
外出で電車に乗ったら秋の神奈川再発見のポスターが貼られていた。
一列車全部の車内広告スペースを使い町県中西部の各街毎に景勝地や伝統行事を紹介する行政のキャンペーンらしい。
そのキャンペーンに厚木市から選ばれたのが不動尻付近の不動の滝だった。鬱蒼とした静寂の中に渋く光る水の流れ。いいな〜
なぜ、この滝が選択されたのかなんて野暮なことは私は言わないよ。でも、この滝がどこにあるのか知っている人は少ないだろう。あたりの山を管理している能条さんは当然知っていて、zephyrus氏も承知だが、滝への道は仕事道だし、ヒルもうじゃうじゃしている。七沢地区の人であっても、この滝を見たことのある人はごく少数だろう。
そんなだから、このキャンペーンに集客効果なんてありはしないと思うのが普通だろうけど、そうだとしたら厚木市が不動の滝をピックアップした狙いって、本当は何んなんだろうか。
もしかして、それは厚木市が山の自然も万人に楽しませるためバリア・フリーというみことのりの下に担ぎ出しているというケーブルカー設置の布石だったりしたらちょっと寒い。考え過ぎかな!
10月7日(土曜日)会社帰り。満天の月に心が吸い込まれていく。振り返れば足元から影が伸び、遠くをみれば深蒼の空に下に丹沢の山々が幻想のあかりに照らされ浮かぶ。
少し遠回りになるけど、こんな日には月見をしなくちゃ。それには何は無くともススキに団子が必要だ。とりあえず和菓子屋で饅頭を買う。それから河原沿いのあぜ道をススキ探索コースに選らぶ。まだ早いらしくススキには良いのが無い。あたりにはだれもおらず、遠慮は不要。谷山浩子の歌を口ずさむついでにウサギをまねてぴょんと跳ねてみる。それからラ・ルーナをハモって月に行った気分になる。さて、さて そんなお伽噺よりは、三日連休のはずなのに一日しか無い休日の明日の行き先を決める方が先決だ。どこに行こうか いっそ、このまま飛行船に乗って月にでも行ってみるか。
現実の日曜日 湯ノ沢とする。
二の沢から始まり、三の沢は最初の滝だけ見物し残りはパスし、四の沢、五の沢六の沢七の沢ときて、この前は八の沢に行った。となると次は九の沢になる。
そういった秩序は大切だ。なぜって、九を跳ばして十に行ったとすると、行ってないのに行ったつもりになったり、逆だったりして整理が着かなくなるのだ。どうも頭の中のソートする回路が最近壊れているらしい。
連休の中日である。谷峨から乗った6人ほどは全員着席できたが、車内は一杯だった。
入り口から早足で湯ノ沢ダム上に上がって身支度を調えると、そこから三分ほどの距離にある二の沢の大滝をまずは見物する。
それから本流対岸の山仕事道に入り、砂防堤を二個ほど眼下に見て、腐ってもうこれ以上はムリ耐えられないといった状態の三本で出来ている杉の丸太橋を渡り、三個目の砂防堤上で砂地の河原に戻る。その砂防堤に遮られて積もった石英閃緑岩が崩れて出来た砂地の河原を僅かに進むと流れが屈曲し、小滝を前門した深田堤防に着く。前々日の大雨のせいなのか若干だけ水量が多い。だが、いざ登るとなると、通常なら腰から下だけが少し濡れるシャワーで済むのに、今日のはのったりしていると全身がずぶ濡れになるのではないかと思われるほどの違いとなる。この僅かな違いを素早く抜けて避けるために、右足はそこに置いたら、左手はどこ、次の右手は右足はと、突入する前に前進作戦を立てる必要が生じるのだ。そして狙いの通りに登ったが、ポッケの財布は中身が濡れてしまう。もしも全く濡れるのが厭だったら、手前の流れ屈曲部から伸びる仕事道を使って大きく巻けば安全面からも確かだろう。
深田堤防の上で直ぐ右から入り込んでいるのが十の沢である、そこから80mほど本流をさかのぼると九の沢となる。八の沢は更に20m奥になる。八も九の沢も沢床から見える景色 (岩床のルンゼ状に両岸が立って押し寄せている様) に大差はないと思うのだが、一万分の一の地図で見ると八の沢は等高線の揺らぎ程度の小窪だが、九の沢は大杉山直下まで深い沢が食い込んだ立派な沢である。その分だけ、水量は多い。本流との出会いからは砂防堤が見える。
