|
| ただいま議題となりました農林水産大臣不信任決議案に対し、私は、自由民主党、公明党及び保守党を代表して、反対の討論を行います。 昨年9月10日、我が国で初めてBSE感染牛が確認されました。発生以降、今日に至るまで、国民の安全・安心を確保するため、短期間に様々な対策が講じられております。 今回の事態の初期段階におきましては、行政部局内における関係者の連絡が不十分で対応に混乱が見られ、国民の行政に対する不信を招いたことは、誠に遺憾であると考えております。しかしながら、その後は、不眠不休の取り組みにより厚生労働省とも連携し、BSE全頭検査という世界に例を見ない体制を構築するとともに、BSEの感染経路を完全に遮断するため、肉骨粉等について、全ての国からの輸入及び国内における製造・出荷の一時停止措置をいち早く講じるなど、武部農林水産大臣は、その責任を全うすべく全力を尽くしているところであります。特に、BSEの影響を受けている畜産、酪農農家や流通業者等の方々に対して、その経営安定を図るため、牛肉消費拡大のためのPR事業、経営安定対策事業の拡充、緊急つなぎ融資の創設、牛肉調整保管の発動、全頭検査以前の牛肉の焼却等約2千億円におよぶBSE関連対策を講じており、今後とも諸外国の例を参考として、関係者の納得のゆく対策に仕上げて参りたいと考えているところであります。 日本が、BSE感染牛が確認されてから短期間の間に全頭検査体制を確立し、国産牛が安全である体制を構築したことについては、諸外国からも高く評価されているところであります。 これまで、BSEの感染が確認された牛は3頭おりますが、武部農林水産大臣は、昨年末までに4か所全ての関係農家や地域を訪問・視察し、意見交換会を開催されるなど、精力的に活動しております。また、現場での実情を踏まえ、BSEの影響を受けている農家や関係事業者の方々に対する各般の支援策を講じながら、これからもその支援と対策の充実に努めていくところであります。 なお、一部報道において、昨年末の視察時に武部農林水産大臣が原因究明を軽視するような発言があった旨の報道がなされておりますが、既に武部農林水産大臣が衆参の農林水産委員会等で明らかにしているとおり、感染原因が解明されていないことを理由として牛肉が安全でないということは科学的事実と異なっており、消費者の皆様には、牛肉の安全性と原因の究明は別問題であることをよく理解して欲しいとの趣旨で説明したものであり、原因究明を軽視するものでは全くなく、まして野党が言うような「暴言を吐いた」などというものでは毛頭ありません。むしろ原因究明については、農林水産省が最もエネルギーを割いて努力しているところであります。 このように、武部農林水産大臣のリーダーシップの下、消費者の皆様の安全と安心を確保し、BSEの影響を受けている関係者の皆様を支援するため、必要な措置が迅速かつ着実に講じられてきたところであります。 さて、武部大臣は就任以来、農林水産省は生産者と消費者の間に立って仕事をすべきであるという考えの下、いわゆる「武部私案」を公表するなど常に先頭に立って改革に取り組まれ、特に食の安全を重視し、消費者に軸足を置いた農林水産行政に大きく舵取りをされました。このことは、大変画期的なことと評価されております。 特に、BSEについては、危機管理意識の希薄さや縦割行政の弊害等の行政上の構造的な問題を政治主導の下で正していくことに執念をもって取り組んでおられるところであります。BSEをめぐりEUからのステータス評価の取り扱いや1996年当時の肉骨粉使用禁止の行政指導など過去の行政対応上の問題点を解明し、畜産・食品衛生行政の抜本的改革を目指して、「BSE問題に関する調査検討委員会」において、公開の下、膨大な資料が提出されて検討が行われておりますが、このような従来に例を見ない形で真相究明に立ち向かうこととなったのも、武部大臣の英断によるものであります。 一方、これらの措置が講じられている中で、牛肉の市場隔離事業を悪用した雪印食品の国産牛肉偽造事件が明らかになりました。本件はBSEに対する消費者の不安を払拭するための事業を悪用した極めて悪質なものであり、少しずつ回復基調にあった牛肉消費に再び大きな影響を与え、牛肉流通に対する国民の信頼を大きく傷つけるものであります。今後、事件の真相究明を徹底的に行い、牛肉に対する消費者の安心と信頼を取り戻し、牛肉消費の回復を図っていくことが極めて重要であります。 なお、この事業に関し、モラルハザードを招くような事業の仕組みだったのではないか、と畜証明を在庫証明で足りるとしたのは行政のチェック体制が甘かったのではないかとの批判があります。しかし、「全頭検査以前の牛肉の市場隔離」という緊急措置を短期間に仕組むとすれば、通常の商取引が実施されているという信頼関係を前提としなければ仕組み得ないものでありました。また、チェック体制も既に部分肉として流通している以上、と畜証明は実体的に付されておらず、在庫証明により国産・輸入の別、入庫年月日、数量等が確認できることから、在庫証明により確認することとしたものであります。これらのことから事業の仕組みに瑕疵があったとは考えられません。今回のこうした悪質な事件を踏まえ、武部大臣は全倉庫の徹底総点検を直ちに実施することを決定したところであります。 このようにBSEをめぐる一連の課題解決に向けて今後更にその職責を果たしていくべきこの重大な時期に当たって、確固たる信念と粘り強さに加え、議員経験により培われた政策手腕と行動力を持つ武部農林水産大臣に対して不信任決議案が提出されましたことは、誠に遺憾であり、断固反対を表明するものです。 最後に、BSEが我が国で確認されて以来、畜産、酪農農家、流通加工業者、小売店や飲食業者、消費者等多くの国民の皆様が、経済的損失はもちろん、食品に対する不安や不満など、我々政治家も含め、持って行き場のないイライラに悩まされています。 BSEのメカニズムの科学的な研究も世界的に、みち中ばの現状において、国権の最高機関たる我々は、このような時にこそ、冷静沈着な対策・対応により、この危機を脱却し、日本が一日も早いBSE清浄国になるための努力こそが必要であることを強調して、私の反対討論といたします。 |
|
|