エントリーシートチェックをしていると、逆に私自身が様々なことに気付かせてもらっています。アドバイスの中で共有した方がよいものは、このページに書き足していきたいと思います。
2002.12.08 経験による自分の成長は、「位置」より「幅」。
自己PRに、サークルやボランティアの経験による「自分の成長」を書いてくる人はとても多いです。しかし、ESはあなたのもともとの背景を知っている両親や親戚、旧友にアピールするのではありません。相手は、初対面の社会人です。
現実のセレクションでは、倍率が高いこともあり、成長ではなく、あなたがどの位置にいるか、絶対的なポジションが勝負になります。広告代理店は社員を教育するメソッドが少ないので、特にこの傾向が顕著です。中間採用が多いこともこれを示します。
では、絶対的に高いポジションにいない人にチャンスはないのでしょうか。そんなことはありません。成長の「幅」を「具体的」に見せればいいのです。
TOEIC200点の人が、ネットで英語が使えないを悔しさをバネにして一念発起して800点までいけば、帰国子女の900点より評価する採用担当はいるでしょう。また引きこもりの人が、ボランティアサークルに接したことで一気に社会性に目覚め、今では引きこもりの子供の指導をしているという話は、面接官にもっと話を聞かせてほしいと思わせることでしょう。
ここまで極端でなくても、表現方法一つであなたの成長はいくらでもイキイキとアピールできるはずです。
もともと、ほとんどの(文系の)会社は、新卒者に具体的な経験を求めていません。なぜならば会社に入ってからの教育・経験の方が圧倒的に厳しいからです。あなたが会社・社会についてこれるかどうか、自分で道を切り拓けるタイプなのか、TOEICや資格など絶対的なポジションにいる学生より、成長の幅を経験した学生の方を期待する面接官も必ずいます。
今のあなたの位置を確認するのと同時に、過去の自分がどうだったのか、具体的に振り返ってみてください。成長の幅が小さいとすれば、まだまだ人生を変えるような経験が少ないといえるのではないでしょうか。
2002.12.08 レイアウトも含めて、ES。
学生はゼミのレポートや卒論などで、原稿用紙詰めで書くことが多いと思いますが、これは「提出したアリバイ」と「文字数制限チェック」が重要な、学校試験のフォーマットです。いいかえれば「読んでもらえる」ことを前提としたものです。ほとんどの学生が改行なしにきっちり文字を詰め込んだ原稿用紙風の文章を送ってきます。
一方、自己PRや志望動機が卒論や試験の解答と違うのは、「個性を発揮する場」そのものということです。しかし、担当教授と違い、試験官にはあなたの文章をきちんと読む義務はありません。一目で読みたくなくなる、2〜3行読んだあとは斜め読みしてしまう、いずれも書き手の努力不足です。いかに「素材」が良くても、食欲をそそる「適切な分量」「味付け」「盛り付け」、すべてが一度にそろって、初めて素晴らしい料理といえるのです。
広告は、時間やスペースのほんの少しの隙間に、クライアントのメッセージを埋め込むことが仕事です。「消費者は黙っていたら見向きもしない」ことを前提に、いかにメッセージを届けるか、詳細に興味を持ってもらえるか、私たちは毎日格闘しているのです。
忙しい現場の社員が試験官になっている入社試験は、まず「目にとまる」ことに注力しなければいけません。小説や論文を読まない社員も、新聞や雑誌、そしてそこにある広告は読んでいます。時間がないビジネスマンに、どのように「目にとめて」もらえるか、まさにメディアや広告自身の中にヒントがあるといえるでしょう。
今年3月3日の就職フォーラムでは、マッキャンエリクソンのクリエーターの方が、紙のエントリーシートの自己PR欄に「穴をあけた」とおっしゃっていました。まあこれはできすぎとしても、「ルール違反と明記されていない」ことであれば、見出し、レイアウト、要約の仕方など、メッセージを届けるためのありとあらゆる創意工夫を尽くすことが、クリエーティブ志望だけでなく、広告業界を志望するすべての学生の必須事項なのではないでしょうか。