本資料は、漢数字をアラビア数字に変更するなど、若干の修正を加えたものです。

基発第308号
昭和31年5月18日

都道府県労働基準局長 殿

労働事務次官



特殊健康診断指導指針について

  表記指針を別紙のとおり定めたので、これに基づいて特殊健康診断が適切に実施されるよう格段の配慮を致されたい。
  なお本年度にいて差し当り衛生管理者を選任すべき事業場について指導することとされたい。

特殊健康診断指導指針

  労働衛生行政が最重点の一つとして掲げるべき衛生上有害な業務に従事している労働者のそれらの業務から受ける障害の防止のためには、その早期発見の重要であることはいうまでもないところであるが、従来の労働衛生活動の実績に鑑みる時、未だ労働安全衛生規則第50条第1項第4号に基く告示はないが一般の健康診断項目の他に特殊な検査項目による健康診断、即ち特殊健康診断を実施する必要が痛感されるのである。
  而して、特殊健康診断はそれぞれの業務に応じて必要な検査項目を異にし、且つその必要な項目について適切な検査方法で実施されなければ所期の効果を挙げることが出来ないことは当然であるから、それらの選定は十分な検討を要するものである。
  伋つて今般過去の試験研究並びに実態調査の結果等を検討し、差し当たり別紙のとおり明らかに衛生上有害な業務、又は有害であることについて一般的に認められてはいるが、なお検討の余地を残す有害のおそれのある業務の内主要なるものに限りそれらについての障害を推測するに必要な最小限の検査項目を選定し且つその検査方法を別表の通り掲げたのでこれに基き特殊健康診断が実施され所期の目的の一端が達成されるよう努力いたされたい。
  併し乍ら、この特殊健康診断を実施せしめることは、現在あくまでも使用者の自発的措置を勧奨するものである点に充分意を致さなければならないものであって、苟も強制に亘ることのないようにしなければならないものである。而して使用者の衛生管理に対する熱意に訴えその実施が円滑に推進されることに格段の配慮をいたされたい。
  尚、特殊健康診断の適切な実施のためには所定の検査を行うに当たて当該労働者の職歴経験年数、既往症等を明かにすることが望ましく、又その実施に当る者が検査方法に熟練することが必要である。
  更には監督官等係官が適切な援助助言を与えることは本健康診断の実施を円滑に推進するものであることを銘記されたい。

