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2004年アメリカ 監督M・ナイト・シャマラン
キャスト ホアキン・フェニックス エイドリアン・ブロディ シガニー・ウィーバー ウィリアム・ハート ブライス・ダラス・ハワード
あなたの色は・・・
映画の中の1つのシーン。
なぜだか、とっても印象に残って、何度も何度も思い出したりする。
そうして、何度も心に浮かべているうちに、その映画は私の中で特別なものになる。
「ヴィレッジ」もそう。
家族のような絆で結ばれた小さな村。
そこに伝わる3つの掟は
決して森に入ってはならない、不吉な赤い色は封印せよ、警告の鐘に注意せよ。
シャマラン監督独特の、今にも何か起こりそう・・な雰囲気。雰囲気に弱い私は、もうやたらドキドキせずにはいられない(笑)
ある夜、警告の鐘がなる。
森から「語ってはならぬもの」がやってきたのだ。
家々のドアを閉め、地下室に隠れる村人達。
ただひとり、盲目の少女アイヴィーだけは、家のドアの前に立っている。
暗闇に手を差し出して・・・
彼女は自分の手を取ってくれる、ひとりの若者を待っている。
差し出した手が震えてきても・・
必ず、必ず・・来てくれると。
そういえば、私は手のシーンに弱いのかもしれない。
「ロミオとジュリエット」の舞踏会のシーン。
お互いの姿を探す二人が出会えたのは、ジュリエットの手をロミオがしっかりと捕まえたから。
「夢追い」という映画は、ご存知かしら?
カトリーヌ・ドヌーブ演じる薄幸のヒロインに男が自分の手の上に手を重ねるように言うシーンがあって。
そっといぶかしげに手を乗せた彼女に男は残念そうにこう言う。
「信用された手は重いんだ・・・」
「ヴィレッジ」に隠された秘密は、衝撃というより・・う〜んと言いたくなるものだったし。
正直無理のあるお話だなあって思うけれど。
でもいいと思う。
無口な若者が大好きだし、黙ってポーチで一晩中見守ってくれるような人が自分の思い人なら最高だから(笑)
監督独特の雰囲気つくりには、色も一役買っている。
村を守るのは黄色。
赤は不吉で触れてはいけない色。
黄色いマントに包まれたアイヴィーが、森の中で、ふと気づくとたくさんの真っ赤な実に囲まれるシーンは、怖いくらい綺麗だった。
この作品、本当はお気に入りの「ホラー」のページに入れたいなと思ったけれど(ホラーのお気に入り、少ないから 苦笑)
でも、やっぱり「愛」でしょう。
親子の愛、姉妹の愛、隠された愛に恐怖を乗り越える愛。
「愛は至高のものだ」なんて堂々としたセリフ、ラブストーリーでもめったに聞けませんよね。
キャスティングも上手い。
寡黙なホアキン、エイドリアンの狂気。
ウィリアム・ハートでなくては、ここまで納得させられないし、
なにより、アイヴィー役のブライス・ダラス・ハワード。
見えない恐怖に怯える村人たちの中で、ただひとり、見えない世界にいる彼女の。
ピュアで、ひたむきな、その強さは、とても印象的でした。
ところで、アイヴィーの言う、彼ルシアスの色・・って何色なんでしょうね?
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1976年イタリア・日本 監督ルイジ・コッツイ
キャスト リチャード・ジョンソン パネラ・ヴィロレージ リカルド・クッチョーラ マリア・アントエッタ
「ステラに捧げるコンチェルト」
手の怪我を治療するために訪れた病院で、リチャードは、見知らぬ少女の病状を聞かされることになる。
残された時間は短い・・はずの少女の、そうとは思えないほど明るく、そして強い眼差しに押されるように、彼は少女ステラと一緒の時間を過ごす。
彼が心の中に彼女を踏み込ませたのは、彼女の不幸な運命に対する同情があったのかもしれない。
けれど、ステラの笑ったり、怒ったり、泣いたり。
気持ちを隠そうとしない、その表情に彼はどんどんと魅せられていったから。
名声も、人生に対する希望も失なって、誰かと一緒に生きることなど、ましてや自分の人生をもう一度やり直そうなどとも考えてもいなかったのに。
彼女の力強い「生きること」への思いの前に、自分が本当は生きてはいなかったことに彼は気づく。
それにしても、このラテン語で「星」をあらわす名前を持つ少女の魅力ときたら。
その可愛い顔には似つかわしくない、
およそ、ラブストーリーの主人公が絶対口にしないような言葉も。
(幼い頃に別れた父親に会いにいった帰り、思いがけず待っていてくれたリチャードの姿にステラが言う言葉といったら!!)
