2004年2月

1歳児死亡で施設長に逮捕状

 新潟市の無認可保育所で2002年7月、女児が死亡する事故があり、新潟県警は保育所の園長が安全管理のための十分な指導監督を怠ったなどとして、2月2日までに業務上過失致死容疑で逮捕状を取った。容疑が固まり次第、逮捕する方針。

 事故があったのは「小林乳児園」。美容師の長女(当時1歳11カ月)が同7月30日午後、2階の寝室で、ベットの柵とふたのようにかぶせた板の間に首を挟まれた。病院に運ばれたが、2時間半後に死亡が確認された。当時は保育士ら3人の職員がいたが、いずれも1階にいた。

 県警の調べでは、柵は高さ約75センチ、板はベットの底板で、厚さ1センチ(重さ約5キロ)だった。女児は柵から顔がのぞく身長だったと言う。原因は窒息死で、寝室に30分以上誰もいなかったことやベットの構造から柵と板の間に身体を挟む事故は予見できた疑いがあると判断した。

 県警は、保育所内の安全管理について園長から事情を聴いていたが、過失については否認しているという。

 事故を受けて新潟市は同年8月、ふたでベットを覆って女児の行動を制限したり、職員が付き添っていなかったりとして改善勧告を出している。保育園は同9月に閉園している。


2004年1月

町立保育所を民間に譲渡

 青森県大鰐町は、保育士や児童が減少しているため、3月末で町立長峰保育所を廃止する。町立では保育サービスの充実に限界があるとして、廃止に踏み切った。保育所の施設は同県平賀町の社会福祉法人に無償で譲渡、貸与し、4月から同法人運営の保育所として衣替えする。同法人は、青森県の認可を得た上で、延長保育や休日保育を実施する方針。

 同県では、長峰保育所の廃止により年間1500万円程度の経費節減メリットがあるとしている。町内には同保育所を含め、現在4つの町立保育所があるが、廃止する同保育所の職員を他の保育所に配置転換することにより、従来は不可能だった休日保育を実現したい考えだ。


2002年11月

幼児アトピー10年間で倍増

 強いかゆみを伴う湿疹ができたり、皮膚が乾燥して粉を吹いたようになったりするアトピー性皮膚炎にかかっている幼児が1歳半で10人に1人に上り、約10年で割合がほぼ倍増したことが11月23日、厚生労働省研究班(班長・山本昇壮広島大名誉教授)の調査で分かった。

 全国規模で専門医の直接診断に基づきデーターを集めたのが特徴で、同種の調査は1992年度に旧厚生省が行って以来。3歳児の有症率も約1.7倍となり、アトピー性皮膚炎の広がりを裏付けた。症状は、幼児よりも児童の方が重い傾向がみられた。

 発症にはダニやハウスダスト、食べ物などさまざまな要因が考えられ、気密性の高まった住宅環境や食生活の変化が増加につながった可能性もある。山本名誉教授は「症状の悪化を防ぐためには適切な治療と日常生活で皮膚を清潔にし保湿することが大切」と指摘しており、学童期の子どもへのきめ細かい対応が必要になりそうだ。

 調査は2000年から今年にかけて北海道から九州までの8地域で実施。保健所や学校の検診に専門医が参加して、1歳半、3歳、小学1年、同6年の計約3万3000人を診断し、うち約2万1000人のデーターを中間報告として集計した。

 有症率の平均は1歳半9.8%、3歳13.2%、小学1年12.4%、同6年11.3%。92年調査では1歳半5.3%、3歳8.0%だった。92年当時、小学生のデーターはない。

 症状別は、1歳半と3歳で軽症が80%以上占めたが、小学1年、同6年はいずれも70%を下回り、中等症が28.1%、29.1%が比較的症状が重かった。都市部と郊外では大きな差はなかった。

 研究班は今後、残る約1万2000人分の集計を進め、ダニや食べ物などどのような要因が、発症や症状悪化に影響しているかを分析、来春にも最終報告をまとめる。

山形市/保育所新設で民間支援

 山形市は、保育施設の不足から認可保育所に入ることのできない待機児童が増加しているのを受け、保育園を新設する社会福祉法人に約1億6500万円の補助金を出す方針を固めた。

 保育園の新設にかかる費用は4億円弱。費用はこの法人が借り入れるが、返却時に市が約1億6500万円とその金利分を負担する。返却期間は10年度を見込んでいる。

 同市内の待機児童は約200人で、現在も増加傾向にある。新設される保育所には最大で150人まで入ることができるため、「問題の大幅な改善につながる」(児童福祉課)と期待されている。


2002年6月

保育所に特定枠新設

 厚生労働省は29日、親がフルタイム労働でなくても子どもを定期的に継続して保育所に預けやすくする「特定保育事業」を創設する方針を固めた。派遣労働者やパートら短時間労働者の増加で働き方が多用する中、就労形態にマッチした子育てしやすい環境を整備するのが狙い。9月にまとめる新たな少子化対策の柱に位置付け、必要経費を2003年度予算の概算要求に盛り込む。

 保育所に子どもを預けるには、現在「両親が昼間労働することを常態としていること」(児童福祉法施行令)とされ、フルタイム労働者の親が対象だ。一時保育も親の急病や冠婚葬祭時など一時的な緊急措置とされている。入所要件は各市町村が条例で定めているが、入所保育は親が週4日以上働いていることを想定しているケースが多く、週2・3日だけ働いている親の場合は、いずれも利用しにくいのが実態だった。

 特定保育事業は、小泉首相が先月、坂口厚生労働大臣に対し、子育て支援策として、「家庭の事情に合わせた多様な保育事業の推進に努力してほしい」と指示したことを具体化したものだ。

 フルタイムの入所保育と子どもを1日単位で預かる一時保育との中間的な事業と位置付け、親が1ヶ月で8〜15日間働いていれば子どもを継続して預けられるようにする。厚生労働省は既設の保育所に特定保育事業の入所枠を新設する方向で検討している。例えば、親が月曜と水曜の2日しか働かなかったり、1日5時間しか仕事をしないケースでも、保育所を利用できるようにしたいとしている。


2002年5月

首相「少子化対策」9月メドに中間報告作成を指示

 小泉首相は、21日の閣議後、坂口厚生労働大臣に9月中旬をメドに少子化対策の中間報告をまとめるよう指示しました。

 5月21日の日経新聞(夕刊)によれば、急激な少子化は社会保障をはじめ社会全体に大きな影響をおよぼすとして、育休取得などの目標づくりとともに、「家庭の事情に合わせた保育事業や子育て支援サービスの体制づくり」を指示したとされています。


2002年4月

東京都/新宿の無認可保育施設自主閉鎖

 保育環境が著しく悪いため、都から改善勧告を受けていた新宿区の無認可保育施設「スマイルキッズ」が、今月末で自主閉鎖することを決めた。都福祉局によると、同施設から「勧告された改善を実行できない」として閉鎖の申し立てがあった。

 スマイルキッズは1日8〜10人の乳幼児を24時間預かるベビーホテル。1996年9月に開設したが、2000年10月以降、保育士や看護士の資格のない常勤職員1人で運営するなど、都の基準を大幅に下回る状態が続いていた。都は再三、指導を繰り返してきたが、改善されないため、先月4日に勧告をだした。