(別紙)
 有害な又は有害のおそれある主要な業務
 削除
 紫外線、赤外線にさらされる業務
(イ)  電気による溶接、切断又は接着を行う作業(抵抗溶接作業を除く。)
(ロ)  ガスによる溶接、切断を行う作業
(ハ)  アーク灯又は水銀アーク灯の操作を行う作業
(ニ)  赤外線感想において、赤外線の直射を受ける至近距離における作業
(ホ)  ガラス若しくは金属を溶解又は加熱(温度摂氏700度以上に限る)する操作における炉前作業若しくは温測作業又はそれらの溶解物若しくは加熱物の運搬(平杓子で運搬するものを除く。)する作業、又は圧延その他の加工作業
(ヘ)  電球等の光源製品の寿命を検査する業務
(ト)  人口光源を用いてレンズ等の光学ガラス製品を検査する作業
 削除
 削除
 鉛、その合金若しくはその化合物を取扱う業務待ったはその蒸気若しくは粉じんを発散する場所における業務(四エチル鉛を除く)
(イ)  鉛を精錬する工程において、ばい煙、焼結及び熔鉱する場所における作業又は炉の中の煙灰或いは鉱滓を取り扱う場所における作業
(ロ)  鉛を溶解し又は鋳込みする場所における作業
(ハ)  鉛を粉砕する場所における作業
(ニ)  鉛を焼成する場所における作業
(ホ)  鉛を蓄電池の電極板に塗り込む作業
(ヘ)  活字を文選し、椊字し又は解版する作業
(ト)  陶磁器を製造する工程において、鉛を使用する上絵付け又は転写する場所における作業
(チ)  鉛の溶接を行う場所における作業
(リ)  蓄電池を製造する工程において、鉛粉と利サージを混合する作業
(ヌ)  蓄電池極板を組立てる作業
(ル)  高周波コードまたはケーブルを製造する工程において鉛被する作業
(ヲ)  転写紙を製造する工程において鉛粉蒔及び鉛粉払いする作業
(ワ)  鉛を精製する工程において、鉛電解する作業
 水銀そのアマルガム又は化合物(但し、朱のような無害なものを除く。)を取り扱う業務又はその蒸気若しくは粉じんを発散する場所における業務
(イ)  水銀高山(辰砂を除く。)の自然水銀を含む土石又は鉱物を掘さくする坑内における作業
(ロ)  水銀の精錬を行う場所における作業
(ハ)  水銀を蒸装置する場所における作業
(ニ)  計器、水銀灯又は整流器等に水銀を封入する作業
(ホ)  水銀を用いて電気分解を行なう作業
(ヘ)  電光ニュースを行う作業
 クロム又はその化合物の蒸気若しくは粉じんを発散する場所における業務
(イ)  クロム鍍金を行う場所における作業
(ロ)  クロム酸塩を触媒として成形し又は取扱う場所における作業
(ハ)  製革する工程において皮革をクロム酸液に浸漬し鞣す作業
 マンガン又はその化合物を取扱う業務又はそのガス、蒸気若しくは粉じんを発散する場所における業務
 マンガン鉱を採掘し又は粉砕する作業
 黄燐を取り扱う業務又は燐の化合物のガス、蒸気若しくは粉じんを発散する場所における業務
(イ)  黄燐又は燐酸を製造する工程において溶鉱炉へ原料を投入する場所にける作業又は鉱滓をかき出す作業
(ロ)  黄燐を用いる殺鼠剤を製造する工程において黄燐を加温融解し、温和し又はチーブ詰めする作業
10  有機燐剤を取扱う業務又はガス、蒸気、若しくは粉じんを発散する場所における業務、有機燐剤を製造する業務における製品の混合、粉砕、稀釈の場所における作業又は有機燐剤を噴霧する作業
11  亜硫酸ガスを発散する場所における業務
(イ)  坑内の天然硫黄を掘さくする場所における作業
(ロ)  硫黄を含む岩石又は硫化鉱物を焙焼し、又は焼結する作業
12  二硫化炭素を取り扱う業務又はそのガスを発散する場所における業務
(イ)  二硫化炭素を製造する工程において、反応炉へ原料を投入し又は汲出しする場所における作業
(ロ)  人絹、スフを製造する工程において、紡糸を行う作業
(ハ)  セロフアンを製造する工程において、成膜するする作業
13  削除
14  ベンチヂンを取り扱う業務、又はそれらの蒸気若しくは粉じんを発散する場所における業務
 還元釜へ原料を挿入する作業、ヒドラドベンゼンを回転篩により分離する作業、転位槽の投入口の場所における作業
15  前記以外のベンゼンのニトロ、アミド化合物を取扱う業務又はそれらのガス、蒸気若しくは粉じんを発散する場所における業務
(イ)  ニトロ、ベンゼンを製造する工程において、硝化釜へ原料を投入し、又は硝化釜を攪拌する作業、洗槽を操作する作業、蒸留釜を操作する作業、製品を計量し又は缶詰する作業
(ロ)  クロール、ニトロ、ベンゼンを製造する工程において、硝化釜へ原料を投入し又は硝化釜を攪拌する作業、結槽から取り出した製品を運搬する作業、遠心分離器へ製品を投入し、取り出し、又は分離排液を行う作業
(ハ)  アニリンを製造する工程において、還元釜へ原料を投入し又は還元釜を攪拌する作業
16  脂肪族の塩化又は臭化炭化水素を取扱う業務、又はそれらのガス、蒸気若しくは粉じんを発散する場所における業務
(イ)  削除
(ロ)  臭化メチルによる燻蒸を行う場所における作業
(ハ)  削除
(ニ)  削除
(ホ)  削除
(ヘ)  削除
17  五塩化石炭酸を取り扱う業務又はそのガス、蒸気若しくは粉じんを発散する場所における業務
(イ)  五塩化石炭酸を製造する工程において、昇華した塩化石炭酸を除去する作業、酸析槽で五塩化石炭酸を溶解し濾過する作業、酸析槽において五塩化石炭酸を析出し脱水し、乾燥し、粉砕する作業及び製品を樽詰等にする作業
(ロ)  五塩化石炭酸を木材防腐剤として撒布する作業
(ハ)  タルク又はベントナイトを添加する造粒工程において、原体の倉庫よりの運搬、仕込み、混合和、造粒、乾燥、粉砕、ふるい分け、製品の計量、袋詰め及び運搬の作業
(ニ)  小分け作業工程において、造粒した製品の倉庫よりの運搬、充填機等への仕込み、製品の計量及び袋詰め作業
