俳句工房[ZA]−俳句と評論
 
 
 
[季節別自選俳句作品]
春−歳時記の春の季語たち
 
 
 
 
その上の小さな雲や春の家
泣き虫の子にふらここを押してやる
真ん中に鼻あたたかくありにけり
集落をひと歩きゐる彼岸かな
いつまでも四月のやうな妻の顔
草餅を鞄に入れて地下鉄に
この頃や見なくなりたるがうな売り
男どち集まつてくるつばくらめ
父の肩春夕焼けの中にあり
近江まであとどれくらい春田打
 
 
立春の犀を見てゐる二人かな
円卓によきこゑ春の話題なら
ほつこりと梅一輪や犬の前
デコポンが店先にありあたたかし
 村上 町屋のギャラリー・やまきち
ギャラリーといふ三月のやはらかさ
信号の変はる瞬間はこべかな
春の街ビルは速度を持つごとし
パンジーを抱えて雨の教室に
丘の上に花咲いてゐる変圧器
花守の豊かなるもの置いてゆく
 
 
春の壷もしくは人のかたちかな
気仙沼とはたくさんの春の船
まだ二分と花の話や男どち
集落をひと歩きゐる彼岸かな
囀りや父の近くに住むごとく
三月の北海道のやうな口
春の水魚ばかりでありにけり
しんとして滝の近くの花の家
花種を買つて駅まで歩きけり
いつのまに涙八十八夜かな
 
 
春の山大きな人と歩きをり
一頭の馬とも思ふ梅の花
水温む町にいくつの変圧器
遠ければ春雷らしく響きけり
約束の髯を伸ばして青き踏む

挨拶のはじめのほうが春の雲

後ろから三月の声聞こえけり
ひつぱればさくらの空となりにけり
やはらかに首立ててゐる春の昼
花種をあわてて蒔いてしまひけり
 
 
春の家/ふらここ/あたたか/彼岸/四月/草餅/がうな/つばくらめ/春夕焼け/春打田
[2007.2.24掲載]
立春/春の話題/梅/あたたか/三月/はこべ/春の街/パンジー/花/花守
[2006.2.10掲載]
春の壷/春の船/花の話/彼岸/囀り/三月/春の水/花の家/花種/八十八夜
[2005.4.29掲載]
春の山/梅の花/水温む/春雷/青き踏む/春の雲/三月/さくら/春の昼/花種
[2004.3.1掲載]
 
 
 

春の風景−山桜

 

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