2001年7月

御坊市・障害児の土曜保育施設オープン

 御坊市内の大半の保育園が休園になる毎月第2、第4土曜日に知的障害児が集うことができる民間の「土曜保育」施設が市内にオープンした。保護者らは毎月この2日間、桃山町の障害児施設まで子ども達を送迎してきたが、「日高・御坊地域障害児の生活支援をすすめる会」会員らが会場探しを進め、話を伝え聞いた野口公民館長の小林美鈴さんが、持ち家の空家を提供した。

 市内の保育園は公立、私立とも各園とも健常児と障害児が一緒に学ぶ統合保育を実施している。しかし、第2、第4土曜日は休園(一部は開園)になるので、障害児の多くは、、専門の療育士の指導を受けるため、桃山町の施設まで通っている。

 保護者らは市に「障害児用保育園を」とも陳情したが、市は「障害児に門戸を開いており、現状で十分。予算的にもとても無理」と回答。すすめる会のメンバーである福祉関係者が「行政に頼れないなら自分たちで」と会場を探していた。

 知的障害児の土曜保育は、とりあえず月一回程度でスタート。リズム体操やゲーム、庭遊びなどを行う。貸してもらえることになった民家には庭があり、すぐ近くには公園や野口会館もあるので、各種の訓練も行いやすいという。

 すすめる会は、知的障害児専門の知識を持った保育士に療育指導を進めてもらうことを検討。保育士免許を持つ数人もボランティアで運営に協力する民間で知的障害児の保育を実施していくことで、市に必要性を理解してもらい、将来的には行政の運営や新規開設につなげていくという。土曜保育希望者は10人足らずだが、すすめる会は「肢体不自由などの障害児を抱えておられる家庭の方に広く利用してもらえれば」と呼びかけている。


2001年6月

川崎市・全保育園・幼稚園にTVモニターホン設置

 池田小学校の児童殺傷事件を受けて、川崎市教育委員会は6月21日、市内の公・私立の保育園と幼稚園206園すべてに、来訪者の顔が見えるテレビモニター付きインターホンを設置することを明らかにした。民間保育園と私立幼稚園については機器費用の一部として、1園当たり5万円を補助する。

 各施設の連絡会や園長会、警察、市教委との協議の結果インターホンの設置を決定したもので、7月中旬までにすべての施設で設置を終える予定。

名古屋市・保育所設置非営利法人にも拡大

 名古屋市は、保育所に入園できない「待機児童」の解消策として、社会福祉法人に限定している認可保育所の設置主体を、学校法人などの非営利法人にも広げることを決めた。

 市保育課によると、市内270(うち市立は124)の認可保育所の定員は約31,400人。実際の園児数は約29,000人で都心部ではまだ余裕があるが、宅地開発が進む緑、守山、名東区などは定員いっぱい。昨年度、緑区などに3園を新設したが、待機児童は537名(5月1日現在)に増えている。

 市は、郊外の住宅地やマンションに住む若い夫婦の増加や、女性の社会進出による需要増をその理由とするが、新設時の多くの規制も保育所不足の原因になっていると判断。昨年3月の厚生省(当時)指針に基づき認可制度の見直しを進めた。

 最大の緩和策は、設置主体を社会福祉法人に限っていた規制を廃止し、学校法人や財団法人なども認可対象に加える点。幼稚園を運営する学校法人の保育所併設も可能になり、保育内容が多様化するメリットもある。

 また、認可に必要な最低限の定員を30人から20人に引き下げるほか、自己所有が原則だった土地や園舎も、10年以上の契約などを条件に賃借を認める。

 市は、待機児童が過去3年間で毎年50人以上出ている北、中川、守山、緑、名東、天白の6区で来年度から実施する。6区以外への範囲の拡大は今のところ未定という。

和歌山市・保育所各部屋に緊急ベル設置

 大阪教育大学付属池田小の児童殺傷事件を受け、和歌山市は6月25日までに市内の27保育所の各部屋に緊急ベルを設置することを決め、工事を始めた。来月末までに、すべての保育所で取り付けが完了する。また、橋本市教育委員はこの日、市内すべての小中学校、幼稚園の計27校園の教職員に防犯ブザーを携帯させ、不審者が侵入してきた場合に備えることを決めた。

 和歌山市保育所管理室によると、保育室や職員室、更衣室などの入り口近くに緊急のボタンを設置。緊急時に押せば、ベル音が鳴り響くと同時に、警備会社に通報するシステムになっている。

 事件後、子どもたちの安全確保に関する文書を全保育所に送り、非常時には笛を吹いて事態を知らせるよう保育士に指導した。安全管理対策について協議した結果、夜間や休日などに機械警備を導入するために今年度予算計上している177万円で、ベルを設置することにした。

 また、この日の定例議会一般質問で、保育所への警備員配置や民間保育所での対策についてただされ、保育所管理室は「検討した結果、緊急ベル設置となった。民間への対策は民間保育協会と話し合いながら考えていく」とした。


2001年5月

武蔵野市・一時宿泊保育をNPOに依託

 武蔵野市は5月29日、市民の必要に応じた保育サービスを提供する施設「こどもテンミリオンハウス」を今秋をめどに開設すると発表した。

 主なサービスは、午前9時から午後6時までの「一時保育」、午前7時から同9時までと午後6時から同10時まで「早朝・夜間一時保育」、午後10時から翌朝7時までの「宿泊保育」の3本立て。一時保育以外は、親の勤務や病気、介護など、やむを得ない場合に限定する。土・日曜日も開館する変わりに水曜日を休館とするが、緊急の場合は、「柔軟に対応する」という。

 対象は、0歳から小学生まで。利用料は昼間の一時預かりを1時間800円とするほかは未定。定員は10数人を想定、利用者には原則として、事前の登録を求める予定だ。

 施設は吉祥寺北町2丁目にある100Fほどの住宅を賃貸で使用する。運営は個人宅での保育サービスを手がける市内NPO法人「保育サービスひまわりママ」に依託する。賃貸料は市が直接負担。運営にかかる経費は1,000万円の範囲内で同NPO法人に市が補助する。


2001年4月

東京都3幼稚園・給食で食中毒

 都衛生局は4月24日、江戸川、葛飾両区の3幼稚園の園児28人(男児6人・女児22人でいずれも3歳〜5歳)と女性教諭3人の計31人がヒスタミンによる食中毒にかかったと発表した。全員がすでに回復している。

 同局によると、園児らは23日午後から顔面紅潮などの症状が出始め、10人が医師の診察を受けた。葛飾区葛飾保健所の調べでは、患者はいずれも葛飾区東立石2の飲食店「水戸屋」が調理した給食をその日の昼に食べていた。メニューのマグロの照り焼きからヒスタミンが検出されたため、これを原因食として断定した。

 同保健所は、「水戸屋」を25日から1週間の営業停止処分にする。


2001年2月

名古屋市・子育て支援で私立幼稚園に補助

 名古屋市教育委員会は、幼稚園入園前の子どもの子育てを支援するため、来年度から私立幼稚園に補助金を支給する方針を固めた。子どもの遊び場を提供するとともに、親同士の交流を深めてもらうのが狙い。市教育委員会は市立幼稚園には1園につき年間一律45000円の補助金を支給しており、私立も同程度になる見通し。