18  砒素又はその化合物を取り扱う業務、又はそのガス、蒸気若しくは粉じんを発散する場所における業務
(イ)  硫砒鉄鉱を焙焼し、発生する亜砒酸を凝縮する作業
(ロ)  亜砒酸を製造する工程において銅鉱の煙道塵から亜砒酸を抽出し、運搬し、袋詰する作業
19  β*ナフチルアミン又はその含有物を取り扱う業務又はその蒸気若くは粉じんを発散する場所における業務
 β*ナフチルアミンを製造する工程において
(イ)  吸収層に回収したアンモニ、亜硫酸混合溶液を加え調整する作業
(ロ)  オートクレーブにβ*ナフトール及び調整したアンモニ、亜硫酸混合溶液を仕込む作業
(ハ)  オートクレーブから反応物を分離器に排出し、アンモニ、亜硫酸混合溶液を回収する作業
(ニ)  分離器の反応物を濾過し、水で洗する作業
(ホ)  濾過物を乾焼器で乾焼する作業
(ヘ)  乾燥器からβ*ナフチルアミンを取り出し容器に詰める作業
20  トリレンジイソシアネート(<TD・I>*メチレンジフニルジイソシアネート<M・D・I>を含む。以下同じ。)を取り扱う業務又はそれらのガス若しくは蒸気を発散する場所における業務
(イ)  T・D・Iを製造する工程において、蒸装置、受液装置、貯蔵装置を操作する作業、材料をサンプリングし検査する作業又は製品を計算し、小分けし又は容器に詰める作業
(ロ)  塗料、接着剤、繊維処理剤等を製造する工程において、T・D・Iを混合し反応装置を操作する作業
(ハ)  T・D・Iの製造装置の改造、修理、分解、解体、破壊、移動又は清掃の作業
(ニ)  ポリウレタンフォームを製造する工程において、T・D・Iを混入し、攪拌器を操作し、T・D・I含有物を噴射させ、発泡を行わせる場所における作業(発泡直後の裁断を含む。)
(ホ)  T・D・I含有物をもちいて行う発泡、塗装又は接着の現場作業
21  フニル水銀化合物を取り扱う業務又はそのガス、蒸気若しくは粉じんを発散する場所における業務
(イ)  フニル水銀化合物を製造する工程において、蒸装置を操作する作業、遠心分離器にかけ、乾燥する作業及び製品を計算し、袋詰にする作業
(ロ)  フニル水銀化合物を含有する殺菌剤及び農薬を製造する工程において、原体を粉砕し、配合し、混合し、造粒し、あるいは水和する作業及び製品を袋詰めあるいはびん詰めにする作業
(ハ)  飛行機又はヘリコプターにより農薬を散布する作業
22  アルキル水銀化合物を取り扱う業務又はそのガス、蒸気若しくは粉じんを発散する場所における業務
(イ)  アルキル水銀化合物を製造する作業
(ロ)  アルキル水銀化合物を含有する殺菌剤及び農薬を製造する工程において、原体を粉砕し、配合し、混合し、造粒しあるいは水和する作業及び製品を袋詰めあるいはびん詰めにする作業
(ハ)  飛行機又はヘリコプターにより農薬を散布する作業
23  クロルナフタリンを取り扱う業務又はそのガス、蒸気若しくは粉じんを発散する場所における業務
(イ)  クロルナフタリンを製造する工程において、反応装置、蒸装置を操作する作業、材料をサンプリングし検査する作業又は製品を計算し、小分けし又は容器に詰める作業
(ロ)  電線をを被覆する工程において、電線をクロルナフタリン溶槽に漬け、透させる作業
(ハ)  ペーパーコンデンサーを製造する工程において、紙にクロルナフタリンを透させる作業
(ニ)  電解用カーボンを製造する工程において、カーボンににクロルナフタリンを透させる作業
24  ヨウ化メチルを取り扱う業務又はそのガス若しくは蒸気を発散する場所における業務
(イ)  ヨウ化メチルを製造する作業
(ロ)  メチル化剤としてヨウ化メチルを使用する作業
25  ヨウ素を取り扱う業務又はそのガス、蒸気若しくは粉じんを発散する場所における業務
(イ)  ヨウ素を活性炭素法、澱粉法、銅法、銀法、石油法、追出法等により製造する作業
(ロ)  ヨウ素を原料としてヨードカリ、ヨードナトリウム、医薬品、爆薬、染料等を製造する作業
26  アクリロニトリルを取り扱う業務又はそのガス若しくは蒸気を発散する場所における業務
(イ)  タンク又はドラムから揚液する作業
(ロ)  化学繊維を製造する工程において、アクリロニトリル蒸室、重合室、紡糸室における作業
(ハ)  アクリロニトリルを入れたのあるタンク又はドラムを清掃する作業
(ニ)  アクリロニトリルを用いて実験、研究する作業
27  フッ化水素をを取り扱う業務又はそのガス若しくは蒸気を発散する場所における業務
(イ)  フッ素あるいはフッ素化合物を製造する工程において、キルン、電解槽、反応装置、吸収装置、洗浄装置を操作する作業、材料をサンプリングし検査する作業、製品を計量し、小分けし又は容器詰めする作業
(ロ)  フレオンを製造する工程において、フッ酸の貯槽を操作する作業、冷却装置、吸収装置、洗浄装置を操作する作業
(ハ)  アルミニウムを電解精製する工程において、電解槽を操作する作業
(ニ)  フッ素化合物を用いて、銅、真、ステンレス等金属あるいは石造建築物等を洗浄する作業
(ホ)  ガラス製計量器等を目盛り付けする作業
(ヘ)  ガラスのつや消をする作業
(ト)  半導体用ゲルマニウム、シリコンを食刻加工する作業
(チ)  フッ素樹脂を製造する工程において、反応装置、脱酸装置、精装置、乾燥装置、重合装置を操作する作業
(リ)  鋳鉄、石炭、黒鉛、紙等の中から灰分(素分)を除去する作業
(ヌ)  フッ化物を用いて殺菌、消毒を行う作業
(ル)  鉱石を溶解する作業
(ヲ)  アルキルベンゼンを製造する工程において、無水フッ酸を取り扱う作業
(ワ)  フッ化水素を用いて染料、医薬品の中間体、潤滑油表面活性剤、消化剤を製造する作業
(カ)  フッ化水素を用いて分析、実験、研究を行う作業


