2003年度 日本史演習I・II(一部・二部)シラバス


1 授業の概要・目的
 日本現代史、とりわけ15年戦争期における政治と軍事の関係、対外膨張戦略、思想統制・教育のあり方、植民地・占領地支配の実態、戦争責任問題などについて検討する。テキスト所収の論文や史料の検討を通して日本現代史に関する知見を深め、また、同時に日本現代史研究のさまざまな課題・論点を把握するとともに史料批判能力を高め、自らが将来、卒業論文を作成する際の課題設定の仕方、史料の取り扱い方などについて学ぶ。


2 授業計画・進行予定表
 前期は、ハーバート・ビックス『昭和天皇』上下(講談社、2002年)をテキストとし、その所収論文を参加者が自らの問題関心にしたがって選択・報告し、集団的に検討することを通して日本現代史に関する知見を深める。
 後期が始まる前(8月上旬頃)に合宿をおこない、テキストの残りの部分を検討する。
 後期は、『昭和天皇独白録』(文春文庫、1991年)を精査(他の史料や研究成果と比較検討)することによって、日本史史料研究氓ノおいて学んだ史料批判(史料に書かれていることの真偽の判定)の力を向上させ、あわせて関係する基礎的な一次史料(『杉山メモ』『木戸幸一日記』『西園寺公と政局』など)の関連箇所を読み、現代政治史に関する知識と理解を深める。
 ゼミの進行計画は以下の通りである。
前期
(1)年間授業計画の説明
(2)読書と研究、ゼミでの報告の仕方について/前期報告者の決定
(3)〜(15)ハーバート・ビックス『昭和天皇』を毎回1章分ずつ検討
 合宿:ハーバート・ビックス『昭和天皇』の残りの部分を検討
後期
(16)〜(29)『昭和天皇独白録』を毎回10ページ程度検討
(30)卒業論文作成にあたって─論文作成のスケジュールと卒論に求められる水準─


3 履修の留意点・成績評価の方法
(a)参加者は、報告に際して、必ず分担論文・史料のレジュメ(内容の正確な要約)を作成し論文の重要箇所や関連する重要な史料についてみずから調査して補足説明をするとともに、疑問点や論点を提示すること。
(b)成績は、出席状況、ゼミでの報告内容・発言内容と前期のレポート、学年末のレポートによって評価する。評価の基準や配点などは、第1講において説明する。レポートは採点のうえ、すべて返却する。ゼミでの報告・レポートなどの点数は、採点後、個別に開示する。


4 教材・参考書等の指示
(a)前期テキスト:ハーバート・ビックス『昭和天皇』上下(講談社、2002年)
   後期テキスト:寺崎英成『昭和天皇独白録』(文春文庫、1995年)
(b)参考文献:藤原彰ほか『徹底検証・昭和天皇「独白録」』(大月書店、1991年)
   吉田裕『昭和天皇の終戦史』(岩波新書、1992年)
   山田朗『大元帥・昭和天皇』(新日本出版社、1994年)
   東野真『昭和天皇二つの「独白録」』(日本放送出版協会、1998年)
   山田朗『昭和天皇の軍事思想と戦略』(校倉書房、2002年)