その九に入る前に、急いでいけば10分もあれば返ってこられるのだから、普段より水量の多い”黒棚”を見るのも悪いことではないと四の沢の棚下までを往復して見物する。だが、水量も期待したほどではなく、また撮ってきたデジカメ画像は、どれも露出設定NGのピンぼけ画像ばっかりで人様に見せられるものではなかった。「ちょっと出がけに一枚」というのは気が焦ってしまうからか、たいていダメだな。こんなだから九の沢の写真もいまいち
九の沢に入る。
出会いから見える砂防堤は下が大きくえぐれてアーチ橋のトンネルになっている。下は小滝になっていて、上から崩れるのではないかと思うとついつい足が速まるが、もう一つ奥の砂防堤にすぐに前を塞がれる。この二つの砂防堤の中間に立つと、前と後ろを城壁に囲まれて城壁の上から弓矢をいかけられている敗残兵のような逃げ場のない雰囲気に包まれる。奥の堤はトンネルにはなっていないが、前のと同じ状態への進行中で半分は既に崩落し、もう数年すると自然に穴があき二連の穴あき砂防堤になりそうだ。
さて、この沢には何があるんだろうか。
湯ノ沢といえば崩壊直前の岩が多くを占め、厳しい地形を形作っているのは知られているが、八・九と奥がどのようになっているのかを聞いたことがない。だからといって、この沢に入った人がいないという事にはならないが、人に知られていないということは普通に考えれば”何もない” あるいは”めぼしいものはない”のだから、あえて紹介する迄もないということだろう。多くを期待してはならない。事前にそう思って、あらかじめガッカリさを軽減する事前準備を頭の中にセットして出かけるのだが、でも実際に行き、棚を一つでも見つけると、そんなことは直ぐに忘れてしまう。
砂防堤を二個抜けて少しだけ進むとある最初の6〜8mの棚
平坦な河原を少しだけ進むと「ほ〜ら ある」
まずあったのは6〜8mの垂滝だった。腐れ丸太が見栄えを少しだけ落とすが、湯ノ沢にしては水量も豊富で立派な棚である。ただし立派すぎて滝を直接登る手だてはたてられない。巻くことになるが、右岸は切り立っているので進むことは出来ない。右側のざれた急な砂地を10m登った地点で棚方向に向かい、枯れた根っこを使って泥のハングを一つ乗り越し、続く砂にまみれた岩のバンドを下の滝音に
「落ちてもしらねえぞ」と脅されながらトラバースする。 もしも、このトラバースを嫌うとなると大巻きになって、おそらくザイルなしでは沢に戻ることすら出来ないと思う。
斜面を上流に向かって走り込むように沢に戻る。
二番前の棚(大棚である 高度差17mとしておく 巻き道は険しい)
とすぐに次の棚 これは立派な棚である。なにが立派かというと落ち口からは流水がガンガンと流れ、両岸は高い崖に覆われ、いったいどこまで巻いてあがれば沢に戻れるのか皆目検討が着かないほどの険しさの中にあるのだから。見た目では25m〜30mにも思えるが、流れ横に立てかかっている倒木か類推すると高度差は15m〜18m位だろう。あるいはもう少し短いかも いい加減ダナ
こんな棚を見ること出来て本当にラッキー、いやいや、これだけでこの沢にきたかいがあったと満足度は60点以上に付けておくことにする。
さて、当然ながら見物する棚ではあっても登れる棚ではない。だから上に行くには、なにはともあれ巻いて上る必要があるのだが、左手は垂直の灌木帯が上に伸びている。棚の奥を伺うと、見える範囲では左手からの斜面は急で、尋常な手段では沢に降りるのは危なく思える。それならば右手か
右手には棚直近は急な岩塔が立っているが、その塔の手前には窪があり、それを辿れば途中から塔を裏から回り込んで棚方向にトラバース出来そうなバンドがあるのではと思わせていた。しかし、この窪は食わせ物だった。上に行けば行くほど急になり。棚方向の崩壊は激しく、石という石は硬いと思われたモノもポロッと剥がれる。横断道と思えたのも、いざ直近まで行ってみると、そこに入り込んだら奈落の底への案内にはなっても前進の手助けになりそうな岩棚には思えなかった。だからといって反対の右手に向かうと延々と灌木つたいをしたあげくに、結局は棚方向に横たわる急なルンゼに遮られ、沢に戻るのは不可能になるのでは無かろうかとも見えた。
結局、沢床戻る。急で怖かったけど、もっと上から転がり落ちるよりずっとずっとましさ。今なら10m程度だ。戻る。さて、どうしたらいいのだろうか。
F2上には5m程の垂直な棚が重なる。巻き道途中の観望樹に寄りかかって撮る。足元は超不安定
