学習効率と課題の難易度の関係

迷路を使って学習効率を測定する

 試行錯誤の実験というとハツカネズミが迷路を行く姿を想像しますが、人間の場合はどうなるでしょう。20名あまりの生徒を2グループに分け、一方は2分程度でゴールできる迷路、他方は10分程度を要する迷路を課題として与えました。その学習曲線と感想から得られたのは易しすぎる課題はストレスが大きく、学習意欲を削ぐという結論でした。

実験方法

 難易度の異なる2種類の迷路を用意し、ゴールまで要する時間を測定するという簡単な方法です。一方は初回の所要時間が2分程度の易しいもの、他方は10分程度の難しいものです。5分の休憩をはさんで5回繰り返して所用時間を測定しました。その結果が次のグラフです。

次のような特徴があります。

生徒の感想

 2分コース

 10分コース

 

 2分コースの感想には否定的なものが多く、途中で飽き始め繰り返し効果も薄れていることが読み取れます。それに対し10分コースは、最初の驚きと2回目以降のわかりはじめた喜びが書かれており、否定的な内容のものはありませんでした。「勝手に手が動く」という言葉が象徴的です。

まとめ

 繰り返し学習が有効であることは疑う余地がありませんが、そのためには適度な負荷を持った課題が必要であることがわかります。 常日頃「わかりやすい授業」を目指してしまいがちですが、それが学習効果を上げるとは限りません。時には推理小説のネタをばらすような授業を やってしまうことも少なくないと思います。いかにわかりやすい授業であってもそこに達成感がなければテレビを見ているのと変わらない程度の 効果しかないのかもしれません。生徒から「聞いたときはわかるんだけど、後で考えるとわからない」という感想を伝えられることが多い私としては大きな 反省材料になりました。