2003年度 歴史学(日本史I)シラバス

授業題目
日本近現代史(20世紀の政治・軍事・天皇制)

授業の目標
 20世紀の政治・外交・戦争・植民地支配・天皇制について検討する。重要国策文書や天皇への上奏文などの資料を分析することを通して、この時期の日本の国家指導層の状況分析・戦略判断を明らかにする。また、映像資料(当時のニュース映画など)を見ることによって戦争の経過と国内の状況について具体的に分かるようにしたい。

教材・参考書等
 特定のテキストは使用せず、講義ごとにレジュメと資料(文書資料・統計資料等)を配布する。参考文献は、必要に応じて講義の際に紹介する。なお、受講に際しては、朝尾直弘ほか編『角川・新版日本史辞典』(角川書店、1996年)と歴史学研究会編『日本史年表・増補版』(岩波書店、1994年)などがあれば便利である。


成績評価の方法
 成績は、前期・学年末のレポートおよび出席状況にもとづいて評価する。
 レポートの採点基準は公表し、採点済みレポートは返却する。

受講上の注意
 遅刻は定時より15分まで認めるが、途中退出は原則として認めない。私語が甚だしい場合など、講義室より退席してもらうことがある。

授業の内容・計画
 今年度の前期は、19世紀後半から日清・日露戦争・満州事変・日中全面戦争をへて、三国同盟締結(1940年)あたりまでを取り扱う。とりわけ、日本の対外膨張戦略の展開に焦点を当てる。後期は、アジア太平洋戦争開戦から敗戦までの時期を取り扱い、天皇が戦争に果たした役割、日本軍の占領地支配の実態、戦後補償問題などを検討する。
 前期
(1)講義の概要と授業計画
(2)明治維新と近代的軍事力の構築
(3)対外膨張戦略と日清戦争
(4)日英同盟と日露戦争
(5)台湾・朝鮮への植民地支配の始まり
(6)第一次大戦とワシントン体制
(7)山東出兵と張作霖爆殺事件
(8)ロンドン条約と統帥権干犯問題
(9)満州事変と「満州国」
(10)226事件と「国策の基準」
(11)日中戦争の開始
(12)日中戦争の拡大と和平工作の失敗
(13)日ソ国境紛争と第二次大戦の勃発
(14)日独伊三国同盟と日本の武力南進
 後期
(15)日独伊ソ四国協商論と日米交渉
(16)独ソ開戦と武力南進路線の強化
(17)対英米早期開戦論の台頭
(18)アジア太平洋戦争の開戦
(19)緒戦の戦況と戦争指導方針の動揺
(20)攻勢戦略の挫折と戦線の後退
(21)天皇と戦争@─天皇と軍事情報
(22)天皇と戦争A─大元帥としての天皇
(23)天皇と戦争B─天皇の戦争指導
(24)戦線の崩壊と本土決戦計画
(25)沖縄戦と住民の犠牲
(26)「終戦工作」と日本の敗戦
(27)「大東亜共栄圏」の虚像と実像
(28)戦後処理と補償問題/まとめ