最初にあきらめた左の灌木をよじる事にする。垂直の灌木の中をよじる(大げさである 実際は70〜80°程度) そこは思ったよりは安全だった。適度に灌木が生えているのと根っこに握りやすいのが連なっていて、怖いと言うほどでもない。棚の高さを超えたところから棚方向にトラバースバンドが見える。そいつを伝わると急傾斜に突き出す滝の観望樹に達する。それにもたれて観察すると17m棚には5m程のの棚が上に続いている二段棚だった。上の滝が連なって見えて、下から見ると実際よりも高く見えるのは、おそらく二連の滝が一つに見えるからだろう。
バンドを伝い、根っこを握る空中バルコーニを経由して、5mほど傾斜度60°程度の岩肌を下降すれば沢に戻れる地点に達する。しかし、そこからが降りられなかった。ずるっと一滑りで下には降りられるようには思えるが、滑り方向が10cmでも右にずれると5m棚(垂直 17m棚がすぐに続く)の落ち口方向にまっしぐらに滑るように思えた。それに一度ずるっと来たら、途中で動きを止めることは出来ないだろうとも感じた。
再び登り直す。両岸ともに急なので もう沢には戻れないかも
それも覚悟して登る。ところが、もう少しで小尾根の稜線に出ようかという地点で山裾を平行に進む仕事道に出たのだ。それは獣が付けたものではなく、古く大半埋もれているが路肩が切ってあり、岩を少し削った跡などから人が付けたのが明白な沢に入る込むための仕事道であった。途中沢から伸びている岩窪を二箇所ほど通過し200mは進んでから、いくらか傾斜が落ちたザレザレの砂を靴スキーに使って下部は四つんばいになって沢に戻る。今度は下には棚の落ち口はないから転げても転落は無しだ。
さきほど下降しようとした地点(5m落ち口)まで戻り、下降を強行しなくて良かったと思う。
【写真削除しました】
F3上には急な岩棚が 遡行するには難しくはないけど
しばらくは岩床のナメが続く。そしてナメ滝10m。傾斜度は50〜60°手頃なホールドがあり、水の中のフリクションは良く、高度差はあるが楽しく登れる。ただし水は冷たく、こんな場合の沢の流水は湧き水だろうから、程なく消えるに違いないと思う。まったくその通りで、そのナメ滝を通過し、いくつかの小滝を通過すると水はごく僅かとなる。そして両岸が高くせまるようになる。
【写真削除しました】
10m」程のスラブ棚(傾斜度は60°程度でフリクション良く、すっきり登れる棚)
次は、そんな中の3m涸棚である。見た目や易しい。しかし岩が崩れるのだ。手で確認する時には堅く大丈夫と見えた岩も、いざ加重した後に崩れるのだ。これは困る。両膝を広げてのフリクションに腕を張ってのエキスパンド運動&突っ張りの登攀
たった3mだが落ちて捻挫でもしたら後が困る。そんな風に少し無理な姿勢をしたためだろうか腰が少し疼く。腰にぎっくりが来そうな気配がする。そうならないように筋肉も腰に負担が来ないように慎重に慎重に
【写真削除しました】
こんな感じで稜線まで逃げ道なしの急斜面が続く
両岸はますます狭まり高くそびえる。だから、たとえ棚があっても滝があっても沢床を歩くのが一番易しいのだ。先ほどのナメ滝付近からは、そんな地形がずっと終了点付近まで続く。もしも登れない棚があったら行くに行けず、返るに返れずも覚悟せねばならぬかも知れない。そんな中を腰が痛くなりませんようにと腰を落とした老人歩きでのたりのたりと進む。(幸い難しい棚はない)
そして、稜線が見えてくる。沢は二分して稜線を駆け上る。左手はP841m方向へ上り詰め、右は、どこに上がるんだろうか。右のほうがいくらか易しそうに見えるので、それを選ぶ。
暫く不安定にザレ岩と砂を登り、石英閃緑岩の白い砂粒が普通の砂に変わると小尾根に着く。(九と十の分界尾根だ)
その小尾根には標識もある。これを下に向かえば、おそらく湯ノ沢に下れるだろうが、少しだけ下った地点から引き返した。方向に間違いがなかったとしても、道があったとしても、ここは不安定な地質と急傾斜で知られた湯ノ沢であり、易しく下れるとは限らない。そんな地形で行き詰まったらろくなことはない。腰だって、幸いショックは来ていないが安心は出来ない状態なので無理はしたくない。
返し登り始めて大杉山頂には五分もたたずに着く。名の通りの一面の杉の林!
