●はじめに
大勢の子供達を集めて何かおもしろいゲームをさせたい。地域の青少年健全育成活動
に携わっていると、こんな要求が出てまいります。今回製作しましたのは、いろんなイ
ベントで使える「大声レベル計測マシン」です。
大阪市生野区で毎年秋に催される「生野まつり」の出し物のひとつに「大声大会」が
あります。子供達に「人権」や「生活マナー」に関する標語を大きな声で読み上げても
らい、その大きさを競います。
例年ですと地域の保健センターから借りた「騒音計」を使い、「なんホン」という正
確な計測値を得点とします。ところがこの計器、ペンレコーダによるアナログ記録式で
して、値を読み出して点数を付けるのに気を使うと言う声がスタッフから出ていました。
筆者の所属しています団体(青少年指導員)では、小学校で行う夏のイベント用とし
て、声のレベルをA/D変換してテレビに得点を出すという、昔のMSXマシン(Z8
0を使ったゲーム機(?))を応用した「大声マシン」を作ってありました。100点以
上なら合格で記念品をプレゼント、未満なら鉛筆などの参加賞を子供達に配るという
ルールでゲームを進めます。
この大声マシンに最高得点保持機能を付けたら使えそうだということになりました
が、せっかくですのでAVRマイコンを使って新造することにしました。
「大声トライアル」と名付けて、子供達と遊ぶ地域でのさまざまなイベントで活躍して
います。
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「生野まつり」での大声大会

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●特徴
「大声トライアル」は以下のような特徴を持っています。
・「テレビ」に点数を表示します。
映像・音声出力は2系統持っており、一つは競技者が見るためのモニター用、
もう一つは、観客が見るための表示用です。
表示は白黒で、横32ドット×縦24ラインのドットで点数などを表示します。
・スタートスイッチを押すと3秒間の秒読みが始まり、その後に計測を始めます。
音声レベルの計測時間は3秒です。
・「3秒間」測定した音声レベルの平均値を得点として表示します。
得点は255点が最大です。
音声レベルを対数変換していますが、音圧を示す単位「ホン」で校正しているわけ
ではありません。「何点」という点数と考えてください。
・「100点モード」と「ハイスコア・モード」、2つの競技モードを持っています。
100点モードは、小学校で行う地域の夏祭りなど子供達と遊ぶためのゲームです。
100点以上なら「合格」として景品を渡します。
ハイスコアモードは、「生野まつり」のために作ったモードで、最高得点を競う
(誰の声が一番大きいか?)ためのゲームに使います。
・電源としてAC100Vが必要です。
・マイク入力は、コンデンサマイク用のDCバイアス付き入力と、一般的なダイナ
ミックマイク入力の2つのジャックを設けています。
・マイクの入力レベルはデジタルスイッチで感度を設定します。
1dB単位で、0〜47dBの範囲で「減衰度」を設定できます。
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■必要な器材
・本機(大声トライアル)
・スタートスイッチ (本機に付属)
・マイクロフォン・マイクスタンド
・テレビ (ビデオ入力端子のあるもの)
最高得点を競う場合は競技者用と観客用に2台ある
ほうが良い。
・AVケーブル 本機とテレビを接続
黄色ピンジャック : 映像
白色ピンジャック : 音声
テレビはビデオ入力に接続。
テレビを2台使うときは2本。
・AC100V電源
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フィルムケースを利用して作った「スタートスイッチ」と
回路の動作チェックのためのコンデンサマイクユニット

