鬼灯がいつまでもある夕べかな 岡井省二
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句集『大日』。豊かな一冊だと思う。たとえばあとがきによって、われわれは彼が目指しているもの/ことを知ることができる。しかし、ふっとこぼれる、この一句のような作品に出会えることが、この一冊の大きな魅力なのだと思う。
岡井作品にしては難解ではない──。もしかしたら、あなたはこんなことばでこの一句に接しようとするだろうか。
難解とは、分かりにくいこと、解釈しがたいこと。では、分かるとはなにか、解釈するとはなにか。また、分かる必要があるのか、解釈する必要があるのか。これらの問いに、あなたは明確に答えられるだろうか。たぶん答えられないと思う。答えられないことが問題なのではない。そもそもけっして単純な問いではないのだから。これらの問いとどのような関係を持っているか、また持とうとしているか。このことが大切なのだと思う。
いつまでもある──。この中七との往復をじっくり楽しみたい一句である。