彼女が言うとキュートに聞こえたりするし。
そうかと思うと
ケンカ別れして悲しい思いで帰ってきたアパートの前で
聞こえてきたピアノの音に思わず涙する横顔の美しさにはっとして。
とてもシンプルなラブストーリー。
奇をてらうことも凝った演出もしない。
愛する恋人達の前には、そんなものは必要ないから。
自分の、残された時間で愛する人を見つけ、彼に愛された少女の姿に
愛するということ、そして何より、生きるということの素晴らしさを教えられて
美しいラストシーンを見ながらいつのまにか頬に流れていた涙は、
決して悲しいだけの涙ではないと感じたのでした。
モン・サン・ミッシェルでの二人の出会い。
ユトリロの絵に出てきそうな、モンマルトルのアパート。
美しい映像と、なにより、一度聞いたら忘れられない、その音楽が、ラブストーリーを一層美しく彩るのです。
※20数年の月日を越えても、やっぱり良かったな、この映画。
ステラのものすごい長いマフラーや、太いパンタロンに思わずおわーーー!って時代を感じましたけど、でも人を愛する気持ちに風化はないよね。ラブストーリーは永遠だわ!とつぶやいてみる私でした。
パメラ・ヴィロレージのキュートな美しさは、中学生だった私にもとても印象的でしたが、今回見直してリチャード・ジョンソンの素敵なおじさまぶりにもやられましたね。「愛してるって言ってよ」って言うステラに「言えないよ」って言いながらキスするシーンが好きです〜。
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2004年アメリカ 監督 リチャード・リンクレイター
キャスト イーサン・ホーク ジュリー・デルビー
再会の時間は、夕暮れまで・・・
「恋人たちの距離」の続編です。
あれから9年・・・
著作のプロモーションでパリを訪れたジェシーは、そこでセリーヌと再会します。
かって、ウイーンで出会い、恋をし、半年後の再会を約束して別れたふたり。
約束は守られたのか、彼らがいったいどんな9年間を過ごしてきたのか、
観ている私達には知りたいことがいっぱいです。
ふっくらしていた頬が少し痩せたセリーヌ、
眉間にしわが刻まれたジェシー。
9年の歳月はふたりの外見を少し変えたけど、ふたりともやっぱりとても素敵で。
パリのカフェでお茶を飲みながら
緑の美しい公園を歩きながら
そしてセーヌ川をゆく遊覧船に乗って・・
半年後の約束の話から、お互いの仕事のこと、今思うこと。
まるで9年の月日などなかったかのように、相変わらず率直に、本音で語り合う二人にどんどん引き込まれてゆくのです。
でも今回二人に許されたのは、ジェシーが飛行機に乗る夕暮れまで。
9年前よりももっと短い時間です。
時間が過ぎてゆくにつれ、別れの時が近づくにつれ
時間を惜しむかのように会話を重ねる二人。
やがてだんだんと、それぞれの悩みや、しまいこんでいる苦しみが見え隠れしてきます。
切ない。
9年前よりももっと、ずっとなんだか切なくなってくるのです。
「過去に向き合わずに済むなら思い出は素晴らしいのに」
そう、たしかに二人の間には、それぞれの9年分の人生が横たわっているから。
でも
「生きているかぎり思い出は変えられる」
彼らの再会で、また再び二人の人生は変わってゆくかもしれなくて・・
別れがたいジェシーは、彼女をアパートまで送ってきます。
セリーヌの部屋は彼女にぴったりのところ。
ハーブティーを飲みながら彼女の歌まで聴けちゃったりして。
そしてその歌がまたニクイほど切ないから。
それから二人は、どうなったのかしら?
