります。「こわーい」「アブナイ」というイメージはなかなか消えないX線検査ですが、病院では「患者さんがX線で被曝し何らかの影響が出る危険性より、X線検査で病気を発見して助かるメリットの方が大きい」と判断したときにレントゲンを撮るわけでみなさんを心配させるために撮っているわけではありません。
レントゲンとうまくお付き合いするために
撮影に失敗して撮り直し、ということになれば余分な放射線を浴びてしまうことにもつながります。レントゲン写りをよくするために自分でできることもたくさんあるのです。
検査の種類とともに、検査を受けるコツをご紹介します。
●単純X線検査 {胸部}
最も頻繁に行われるのが、胸部のX線撮影です。フィルムカセットの入った機械を胸に押しつけ、背中からX線をあてて胸の内部の状態を映し出します。胸の場合、立った姿勢の方が病気を発見しやすく、両腕を開いて前のめりな姿勢をとるのは、肩胛骨を開くため。肺と肩胛骨が重なると、病気発見の妨げになるからです。「息を吸って、ハイそのまま止めて」というのは、息を吸うと肺が広がって全体がよく見えるため。息を止めるため、写真がブレないようにするためです。スナップ写真をとるのと同じですね。また、胸部X線検査を受けるときの服装ですが、金具のついたブラジャーは外し、病院備え付けのガウンがないときは、無地の綿100%Tシャツ1枚程度なら着たままでOK。色つきや文字入りは、染料に含まれる金属が映ることもあるため避けます。体の線が分からないほどダボッとしたシャツも、体が真っ直ぐになっているかどうか確認しにくいし、生地が折り重なると、その部分が映りこんでしまいます。髪の毛の成分ヨードは、造影剤にも使われているものなので、ロングヘアーは結びましょう。
●{全身どこでも}
腹部の撮影は、寝た姿勢の方が病気を発見しやすいため、台の上に仰向けになって撮影します。フィルムカセットを台の下にセットして、上からX線をあてます。照射機は上下左右、自由自在に動かせますので、腹部のほか、手や脚、頭部など、部分的な撮影にも広く使われます。台に寝そべったら、できるだけリラックスして体を真っ直ぐにするようにします。緊張したり恥ずかしがったりすると、自然に体が曲がって、正常かどうかの判断が難しくなります。息は吐いて呼吸を止めた状態で。息を吐くと横隔膜が上がって腹部が広く映ります。服装はパンティーまで脱ぐ必要はありませんが、ビーズなどの飾りのついたものは映ってしまうので、すっきりしたデザインのものを履いていきましょう。ガードル、パンティストッキングは体を締め付けて影像がゆがんでしまうため、
●造影X線検査
造影剤を使って、血管や腎臓の機能、胃や腸の病気を発見するのが造影X線検査です。まず胃腸の動きを止めるための注射を腕に打ちます。次に胃を膨らませるために、顆粒状の発泡剤を口に含み、少量の水で一気に呑み込みます。ゲップをすると胃が縮んでしまうので、ぐっと我慢です。次に紙コップにたっぷり入ったバリウム液を、ゴックンと呑み込みます。のった台が上下、左右に動かされ、さらに体を横にしたりといろいろ動かされるのは、胃の中に流し込んだバリウムを胃の粘膜に広げて異常な凹凸を発見するため。バリウムは、少しずつ味を見ながらではなく、一気に飲み込むのがコツです。
こんなものまで写ってしまいますレントゲンは病気の発見だけでなく、たいないに混入した異物を確認するためにも利用されます。たとえば幼児がお金やブロックを間違って飲み込んでしまったというとき、レントゲンを撮り、どこにひっかかっているのかを確認することができます。数年前にいじめにあった男の子のペニスに電線が入っていたのが見つかったり、戦時中にうけた散弾銃が40年後レントゲンに写ったり……意外なものが発見されたりして、覆わぬ人の歴史を垣間見ることもあるそうです。
バリウムがおいしくない理由「あれだけは絶対嫌」と人気が低いのがバリウム検査。確かにあんなにドロドロとした生ぬるい液体を飲むのは辛いもの。「どうせならおいしい味をつけるか、せめて冷たく冷やしてほしい」と思ってしまいますが、メーカーによれば「バリウムをおいしくするのは簡単なんです。」と意外な答え。「ただおいしいと胃液が出てしまい、せっかくきれいに胃壁についていたバリウムがはがれたりして正確なレントゲンが撮れないんです」とのこと。また、冷たくても、飲んだときに胃腸が動いて撮影ができなくなってしまうとか。そんなバリウムも少しずつ改良され、ストロベリー、バニラ、レモンなどの風味を加えて、少しでも飲みやすくなるよう工夫されています。バリウムを飲んだ後も便秘などでつらい思いをしますが、早く排泄するには、水分や繊維のたっぷり入った食事をとるのがコツ。体内に吸収される心配はないので、自然に排泄されるのを待ちます。「飲み心地がよくて、便秘のないバリウム」が待ち遠しいですね。
女性は知っておきたい
レントゲンの「10日規則」
妊娠初期には、本人が自覚していないケースが多いため、うっかりレントゲンで生殖器近くを撮影してしまうことも少なくありません。どうしても心配な人は「10日規則」というのを頭にいれておくとよいでしょう。月経が始まった日から10日間は妊娠の可能性がないため。お腹の部分の検査は、この間に受けるようにするということ。緊急の場合は仕方がありませんが、そうでない場合は、この時期まで検査を延期するのも一つの方法です。
太った人ほどレントゲン写りが悪い?