別表 健診対象業務、検査項目及び検査方法
  健診対象業務 検査項目 検査方法
ラジウム放射線、エックス線、その他の有害放射線にさらされる業務(紫外線・赤外線を除く) 1  赤血球及び白血球数  メランジール法又は東大公衆衛生教室法
2  皮膚の障害  視診
紫外線・赤外線にさらされる業務 眼の障害  視診
けい肺を除くじん肺を起し又はそのおそれある粉じんを発散する場所における業務 胸部の変化  エックス線直接撮影
強烈な騒音を発する場所における業務 1  聴力の異常  オージオメトリー
2  聴器の自覚症状  問診
鉛その合金若しくはその化合物を取り扱う業務又はその蒸気若しくは粉じんを発散する場所における業務(四エチル鉛を除く) (第1次健康診断)  
1  問診視診
  (1) 便秘
  (2) 疝痛
  (3) その他の消化器症状
  (4) 四肢伸筋麻痺及び知覚異常
  (5) 関節痛
  (6) 鉛緑
  (7) 鉛顔貌
  (8) 頭痛
  (9) 上眠
  (10) めまい
2  全血比重
3  尿中コプロプロフリン

(第2次健康診断)
1  職歴調査
2  問診、視診
3  全血比重
4  血色素寮
5  好塩基点赤血球数
6  貧血兆候を認めた場合は糞便中虫卵
7  尿中コプロプロフリン
8  数種の疑わしい症状を有する場合は血中又は尿中鉛量
9  その他医師の必要と認める検査

(注)  第2次健康診断は、第1次健康診断の結果次の各号の一に該当した場合に行うこと。
 ただし、医師が第1次健康診断結果の総合判定において、第2次健康診断を必要としないと認めたはこの限りでない。
1  自他覚症状に異常のある
2  全血比重が男1.055、女1.052未満の
3  尿中コプロプロフリンが陽性の
水銀そのアマルガム又は化合物(但し、朱のような無害なものを除く)を取り扱う業務又はその蒸気若しくは粉じんを発散する場所における業務 (第1次健康診断)  
1  問診、視診
  (1) 上眠
  (2) 頭痛
  (3) 手指振
  (4) 歯内炎
  (5) 血性下痢
2  尿中ウロビリノーゲン
3  尿中蛋白

