人間の色覚は網膜の中にある錐体細胞によって受容されていると高校生物で習います。錐体細胞は3種類有りそれぞれ赤、緑、青の光に鋭敏に反応することが知られています。これを光の三原色といい、この三色の光があればすべての色を作り出すことができます。それを実験によって確認します。
三原色の加法混色
下の写真はフレキシブル発光ロッドという光散乱ポリマーを使ってLEDの光を混ぜる実験です。左の写真はフレキシブル発光ロッドです。東急ハンズで数百円で買うことができます。白いキャップの中に入っているのは高輝度LEDです。発光ロッドの両端からLEDの光を入れると混色することができます。右の写真はその様子です。上部に赤のLED、左下は緑、右下は青のLEDを配置しています。
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![]() | デジカメではうまくとらえられなかったのですが、結果を模式的にまとめたのが左の図です。
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光の三原色のバランスと発色について | |
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それでは3色がみんな混じっているとどんな色になるのでしょう。左のように赤・緑・青の電球でできた照明で室内を照らしてみましょう。 |
![]() | 赤、青、緑だけではなく白いものもしっかり白として見えます。三色の光があると白いものが白く見えます。これを白色光といいます。ただし白色光も成分によって赤っぽかったり、青っぽかったりします。白以外の色は三色をそれぞれ適当な割合で吸収して光を跳ね返すため様々な色に見えます。私たちの色覚は三色の強さが同じだと無色と判断するようにできています。 |
![]() | 白色光から一部の色が吸収されたり、隠されたりするとその補色が観察されます。スズランテープの影になった部分が色づいて見えるのはこのためです。赤が遮られるとシアンになり、青が遮られるとイエローが見えます。 |
三原色と減法混色
光を混ぜ合わせて色を作る方法を加法混色と言います。上の実験では赤、青、緑の光を混ぜると無色になることもおわかりいただけると思います。今度は逆に無色の光から一部の色を除いて発色させる仕組みを観察します。使うのは三角プリズムです。 光の波長によって屈折角が異なることを利用して色を分離します。これを分光といい、得られる色の帯をスペクトルと言います。![]() | 白熱電球(豆電球)をセットした懐中電灯のスペクトルと白熱電球に黄色いセロファンをかぶせたときのスペクトルを比較してみましょう。 実験道具は二本の懐中電灯です。 |
![]() | 紙箱にスリットを入れて、さらに乱反射を防ぐため黒いテープを貼ったスリットボックスです。このスリットを通過した光を分光してみます。 |
![]() | 写真のようにスリットボックスに懐中電灯をセットし、その光を手前にある三角プリズムを通して観察します。 |
![]() | 右側が白熱電球(豆電球)をセットした懐中電灯のスペクトル、左は黄色いセロファンをかぶせたときのスペクトルです。黄色い光は補色である青が除かれることによって生じていることがわかります。白色光から色の成分を除くことによって発色するこの方法を減法混色といいます。 |
- (白色光)白熱電球には赤、緑、青すべての色が含まれています。これを白色光といいます。
- (減法混色)黄色い光には青がありません。黄色い光は白色光から青が除かれています。このように白色光から特定の色成分を除いて色を作り出す方法を減法混色といいます。
- (補色)この実験で得られた黄色い光と除かれた青い光の関係を補色といいます。加法混色の時に用いた三角形では各頂点とその対辺の色が補色になっています。
光の三原色と絵の具の三原色の違い
この実験で用いたセロファンや絵の具などは減法混色によって色を作り出しています。 青い光を除くためには黄色のセロファンを使いました。つまり補色を使います。赤の光を除くためには水色(シアン)を使います。水が水色なのは赤の光を吸収してしまうからです。緑を除くためには桃色(マゼンタ)を使います。 加法混色の原色はそのまま、赤緑青(RGB)であるの対して減法混色の場合はその補色であるシアン、マゼンタ、イエロー(CMY)になるのはこのためです。
単色光と多色光
感覚である色覚と、物理的な性質である光の波長がごちゃ混ぜになってややこしいのが単色光と多色光の分け方です。マゼンタは自然光の中にはありませんから、マゼンタ系の色は全部多色光ですが、赤・橙・黄色・緑色・青色・藍色・紫色は一つの波長でその色が感覚として生じる単色光があるはずです。次の写真は第二章と同じ方法でLEDが発する黄色い光とセロファンをかぶせた黄色い光を比較したものです。
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右がLED左が黄色いセロファンで作った黄色光のスペクトルです。LEDは単色光、セロファンは多色光ですが人の目で見るとどちらも黄色です。多種の波長が混在する多色光の方が広がりが大きくなっています。LEDは白熱電球に比べて光の広がりが小さいのです。LED電球をお使いの方は実感できると思います。電球の真下は明るくても部屋の隅が暗く感じるのこの性質によるものです。
今見ている色が単色光なのか多色光なのか私たちは区別することができません。でも日常生活で単色光を見ることはほとんどありません。最初に述べたとおり、ナトリウムランプか原色のLEDやレーザーポインタくらいだと思います。