 市内には160の私立幼稚園があり、市内の幼稚園児の約9割が通っている。市立幼稚園は29園あるが、皆無の区もあり、子育て支援には私立幼稚園の協力が不可欠という。補助金の対象は、子育てについて講師から話を聞く「子育て講座」の開催、3歳児以下の子どもとその親に幼稚園の生活を体験してもらう「体験入園」、幼稚園が教育課程の4時間を超えて子どもを預かる「預かり保育」など、独自の子育て支援に取り組んでいる幼稚園。子育て中の親が悩みや不安を解消する場として活用してもらうよう期待している。

 私立幼稚園もこれまで、おもちゃルームや子ども図書館を設けて、子育て中の親子に園内を開放しており、財政支援を求める声が市教育委員会に寄せられていた。

長崎市・深夜保育を検討

 長崎市は終了時間を深夜零時まで延長する民間保育所に対する助成を検討している。医療関係者などの要望にこたえるため、来年度をめどに病院付近の保育所1ケ所で実施したいと考えている。

 現在、市内の民間保育所の開所時間は、ほとんどが午前7時から午後7時まで。午後8時まで延長している保育所も一部にあるものの、数は少ない。そこで市は、看護婦など労働時間が深夜まで及ぶことが多い人のために、延長時間を大幅に拡大する必要があると判断。

仕事と子育て両立支援専門調査会委員決まる

 政府は2月2日、内閣府の「男女共同参画会議」に新たに設ける、仕事と子育ての両立支援策を検討する専門委員会の委員を決めた。会長は樋口恵子東京家政大学教授で、声楽家の島田祐子さんら「子どもを育てながら仕事を続けてきた経験者」もメンバーに入った。5日に初会合を開き、今年6月にも意見書の取りまとめを得たい考え。この他のメンバーは次の通り。

 猪口邦子上智大学教授、岩男寿美子武蔵野工業大学教授、河野真利子キャリアネットワーク社長、桜井るり子日本私立大学教育研究所専任研究員、佐々木かをりイー・ウーマン社長、島田晴雄慶応大学教授、田尻研治エクソンモービルマーケティング社員、福武総一郎ベネッセ社長、八代尚宏上智大学教授。

練馬区・小中学校空き教室に分園

 練馬区の区立小学校と中学校それぞれ1校に2月1日空き教室などのスペースを活用した保育園の分園が登場した。入所待ちの児童数を少しでも減らそうと区が進めた施策で、両園合わせて31人の乳幼児が元気に入園した。

 現在、同区内には区立、私立合わせて72か所の保育園があり、定員は約7400人。一方、入所待機児は1月1日現在で約500人とその多さが問題となっている。こうした状況を改善するため、初めて小中学校の空きスペースを活用することになった。

 この日、オープンしたのは、大泉第一小学校の空き教室(約250平方メートル)を利用した「マーガレット保育園分園」と、旭丘中学校の体育館1階空きスペース(約330平方メートル)の「神の教会保育園分園」。いずれも、定員は29人で、零歳から2歳までが対象。

 大泉第一小学校の分園には16人、旭丘中学校の分園には15人が入園し、保育士と一緒におもちゃで遊んだり、絵本を読んだりした。大泉第一小学校の分園では、児童数人が同じ校舎内の「仲間」となった園児たちの様子を窓越しにのぞくと、「お兄ちゃん、お姉ちゃんがきた」と園児が大喜びする光景も見られた。


2001年1月

前橋市・第3子から保育料無料

 前橋市は2001年度から、市内に住民登録のある世帯を対象に、第3子から保育所・保育園の保育料を無料にする。また、幼稚園についても来年度から授業料相当額を補助する。

 それぞれの対象者は、1997年4月2日以降に生まれた児童で、@対象者の住民登録(外国人登録も含む)が市内にあるA同一世帯で子を3人以上扶養しているB市内または前橋市と管外保育を実施している市町村の認可保育所(園)、幼稚園に入っているC市税の申告を行っているが条件で、所得制限はない。

 幼稚園の補助額は、第3子以降一人につき私立が月額15,000円、国・公立が月額5,700円。

 来年度の無料対象者は345人、減免総額は5,372万8,000円。補助対象者は155人。2,026万円が見込まれている。

JR東日本・社有地貸与し認可保育所設置

 JR東日本は1月16日、東京都区内では初めてとなる「駅型保育園」を京浜東北線大森駅北口に、来年4月をめどに開設すると発表した。東京都大田区の協力を得て、認可保育園となる社会福祉法人島田福祉会が同社用地を賃貸し運営に当たる。これにより、同社管内の駅型保育園は4か所となる。

 駅スペースの有効活用を図る「ステーションルネッサンス」構想を推進する同社では、鉄道利用者の顧客化、来るべき少子化時代をとらえて「働く女性の子育て支援」をテーマにした新たな生活サービス事業となる保育事業に着手。第1号として1996年5月1日にホテルメッツ国分寺の隣接地に、グループの国分寺ターミナルビルが当時の厚生省の駅型保育モデル事業の支援を受け「国分寺Jキッヅステーション」を開設。その後2000年3月31日には京浜東北線鶴見駅で「JキッヅプラネットJR保育園」、翌4月1日には横浜線小机駅で「ポピンズナーサリーJR小机」をテナント方式で誕生させている。いずれも同社が所有する遊休スペースを活用した。今回の大森駅も同駅北口のジェイアール東日本ビルテック東京事業所のある自社用地の一角を活用するが、従来と違うのは認可保育所として運営する事業者と事業用借地契約を活用して建設することになる。

 「大森駅前保育所」(仮称)は約170平方メートルの敷地に、延べ床面積300平方メートルの3階建て建物が建設される詳細については今後詰めていく。

神奈川県児福審・無認可施設届け出制検討

 神奈川県大和市の無認可保育施設「スマイルマム大和ルーム」で起きた幼児虐待事件を踏まえ、同県から無認可施設に対する行政のあり方を諮問されていた同県児童福祉審議会は1月10日、施設の届け出制度を盛り込んだ中間取りまとめを県に提出した。県は創設の方向で検討を開始、拘束力を持たせるため、独自の条例化も視野に入れているが、現行の児童福祉法に無認可施設の届け出制はなく、条例化すれば全国初になる。審議会は3月に最終答申を出す予定で、県は来年度から本格的な検討に入る。

 取りまとめによると無認可施設を把握する手段について、電話帳や折り込みチラシに頼るしかない行政側の現状の問題点を指摘。私道・監督権者は都道府県になっているものの「適切に行政を行うための法令レベルの位置付けが不十分で、決め手を欠く」との見解を示した。

 その上で、届け出を義務付ける条例化と、届け出により事業者がプラスとなるような条例以外の方法の2案を提案した。さらに、悪質業者を排除できる措置や行政指導の結果公表を制度に盛り込み、利用者保護を促進する事も検討課題とした。


1999年12月

国分寺市・市と父母連共催で保育園説明会

 行政と住民が助け合って子育て環境の向上に取り組もうと、東京都国分寺市と「市保育園父母の会連合会」は12月18日、市内の本多公民館で保育園説明会を共催する。7つの市立保育園、3つの私立保育園など保育施設から説明があるほか、保護者の体験談として、手続きや入園までの準備などが紹介される。