杉は花粉だから嫌だという人は多いが、マシラは手入れのされた杉林は嫌いじゃない。今の時期の杉林は特にいい。常緑とはいえ、この季節になると古くなった葉っぱ部分は大地に落ちて積もり、それがクッションになってくれるので歩きやすい。長袖を着ている必要はあるが大地に滑り込んでも寝ころんでもフカフカしていて良い気持ちなんだ。杉の葉っぱが積まれた上でプロレスごっこをやって遊んだ昔を思い出す。
さてさて、そんな道草も山頂で三人パーティにあったら下山開始とする。
大杉山からは馬草山に向かう。どうも、このルート心理的に苦手らしく、いつも最初のとっかかりを間違う。今日もそうだった。やや棚沢方向に下ってしまい、「やれ違う」と気がついた地点から右に右にと下って短い裸地地点手前(棚沢右俣の詰め付近)で本来の道に戻ることになる。
馬草山の山頂手前から山頂を右手から迂回する踏み跡に入り、道なりに進む。途中、やや急な地点もあるが踏み跡は切れずにずっと続いて、深田堤防上で湯ノ沢に降りる。
この下りは狙いの通りである。馬草山から直進して中川温泉付近の急斜面を下るより、ずっと歩きやすいマシな下降路であり、ここからは湯ノ沢ダムまでは山仕事道がつながっているのだ。
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湯ノ沢ダム上に戻る(秋空下に屏風岩山)
朝方三本だった腐れ丸太橋が、帰りには新しい二本が加わり5本になっていた。急斜面の不鮮明な部分には短いが路肩が切られていた。その作業を行った人がその辺にいるはずなので、あったら挨拶しておこうと周囲を探して歩いたが、湯ノ沢ダムまで誰にも会うことはなかった。でも、橋が補強されていたというだけで、なんか良い気分。
自宅6:15〜本厚木6:36〜松田7:23JR〜谷峨7:46バス〜中川温泉入り口8:20〜湯ノ沢ダム8:30〜二の沢大滝見物8:35_40〜深田堤防8:55〜九の沢出会8:57〜四の沢黒棚見物9:00_05〜九の沢出会に戻る9:10〜6m滝下9:20〜17m滝下9:25〜17m滝上9:40〜10mナメ滝10:10〜九と十の沢分界尾根(踏み跡&水源の森標識杭No894あり)10:55〜大杉山11:00〜馬草山〜馬草山から派生する小尾根の仕事道〜深田堤防上に降りる11:25〜湯ノ沢ダム11:40〜中川橋12:18バス〜谷峨12:59JR〜新松田13:14〜本厚木〜自宅14:00 2006/10/08 快晴 帰りの湯ノ沢ダムでは時間調整を兼ねてうたた寝。蛇もトカゲもうたた寝。谷峨で十分待つかんにうたた寝 電車でもうたた寝
空青く、見通しは良かったが富士山の山頂付近だけ雲が取れず、今年最初の降雪状態は見損なった。
アップが遅れました。以下は言い訳だな。
ちょっとしたトラブルから、山に行った日曜の翌日から今朝(日曜)まで電話を掛けまくり、叱咤激励(無理強い&脅迫?) アッチにふらふら こっちでイライラ 釈明&言い訳を言い続け その間、朝なのか夜なのかの感覚もボーとしてままならず、それだけでも一杯一杯なのに品質システム監査受診が重なり、準備&リハーサルちゃんとやれとの声が届く
腰は痛く 歩行めんどう メンバーは体力気力が、俺は神経だけヘトヘト。こんな事態も、たまなら戒めになってと甘受しなくては ホント!会社から給料もらうのも楽じゃない
起きちまったトラブルは被害最小を念じて蛸壺に閉じこもってやり過ごすよりしょうがない。
だから今日は寝て過ごすことにして山遊びは休止としました。 2006/10/15
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