レントゲンにも写りのいい人、悪い人がいるって知っていましたか?ズバリ、レントゲン写りのいい人は、痩せた人です。X線は、硬い組織は通りにくい性質をもっていますので、骨などの硬い組織は写真上、白くくっきり写り、筋肉などの軟部組織、脂肪、空気の順で色が薄くなっていきます。したがっておすもうさんほどになると全体が白っぽい写真になってしまうそうです。これでは診断になりませんから、より鮮明な写真をとるために検査技師が患者さんの体格を判断して、放射線の量を増減しているのです。
今月の食べ物
酢
強い抗菌作用があり
食中毒予防に最適
酢は種類が多く、その栄養価は原料や製造方法によって差があります。日本でポピュラーに使われているのは醸造酢の代表格、アルコール酢です。原料のエチルアルコールを水でうすめて酢酸発酵させたもので、価格が手頃なのが利点ですが、栄養的にはアミノ酸などの有機酸はあまり含まれません。欧米で主流のワイン酢やりんご酢も醸造酢の一種です。アルコールに次いで大量に出回っているのが合成酢です。石油を原料とした氷酢酸を水でうすめ、化学調味料で味をととのえたものですが、栄養価はのぞめません。醸造酢と合成酢を混ぜたものが混合酢です。米酢は日本独自のもので、米を蒸してこうじ菌を発酵させ、酵母を加えて酒を作り、そこに酢酸菌を入れ、酢酸を発酵させて作ります。栄養面からみた効用は種類によってさまざまですが、有機酸のはたらきによる疲労回復やスタミナ補給、肥満防止、過酸化脂質をおさえる作用などは醸造酢にしかありません。これらの酢の種類を見分けるときは、ラベルの原料をよく確かめましょう。アルコール類と酢酸が材料ならアルコール酢、米、水と表記されたものは米酢です。
●栄養アルコール酢や合成酢は穀物酢に比べると栄養価は劣ります。穀物酢の原料は小麦、米、酒粕、トウモロコシなどですが、なかでも日本独自の米酢は、豊富なアミノ酸、ビタミン、ミネラルなどを含み、栄養面では飛び抜けています。酢の主成分の有機酸は、体内の有機酸を分解し、体外に排出する作用があります。また、酢の酸には抗菌作用があることはよく知られています。
●効用一番の効用はなんといっても強い抗菌作用です。ほとんどの病原菌なら30分で死滅するほどで、食中毒の予防にはもってこいです。疲れると筋肉の中に乳酸がたまりますが、酢の有機酸は、これを燃焼させるはたらきがあるため、疲労回復に高い効果を示します。リンゴ酢とハチミツで作ったバーモントドリンクは、常飲すると健康維持に役立ちます。米酢を水でうすめて飲むのもよいでしょう。酢の酸味は消化液の分泌を促し、消化を助けるうえ、食を進めます。食欲不振の人は、酢のもを毎日とりたいものです。醸造酢に含まれるアミノ酸は、体内に脂肪がたまるのを防ぎ、肥満防止にも一役買います。肥満ぎみの人は毎朝、米酢かりんご酢をうすめて飲むと便通がよくなり、肥満防止に結びつきます。酢そのものにカルシウムは含まれませんが、カルシウムの吸収を助ける作用があります。カルシウムは骨の強化や神経の高ぶりに有効なので、育ち盛りの子供、妊婦にもおすすめです。胃潰瘍や胃酸過多の人は直接飲んだりせず、調味料として適量をとるようにしましょう。
外用としては、酢の殺菌作用が水虫やわきがの治療に役立ちます。酢を熱してガーゼに浸して患部にはり、乾いたらまた同じ要領でこまめにとりかえると、一層効果的です。
●調理法酢は調味料として使うほかにもさまざまな利用法があります。魚の生臭さは、酢の酸で中和されます。臭みの強い魚は、酢に漬けてから調理すると、臭みが消えて食べやすくなります。魚を扱った後のまないたを酢で洗えば、においを消すばかりか、殺菌にもなります。
野菜や果物に使えば、壊れやすいビタミンCの酸化を防ぎます。また、海藻や魚に使えば、柔らかくなる上、カルシウムの吸収もよくなります。
おもしろ栄養学
酢が骨を柔らかくするってほんと?酢に骨を柔らかくする作用があるという説は、酢の主成分である酢酸のカルシウム分を溶かす作用が誤解をまねいたものだと思われます。
酢を大量に摂取したところで、血液の酸度が上昇するわけではなく、カルシウムの代謝にもまったく影響をもたらしません。中国雑疑団やサーカスの人たちは、酢を常飲しているために、体が柔らかいなどといわれます。しかしあれは酢の効用ではなく、日々の訓練のたまものといったほうが正しいでしょう。
ご意見、ご感想などありましたら下記のアドレスによろしくお願いします。 tokai-clinic@nifty.com