 同市内の保育施設の定員は、現在940人だが、入れずに待機する児童の数は、ここ数年、年度末には約150人に達するという。父母の会連合会は「子どもを保育園に通わせたいと思っている保護者の不安を解消するとともに、市内の保育園の状況を広く市民に知らせてともに考えるきっかけにしたい」と、参加を呼びかけている。

企業が「家庭保育園」展開

 育児専門誌「月刊お母さん業界新聞」などを発行するトランタンネットワーク新聞社(横浜市・藤本裕子社長)は来年1月から、「家庭保育園」を横浜市などを中心に展開する。同社の認定を受けた親が園長となり、自宅でよその子どもを一定時間預かり、報酬を得る。育児に忙しい親が自宅での仕事で収入を得ることができ、預ける側も面識がある人が手掛ける家庭保育園を選ぶことなどで、気軽に預けることができるメリットがあるという。

 「家庭保育園」は任意に設置するもので、児童福祉法に基づく認可保育園ではない。トランタンネットワーク新聞社の1部門として「ブラボー子育て21家庭保育園事務局」を設置、子育て経験がある人を対象に面接やセミナーを開催し、修了証を受けた人を園長として認定する。


1999年11月

小渕首相・少子化対策4項目提示

 小渕恵三首相は、11月26日午前、国会内で開いた少子化対策推進関係閣僚会議で「少子化対策の基本的な方針を速やかに取りまとめ、着実に実施していく必要がある」と述べ、具体策の検討を急ぐよう指示した。そのうえで、@育児休業を取りやすく職場復帰しやすい環境の整備A保育サービスの拡充B相談・支援体制の整備C母親と子どもの健康を確保する環境整備ーの4項目を重点課題にあげ、政府として全力で取り組む決意を表明した。

長崎県・3地域で保育所体験事業

 長崎県は、主に保育所に通っていない幼児とその親を対象に、1日入園や育児相談講座などの事業を3地域で実施する。保育所の子育てのノウハウの現状を伝えて、利用を促すのが狙い。事業費は750万円。

 対象地域は、佐世保市と島原半島の1市16町、五島の1市10町で、3地域の全保育所160カ所。地域ごとに「保育週間」を設け、保育所を1日解放するほか、相談講座を通じて育児に関する相談や指導などで親の不安にこたえる。

 実施時期は、島原半島が11月中、佐世保市と五島は、2000年春ごろになる見通し。児童家庭課は「少子化に加え、祖父母のように子育てを支援する人が身近にいなくなり、子育てに不安を感じる親が多くなっている。そういう人に保育所をもっとよく知ってもらい、役立ててほしい」と話している。


1999年10月

土浦市・外国語で保育所入所のしおり

 茨城県土浦市は、市内10カ所の私立保育所に子どもを通わせている外国人保護者向けに、外国語版の「保育所のしおり」を作成した。英語、中国語、ポルトガル語、スペイン語の4カ国後で記され、いずれもA4版20ページ前後。

 保育士から、子どもが発熱した時や送迎の方法など、日常的なことで現場対応が難しいとの声がでたため、保育上の決まりやお願いを記載し、保護者に理解を深めてもらうことにした。

 市内には、外国人が約2,100人住んでおり、私立保育園には、常時20人以上の子どもが通っている。各国語とも100部ずつ印刷し、各保育所と市児童福祉科で希望者に配付する。事業費は約40万円。


1999年3月

JR東日本・駅型保育園拡大へ

 東日本旅客鉄道(JR東日本)は3月23日、駅ビルなどの施設で子どもを預かる「駅型保育園」事業を本格的に拡大する方針であることを明らかにした。同社がすすめる駅設備の有効活用の一環だ。

 JR東日本は駅設備を有効活用する「サンフラワープラン」に取り組んでおり、利用度の低い施設を見直している。同社では中・長期的な課題として、通勤途中で子どもを預けられる「駅型保育園」の設置を首都圏などで検討する。同社は1996年、JR国分寺駅に隣接するホテルのテナントとして「駅型保育園」の「国分寺」キッズ・ステーションを開園した。同社首脳は「これからの課題として(ネットワーク展開を)検討したい」と話しており、同ステーションのノウハウを生かしたチェーン展開化の可能性が大きい。


1999年2月

蕨市・複数入所でも保育料は1人分

 埼玉県蕨市は新年度から、同一世帯で人数にかかわらず複数の児童が私立保育園に通う場合、1人分の保育料だけを徴収して兄弟姉妹を無料とする規制改正を目指している。出生率が県平均を下回るなど深刻な事態に、同市が独自に少子化への歯止め策を講じるもの。保育料の一部「無料化」で若い世代の子育てにかかる負担軽減を図る試みは、県内でも例がなく全国的にもまれなケース。実現すれば近隣市の保育料の算出システムにも影響しそうだ。

 同市の保育料は、前年の所得税額に準じた20階層と子どもの年齢で区分された徴収金一覧(95年4月1日から適用)をもとに算出している。さらに、1世帯に複数の児童が保育園に通う場合は所得税6万円未満と6万円以上で取り扱いが分かれている。

 例えば、所得税3,000円以上15,000円未満(D2階層)の世帯で0.3.5歳の子どもが同時に保育園に通っているケースでは、5歳の第1子が全額、3歳の第2子が半額、0歳の第3子に10分の1が加算され合計の月額16.210円。これが新しい算出方法だと、第1子分の10.030円の保育料以外はすべて無料となり、その差額6.180円が軽減される。

 所得税6万円以上9万円未満(D5階層)では、年齢に応じた基準額に対する割合がD2の場合と逆になり、第1子が10分の1、第2子が半額、第3子に全額がかかる。この世帯モデルに新方式を当てはめても、月額14.250円と現行に比べ大幅な負担軽減となる。

 同市児童福祉課によると、現在市内5つの公立保育園に子どもを通わせているのは414世帯。児童数合計は482人。うち2人以上の子どもが入園しているのは65世帯しかなく全体の15.7%。3人になるとわずか3世帯しかない。田中啓一市長は「若い人たちが安心して子育てできる環境づくりは急務」と話している。

東京練馬区が駅型保育施設開設

 練馬区では共働き夫婦を支援するため、6月から西武池袋線大泉学園駅近くに2ケ所の駅型保育園を開く。同区では2歳までの乳幼児の保育需要がひっ迫しており、通勤に便利な駅そばのマンションで3歳未満の子どもを預かる保育室をモデル的に整備し、今後順次増やしていくという。

 通勤客の多い同駅の北口と南口の2ケ所に、約55平方メートルの部屋を借り上げ、そりぞれに保母や保健婦などの資格をもつ家庭福祉員4人を配置する。原則として午前8時半〜午後5時。同福祉員との相談次第で時間外も対応する。定員は各12人。保育料は月額は2万2千円の見込み。

 都内では板橋区でも4ケ所で同様の保育を行っているが、従来の駅型保育室の多くは民間の運営だった。

 同区では昨年10月現在、保育園に入れない待機児童が400人を超えており、うち300人以上を3歳未満児が占める。運良く入れても、自宅や駅に近い園を選択できるとは限らない。通勤途中の駅で預けられれば、親だけでなく子どもにも負担が少ない。

 大規模団地を抱える同区では、若い夫婦の定住者も多く5歳までの人口も増加を続けてる。来年度以降、家庭で預かる保育ママを毎年60人づつ増やすほか、区立、私立で各1ケ所づつ保育園を増設し、園舎の改築でも90人余りの定員増をはかる計画だ。


