この時期の飲み会と言えば歓送迎会が定番だ。去る者の送別会に始まって、直後に歓迎会と重なるのがサラリーマン生活の定番って言って良いだろう。最近はそれに定年退職の追い出し会がやけに多くなったって気がする。
 そんなだから街の飲み屋は大にぎわいかと言えば、今年はそうではないらしい。


 世の中、不景気なのだ。
 その中でW・S契約の話しはあっても、そこそこ生産が続いているのは幸いなのだろう。残業規制による業務のスリム化ってのを理由にたまには早帰り(定時)っていうのも自分的には悪くない。

 昨晩、送り出し(自分自身も半分は追い出され)の飲み会に付き合って、朝起きるまで本日の行く先は決めていなかった。

 さて、どこに行こうか
 こんなように、行き当たりばったりでは当然ながら遠くに行くプランなんて考えられない。今日も近場にしよう。とりあえず駅に行く。

 それから半原行きのバスに乗り、終点で降りる。空には薄く雲が張り、風は冷たく、川面に釣り人の影無し。帽子を深くかぶり直し、綿手袋をはめる。橋を渡り、中津川沿いに道なりに歩いて宮ヶ瀬ダム下に着く。
 今週は桜が咲いたというのに寒く、昨日は雪もチラチラしていた。その影響なのか、普段なら散歩する人が何人もいる時間帯なのに、バス停からダムまでの間で見かけた人はいない。
 そのダム本体直前の橋を渡ったら、周囲にだれもいないのをもう一度確認してから左手の柵を乗り越える。だれもいなければ遠慮も躊躇も無い。砂地の土手を20mほど降ると、そこが馬場大沢の始まりで、大滝の直下になる。
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馬場大滝全景
 馬場の大滝は、先ほどの橋の欄干からも枯れ葉の落ちた今の時期だけは全景がちゃんと眺められるが、滝下からの眺めは、当たり前だが全く遮る物が無く、その分だけ豪華に見える。いいや、周囲に古い送水設備や送電設備の残骸が貧相に残るが、目立たないので気にならない。ここらあたりは暖かい気候だと足元から這い上がるヒルに注意が必要だが、幸いかな本日は寒いのでこれらの配慮も不要だ。

こんな感じの樋状を左右に突っ張って通過する
 ひとしきり眺めたら、滝の右側から不安定な砂礫の斜面を中段の高さまで達する。そこからはちゃんとした巻き道が落ち口に向かっているのを素直にたどる。
 すぐに次の6m滝だ。流れの左側に上から垂れている木の根っ子が使えるかなって思えたが手前に釜(小さな滝壺)がある。まだ水は冷たいので入る気はしない。それならばと、釜の出口の小石をどけて水位を下げる。20cm下がったところで、取り除いた石を浅くなった飛び石としてセット仕直して釜を渡る。だが、根っ子をたぐり寄せようとしたら反力少なく、グジュグジュに腐っていて使い物にならなかった。せっかく決壊工事を行ったのに、そいつがダメダとなると、この滝は登れない。右側から巻くことになる。
 滝の上は岩の間を縫うような樋状のナメに続く。その樋に足を左右に突っぱねて数歩進み、足では長さが足りなくなったら手を左の岩にして、足は右の岩にして腹の筋肉に力を込めて突っ張って5mを進む。岩は乾いていてフリクションは良く快適だが、腹筋が少々辛い。
 岩床の瀬は続き、間に小滝が二個ほどあり、そのまま小岩の背のような所の横をつなげて歩く。大滝から始まり、ここまでの間、ゴロゴロした石はなく、全て岩の上を歩くことになり、中々、快適な沢歩きが楽しめるのだ。湿っぽい時期になるとこうは行かないだろう。
 だが、快適な沢歩きも束の間だ。前方上方に橋が見えてくると、沢はせっかくの岩瀬なのに、橋から投げ落とされた廃棄物がボットン便所の便壺にもっこりと盛られた糞のように散乱していてガックリなのだ。
 だれだよ!廃棄物 捨てたのは! 許さないゾ!