映画は答えを見せずにエンドロールを迎えます。
ジェシーが本のプロモで質問に答えていましたね。
「本のラストは、読者の受け止め方だと。」
ロマンチックな人なら、彼らのこれからは甘いものに
現実的なあなたは・・・再びの別れを。
私は・・・甘党ですからねえ(笑)
また9年後、二人に会えるでしょうか。
会いたいですね〜。
こんな素敵な続編を作ってくれて感謝したいな。
そして、再び会えたセリーヌとジェシーが変わらずに魅力的なのは、イーサンとジュリーのおかげです。ありがとう。 |
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1995年アメリカ 監督 リチャード・リンクレイター
キャスト イーサン・ホーク ジュリー・デルピー
一緒にいられるのは・・・夜明けまで。
ウイーンに向かう列車の中、偶然知り合ったジェシーとセリーヌ。
ジェシーはアメリカへ、セリーヌはパリに帰る途中の旅。
けれども、列車がウイーンに着いた時ふたりはなんとなく離れがたく、明日の朝までウイーンの町で一緒の時間を過ごそうと決める。
夕方のウイーンの町を歩きながら。たたずみながら。
ジェシーとセリーヌはお互いに、いろいろなことを語ります。
まずは、互いのことを知り合おうと、始めた質問ごっこから、やがては、自分が感じるもの、思うもの、価値観や人生観について。
この二人の会話が、とても素敵で。機知に富んでいて、刺激的で。
もうどのセリフも聞き逃せない・・思わず心にメモメモ・・状態になっちゃうのです。
『この世に魔法があるなら・・
それは人が理解しあおうとする力。
でもたとえ、理解できなくてもかまわないわ、
相手を思う心が大切なの。』
やがて、夜がやってきて。
二人のあいだもだんだんと恋人への距離に近づいてくる・・・
深夜のカフェの電話遊びで互いに自分の気持ちを告白して!!
あぁ・・なんて粋なんでしょうか!!粋すぎますよ〜。
『今ここにこうしているのが夢のよう
現実じゃないのかも
朝が来てかぼちゃに戻る・・・
でも、せめて今だけは
私にガラスの靴をはかせて』
互いの気持ちを確認した二人が、夜明けが近づいてくるにつれ、だんだんと感情が高ぶってくる様子には胸が痛くなってきます。
アメリカとフランス・・それはどうしようもないほどの距離だと。
頭ではちゃんとわかっていても、心はそうはいかないもの。
そして、朝。
カメラはウイーンの街を映してゆきます。
二人が歩いた、座っていた、語った。
昨日のあの場所を。
そこには、今朝はもう二人の姿は無いけれど・・・
けれども、昨日、そこにはたしかに二人がいて、愛し合って。
この静かな余韻あふれるシーンがとても好きです。
自分も二人と一緒に、
誰かと出会って、恋をしたような。
そんなドキドキ感と切なさを感じさせてくれた作品でした。
※ほら、よく言いますよね、目は口ほどにものを言う・・とか。雰囲気で察するっていうのが好きな日本人(?)には、彼らはちょっと語りすぎって感じかもしれませんけど。
でもこんな風に素敵な会話が交わせるのは、やっぱり二人の感性とかがぴったりあわないとね、そんな相手にめぐり合えるのはなかなか無いことですよね。
うちも会話、してるかなあ〜(苦笑)
それにしても、このセリフ・・素敵でしょう!ガラスの靴・・あぁ・・私もはきたいものです。
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2003年イギリス 監督 リチャード・カーティス
キャスト ヒュー・グラント リーアム・ニーソン コリン・ファース ローラ・リニー エマ・トンプソン アラン・リックマン キーラ・ナイトレイ マルティン・マカッチョン ビル・ナイ
好きな人はいますか?
大切な人に・・・想いを伝えられますか?
人は言う。“現代は憎しみと欲だけ”と。
そうだろうか?