1999年1月

保母さんネット大騒ぎ

 「保育園児の成長の記録をインターネットで伝えたい」。若い保母がホームページを開いた動機は、素朴だった。しかし、プライバシーまでが世界に向けて発信されてしまった。保護者の抗議、集会、園の謝罪、画面の削除・・・と「大騒ぎ」に発展した。ネットは日記帳と違う。そんな当たり前の教訓を改めて思い知らされるできごとが、東京都内で起きた。

 園長らによると、保母は昨年11月ごろ、ホームページを開設した。保母になって4年目だった。園児17人の名前や顔写真を掲載した。写真の下に、「とても上手に歌をうたう」「にこにこあいさつができる」「将来はお花屋さんになりたがっている」など、数行の説明をつけた。

 それだけではなかった。その子がかかっている病気も載せた。「成長が遅く、言葉などみんなのようにはできない」「お友達のことをチクリにくる」「ぼーっとしていることが多い」など、主観的な見方も含まれていた。

 保母からホームページのアドレスを開いた一部の父母が見て驚いた。「知られたくない内容まで載っている」「犯罪に巻き込まれるおそれがある」などと保育園に抗議した。ホームページは1ヶ月前後で削除されたという。年が明けても尾を引いた。園は今月初旬、全園児の保護者を対象に集会を開いて謝罪した。

 保母は言う。「最初は離れて住む自分の両親に、自分が預かっている子どもたちの様子を見せたいと思ってつくった。こんな問題になるとは思ってもみなかった。いま思えば、確かに配慮が足りなかった」

 園長は、「私自身、インターネットについてよく知らず、事情が把握できなかった。騒ぎになって大変な問題だと感じ、削除してもらった」と話している。

 この保育園は、PRのために概要や行動を紹介する独自のホームページを開設していた。しかし、今回の問題が起きてから、海で遊ぶ子どもたちの集団写真なども「好ましくないかも知れない」との声が出て、ホームページでの掲載をやめてしまったという。

 どこまでが許容範囲なのか。発信側に判断がゆだねられる。法政大学の中野収教授(メディア論)は「ネットは通信の道具なのだから使い方があり、ルールがある。しかし、夢中になるとゲーム感覚のあまりルールを忘れてしまいがちだ。インターネットの外で許されないことは、インターネットでも許されないのです」と話している。

公団住宅に24時間保育施設

 女性の社会進出を支援する住まいづくりーこんなキャッチフレーズで話題を呼んでいるのが、住宅整備公団が埼玉県草加市に建設中の超高層住宅だ。東武伊勢崎線の松原団地駅に今春、完成予定で売りの一つが24時間、休日も営業する保育施設。公団住宅では初めての試みだ。

 先ごろ業者を公募し、地元で25年間、無認可保育園を営業してるまつばら保育園の入居が決まった。「24時間営業ということで、無認可にならざるを得ず当初はためらいもあった。しかし、働く女性支援は時代の要請」と公団の担当者。

 定員は学童保育も合わせて90人。現在、まつばら保育園には約30人が在園しており、残り60人を募集中だ。同園副園長・三浦まゆみさんは、「すでに問い合わせがあり、数人の入園が決まった。公立の保育園は100人近い待機児がおり、突然の残業に悩む母親も増えている。ニーズは高いはず」と話す。公団がこうした視点に立つとは、社会も徐々に変わっている。

東京港区・公立保育園で「緊急一時保育」

 不況による夫の収入減を補おうとパートの仕事を探す主婦が増えているが、港区は1月19日から、16の区立保育園で「緊急一時保育」を始める。幼子を抱えたままでは仕事探しさえ困難なため、子どもを4日間連続して預かり、その間に仕事を探してもらうのが狙いだ。都内でも初の試み。地元の公共職業安定所からも、仕事探しに全面的に協力する構えで、求人リストの紹介や職探しのためのガイダンスをするほか、短期職業訓練コースも紹介する。

 港区が緊急一時保育を企画したのは、3年ほど前から、区立保育園に入れずに空きを待つ子どもが急増しているためだ。区保育科の川畑青史課長は「不況の影響で夫の残業手当が削られるなどして収入が減り、何とかしようと、パートの仕事を探す母親が増えているためでは」と話す。昨年4月の児童福祉法改正で、保育園で様々な試みができるようになったこともあり、「土砂降り不況」の中でできることを考えたという。

 計画では、16カ所の保育園で各3人、計48人を預かる。受け入れ体制に比較的余裕のある3〜5歳児が対象で、保育期間は4日間(午前9時半〜午後4時)。保育園で仕事探しに役立つ資料なども渡され、母親はこの間、仕事探しにいける仕組み。自分で見つけた会社に就職面接に行くのも自由だ。

 また、区が地元の職安「芝園橋ハローワーク」にパート希望者のリストを渡しておくので、行けば専門官らが仕事探しを手伝ってくれる。就職に役立つ能力開発を希望する場合は、昼間や夜間の短期講習も紹介してくれる。

 「今回の制度を使って仕事が内定したら、保育園で責任をもって4月から子どもを預かりたい」と川畑課長。「初めてなので今回は48人にしたが、希望が多ければまたやりたい」ともいう。

 同ハローワークの木都照雄業務部長も「母親向けのセミナーでは、仕事と育児の両立を支援する制度やサービスの講議、体験談発表などをしてきた。今回の港区の保育園での支援は願ってもないもの。今後も提携していきたい」と話す。


1998年12月

厚生省児童家庭局・労働省女性局と合併へ

 厚生、労働両省が2001年の省庁再編で「労働福祉省」(仮称)に統合されることに伴い、中央省庁改革推進本部に提示している組織再編案が12日、明らかになった。同案によると、厚生省児童家庭局と労働省女性局を合併、その後の新たな局名については厚生省が「家族局」と主張。これに対し、労働省は「均等局」とするように求めており、今後の推進本部との調整にゆだねることになっている。

 両省には現在、大臣官房を除くと14の局がある。これを11局にスリム化するため、厚生省は「健康政策局」「保健医療局」「生活衛生局」の3局を「医政局」「健康局」の2局に再編。労働省は労政局を廃止するが、代わりに労働法規、労働組合などに関する行政を担当する局長相当の専門官ポストを新設するよう推進本部に求めている。

 また、女性局がこれまで所管していた女性の地位向上に関する業務は「内閣府」に設置される男女共同参画問題の担当局に移管する。

北九州市・保育料流用で理事長解雇勧告

 北九州市は11月19日、同市八幡西区で保育園を運営する社会福祉法人春香会の林正博理事長が、市に届けず入園させた園児11名の保育料約760万円と、勤務実態のない理事長の親族に支払った賃金約490万円を、私的に流用していたとし、保育料を園の会計に返還するよう指導するとともに、理事長の解雇を求める勧告を行った。


1998年11月

前橋市・病気回復期の保育を検討

 前橋市は、病気が治りかけているものの完治しておらず、保育園に預けるのは心配な子どもを預けられる病気回復期の乳幼児保育を検討している。仕事を持つ母親や共働き夫婦の育児負担を減らすのが狙い。