(第2次健康診断)
1  職歴調査
2  問診、視診
3  尿中蛋白、潜血及び沈渣
4  疑わしい症状を有する場合は尿中水銀量
5  精神、神経学的検査
6  その他医師の必要と認める検査

(注)  第2次健康診断は、第1次健康診断の結果次の各号の一に該当した場合に行うこと。
 ただし、医師が第1次健康診断結果の総合判定において、第2次健康診断を必要としない認めたはこの限りでない。
1  自他覚症状に異常のある
2  尿中ウロビリノーゲンが陽性の
3  尿中蛋白が陽性の
クロム又はその化合物の蒸気若しくは粉じんを発散する場所における業務 1  鼻炎、潰瘊、鼻中隔穿孔等  視診
2  皮膚の障害  視診
マンガン又はその化合物を取り扱う業務又はそのガス、蒸気若しくは粉じんを発散する場所における業務 1  四肢特に指の振小書症、突進症等  視診
2  握力・背筋力の障碍  スメッドレー式握力計を用いる法及びKY式背筋力計を用いる法
黄燐を取り扱う業務又は燐の化合物のガス、蒸気若しくは粉じんを発散する場所における業務 1  顎骨の変化  エックス線撮影
10 有機燐剤を取り扱う業務又はガス、蒸気、若しくは粉じんを発散する場所における業務 1  血清コリンエステラーゼ活性値  PHメーターを使用するマイケル変法
2  多汗、縮瞳、眼瞼、顔面の筋維性攣縮  問診 視診
11 亜硫酸ガスを発散する場所における業務 1  歯牙の変化  視診
2  消化器系の障害  問診
12 二硫化炭素を取扱う業務又はそのガスを発散する場所における業務 1  頭痛、下肢倦怠、焦燥感等  問診
2  網状赤血球数  ブリラントクレジルブラウ法
13 ベンゼンその同族体を取り扱う業務又はそのガス、蒸気を発散する場所における業務 (第1次健康診断)  メランジール法又は東大公衆衛生教室法
 フィッシャー
1  問診
  (1) 頭重
  (2) 頭痛
  (3) 上眠
  (4)
  (5) めまい
  (6) 下肢倦怠
  (7) 神経痛
  (8) 上振
  (9) 胃の症状
2  赤血球数又は全血比重
3  尿中ウロビリノーゲン
4  尿中蛋白

(第2次健康診断)
1  職歴調査
2  問診、視診
3  赤血球数又は全血比重
4  白血球数
5  皮膚粘膜に出血傾向のある場合は血小板数
6  貧血徴候を認めた場合は糞便中虫卵
7  その他医師の必要と認める検査