父と子、母と子、夫と妻、恋人同士、懐かしい友人・・・・
見回すと、実際のところ この世には 愛が満ち溢れているー
オープニング、ヒースロー空港で抱擁をかわすたくさんの人々の笑顔を見ながら
流れてくるこの素敵なナレーションを聞いて。
はやもう、なんだか心が優しくなってきそうな。そんな予感が嬉しい。
クリスマスをまじかに控えたロンドンで、19人の男女が繰り広げる、それぞれの愛の形。
たとえばそれは
新任早々、秘書に恋心を抱く独身の首相(これをヒュー・グラントがやるのだから、たまらないの)だったり。
弟に恋人を奪われ傷心で南仏へ出かける作家や
親友の新妻に寄せる思いを隠し続ける芸術家。
入社以来2年ものあいだ同僚に想いを寄せ続けるOLだったり。
そんなそれぞれの 愛に悩み、人を想う姿に
私たちはまた自分の思いを重ねてしまう・・・・
想い続けた気持ちがかなった喜びをキュートなジェスチャーで表すサラといっしょにドキドキしたり。
夫の浮気に涙しながらも、子ども達と彼の前では気丈に笑って見せるカレンに胸打たれたり。
19人の男女の9つのエピソード。
誰の胸の中にもある、恋がはじまったときのときめきや
不安や、報われない思い。
そんなものを思い出しながら、彼らの幸せを願わずにはいられないから。
物語はやがてそれぞれの愛が迎えるクリスマスを描いて、繋がってゆくのです。
観終わったあと、間違いなく暖かな気持ちになれる映画です。
好きな人の顔を思い浮かべたり、
自分の隣にいる人を大切にしようと思ったり。
照れるけど・・・
たしかに愛は実際、わたしたちのまわりに溢れているのですから・・・・
この映画、またね、役者さんたちがたまらないのです。
首相役なんて絶対似合わないはずの(笑)ヒュー・グラントの首相のチャーミングさに、思わず彼に一票!と思ってしまい。
若い秘書に・・ちょっとふらふら・・・出来心でほんの少しフラついてしまうアラン・リックマンの情けないような、にやつきぶりに苦笑してみたり。
あぁ・・・みなさま、本当に豪華で素敵なのですよね。
きっと、見られた方、それぞれにお気に入りのエピソードができるでしょうね。
私はやっぱり主婦ですから・・・夫の浮気に心揺れる(でも決して、それを見せない)カレンに胸打たれました。
そして全く逆の意味で(自分に一番遠い・・・あこがれをこめて)作家と言葉の通じないポルトガル女性のお話も(南仏の別荘が素敵なこと!!)
あ、それとクリスマスソングを歌うビリーのクリスマスも好き。
恋人でも、友だちでも。
子どもや、両親や。わたしたちのまわりにいる
誰かを想う気持ちを大切にしたい・・と。
そんな優しい気持ちにさせてくれる、素敵な作品でした。
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1957年アメリカ 監督 ビリー・ワイルダー
キャスト オードリー・ヘップバーン ゲーリー・クーパー モーリス・シュバイエ
魅惑のワルツ
パリの音楽学校でチェロの勉強をするアリアーヌ。
優秀な私立探偵である父親の事件ファイルは、彼女にとって恋愛バイブルのようなもの。まだ恋の経験もない彼女には、ファイルに書かれた事件の中の男女の愛がとてもロマンチックに思えてならない。
アメリカの大富豪フラナガン氏は、ハンサムでプレイボーイとして名高い。
滞在する様々な国で数多い女性と浮名を流す彼は、父の事件簿の常連で。
浮気相手の女性の夫に命を狙われた彼を助けたアリアーヌは、フラナガンの魅力にのぼせてしまうが、一所に落ち着かない彼はやがて旅立っていく。
1年後オペラ座で彼と再会したアリアーヌは、彼が自分をすぐに思い出せないことに少しショックを感じてしまう。
彼の心を捉えたいと、せいいっぱい背伸びするオードリーが、とっても可愛い。
シンプルで清楚なドレスが細身の彼女に似合ってます。ウエスト細い〜。
いつも大きなチェロを抱えているのも魅力のひとつになっていますね。
自分のことは、ものすごくよく知っている若い娘。
だけど、名前さえ名乗らない彼女のことがフラナガンはだんだんと気になってしかたなくなってくる。
百戦錬磨のプレイボーイが、彼女が父のファイルから作り上げた架空の恋人達に嫉妬して。
いつもは、様々な女性と過ごすリッツの14号室で、アリアーヌの録音した数々の恋人遍歴を聞きながら、やけ酒なんて飲んだりするの。
お隣の部屋の“おかかえ楽隊”さんとの間に、お酒がいったり来たりするのが可笑しい。
彼女のことが知りたいとフラナガンが訪ねたのは、なんと(彼女の父の)私立探偵!!
ここでフラナガンは、部屋で彼女とすれ違うんだけど、お互い気づかない。
それは、何故って?
内緒です(笑)観てみて〜。ぜひ。
うまいんですよ〜。ワイルダー監督。
小道具とかの使い方も楽しいです。
アリアーヌのチェロ。
借り物の毛皮のコート、胸に挿したカーネーション。
そして、魅惑のワルツ。
こういうのが、すべてちゃんとあとで意味を持っていて。
ラスト、また旅立つ彼を駅で見送るアリアーヌの表情がなんとも言えないの。
別れを告げる彼に、ずっと架空の恋人たちの話をしているアリアーヌ。
気丈そうに振舞ってるけど、その目には涙が。
思わずもらい泣きしそうに。
私立探偵のお父さんが、また良くってね。
お父さんが最後にリッツで取る“ある行動”に涙しましたよ。
分かっていたのかなあ。お父さん。
あと、フラナガン氏おかかえの楽団さん。
彼らも可笑しい〜。ボートの上から、サウナの中まで!!