 労働形態の多様化に伴い同市は、市内の保育施設で保育時間の延長や休日の一時保育などを展開、母親の就労を支援してきた。こうした中、病気が治りかけている子どもの世話をしてくれるサービスを望む声が増えてきたため、検討することにした。現在、関係者に事情を聴きながら既存の保育園で対応できるか、医療施設と契約して保育を依託できるかなど、具体的な実施方法について議論を進めている。

 児童家庭課は「子どもの病気が長引くと、親も長期に仕事を休まざるを得ない。なるべく早く仕事ができるように、その受け皿となるものを整えたい」としている。

東京都・独自の入所予約制度モデル実施へ

 保育所の待機児が増加し、育児休業明けなど年度途中からの入所が極めて厳しい問題で、都福祉局は入所予約モデル事業を来年度から実施する方針を12日までに固め、局案をまとめた。すでに国がモデル事業を実施しているが、年度当初から待機児が出る都内の保育所状況には適合できないため、都の独自制度が必要となっていた。都単独事業のため、予算措置は微妙だが、福祉局では来年度に50区市でスタートさせ、3年間のモデル事業を実施し、保護者の就労形態の多様化に伴う保育ニーズに対応していきたい考えだ。

 育児休業法が施行したのは1992年(平成4年)。労働者の女性雇用管理基本調査で明らかになった「妊娠や出産によって退職をした女性の割合」を3年きざみでみてみると、1980年代後半から1994年度まで30%台で推移してきたが、1997年度の調査では19%と急激に減少。

 一方、都内の保育所における待機児の数は年々増加し、今年4月1日現在では過去最高の7,818人を記録した。

 都福祉局では、「育児休業が制度化され、また制度を取得しやすい職場環境が整ってきたことから、出産後に職場復帰を望む母親が増えてきた」と分析。また、長引く不況で落ち込んだ所得を助けるために、職に就くケースが増えてきたとの指摘もある。

 都内の保育所の総定員は約15万1,895人で、今年度当初に入所児童数が13万9,980人。単純計算では待機児7,804人を十分飲み込める定員枠があるが、地域的に保育需要のバラツキがあること、年齢別定員の設定が実際のニーズと完全に合致していないことなどから、待機児は解消されず、女性の社会進出が進むにつれ、待機児数は増加する傾向にある。

 特にゼロ〜1歳児の場合は、年度当初の4月入所の段階で、ほぼ満員状態となり、10月段階には待機児が4月の3倍にもふくらみ、育児休暇を終えて職場復帰しようと、年度途中からの入所を希望しても「欠員待ちの状態で入れる見込みは薄いと考えた方がいい」(区職員)という状況で、仕事と育児の両立には大きな壁となっている。

 そのため、国では1995年度から「産休・育児明け入所予約モデル事業」を開始。年度途中の入所を促進するための条件整備としての制度を整えた。

 ところが、同事業の要件では、10月1日以降に新たに3人のゼロ歳児を入所させるための定員枠をあらかじめ用意していることを条件としているため、「年度当初で定員が埋まってしまう都内の保育園では同事業を適用できる施設がない」(福祉局子ども家庭部)

 このほどまとまった福祉局の都独自制度案では、今年度から「育児休業明けの場合、10〜20%の範囲で定員を超えて入所させることができる」と定員の弾力化が図られたことを受けて、国制度のようにあらかじめ定員枠を確保する方式は採らず、5月1日以降に定員を超えても3人分の受け入れを行う保育所に対し、財政的支援を行うというもの。

 ただし定員超過の場合でも施設面積や配置人員など最低基準を満たしていることか条件となる。案では補助額は1施設あたり年間150万円で、補助率は都と区市町村がそれぞれ2分の1ずつとしている。来年度に50区市の各1施設でモデル実施する方針。

 具体的には、通常の入所申し込みに合わせて、モデル事業に指定された保育所での産休明け入所の予約を入れる。予約が認められれば、産休明けの時期を問わずに入所が確実となるため、従来のように、保護者サイドから見れば、欠員の順番がくるのかといった不安は払拭され、精神的メリットは大きい。

 同局ではこのほかにも、感染性疾病の回復期にある児童を受け入れる「病後児保育モデル事業」や来年度から国が新規事業として予定している「休日保育試行事業」の実施も計画しており、育児休業明け入所予約モデル事業とあわせて、「特別保育支援事業」と位置づけている。

厚生省調査・保育所など施設の2割でO−157対策不徹底

 厚生省が昨年6月にマニュアルとして定めたO−157(腸管出血性大腸菌)の防止対策のうち、最も重要な過熱食品の取り扱いが、全国の老人ホームや保育所などの2割で徹底されていなかったことが、3日までに判った。

 同省が全国の老人ホームや保育所など30.774施設を対象に行った一斉調査によると、「過熱調理食品は中心部が十分過熱されているか(75度で1分間以上など)」との質問に対して、全体の20.3%(6.224施設)が未実施と回答した。このため、同省は、10月30日付けで改善勧告を通知した。


1998年10月

総理府有識者アンケート・男女共同参画進展「不十分」過半

 総理府は10月10日、「男女共同参画社会に関する有識者アンケート」の結果を発表した。それによると、日本では男女共同参画社会の進展が十分でないと見る有識者が5割以上にのぼった。

 調査は、今年8月から9月にかけて、学識経験者や企業経営者、地方自治体の首長ら有識者三千人を対象に実施した。有効回答率は78.4%。

 男女共同参画社会の進み具合について、国際的に比較してあまり進んでいないと考えている人は52.9%だった。その理由としては「社会全般に男性優位の考え方や慣行が根強い」(42.5%)、「家庭において家事・育児・介護などを女性の役割とする意識がある」(25.8%)などがあげられた。

 また、男女共同参画社会実現のために政府が重点的に行うべき対策(複数回答)としては@仕事と家庭の両立を支援する体制を整備する(54.2%)A国民の理解が深まるよう教育や意識啓発に努める(52.0%)を望んだ回答が多かった。


1998年9月分

多摩地区女性アンケート・育児や介護に自治体は支援を

 多摩地域の女性の就業問題をテーマにした東京市町村自治調査会のアンケートで、回答者の多くが市町村に子育てや介護への支援を求めていることが分かった。子育てや介護の支援については、アンケートの選択肢にはなかったが、働く女性の16%、働いていない女性の10%が自ら記述していた。女性が働くうえで、家庭、家族と仕事の両立が課題であることを改めて示す結果となった。

 アンケートは、女性の就業意識や働くうえでの問題点などを探る目的で行われた。多摩地域の20〜40代の女性5,000人を任意で選び、1,320人から有効回答を得た。うち働く女性は925人だった。

 設問は業種や年収、転職希望で、市町村が取り組むぺき施策として「求人情報機関との連携」などの具体例と「その他」の9つの選択肢から3つを選ぶ形式となっていた。この問いに、働く女性では女性の雇用促進など企業への啓発を行政が行うことを望む声が全体の60%とトップで、資格収得・能力開発へと続いた。

 通常のアンケートでは空欄が目立つ「その他」の欄に、151人が「保育所の時間延長」「保育園・老人介護サービスの充実」など保育、介護支援を求める回答を記入、働いていない女性も325人中41名が記述していた。

 同調査会調査部は「働く女性と育児、介護は切り離せないことなのであえて尋ねなかった。選択肢にないことをしかる声もあり、保育、介護問題の切実さが改めて浮き彫りになった」としている。

