プレオイリングとは、ドライスタートのダメージを防止するために、エンジン始動前に油圧をかける事を言います。
ZIP−STARTとは構造が異なりますが、大型船舶や超大型重機、四輪F1などでは
プレオイリングシステムの採用例があります。
これらの機械では、外付け式の電動、エンジン式オイルポンプを用いています。
大型船舶では、船体を製作した後船体上部からエンジンを入れ、エンジンの上に甲板を張るために
一般的な自動車、オートバイのように、エンジン脱着、交換が簡単には出来ません。
そのため、一回積んだエンジンの長寿命化は、ランニングコストから見て、とても大事な事なのです。
四輪F1では、エンジンオイルの温度を50度前後まで上げ、プレオイリングと同時にエンジンを暖め、
エンジン内部のクリアランスを詰めてから、エンジンを始動させます。
エンジンが暖まった状態で、最高の性能を発揮するように作られているエンジンです。
性能の維持には、とにかく気を使う必要があります。
このお話は、以前、某社コレクションホールに伺った際に、スタッフの方から聞いたお話です。
「プレオイリングシステムとはこういった物です」と説明する我々に
「あぁ、F1に使われているものと同じですね」と、スタッフの方は少し見ただけで即答されました。
エンジン内部で、潤滑が必要な所とは
クランクメタル&クランクシャフト&コンロッド ピストン&シリンダー&ピストンリング
カムシャフト&カムホルダー ロッカーアーム&バルブ&バルブガイド
カムチェーン&カムチェーンテンショナー
など、多岐に渡ります。
これら、エンジンオイルの保護を求める場所に、始動前にオイルを送る。
それが「プレオイリング」です。
プレオイリングを行うと、エンジン内部の潤滑が必要な所にオイルが届き
素早く流体潤滑となるので、エンジンパ−ツの磨耗ダメージを小さく出来ます。
部品の供給に不安のある古い車、希少車、高価な車、エンジンチューニングを行っている車両には、
パーツ、性能をより長く維持するために、プレオイリングシステム ZIP-STARTをお勧め致します。
エンジン始動前に油圧を掛けるので、タコメーターの針は止まっているのに
オイルプレッシャーランプが消灯しています。
その時エンジン内部では
停止しているエンジンのオイルラインから、エンジンオイルが届けられています。
オイルが流れている部分と、それ以外の部分、油膜の厚さの違いは一目瞭然です。
この分厚い油膜が、エンジンをしっかりと保護するのです。