魅惑のワルツで、素敵な人と踊りたい・・・
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1999年中国・アメリカ 監督 チャン・イーモウ
キャスト チャン・ツィイー スン・ホンレイ チャン・ハオー チャオ・ユエリン
初恋の思い出
父の死の知らせを受けて、数年ぶりにチョンズは故郷に帰ってきます。
昔どおりのやり方で父を町の病院から村まで担いで帰りたいと言う母。
チョンズは村には今、そんな人手がないことを何度も言って聞かせるが、彼女は頑として意見を変えようとしない。
母の父への想い・・それは父が都会から教師として赴任してきたあの日に始まった・・・
ここから、画面は鮮やかなカラーに変わって、思わずハッとさせられます。
これまでのモノトーン、雪のシーンから、鮮やかな世界へ。
都会からやって来た父に対する母ディの淡い想い。
ひたすらにその姿を目で追う、初々しさ。
授業を終えて生徒達と帰ってくる道でずっと待っていて、すれ違ってただ目を合わせるだけなのに、それだけでもうドキドキして。
恋の始まりって、こんなふうだったね、ただ見ていたいっていう気持ちが、だんだんと少しずつ気づいて欲しくなって。そして気がついたら一途に好きになっていて。
ディのひたむきな表情がとてもいい。
村では順番に先生である父にご飯を作ってあげることになっているんですが、ディの家に彼が来る日。
彼女がすっごく真剣に料理するのね。(彼女はお料理上手みたい。いろいろな料理を作ってます)
そして戸口で先生を待っているディ。その笑顔。
可愛いです。こんな笑顔されて好きにならない男性はいないでしょう!!
冬のシーンが多い中でディの着る赤やピンクの服がとても綺麗。
都会に帰らされる先生を追って彼女が走るシーンは、もう胸が一杯になります。
走る、走る、走る。
ひたすらに走って追ってゆく姿。
チョンズは思います。
そんな一途な恋を貫いた母だからこそ、父を背負って帰ってきたい。
父のお葬式に使う布を自分で織りたいのだと。
また、父の自分への思いを母から聞いたチョンズは、最期の親孝行をしたいとあることを決意します。
ラスト、父はあの道を、たくさんの人の暖かい思いとともに村に帰ってくるのです。
「初恋の来た道」
いい邦題ですね。
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1993年アメリカ 監督 シェレマイア・チェチック
キャスト ジョニー・デップ アイダン・クイン メアリー・スチュワート・マスタートン ジュリアン・ムーア
ホットトーストは、アイロンで
12年前に両親を事故で亡くして以来、ベニーは妹のジューンと二人暮し。
絵を描くのが好きなジューンは、どこか精神的に安定していないところがあって、ベニーは妹から目が離せない。
ある日、ジューンはベニーの友人とポーカーをし、その負けのツケとして友人のやっかいな従妹サムを引き取ることに。
サムはバスター・キートンに憧れる少年。格好はチャップリン風で、無口でかなーり怪しい行動を取る。
パンにアイロンを当てて、ホットトーストを作ったり、ジャガイモをラケットでつぶしてマッシュポテトにしたり・・・
ものすっごく真剣な顔してアイロンかけてるの。このシーンは、いつもアイロン出すたびに思い出しちゃう。実はやってみたことが・・。
ジョニー・デップはね、ここでもいいです!
