人が乗れるホバークラフトを知ってますか
飯田洋治氏が考案し、理科 おもしろ実験・ものづくり完全マニュアル (東書TMシリーズ)
で紹介したものです。全国の科学の祭典や学校祭で目玉の出し物として活躍しました。子供の頃に乗った人も多いと思います。 飯田洋治氏のホームページにその内容が掲載されています。飯田氏に許可を得て同ホームページより 基本構造の図を転載させていただきました。
黒板消しクリーナーのような小さな動力で人を乗せて浮かび上がらせることが不思議ですが、構造は簡単で黒板消しクリーナーから送られる空気を自動車用タイヤチューブで作られた三つのスカート部に送り込むだけです。実際に作ったことがある方はよくわかると思いますが、平らな床の上で見事に滑走します。 浮く仕組みについては本物のホバークラフトと同様にスカートの中が空気だまりとなっており、その圧力で持ち上げていることを北海道伊達高等学校科学部が確認しています。 (ホバークラフトの研究 北海道伊達高等学校科学部 矢元宗一郎 山谷圭一 高文連全道理科研究大会発表)まずそれを紹介しましょう。
底面部(スカート部)にパスカルの原理が働いている
図1のようにホバークラフトのチューブの口金と天板に図1のように水を入れたU字管を接続します。実際には透明なビニルホースをU字型に曲げて水を入れたものを接続します。これにより水の高さで、スカート底面の空気圧P1とチューブ内の圧力P2を知ることができます。この状態で天板の上に台を置いて重りを載せていきます。実際にはバケツに砂利を入れたものを載せていきました。
図1 ホバークラフト底面部の水による圧力測定
模式的に書くと次のようになります。
図2 スカート部の模式図
この実験から次のようなグラフができました。
図3 スカート部にかけた荷重と底面部及びチューブ内圧力の関係
横軸は載せた砂利の重量で、縦軸はU字間の水面の高さをcm単位で測定した値です。右図のh(cm)です。cmH2Oという単位は医療現場の人工呼吸器など小さな圧力を扱うときに用いられるようですが、あまり聞き慣れない単位ですね。 ところで水を1cm押し上げるためには1平方センチあたりに1gwの力が必要です。 なぜなら底面積が1平方センチで高さが1cmの水の質量は1gで、そこにかかる重力は1gwだからです。だから
になります。 今P1に着目します。加えた荷重をW、グラフの傾きをaとすると P1=aW という関係が成立しています。 中学校で習ったy=axの形ですよね。