(クリックで拡大表示)
本体とともに、これを添付します。
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■競技前のセッティング
・本機およびテレビの電源ケーブルを100Vコンセントに接続。
・本機の映像・音声出力とテレビのビデオ入力をAVケーブルで接続。
・観客から見やすい位置にテレビを配置。
屋外の場合、日差しの当り具合によっては、段ボールなどを使って
遮光するとよい。
・スタートスイッチを接続。
・マイクを接続。
DCバイアスが必要なコンデンサマイクを使う場合は「3.5φジャック」へ。
一般的なマイクは「6.5φジャック」へつなぐ。
・マイクの位置と競技者の立つ位置が一定となるよう、床にマークを付ける。
競技者とマイクは近づけすぎないこと。
1m以上、1.5mくらいは離すこと。
場合によっては机や椅子などを置いて、競技者がマイクに近寄れないよう
にしておく。
「お立ち台」を作って、その上に乗って発声させるのもよいだろう。
マイクに接近して声を出すズルをできないようにしておくこと。
・子供たちと遊ぶ場合、「幼児」「低学年」はマイクに近づいた場所から
発声できるように考えておく。
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■調整・・・測定レベルの設定
・テレビの電源をオン。
・テレビをビデオ入力モードに。
・本機の動作モード選択スイッチを決定。
100点モードあるいはハイスコア・モード。
・スタートスイッチを押しながら本機の電源をオン。
すると、「レベルチェックモード」になるので、
画像表示と「ピー」という音を確認してテレビの音量を調整。
・規定の競技位置から「標準的な大声」を出して、
100点前後の点数が表示されるよう、
「デジタルスイッチ」を操作。
00が最大感度、01、02と数値を大きくするとレベルが下がり、
47以上の設定で最低感度となる。
スイッチを1変えると6〜7点の変化となる。
使用するマイクやマイクとの距離により感度が変わるので
この調整が必要。
・「レベルチェックモード」にすると、これまでの最高得点が100点に
初期化されるので注意。
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レベルチェックモードの画面表示
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「大声トライアル」タイトル表示
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100点モード表示
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ハイスコア・モード表示
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■競技開始
・レベルの設定が終わったら、スタートスイッチを1回押すと
計測モードになります。
「100点モード」あるいは「ハイスコアモード」と現在のモード設定を
1.5秒間表示するので、確認します。
続いて「大声トライアル」とこのゲームのタイトルを1.5秒間表示
します。
その後、得点表示画面になり、この状態でスタートスイッチ入力待ちに
なります。
・この間、起動音として大阪市立中川小学校校歌のさわりを流します。
(現在、この起動音は出ないようにしています 2005-01-23)
画面上段が最新の得点(初期値はゼロ点)、
下段が最高得点(初期値100点)です。
・スタートスイッチを押すと3秒間の秒読みが始まります。
「3・2・1、よ〜い、それ〜」と表示が進み、
同時に「プッ・プッ・プッ・ピ〜」と時報音を出して計測開始です。
・計測は3秒間行い、60Hzで取り込む計180個のA/D値
(8ビット:0〜255)を加算、それを1/180したものを得点
としています。
最高255点で、挑戦者には「バー表示」で残り時間を示します。
・できるだけ大きな声を3秒間維持するのが高得点を出すコツでしょう。
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「3・2・1」と秒読み そして計測開始!

計測が始まると、画面下のバーで残時間を示します。 |
■結果判定(100点モード)
・100点モードでは100点以上か未満を判定します。
100点以上なら「合格」と表示し「ピポッ・ピポッ・・・」と音
が出て、未満なら「ざんねん」「ブッブ〜」となります。
・3秒間の判定表示が終わると、得点表示画面に戻り、
合格点なら「ok」を、だめなら「×」を上段の点数表示の右側に
表示します。
・スタッフはこれを見て子供達に渡す景品を選びます。
・このモードでも最高得点をチェックしていて、ハイスコアが出たときは
下段表示右側の「Hi」文字が、同点なら「同」が点滅します。
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100点モードの点数表示


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■結果判定(ハイスコアモード)
・画面下段に表示している最高得点を越えたとき「ハイスコア」と、
同点なら「同点」、未満なら「ざんねん」と表示します。
・スタッフはゼッケン番号で管理される挑戦者ごとの得点を記録すると
ともに、1位から3位を決めるため、点数別の表にゼッケン番号
を記入して、順位別の表彰に備えます。
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ハイスコアモードの得点表示


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■いたずら防止
・最高得点データはマイコン内部のEEPROMに保存しています。
競技中、マイクの直近で声を出すなど、いたずらや不正な方法で得た
最高得点は次の手順で捨てられるようにしてあります。
・スタートスイッチを押したタイミングで「その直前の最高得点を保存」しています。
・いたずらが発生した場合は、次の競技開始のスタートスイッチを
押す前に、本機の電源を入れなおしてください。
・スタートスイッチを押す前なら、いたずらで得た最高得点は捨て
られ、以前に保存した最高得点が復帰します。
■最高得点の初期化
・スタートスイッチを押しながら電源をオンすると、最高得点が「100点」に
初期化されます。
ゼロ点ではありません。
ですから、ハイスコア・モードは、100点以上を競うことになります。
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■100点モードを使ってのゲーム
・毎夏に開催される地域のイベントには、小学生だけでなく近所の幼児も
集まってくるので総勢4〜500名の子供が参加します。
4時間あまりの開催時間内にゲームをこなすとなると、毎分2名は処理
しなくてはなりません。
・その手順
(1)並んでいる子供を呼びマイクの前に立たせる
(2)スタートスイッチを押して秒読み3秒
(3)大声発生、計測3秒
(4)結果判定表示3秒
(5)景品配布
このように、ゲームを待っている子供達の列を、比較的短時間に
処理できるのです。
金魚すくいやヨーヨ釣り、輪投げはなかなか時間がか
かります。
・幼児の場合は、引率のお母さんや家族の応援も可ということにして、
皆で楽しんでもらっています。
・待っている子供たちの列がなくなったときなど、一度に大勢で声を
出したらどうなるか?、子供たちを集めて挑戦させてみるのも
面白いものです。
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●まとめ
以前ですと騒音計の測定値読み取りと、その数値をアナウンスして掲示するのに時間
が取られていました。それが発声途中から得点がテレビ画面に出るようになって「もう
ちょっとや」「がんばれ〜」と観客からも声援が出て、にぎやかにゲームを進めること
ができます。マイクの指向性によってはこの声援も得点の一部となってしまうので困る
のですが…。
ゲームの最後にはマイクを観客席に向けて、全員で標語を発声したらどのくらいの点数
が出るか、などして楽しんでみてください。
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