MA&Co. TOY BOX
金沢をリデザインする?「金沢21世紀美術館」

金沢21世紀美術館

Kanazawa, Ishikawa, 2004






















10月9日にグランドオープンした金沢21世紀美術館。

金沢の新しい、あえていうと「異物」である美術館は、入場料を払うゾーンと、払わなくても観られるゾーンに分かれていてます。有料ゾーンでは、オープニングの『21世紀の出会いー共鳴、ここ・から』が開催中です。けっこう展示物が多く、映像作品とか、体験ものもあるのでたっぷり2時間くらいは必要でしょう。無料ゾーンにもいろんな展示があって、お金使わずにけっこう遊べます。



この日はとてもきれいな空。美術館の近くの金沢城で撮った空です。美術館は家から歩いて15分くらい(お城からも15分くらい、兼六園のすぐ前)のところにあるから、毎日最高のお散歩コース。美術館のライブラリーも小さいけれどこれから充実しそうな気配だし、子供連れの人にはキッズルームに子供を預けることもできます。なかなか使えそう。よしよし。





ここは美術館の敷地内だけど、メインの建物の外で、期間限定プロジェクトハウスです。いまはヤノベケンジさんの「子供計画研究所」というめちゃくちゃ楽しげなプロジェクトが進行中です。この「トらやん」も居ますし、これからトらやんが30体増えるらしいし。なにが起こるのやら。ヤノベさんの韓国からの帰りを待ちましょう。








これはフローリアン・クラークの作品で、まわりの芝生にニョキニョキいっぱい生えているみたいに展示されています。このラッパの口みたいなところで何かをささやくと、他のどこかのラッパに通じているので、そのラッパを聴いた人にメッセージが届くみたいな仕掛けなのです。まるで「秘密」を穴に隠す『2046』のチャウさんのようです。ただし、ここでささやく秘密は筒抜けですけどね。




美術館の中にある「サウンドバム・プロジェクト」。あの東京をリデザインするでゲストスピーカーの一人だった西村佳哲さんの作品が並んでいます。キューバ、フィージー、リスボン‥、世界の音を聴いていると、ほんとうに異国を旅しているような気分になってくるし、ここはすごく素敵なコーナーになっています。何度も来て旅しよう。



芝生に面してるミュージアムカフェもなかなか気持ちよくて、スープもコーヒーもおいしかった。

□ さて、この美術館の登場は、奇しくも「金沢をリデザイン」している感じです。これは私の感覚なんだけど、金沢という街はなかなか頑固な気質を持ち合わせていて、長い間一筋縄では変えられないお化けのような「伝統」に縛り付けられてきた街でした。たとえ新しい物、例えば店が出来たとしても、目新しいうちは飛びつくけれど、あっという間に飽きてしまい、その店は廃れていくということを何度も繰り返してきたような気がします。いろんな空間デザイナーが、この街を愛して変えようとしてきたけれど、なかなか動きは鈍かったのを見てきました。だから、この美術館が金沢の人に受け入れられるかどうか、それはそれは思案を重ねただろうと思います。街を変えるということの難しさを知っていることと、その時間のかけ方、街の気質や、街の性格、機能を知り尽くすための地道なリサーチがどうも功を奏している感じです。

変化まず、何年か前に市民の交通を変えたところから始まっています。「ふらっとバス」と「文豪バス」というミニバスがとてもローカルな市民の足として、また観光客のタクシー代わりのような「籠」として運行し始めたところにさかのぼるのでしょう。金沢の狭く入り組んだ道路事情は大型バスではとても網羅しきれないし、タクシー泣かせの街でもありました。親切な(運転手さんたちは実に親切に変身!)小さなバスが、袋小路だらけの街を器用に走っていて、うちのママにも好評です。もちろん時間が決まったスケジュールで運行しているのだけど、必ずしも時間にとらわれずに、事情に合わせた柔軟さで、要するにけっこうアバウトな運行をしています。(遅れたお詫びに運賃をタダにしてくれてなかなか感動したりして)

そしてこの美術館を迎えるために街のあちらこちらを修復し文字通りきれいになったし、いい意味で街に合った新しい店も増えてきました。それはまさに「異なるもの」が金沢にうまく侵入してきて、うまく融合しようとしている感じです。こういうふうに、ものすごく古い伝統が変わるときのエネルギーは、いままで貯めてきた分大きい、地震エネルギーみたいなもんだと思うのです。だからこの力で、アジア大陸への玄関口としても、海外からの「異なる」ものをしっかり受け止められる度量のある懐の大きな街になるべきだと思います。そうするともっとカッコいい街になるはず。その第一歩として韓国の全州(チョンジュ)市と姉妹都市提携をして「韓国映画祭」も行われましたし、どんどんこういうイベントが増えるといいな〜と思ってます。「全州李夜」というおいしい韓国料理レストランもできました。これで金沢に帰るのもいままでよりは楽しくなりました。いままではいささか退屈で、エビとカニだけが楽しみでしたが(笑)。

ところで、韓国語のイントネーションは笑っちゃうくらい金沢弁に似ています。とくにシラブル切れのところで「わたし〜」みたいにコブシがまわるところがすごく。
2004.11.22

Copyright©2004Marsha:::Column Index:::TOP:::