やることは変わってるけど、純粋で、キュートなサム。表情と目が素晴らしい。
公園でのパントマイムも見事なの。
ジョニーファンの私は、もう彼を観てるだけでも楽しい・・んだけど、でもこの映画では兄役ベニーもすっごくいいと思う。
妹を心配するあまり、恋人も作ろうとしない彼。それが妹の心に重荷になっていることに気づかない・・ジューンは彼が思っている以上にいろんなことに気づいてるのに・・・
ルーシーといい感じになっても、自分で垣根を作って。
自分はこんなに妹を思っているのに・・・っていう気持ちが空回りして、それが逆にジューンを縛り付けていて。サムとの仲を知ってますます逆上するベニー。
サムとジューンが、どこか現実離れしてる二人だけに、ベニーのこの普通ぽさも好きなんです。
病院に収容されてしまったジューンにベニーとサムが会いに行く場面がいいですね。
サムが彼女にどういうふうに顔を見せたのか・・・それはぜひ観てみてください。
思い出すたび顔が緩んでしまうシーンです。
ルーシー役は、ジュリアン・ムーア。綺麗で可愛い。 |
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1995年アメリカ 監督 ジョン・タートルトーブ
キャスト サンドラ・ブロック ビル・プルマン ピーター・キャラガー
予期せぬ人生・・・それが人生
駅で切符売りをして働くルーシー。
彼女の想い人は、毎朝改札口を通り過ぎるダブルのスーツの似合う王子様。
でも、それは彼女の片思い・・彼女の夢。
クリスマスの朝も仕事にでたルーシーの目の前で、事故が起こった。
憧れの彼が、不良にからまれて線路に落ちてしまったのだ。
とっさに彼を助けたルーシー。昏睡状態の彼を訪ねていった病院で、ふとつぶやいた言葉から、なんと彼の婚約者だと誤解されてしまって・・・
何も知らされていなかった彼(ピーター)の家族は驚くんだけど、陽気で明るい彼らはすぐにルーシーを受け入れ、彼女をクリスマスパーティーに招待してくれて。
誤解を解かなければ・・と想いながらも家族を亡くし孤独なルーシーには、彼らの暖かさがうれしくてたまらない。
暖炉に彼女の靴下を下げ、ちゃんとプレゼントまで用意してくれた彼ら。
プレゼントを抱きしめて笑うルーシーの表情が、胸を打ちます。
でも、帰ってきたピーターの弟ジャックは、ルーシーが兄の好みでないことから彼女のことを少し疑っています。それであれこれ質問したり。
でも、二人で話したり、彼女に接しているうちにジャックはしだいに変な気持ちになってくるんです。
なぜなら、ルーシーはまさに彼の好みの女性だったから。
このあたりの二人の表情がとってもいいんです。
恋がはじまった頃の不安定な気持ちの揺れや、押さえていてもあらわれるお互いのまなざし。
雪の歩道のシーンにはドキドキします。
そうこうしているうちにピーターが目覚め、そして、彼の本当の婚約者がやってきたから!!
ルーシーの恋の行方はどうなるのでしょう。
はらはらしたり、ドキドキしたり、涙したり、笑ったり。
心温まるラストまでたっぷり楽しんでくださいね。
サンドラ・ブロックが、すっごくキュート!
「予期せぬ人生・・それが人生」
ルーシーのお父さんのこの言葉が、印象的な映画でした。
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1995年アメリカ 監督 フランシス・F・コッポラ
キャスト ジョニー・デップ マーロン・ブランド フェイ・ダナウェイ
答えはすべて愛・・
精神科医ミックラーは、自殺しようとする青年の説得を依頼された。
愛に破れて死を選ぼうとする青年を説得し、思いとどまらせた医師だったが、青年はその服装と言動から医師の働く精神病院に拘束される。
中世貴族の衣装をまとい、仮面をつけた21歳の青年は、自らを“ドンファン”と名乗り愛をかわした女性は1500人にのぼると語る。
仕事に燃え尽き引退を決意しているミックラーだったが、青年に興味を覚え彼の治療にあたることに。
青年がミックラーに語る身の上話が素敵なんです。
メキシコでの両親の出会い、彼の生い立ち、初恋。はたまた、アラブ王室でのハーレム話から、エロス島での愛。
それはまるで絵物語のように魅力的に語られるのです。
彼を治療するはずのミックラーは、青年の話に魅了され、自分の中に眠っていた情熱に気づかされます。
ミックラーがどんどんと彼に影響されていって、妻を見つめる視線が熱くロマンチックになってゆくのが楽しいのね。
奥さんも彼の変化に驚くんだけど、それがまた嬉しそうで。だって、何年も連れ添った夫から「君をもっと知りたい」なんて言われたら・・・
奥さん役のフェイ・ダナウェイが可愛いの。
でも、ミックラーの同僚の精神科医はドンファンのことを虚言癖のある精神病患者だと信じて疑わないし、ドンファンの祖母を名乗る人物の話を聞くと・・・・。
彼はいったい何者なのか?
彼の話は本当なのか?
この映画がとっても魅力的なのは、やっぱりドンファンを演じるジョニー・デップのおかげ・・これはどうしたって、そうでしょう。
あの衣装!現代の世界であれで登場するとかなり可笑しいはずなんだけど、彼だとなぜか可笑しくないのね。なんとも魅力的なんだわ(そりゃあ、私の贔屓目もあるかもしれないけど、それだけではないはずよ 笑)
女性を見つめて愛を語る彼の瞳。そこにはけっして、プレーボーイの匂いがないのね。
あんなに愛を語っても、それがとってもみずみずしく新鮮に思えるの。繊細でどこか影のある彼だからこそ!