岩床と小滝が連続する
 まっ いいか。そんなもの。見えないことにすれば良い。
そう念ずれば頭の中で景観からは削除した状態にセットしてくれるのがマシラの脳内構造なのだ。不都合な時には”見ざる言わざる聞かざる”に限る。それに都合良く”壁に耳あり障子に目あり”って使い分ける賢さも備え持つのが人ってもんでしょう。
 邪魔物はさておき、
 さて、橋の直下は幅は10m高さは4mの見栄えのよい滝になっている。東から朝日も射し、10時のお茶に最適な場所なのにって言いたいけど。先に行きましょう。
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橋の下30mにある滝
 そこからは腐れかかった倒木に覆われるが、それでも何とか歩ける古い苫道が沢沿いに二俣まで続いている。
 道は二俣からは中央の小尾根に入り、やがて左行して左俣を横切って高取山から半原に降る遊歩道に合流することになる。
 以前、その道を下降中に猿の大群に取り囲まれて(知らずに彼等の群れの中に飛び込んでしまった)襲われるんじゃないかと怖い思いをした記憶がある。
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岩床の中を小滝が落ちる
 その猿に襲われるのは好きくないので、今日は二俣からは右に入る。ここを歩くのが本日の目的なのだ。さて何があるか。

 地形図には左右均等に水線が引かれていて、確かに左俣には水流があったが、右には実際には水はチョロチョロでほとんど流れておらず、おそらく滝は期待できそうもなかった。
 それもよし
 ガラガラの石を踏んで進むと、最初に目に入ってきたのは左半分が壊れて無くなった砂防堤だった。周囲は明るくサラッと広い。そこから進んで、もう一つ砂防堤だ。同じ位の距離を於いて更にもう一つ。
 このまま稜線に登り着いてしまうんだろうか。
 そう思い始めたコロに傾斜がきつくなって両岸が狭まり、V字状の涸棚が一つ。フリクションは良く、簡単に越える。そうすると、そこからは涸棚のオンパレードだった。とは言っても涸棚に高いのは無く、岩の凸凹少なく、前後の棚との間に適当に平らな部分を備え、そこには枯れ葉が堆積しているので、たとえ落ちたとしても何事も無く済むだろうっていうんだから、これは快適だ。ガンガン行こう。
 5mにプラス3mくらいのスラブ滝の最初部分の3mを登ったところで、その先が登れずに落ちたように降ったっていうのが少しシャクにさわったが無事がなによりだ。左の露岩からそこを越えると傾斜が一段落して、仕事道が沢を横断していた。
 沢も終わりという感じだったので、その仕事道に入っても良いかなとは思ったが、上の稜線がすぐそこに見え、5分も歩けば着きそうだったので、沢を詰めることにした。
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右俣に入り、急な涸棚をいくつも・・快適に
 仕事道付近ではガレの小石だったのが、もう一度、涸れ棚状に戻ったが、傾斜は緩く簡単にパスする。岩床が土に変わると急傾斜になるが、もはや稜線は手の先の距離だ。その稜線を目指してともかくも直線上に登る。
 程なく、小さなピークの横に飛び出して、高取山には5分ほどで着く。鉄塔に登ると北風が頬をなぜる。大山には雪雲がかかり、標高1100m以上の稜線には雪が着いているように見える。春なのに冬
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高取山鉄塔の上から見える丹沢の山々は雪?
 仏果山から、本当は秋葉社の尾根を細野に降る予定が、気がつけば野外センターへの登山道を下っている。少しでも本来のルートに近づけるため、降った半原中央林道を末端まで細野方向に歩いて、林道が無くなったら、適当に斜面を降る。その結果、杉に小竹に照葉樹がからみついて・・・何となく踏み跡があるのかないのか あんまり快適な降りとは言えないが、それでも目的であった上細野には着いた。
 バスは25分後だ。これならば別の下降路を使えば良かった・・・・今だ山道知らずの・・・時間つぶしに半僧坊まで歩いて、5分ほど日向ぼっこしてからバスに乗る。


写真集(本文への写真貼り付け省略)

左俣(前回)はこちら


本厚木6:30〜半原7:30〜宮ヶ瀬ダム(馬場大沢出会い)7:44〜橋下の滝8:30〜二俣8:55〜右俣CS滝9:15〜仕事道横断9:30〜稜線9:45〜高取山9:50_55〜仏果山10:15〜林道半原中央線末端10:40〜細野橋11:00〜半増坊11:25〜自宅12:00 2009/03/28 ちょっと寒い気がする高曇り 山登りには最適だ
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