



植物は、動物のように簡単に動いて移動することができない。植物が自然の状態で動くことができる方法は二つある。
その一つは、花粉のときに、風に吹かれて、または昆虫などに頼って、花粉を運んでもらうときだ。
もう一つは、実やタネのときである。子どもたちの多くは、アサガオやヒマワリを植えて育てたことが多いと思う。そして、花が咲いてそのタネをとるときは、とてもうれしかったのではないかと思う。
しかし、ここで考えほしい。人間が植えたアサガオやヒマワリは、また人間によってタネを次の年に植えてもらっているということなのだ。自分でタネを運んだりしているのではないということなのだ。もちろん、こぼれダネから新しい芽が出ることはあるだろうが、その場に落ちてまた出るので、分布の拡大にはつながらない。
ということは、人間に植えてもらえることができない自然の植物は、どのように実やタネを運んでいるのか、すなわち子孫を残すことができるのか。ここが大切なところなのである。最近ではここの研究もかなり進んでいて、多くの書籍にて発表されているが、一般的ではなく、けっこう専門的なものが多かった。しかし、ここ10年ぐらいは子ども向けの本でもかなりすばらしい図鑑やお話ができていて、大人が読んでもわかりやすい。また、自然観察会などでも、当たり前のように秋になると、「タネの飛び方」「タネの散り方」と称したものが行われていて、興味がわきやすい。
今回、私がこの「植物の種子散布」についてホームページで公開していこうと思ったのは、植物の種子散布すなわち、「タネの旅立ち」について興味をもった人たちが、せっかく観察会などで興味をもったことを、
「もっと調べていきたいなあ。」
「自分でも探したいけれど、どんなところを探したらいいんだろう。」
などと思ってくれるような、しくみ、情報、お話を紹介していきたいと思ったからである。
ではみなさん、これから「タネの旅立ち」について、たのしく学んでいけるように期待しています。このホームページがみなさんのフィールドワークのお手伝いになるよう、切に願っています。