「人生で大切な問題は4つしかない。
神聖とは何か?魂とは何か?命の意味は何か?死の意味は何か?
答えはすべて同じ“愛だ”」
ラストシーンも素敵なこの映画。
今好きな人がいないあなた、きっと恋がしたくなります。
そして、隣に素敵な人がいるあなたは、きっと相手をもっと愛したいと思うはず。
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1978年アメリカ 監督 ウォーレン・ビーティ バック・ヘンリー
キャスト ウォーレン・ビーティ ジュリー・クリスティ ジェームズ・メイスン
運命の人を信じますか?
プロのアメフトチームでクォーターバックを務めるジョーは、ある日事故に会い天国へ。しかし、それは新人案内人の間違いでジョーにはまだ50年の寿命があったのだ。ミスに気づき、天使長は、彼を自分のからだに戻そうとするがジョーのからだはすでに火葬されていた。
しかたなくジョーは、新しいからだが見つかるまでの間、妻と愛人に殺され、仮死状態だった実業家の体にはいりこむことに。
ここで、面白いのは、入り込んでも映像はそのままジョーを演じるウォーレン・ビーティの姿のままだということ。本当は、不自然なこの描き方が、かえって実業家の姿を想像させ、魂はジョーだということも納得させて、彼の魅力的なキャラをそのまま感じてうまい描き方だと思う。
これまではあくどい事業を行い、とってもいやな人だったらしい実業家が(ジョーに代わって)全然違う人になってしまい、驚き戸惑う周りの人々の様子がおかしい。妻と秘書とのかけひきや召使とのやりとりの面白いこと。
重役会議で、ジョーが会社経営をアメフトの試合に例えてフェアプレイこそが会社を大きくすると堂々と演説するところなんか妙に説得力があった。
実業家にひどい目にあわされて抗議に来たベティは、この会議の様子を見て彼を見直し、二人はおたがいに惹かれあってゆく。
しかし、納得いかないのは妻と愛人。二人はふたたび彼を亡き者にしようと・・・
ジョーは最後には本当の代わりのからだを貰うのだが、そのかわりジョーとしての記憶はなくなってしまう。
ラスト、違う姿のジョーとベティが偶然出会う。会ったことはないふたり。だけど、、お互いに何かを感じあう。
たとえ姿は変わっても、その人の心を感じることが出来たら。その人の目に何かを感じたら。
そんな暖かい余韻がとってもうれしい。何度観ても、涙が止まらないラストです。
ジェームズ・メイスンの天使長をはじめ、まわりを演じる人々もとっても魅力的で素敵な映画。 |
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1943年アメリカ 監督 マイケル・カーチス
キャスト ハンフリー・ボガード イングリッド・バーグマン
大人のセリフに憧れました。
「そんな昔のことは、覚えていない」
「そんな先のことは、分からない。」
く〜、こんなセリフ、普通は言えませんよね。
でも、これがハンフリー・ボガードだと決まるんですよ。
乾いた魅力がありますよね。ちょっとストイックな、けれど、きっと愛した人は守ってくれる男。
イングリッド・バーグマンが、またものすごく綺麗なんです。トイレなんか絶対行かないよ(笑)て感じのクールな美しさ。
「君の瞳に乾杯」って言われても納得しちゃう。
霧の飛行場での別れまで、あくまで、大人の映画でした。
おまけ
「男はタフでなければ、生きていけない。だが、優しくなければ生きていく資格はない。」
これもまた、有名なセリフですね。レイモンド・チャンドラーの小説の主人公私立探偵フィリップ・マーロウのセリフです。
ハンフリー・ボガードは、映画「三つ数えろ」で、このマーロウを演じていると聞きました。
私は、観たことがないけれど、きっとこのセリフもかっこよく決めているんだろうなあ。
大人のセリフが似合う男性って、少ないです。
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監督 スティーブ・マイナー
キャスト メル・ギブソン ジェイミー・リー・カーティス
イライジャ・ウッド イザベル・グラッサー
時を越えた告白に、女性は涙します。
伝えるべき言葉を伝えられなかった男の前に訪れた悲劇。
絶望した彼が選んだ道は冷凍睡眠だったが、手違いから、彼が目覚めたのはなんと53年後だった。
目覚めた彼は、時代の変化に驚きつつも、彼を目覚めさせた少年とその母親の助けを借りて、恋人の行方を探していく。
