銅イオンスライム

はじめに

 「スライムを科学する」でポリビニルアルコールがアルコキシドイオンが強い求核性を持ち、ホウ酸イオンから水酸化物イオンを追い出して配位結合することを紹介しました。アルコキシド・イオンは同じように水酸化物イオンを持つ水酸化銅から水酸化物イオンを追い出して、配位結合します。


1 実験内容 及び結果

(1) PVA水溶液を銅電極を使って電気分解

  PVAホウ酸水溶液の場合と同じ装置を使い、

  1. PVA(ポバール) 30ml
  2. 脱イオン水    30ml
  3. 銅電極
  4. 電圧15V

の条件で電気分解を行うと写真のように緑色のスライムができます。水を加えたのは流動性を良くするためです。

 ビーカーの中心付近に緑色のスライムが生成し始め、陰極側に引き寄せられていきます。PVAが作る保護コロイドが電気泳動をしていると考えられます。
 やや流動性が大きいのですがスライムができます。濃緑色は銅イオンが化学結合をしていることを示します。スライムを作るのが水素結合ではないことがわかります。
紫キャベツの抽出液を加えてpHを調べてみました。左は電解液の残った部分で、右は溶解してしまいましたがスライムになった部分です。やはり塩基性を示します。

(2) 脱イオン水だけを銅電極で分解

 銅電極で脱イオン水だけを電気分解すると、陽極の下からビーカー中央部にかけてに水酸化銅が沈殿します。

(3) PVA水溶液に硫酸銅を溶解して塩基性にする

    実験材料
  1.  硫酸銅水溶液(0.01mol/L)水溶液
  2.  PVA洗濯のり(ポバール)
  3.  水酸化ナトリウム(0.05mol/L)水溶液

硫酸銅水溶液とPVA洗濯のりを1:1の割合で混合します。割合は適当です。かなりラフな条件でも同じ結果が得られます。
混合溶液に水酸化ナトリウムを滴下すると、そこに緑色のスライムが生成します。
横から見ると水酸化ナトリウムの通り道がスライムに変わっているのがわかります。
ゆっくり撹拌すると全体が緑色のスライムになります。
大過剰のアンモニアを加えると、スライムは分解して銅アンモニア錯体(テトラアンミン銅)ができる。
右が硫酸銅水溶液、中央は銅イオンスライム、左端はそれに大過剰のアンモニアを加えたものです。深い青色はテトラアンミン銅が生成したことを示しています。