大阪府幼稚園保育料軽減助成廃止案に反発

 深刻な財政危機に陥っている大阪府は7月30日、府政全般にわたり施策を再構築するとして、歳出の大幅な削減などを柱とする「財政再建プログラム素案」を発表した。この素案には私立幼稚園保育料軽減助成の段階的廃止が盛り込まれており、私立幼稚園関係者は早くも反発を強めてる。

 私立幼稚園保育料軽減助成は府の単独財源による助成だが、今回の素案によると、3歳児就園促進という観点から3歳児への助成は維持するものの、4・5歳児については3年で助成を段階的に廃止することとしている。1999、2000年度は激変緩和機関として助成額を減額、2001年度には4・5歳児については全廃とする計画。

 大阪府の1998年度当初予算では私立幼稚園に子どもを通わせている保護者全員に3歳児の場合で一人当り2万3000円、4・5歳児では一人当り1万6000円の助成が行われており、保育料軽減助成の総額は18億6182万9000円だった。

 私立幼稚園関係者や保護者は授業料軽減助成の打ち切りに反対の声を上げており、大阪府私立幼稚園連盟の役員らは8月25日に府内の各私立幼稚園長とPTA会長連盟の要望書を知事と府議会議長に提出したほか、現在は50万人署名運動を進めており、9月21日に開くPTA大会で知事と府議会議長に署名を手渡し段階的廃止措置の撤回を求めていく考えだ。

 9月下旬から始まる府議会では財政再建プログラム素案の総論的な議論が行われる予定で、細かな助成事業については来年2月の府議会で本格的に議論される見通し。


1998年8月分

労働省調査・出産退職者減少 母性保護制度後退

 妊娠や出産を機会に退職する女性が減る一方で、企業の母性保護などの制度が後退していることが、労働省が8月24日まとめた「女性労働者の雇用管理調査」で明らかになった。保護制度があっても利用する人が減少。長引く不況でいったん退職すると再就職が難しい実態を反映するとともに企業も制度拡大に慎重になったり、取得をためらう女性が増えているとみられる。

 調査は昨年8月、従業員5人以上の企業9,967社を対象に、96年7月〜97年6月の状況について聞いた。回答があったのは7,223社。

 前回調査(94年)と比較するため従業員30人以上の企業で見ると、女性労働者の出産割合は1.2%で、前回より0.2ポイント減った。このうち妊娠や出産を理由に退職した人は19.0%と前回(31.6%)に比べ大幅に減少。71年の調査開始以来、最も低くなった。労働省では「再就職難や夫の雇用不安のほか95年度から請求すれば必ず育児休業が取れるようになったため女性の就労意識が高まった」(女性局女性労働課)と分析している。

 産前産後の休業機関を労働基準法で定める「産前6週間、産後8週間」とする企業は84.6%と1.1ポイント高まったが、「労基法を上回る産前産後休業期間」の企業は8.4%と3.1ポイント悪化した。産前休業を取った人の平均日数は37.8日で、前回より2.4日減った。産後休業も58.8日と2.3日減少。

 育児時間も男女とも請求できる企業は、28.6%と4.6ポイント上昇したが、実際に出産後、請求した人は15.2%と4.0ポイント減っている。妊娠中や出産後の通院休暇制度や妊婦の通勤緩和措置制度がある企業は19.9%、14.9%で、ともに2.8ポイント、3.2ポイント減った。制度のある企業のうち請求者があった企業は通院休暇で8.0%、通勤緩和措置で6.7%に過ぎず、制度のPR不足や取りにくさが浮き彫りになっている。

 保育園保護者アンケート・近所の友だちなし4割

 保育園児の素顔って、どんな顔?。練馬区職労と市民有志で作る「何よりも人と自然を大切にする練馬区をめざす区民集会実行委員会」が、区立保育園の全保護者4,962人に行ったアンケート結果がこのほどまとまった。園児全体の約3割が習い事をし、近所に友だちがいない園児が4割以上などの日常生活が浮き彫りになった。これだけ大規模なアンケートは珍しいという。

 アンケートは昨年4〜6月に行われ、回答率は、69,1%。それによると、ピアノ、水泳などの習い事をしている園児は28,6%。年齢が上がるにつれその数は増え、6歳児では52%が習っていた。また、保育園以外のつきあいはあまりなく、近所に友だちがいない園児が42,5%もいた。園児が1日にテレビを見る時間は1〜2時間が36,8%と最も多く、次いで1時間以内が25,3%、2〜3時間が19,6%。テレビの視聴率が長い家庭ほど、親が絵本をよんであげる時間が短くなっていた。

 園児の生活リズムを見ると、午前8時前に起きる園児が95,3%、就寝も午後10時までが66,6%。食事も99,3%が朝食をとっており、話題になっている「朝食抜き」の問題はなかった。夕食も家族と一緒にという園児が98,2%で、おやつの時間も規則正しかった。 

長崎市・病気の乳幼児を診療所で一時預かり

 長崎市は7月から、おたふくかぜなどの病気の回復期にあり、かつ集団保育が困難な乳幼児を一時的に診療所などで預かる「乳幼児健康支援サービス」を行っている。1998年度の事業費は約300万円。

 対象となるのは、乳幼児から小学校低学年までで、98年度は1カ所の診療所で実施する。預かる時間は午前8時半から午後6事半までで、利用料は1日当たり4,300円程度を予定している。99年度以降は料金の値下げを行うとともに、2001年度までに実施場所を計2カ所に増やす方針だ。

福祉職俸給表新設見送り

 人事院は、福祉分野で働く職員の給与体系を明確にするために新設を予定していた「福祉職俸給表」について、関係省庁等との調整の結果、時期尚早と判断、1998年度の給与改定勧告では新設を見送る方針を固めた。

 福祉分野に従事する人たちの給与体系や身分が不明確なのが実情。国の福祉職員の給与は一般行政職の俸給表が適用され、勤続20年のベテラン保母でも昇任は係長(4級)程度となるなど、昇給に限界がある。このため、厚生省が俸給表の新設を強く求めていた。

 要請を受けて人事院は、福祉分野での介護などを行う職員を対象に、初任給がやや高めで昇給カーブがゆるやかな「高原型」の福祉職俸給表の骨格を作成。関係省庁や職員団体などの意見を聞きながら、今夏の勧告での新設へ向けて準備を進めてきた。

 しかし、国の場合は俸給表の適用対象が国立療養所の保母など約1,000人に限られるのに対し、準用される地方自治体や民間施設の職員は、全国で約30万人に達する。施設への補助金(措置費)の関係もあり、国、地方財政への影響も大きいことから、大蔵省や自治省から早期導入に慎重な意見がでていた。

 また、多くの自治体が、福祉分野で働く職員に給与の調整数を上乗せしたり、障害者介護手当てなど独自の手当てを支給しているため、職員団体側からも、福祉職俸給表の給与水準と現行水準を比較、検討する時間を求める声が寄せられていた。

 人事院は、98年度勧告では福祉職俸給表の必要性を明記するにとどめ、99年度勧告で改めて導入を目指す方針だ。

東京豊島区・公立保育所で一時保育開始

 時間単位で、保育園がお子さん、お預かりしますー

通院や資格修得の学習などで、一時的に子育てが難しい保護者のために、区立保育所が子どもを預かる保育サービスが8月3日、豊島区で始まった。同区によると区がこうした時間単位のサービス事業をするのは、23区で初めてという。