この親子とのふれあいが、なんともいい感じで、もしやこのまま彼女と・・なんて思ったりするんだけれど、そこは、やっぱりロマンチックラブを貫き通しましたね。ニクイです。
53年の歳月を経て、恋人と再会するラストシーン、ここで、涙しない女性はいないのでは。
いやあ、でもやっぱり言うべきことは、その時に言っておきましょう。男性の方々。 |
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197年アメリカ・イギリス合作 監督 キャロル・リード
キャスト ミア・フォロー トポル マイケル・ジェイストン
思い出の映画
中学生の時、両親が観ていたTVのロードショーで観た作品。
今は、ビデオも見かけませんね。ちょっとストーリーを説明すると・・・
ミア・フォロー演じるブレンダは、身分の違う男性と惹かれあい、結婚するが、格式の高さになじめず、しだいに息がつまりそうになってゆく。
自由を愛し、自分を取り戻そうと彼女は毎日一人で街に出かけてゆく。
そんな彼女のあとをつける探偵は(彼女の夫が雇った)、彼女のいきいきした魅力にひかれていって・・・
この探偵とのおかしなデート(?)が、面白い。
少し距離をおきながら、言葉もかわさない。
ただ目で合図し、お互いの好きな場所を教えあってロンドンの街を歩いてゆく。
白いコート(なんで?)を着た探偵役トポルが、なんか楽しい。
ブレンダは、夫が探偵を雇ったことを知り、家を出て行くが、探偵は彼女がまだ夫を愛していることを知って、夫にあるアドバイスをする。
彼女の後をついてゆき、彼女と同じものを見て、彼女を理解しようとする夫に、ブレンダが見せた笑顔。
すごく爽やかで、ああ、いいなあと思ったラストだった。
あの頃は、今みたいにレンタルビデオもなかったし、家は田舎だったので、近くに映画館もなく、日常の中で映画といえば、TVのロードショーだった。
それまでは、父が好んで観ていた「戦争もの」くらいしか観たことがなかった私にとって、「ああ、こんな映画もあるんだ」とそれは新鮮な驚きだった。
「映画って素敵だな」と初めて思えたこの映画は、私にとって映画の原点になったように思う。
おまけ
周防監督の「Shall we ダンス?」の探偵事務所の壁にこの映画のポスターが、貼ってあったんですよ。 |
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1988年 韓国 監督 ホ・ジノ
キャスト ハン・ソンキュ シム・ウナ
愛をありがとう。
ジョンウォンは、町で小さな写真館を開いている。ある日、彼の写真館に一人のお客が。駐車違反の車を取り締まる仕事をしているタリム。若く無邪気な彼女は、写真を頼むためにたびたび店を訪れるようになる。
だんだんと一緒の時間がうれしくなってくる二人。
でも、ジョンウォンには、残された時間は少ないのだった。
ジョンウォンの毎日は、静かに淡々と描かれます。彼のおだやかな微笑のように。
妹、父。彼の初恋の人。友だち。日常の中で、彼のそれまでの人生がだんだんと見えてくる。
そんな中に訪れたタリムとの時間。
「おじさん(タリムは彼のことをこう呼ぶ)は、なぜ、私を見ると笑うの」
ジョンウォンの微笑みは暖かく、彼女もしだいに安らぎとほのかな思いを抱き始めて。
口紅を買い、化粧をするタリム。約束しておきながら、来ないタリム。若い彼女の心は、恋の初まりに揺れているかのよう。
しかし、彼の時間は残り少なくなってゆく。
雷の鳴る夜、そっと父の布団にもぐりこんだり、一人涙したり。父親にビデオの操作方法を教えようとするシーンは印象的だ。何度言っても分からない父のために、紙に操作方法を書いてゆくジョンウォン。
ひとつ、ひとつのエピソードが、とても丁寧に彼の残された時間を語ってゆく。
最後の何分間かなあ・・彼が病院から帰ってきてからは、ほとんどセリフもなく、静かに彼の姿を映し出してゆきます。その静けさが、なんともせつせつと胸に響いてくる。
ラストは、クリスマスの朝。雪の積もる写真館の前を通るタリム。
何かに気づき、微笑むタリム。
彼女の笑顔がまぶしい。
『 記憶の中の写真のように、愛もいつか思い出に変わると思っていました。
でも、君だけは思い出ではありません。
愛とともに旅出させてくれる君に「ありがとう」の言葉を残します。 』
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