(注)  第2次健康診断は、第1次健康診断の結果次の各号の一に該当した場合に行うこと。
 ただし、医師が第1次健康診断結果の総合判定において、第2次健康診断を必要としないと認めたはこの限りでない。
1  自他覚症状に異常のある
2  赤血球数が男1立方ミリメートル中450万個、女1立方ミリメートル中400万個未満の
3  全血比重が男1.055女1.052未満の
4  尿中ウロビリノーゲンが陽性の
5  尿中蛋白が陽性の
14 ベンチヂンを取り扱う業務又はそれらの蒸気若しくは粉じんを発散する場所における業務 1  潜血反応及び沈渣検鏡  潜血反応…トリヂンを用いる
2  血液比重  硫酸銅法
15 前記以外のベンゼンのニトロ、アミド化合物を取り扱う業務又はそれらのガス、蒸気若しくは粉じんを発散する場所における業務 1  血液比重  硫酸銅法
2  ウロビリノゲン、コブロポルコイリン及び糖  糖…ニーランデル法
3  チアノーゼ  視診
16 脂肪族の塩化又は臭化炭化水素を取り扱う業務、又はそれらのガス、蒸気若しくは粉じんを発散する場所における業務 1  血圧  リバロチ氏血圧計を用いる方
2  白血球数  メランジール法
3  血液比重  硫酸銅法
4  ウロビリノゲン及び蛋白  ウロビリノーゲンエールリヒ試薬を用いる
 蛋白…ズルホサチル酸試薬を用いる
5  複視  問診
6  疲労感、めまい、吐気  問診
17 五塩化石炭酸を取り扱う業務又はそのガス、蒸気若しくは粉じんを発散する場所における業務 1  白血球数  メランジール法又は東大公衆衛生教室法
2  尿中のウロビリノーゲン  エールリヒ試薬を用いる
3  尿中糖  ニーランデル法
4  多汗等  問診
5  甘味喫好  問診
6  食欲上振  問診
7  疲労倦怠感  問診
8  血圧  リバロチ氏血圧計を用いる
18 砒素又はその化合物を取り扱う業務、又はそのガス、蒸気若しくは粉じんを発散する場所における業務 1  鼻炎、潰瘊、鼻中隔穿孔等  視診
2  皮膚の障害  視診
3  血液比重  硫酸銅法
4  尿中ウロビリノーゲン  エールリヒ試薬を用いる
19 β*ナフチルアミン又はその含有物を取り扱う業務又はその蒸気若しくは粉じんを発散する場所における業務 1  潜血反応及び沈渣検鏡  トリヂンを用いる
2  全血比重  硫酸銅法
20 トリレンジイソシアネート(<TD・I>*メチレンジフニルジイソシアネート<M・D・I>を含む。以下同じ。)を取り扱う業務又はそれらのガス若しくは蒸気を発散する場所における業務 (第1次健康診断項目)  
1  頭重、頭痛、眼痛、鼻痛、咽頭痛、咽頭部違和感、咳嗽、喀痰、胸部圧迫感、切れ、胸痛、呼吸困難、全身倦怠、体重減少、眼・鼻・咽喉の粘膜の炎症
2  皮の変化
3  胸部理学的検査

(第2次健康診断対象者基準)
 次の各号の一に該当した場合。ただし、医師が第1次健康診断結果の総合判定において、第2次健康診断を必要としないと認めた場合はこの限りでない。
1  自覚症状に異常ある
2  眼、鼻、咽喉に炎症がある
3  皮に発疹がある
4  胸部理学的検査において異常呼吸音がある

(第2次健康診断項目)
1  職歴調査
2  現症に関する問診、視診
3  胸部理学的検査
4  狭窄性換気機能検査
5  他の胸部慢性疾患が疑わしい場合は、胸部X線直接撮影
6  その他医師の必要と認める(肝機能腎機能等)検査
21 ニル水銀化合物を取り扱う業務又はそのガス、蒸気若しくは粉じんを発散する場所における業務 (第1次健康診断項目)  
1  口内炎、手指振、上眠、頭重、精神上安定感
2  皮の変化
3  体重測定
4  尿中蛋白

(第2次健康診断対象者基準)
 次の各号の一に該当した場合。ただし医師が第1次健康診断結果の総合判定において、第2次健康診断を必要としないと認めた場合はこの限りでない。
1  自他覚症状に異常ある
2  皮障害がある
3  体重減少が著明である
4  尿中蛋白が陽性である

(第2次健康診断項目)
1  職歴調査
2  尿中水銀量検査
3  腎臓機能検査
4  神経精神医学的検査
22 アルキル水銀化合物を取り扱う業務又はそのガス、蒸気若しくは粉じんを発散する場所における業務 (第1次健康診断項目)  
1  口唇、四肢部の知覚異常、頭重、頭痛、関節痛、睡眠異常、うつ感、上安感、歩行失調
2  皮の変化
3  体重測定

(第2次健康診断対象者基準)
 次の各号の一に該当した場合ただし、医師が第1次健康診断結果の総合判定において、第2次健康診断を必要としないと認めた場合はこの限りでない。
1  自他覚症状に異常がある
2  皮障害がある
3  体重減少が著明である

(第2次健康診断項目)
1  職歴調査
2  尿中水銀量検査
3  視野検査
4  聴力検査
5  神経精神医学的検査
6  筋電図及び脳波検査
23 クロルナフタリンを取り扱う業務又はそのガス、蒸気若しくは粉じんを発散する場所における業務 (第1次健康診断項目)  
1  顔面、耳朶、項部、胸部、背部等のクロルアクネの有無
2  尿中ウロビリノーゲン