 通院や冠婚葬祭、ボランティア、PTA、就労などで週1、2回子どもの面倒が見られない保護者に代わって、時間単位で保育園が預かるシステム。保護者の要望が強かったため実施した。

 受け入れるのは、区立巣鴨第二保育園。利用時間は平日の午前9時〜午後5時。希望の時間単位を指定できる。保育料は1時間500円。区内に住み、保育園などに入っていない、集団保育が可能な1歳児から就学前の子どもが対象。一人につき原則週3回の利用が可能で、申し込みは利用日の1カ月から2日前まで。

 7月15日から受け付けをはじめたが、8月3日までに30件を超える申し込みがあった。

 サービス開始の3日は、2人が利用した。うち一人のお母さんは、午前11時から午後3時までの予定で2歳の男の子を預けた。パソコン教室に通うためだ。「子育てだけでなく、自分自身も磨きたくて。パソコン教室にも託児サービスがあるのですが、やはり専門の施設の方が安心できますから」と話していた。

文部省・子育て電話相談全国で24時間体制に

 文部省は8月2日、家庭でのしつけの悩みや不安を抱える親から、子育てについての相談を受け付ける「子育てホットライン」を99年度から3年間で全都道府県に24時間体制で開設していく方針を決めた。共働きの親が増えたことや、親が精神的に不安定になるのは夜間が多いとの指摘に対応したものだ。

 文部省によると、家庭教育についての電話相談窓口は、97年度で39道府県に開設されている。しかし、ほとんどの窓口の開設時間帯は、午前10時から午後5時までで、午後5時以降開設している一部の件でも午後9時で相談受け付けを終了している。

 このため、仕事をもつ母親などから、「これでは相談することができない」という声が寄せられていた。

 中央教育審議会(根本 二郎会長)が6月30日、町村文相(当時)に提出した「幼児期からの心の教育の在り方について」の答申でも、24時間、親が気軽に相談できる体制づくりの必要性が盛り込まれた。

 文部省では、99年度から3年間で、すでに電話相談窓口がある所では24時間体制に拡充し、ない所には新たに体制づくりを進める方針で、国レベルでも国立婦人教育会館に99年度にホットラインを開設する。


1998年7月分

少子化対策で有識者会議設置へ

 政府は少子高齢化問題への対応策を検討するため、「少子化への対応を考える有識者会議」の設置を決めた。17日に首相官邸で初会合を開く。橋本龍太郎首相の指示によるもので、学識経験者ら19人で構成、2つの分科会を設け、女性の職場環境や家庭教育などの個別テーマについて論議を進め、1年後をめどに提言をまとめる。有識者会議のメンバーは岩男寿美子慶大教授、尾崎美千生人口問題協議会代表幹事、河合隼雄国際日本文化研究センター所長、フリーライターの杉山千佳氏ら。文部、厚生、労働などの関係官僚も会合に随時出席する。分科会は「働き方分科会」と「家庭に夢を分科会」で、同会議メンバーのほか、一般からも各10人程度の参加者を公募する。

「うつぶせ寝、窒息死の原因と明確に」国に要望

 うつぶせに寝かせる方が仰向けよりも、赤ちゃんが突然死亡する乳幼児突然死症候群(SIDS)を発症するリスクが3倍高くなるとの調査結果を厚生省が発表したことについて、市民団体「赤ちゃんの急死を考える親と弁護士の会」(横浜市・櫛毛 富久美事務局長)が7月1日、うつぶせ寝は窒息死の原因でもあることを明確にするよう、厚生省に申し入れた。同時に、病院や保育所などへ、健康な乳幼児のうつぶせ寝をやめさせる指導を強化することも求めた。

 同会のメンバーは、病院や保育所などで子どもを亡くした親ら。33人の会員の赤ちゃんは2、3例を除いてうつぶせの状態で発見され、28人が死亡。死因は窒息が多い。病院側が途中から急にSIDSを理由に「責任はない」と主張することもあり、10例以上が裁判で係争中だ。

 厚生省の調査結果では、SIDSはうつぶせ寝が仰向けより3倍、保護者の喫煙、人工乳保育も5倍発症リスクが高いとされた。

 同会の世話人の弁護士は「うつぶせのリスクを指摘するなら死亡時の体位を考慮するべきだが、寝かせたときの体位でリスクを出している。死亡時なら、うつぶせは喫煙や人工乳保育よりも高いリスク値になった」としている。


1998年6月分

文部・厚生チーム「早期教育」影響を調査

 文部・厚生両省は、6月28日までに、就学年齢前の幼児に文字や算数、楽器などの「早期教育」を受けさせる親が増えていると見られることから、7月に共同研究チームを発足させ、早期教育が子どもの身体や心の発育に及ぼす影響について国として初めて調査することを決めた。2年後をメドに調査結果をまとめ、その後も長期的に追跡調査を続ける方針だ。

 文部省などによると、早期教育については、主に、1、教室に来て勉強する、2、定期的に教材が届く通信教育、3、訪問販売などで教材をまとめて購入して自宅で学習するーというパターンがある。どのタイプについても、国立・私立の小学校の「お受験」ブームによる受験戦争の低年齢化、過熱化のほか、少子化で一人の子どもにかけられる教育資金が増えたことから、最近、受講者が急増していると見られている。

 しかし、その効果については「楽器の早期教育は絶対音感を身につけるのに役立つ」などと評価する声がある一方、「幼いうちから知育に偏ると、心が育たない」とし「心の教育」の観点から逆効果とする意見も出ている。

 このため、両省では、早期教育が子どもの身体的な発達、学力、情緒、自発性、社会性などの発達にどのような影響を及ぼすかについて、ブラス、マイナスなどを含め、総合的に調査することに踏み切った。具体的には、文部省の国立教育研究所と厚生省が新設する専門の研究班とで親との面接などを通じて調査を続けていくという。

 98年版厚生白書・少子化進行に警鐘

 小泉純一郎厚相は6月12日の閣議に、「子どもを生み育てることに夢を持てる社会」をテーマとする1998年版厚生白書を報告、了承された。初めて深刻化する少子社会を特集、女性の視点で子どもが減少している背景を分析した。「男は仕事。女は家事も育児も仕事も」という家庭での女性の過重な負担を和らげるため、男性に育児への積極参加を求め、女性が働きながら子育てできる環境づくりの実現を強く訴えている。

 1人の女性が生涯に生む子どもの数(合計特殊出生率)は97年には1.39と過去最低だったが、白書は、今後出生率が戻っても労働力として増えるのは早くても30年後と指摘。その時期を遅らせないためにも少子化対策の早急な実施が必要と警鐘を鳴らしている。

 そのうえで、仕事と家事・育児を担う女性や子育てに追われる専業主婦の負担を軽くするため、男性が子育てや家事を積極的に分担する男女共同参画型の家庭づくりを奨励している。

 女性が働きやすい職場づくりでは、結婚・出産退職の慣行など「男性中心の企業風土」の見直しを訴え、また、保育所(園)の充実や教育費などの軽減を強く求める声に配慮して、夜間保育など認可保育所(園)のサービスの多様化やそれを補完する無認可保育所(園)やベビーシッターなどへの公的な助成を今後検討するよう求めた。