『歴史修正主義の克服 』
(高文研、2001年12月刊)/46判/235頁/1800円
目次
はじめに
◆戦争非体験世代の戦争認識
◆歴史修正主義の台頭
◆本書の構成と特徴
◆これからの歴史修正主義との攻防
氈@歴史修正主義の特徴と日本人の戦争認識
一 「自由主義史観」批判
1 「自由主義史観」の特徴と問題点
◆「自由主義史観」の登場
◆初期「自由主義史観」の歴史認識
2 「自由主義史観」における「戦略論」導入の問題点
◆「戦略論的リアリズム」の導入が生む落とし穴
◆近代日本の膨張主義戦略を直視する必要性
3 「数量データ」の利用方法─現代から歴史をどう見るか─
◆植民地経営と経済統計の見方
◆「軍事小国」=GNP二%論の虚構
二 「司馬史観」批判
1 歴史上の人物になりきる司馬遼太郎の技法
2 同時代史的な歴史把握の問題点
3 明治と昭和の連続性を無視する歴史認識
三 歴史修正主義を支える戦争観
1 歴史修正主義の「養分」となっている戦争観
2 「克服されていない戦争観」の克服
◆侵略したり、植民地支配をしたのは「日本だけではない」という論
◆戦争や植民地支配は「良いこともした面もある」という論
◆「大東亜戦争」は「アジアの独立に役だった」という論
◆日本は英米にたいして「やむにやまれず立ち上がった」という論
◆戦争はおこなったけれども「領土的野心はなかった」という論
◆「侵略戦争」などと言ったら、「戦没した人は犬死になのか」という論
◆昭和の戦争は悪かったかもしれないが、明治時代の戦争は良かったという論
◆「現在の価値観で過去を見るな」という論
◆戦前・戦中の出来事に「戦後生まれには関係ない」という論
四 小林よしのり『戦争論』批判
1 『戦争論』批判の留意点
2 大東亜戦争肯定論・解放戦争論の虚構
◆日本国家指導層にはアジア解放の理念も意図もなし
◆「八紘一宇」理念の虚妄性
◆「結果論」の自己矛盾
3 『戦争論』に真の戦争論なし
◆国家戦略論の欠如
@ 近代日本の膨張主義を看過
A 日独伊三国同盟論の欠如
◆戦争論(戦争分析)の歪み
@ 戦争のための戦争論
A 戦争の「大義」と犠牲者の「聖化」
4 戦争の個別事例に対する『戦争論』の誤り
◆開戦当初の日本軍の「強さ」
◆終戦後、独立戦争を日本兵が援助
◆「ぎりぎりの選択」として、「自存自衛のため」戦争に
◆「満洲は今の中国人の土地ではない」
◆「日韓併合」はコリアの最大政党一進会が希望
◆東條英機ら軍参謀には責任がある
◆戦犯処刑によって「もう償いは済んでいる」
◆八紘一宇は「天皇の下ですべての民族は平等」
◆「負けに行こう」「特攻だ」「カミカゼだ!」
◆特攻の「命中率も結構高く……」
◆中国のゲリラ戦:戦闘員と非戦闘員の区別なし
◆「日本のサヨクもアメリカの犯罪は絶対に追及しない」
◆「三光作戦」は中国軍がやったことを日本軍に押しつけたもの
◆日韓併合で日本は韓国のインフラを整備した
◆毒ガス誤報写真
◆慰安婦「証言」
◆日本だけが独立国だった
◆奇妙な絵と戦争知らずのセリフ
◆「事実をありのままに見る」としながらも
五 「新しい歴史教科書をつくる会」教科書批判
1 「つくる会」の思想的変遷
◆「大東亜戦争肯定史観」に包摂された「自由主義史観」
◆『国民の歴史』の歴史観
2 「つくる会」歴史教科書の歴史認識の問題点
◆「歴史相対主義」の便宜的利用
◆極端な自国本位の歴史認識
◆〈パワーポリティクス〉=国際的な権力政治の全面肯定
3 「つくる会」歴史教科書の歴史叙述の特徴と問題点
◆天皇に関する記述の問題点
◆近代の軍事と外交に関する記述の問題点
@ 日清・日露戦争と日本の〈国家戦略〉
A 「盾」となった駆逐艦の創作
B アジア太平洋戦争への道と日本の〈国家戦略〉
C 戦争叙述の問題点
歴史修正主義克服のための課題
一 「自由主義史観」台頭の要因
1 新しい戦争・平和教育を求める潜在的要求
2 日本社会に伏在するフラストレーション
二 現代における〈戦争責任〉とは何か
1 〈戦争責任〉研究の広がりと深まり
2 今日における〈戦争責任〉の追及とは
◆〈国家責任〉と〈個人責任〉という二重の性格
◆戦後処理としての〈戦争責任〉追及
3 天皇をめぐる〈戦争責任〉論
◆憲法上の機能からの〈戦争責任〉否定論
◆天皇の「実態」を根拠する〈戦争責任〉否定論
◆国家意思形成への天皇のかかわり方
三 戦争非体験世代の〈戦争責任〉
1 『戦争論』はなぜ売れたか
2 『戦争論』批判の二つの留意点
◆単純な全面否定論の落とし穴
◆本質的・実証的な批判の重要性
3 歴史修正主義を克服するための戦後世代の戦争責任論
四 歴史教育と歴史認識
1 ほんとうに〈歴史認識〉は問われたのか
2 大学生の〈歴史認識〉は大丈夫か
◆高校日本史の制度の変化
◆「侵略戦争」イメージの定着
◆近現代史の知識には自信がない
3 イメージから実態把握の教育へ
注
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