(第2次健康診断対象者基準)
 次の各号の一に該当した場合ただし、医師が第1次健康診断結果の総合判定において、第2次健康診断を必要としないと認めた場合はこの限りでない。
1  クロルアクネがある
2  ウロビリノーゲンが陽性である

(第2次健康診断項目)
1  職歴調査
2  血液中のクロル量調査
3  肝臓機能検査
24 ヨウ化メチルを取り扱う業務又はそのガス若しくは蒸気を発散する場所における業務 (第1次健康診断項目)  
1  頭重感、倦怠感、めまい、眠気、悪心、嘔吐、ふらつき、手足がだるい、目がかすむ
2  皮の変化

(第2次健康診断対象者基準)
 次の各号の一に該当した場合ただし、医師が第1次健康診断結果の総合判定において、第2次健康診断を必要としないと認めた場合はこの限りでない。
1  自他覚症状に異常がある
2  皮に障害がある

(第2次健康診断項目)
1  職歴調査
2  精神、神経症状の検査
(1)  視覚検査
(2)  運動神経検査
(3)  精神障害検査
25 ヨウ素を取り扱う業務又はそのガス、蒸気若しくは粉じんを発散する場所における業務 (第1次健康診断項目)  
1  流涙、眼痛、結膜充血、咳嗽、鼻汁過多、咽頭痛、鼻炎、頭痛、めまい
2  皮の変化

(第2次健康診断対象者基準)
 次の各号の一に該当した場合。ただし、医師が第1次健康診断結果の総合判定において、第2次健康診断を必要としないと認めた場合はこの限りでない。
1  自他覚症状に異常がある
2  皮に障害がある
3  バセドウ様所見がある

(第2次健康診断項目)
1  職歴調査
2  甲状腺機能検査
26 アクリロニトリルを取り扱う業務又はそのガス若しくは蒸気を発散する場所における業務 (第1次健康診断項目)  
1  頭重、頭痛、全身倦怠感、易疲労感、悪心、嘔吐、鼻血、上眠
2  皮の変化(発疹)、粘膜の検査(貧血、黄疸、結膜炎)
3  赤血球系の検査
4  血清膠質反応
5  コリンエステラーゼ活性値
6  尿検査((イ)ウロビリノーゲン(ロ)ビリルビン、(ハ)蛋白)

(第2次健康診断対象者基準)
 次の各号の一に該当した場合。ただし、医師が第1次健康診断結果の総合判定において、第2次健康診断を必要としないと認めた場合はこの限りでない。
1  自他覚症状に異常がある
2  皮の検査及び粘膜の検査で異常がある
3  赤血球系の血液検査において次の各号の一に該当する
(1)  赤血球数が男450万個/立方ミリメートル女400万個/立方ミリメートル未満である
(2)  全血比重が男1055女1052未満である
(3)  血色素量が男13.5g/dl女12.0g/dl未満である
4  血清膠質反応2以上の
5  コリンエステラーゼ活性値0.6ΔPH異常の
6  尿検査において次の各号の一に該当する
(1)  尿中ウロビリノーゲンが陽性である
(2)  尿中ビリルビンが陽性である
(3)  尿中蛋白が陽性である

(第2次健康診断項目)
参照資料に記載無し
27 フッ化水素をを取り扱う業務又はそのガス若しくは蒸気を発散する場所における業務 (第1次健康診断項目)  
1  目、鼻、口腔、粘膜の炎症
2  歯の異常
3  赤血球系の血液検査
4  出血時間の検査
5  肝臓機能検査

(第2次健康診断対象者基準)
 次の各号の二以上に該当した場合。ただし、医師が第1次健康診断結果の総合判定において、第2次健康診断を必要としないと認めた場合はこの限りでない。
1  眼、鼻、口腔、粘膜に異常がある
2  斑状歯がある(ただし小児期の生活に起因するは除く)
3  赤血球系の血液検査において次の各号の一に該当する
(1)  赤血球数男450万個/立方ミリメートル女400万個/立方ミリメートル未満である
(2)  全血比重が男1055女1052未満である
(3)  血色素量が男13.5g/dl女12.0g/dl未満である
(4)  出血時間が延長する

(第2次健康診断項目)
1  職歴調査
2  血中のカルシウム量の検査
3  血中の酸性ホスフターゼの検査
4  胸部エックス線写真撮影
5  長骨のエックス線写真撮影
6  尿中フッ素量の検査

Arranged by Project U10