みんな みんな ちがうけど、
みんなで みんなで あそぼうよ。
たっちゃんの誕生日は2000年3月9日。
本当は5月に生まれる予定だったよ。
だから生まれたときの体重は1,664g。
普通の赤ちゃんの半分の大きさだった。
生まれてすぐ、元気に泣いたけど、
まだ自分で息をしたり、オッパイを飲んだりできないよ。
それで救急車で赤ちゃんの病院に連れて行ってもらったんだ。

たっちゃんは2ヶ月半早く生まれてしまったけど、
とても元気でどんどん大きくなったよ。
7週間入院して、おうちに帰ってきてからもミルクをよく飲み、
よく眠り、すくすく育ったよ。

生まれて3ヶ月ぐらい経つと、
たっちゃんは自分で手や足を動かしてみようと思ったよ。
でもおかしいな?
体がつっぱって思う様に動かないよ!
目もまっすぐに見つめられなくてより目になっちゃうよ!なんでだろう?

たっちゃんは生まれたとき、とても小さくて体が十分に育っていなかったんだ。
だから、頭の中にある脳がケガをしてしまったんだよ。
脳がケガをすると体に命令がちゃんと伝わらなくて、
自分の思ったとおりに体を動かすことが出来ないんだ。
脳のケガは治るのに何年も何十年もかかることがあるんだよ。
それに全部は治らないかもしれないんだ。

 たっちゃんは自分のことを「たー」と言えるようになりました。たーは生まれた1週間後のCTで脳に大きなダメージを受けたことが分かりました。冒頭の文は、お兄ちゃんとたーに話す気持ちで書いたものです。(医師の説明ではありません)それ以上の詳しい事はききたくないし、話したくもないというのが本音かもしれません。つらい現実は少しずつ聞いて、今の幸せな気持ちを壊さないようにしたい。まだ育ち始めたばかりで、そっとしておいてほしいと思うこともいっぱいあって、自分の気持ちでありながら不思議です。

 今 目の前にいる たーは、不自由な体なのに、とてもやる気があって根気強くて自分の意志をはっきり主張して、そんな たーが私たちの親ばか自慢です。かわいいところは、照れ屋な性格とニコニコ笑顔です。笑いのツボを良く心得ていて、ケラケラ笑ったりふざけたり愉快なところもあります。家ではお兄ちゃんたちと同じ気分で遊んでいるし、けんかも良くします。

 私は『命は一回限りのものではなく、何度も生まれ変わって永遠に続いていく』と信じています。だからきっと誰でも一回はこんな人生を経験するよ...と思っているのです。だとしたらたーはラッキーです!4年間とても順調に歩んできたから。たーと一緒に歩むことで私たち家族の世界はどんどん広がり、それはかけがえのないものになりました。
そして、私たち家族が普通に暮らしているのは、多くの方に支えられてきたからです。
そんなことを思いながら、これから作る文集の中で、4年の歩みを少し書いているところです。

最後にタイトルに使わせていただいた本を紹介します。

『かっくん どうしてぼくだけしかくいの?』 乙武洋匡訳

まんまるかぞくは、みんながまんまる。ところがまんまるかぞくにしかくの赤ちゃんが生まれました。なまえは「かっくん」
かっくんは子どもたちにいつも「あっちであそんでろよ!」といわれます。
あるとき、かっくんの意外な長所がわかります。
「なんだよ。おまえすごいな!」「かっくん、たすかったよ。」

その 日から、みんなの かっくんを 見る 目が かわりました。
その ほかは、なんにも かわっていません。
かっくんは あいかわらず しかくい ままだし、
まんまるの 子どもたちも まんまるの まま。
いろいろ いるよ。まんまる、ふとっちょ、しかくに おちび。
みんな みんな ちがうけど、
みんなで みんなで あそぼうよ。

私は、まんまるの子どもたちのセリフがとても気に入っています。子どもの世界ってこうだったなって思いました。ところで、かっくんの意外な長所って何だと思います?

この場を借りて、みんな みんな ありがとう。


たっちゃんのお母さんより