概して大手はテレビ媒体の比率が高く、一般の目に触れる一流クライアント(広告主)のメジャーな仕事が多いのは事実です。広告業界を志望する方にとって、憧れや目標の対象は、こうしたメジャーな仕事でしょう。しかし、いかに大手であっても、決して会社の中でメジャーな仕事だけという訳でもなく、むしろ地味な仕事の方が比率としてはたくさんあり、どちらも重要な仕事として同じ熱意を持って取り組んでいます。実際にどのような業務が発生するかは、所属する会社による違いもありますが、担当するクライアントによって相当異なるのです。 広告業で働く事の面白さのひとつは、何かを作ってゆく事だと思います。実は小さな仕事でも作るプロセスとその面白さは同じように味わえます(大きな仕事が凝縮された形とも言える)。仕事事体のプロセスや面白さという意味では、広告業の場合、大手でも中小でも実際にはあまり変わらないような気がします。
80年代から広告代理店の中で女性の進出が顕著になり、以前は男性だけだった営業職でも女性が見られるようになりました。欧米では、女性社員が半数位の大手広告代理店がたくさん存在し、日本にオフィスのある外資系広告代理店でも、既に半数以上が女性という会社も出てきています。このような事実から、広告業界は女性にとって働きやすい職業といえるのではないでしょうか。 その中で女性が多い職種としてあえて挙げれば、マーケティングや制作職かもしれませんが、現在の広告代理店ではあらゆる職種で女性が働いておりますので、女性だから職種が限定されてくるという訳ではなく、適性さえ整っていれば自分が興味を持った職種で働く事が可能と考えてください。各社で優秀な女性社員が働いており、そのような実績から女性の方を重要な戦力として歓迎しています。 昨今では正社員に加え、派遣社員という形で広告業界の現場で働いている方も増えております。
Q.女性社員に育児休暇が与えられているのか。職場での復帰は。
90年代に大手広告代理店各社に相次いで育児休暇制度が導入されましたので、結婚、出産を経ても、本人の希望があれば仕事を続けてゆけます。
かつては広告代理店というと文系出身者がほとんどを占めていましたが、今日では理系出身者も広告業界を志望していただけるようになり、若年層ほど理系比率が高くなっています。理系出身者といっても配属は文系と全く同じで、営業、マーケ、クリエイティブ、SP等に配属されます。大学で学んだ専門分野がそのまま活かせる訳ではありませんが、マーケティングデータの活用など広告を作ってゆくプロセスで年々論理的な思考が求められるようになってきていますので、そのような思考の得意な理系の方の活躍の場は広がっています。また広告の作業には、コンピュータが欠かせないものになってきていますので、ホームページ運営やインターネットを活用した調査等といったコンピュータを活用する分野でもぜひその力を発揮していただきたいと思います。
Q.広告代理店の多くが東京または大阪本社だが、地方大学の出身者もいるのか。
広告代理店の多くが首都圏に集中していますので、首都圏の大学出身者の比率は高いといえます。しかし地方大学の方で広告業界を志望し、就職される方もおりますので、「先輩が少ない」といったハンデはあるかもわかりませんが、ぜひあきらめないでいただければ幸いです。また地元の広告代理店もそれほど企業規模は大きくありませんが、各地にあり、採用を行なっています。また大手広告代理店は地方支社を別会社化する傾向にあり、電通九州、電通西日本といった有力会社も誕生しています。
海外にブランチを設けている広告代理店は増えており、特にアジアへの進出が目立っています。数は多くありませんが本人の希望を基に海外のブランチで働く社員はいます。
新入社員研修中の適性をみて、実際の配属先を決めるのが通常ですので、この時にアピールするのが有効だと思います。しかしあくまでも総合職としての採用ですので、本人は、マーケやクリエイティブをやりたくても、より営業としての適性が高いと判断されれば、営業に配属されたりもします。ジョブローテーションという形で、年齢の若い間は、様々な職種を経験させる方針の社も増えてきていますので、新卒配属時の職種をその後一切変えられないという事はありません。 なおコピーライター、CMプランナー職は総合職としての採用された方の中から配属を行ないます。デザイナー職については美術大学、美術専門学校出身者をはじめ、原則としてデザインについての専門技術を学んだ方が採用の対象になります。 * マッキャンエリクソンのみ、総合職と制作職の2本立で採用を行ない、受験者はどちらかのコースを選択します。
広告業界は、若い人のやる気と才能が活かせる職場です。どの社でも半年もすれば重要な戦力として様々な仕事を担当してゆけます。
欧米の広告業界は、従来から業界の中での転職が多い業界でした。その影響で日本でも従来から業界の中での転職は極めて多いのが特徴です。ほぼ全社で社員の補充の必要があった際に中途採用を行なっています。
配属された部署にもよりますが、一般的には、残業が多い業界といえるでしょう。プレゼンテーション前には、徹夜に近い状態が続いたり、イベントがあれば土日も働いたりします。ハードな仕事なのでやはり広告の仕事が好きな人、何かを作り上げてゆくことが好きな人でないと務まらないと思います。
Q.大学で学んでいた広告理論の研究を行ないたいが、それは可能か。
個人的に広告の本を執筆している人はいますが、業界の中でも広告理論の研究職というのは見当たりません。むしろ、そのような知見を存分に活かして、実際の広告作りに役立てていただくのが、広告を職業とする者としての一つの社会貢献といえるのではないでしょうか。
広告主も外資系が多いので、やはり最低限の英語は知っておかないと、何らかの不都合は生じるかと思います。外資系クライアントへの企画書も英文で作成する事が求められます。 これは外資系広告代理店でなくても、広告代理店の国際部門では全く同じ事がいえます。実際、語学力に長けた海外生活者(帰国子女)の方も職場で多く見受けられます。
Q.営業志望だが、会社の中で希望する広告主や業種を担当できるのか。
各営業部門の配置は、その時の業務状況と配置人数バランスで決まり、本人の希望は反映できませんので、仮に希望するクライアントや業種があったとしても、その希望通りに担当できる事はほぼないと思います。ただし部署の中での割振りの範囲なら上司との相談の上、可能です。心構えとしてどの会社でも仕事は選べないとお考えください。
企業の冠協賛のイベントは、バブル経済の頃と比較して、大幅に少なくなりました。クライアントもより即効性を求め、同じイベントでも販促の為の店頭プロモーション等が増えています。広告代理店のSP担当者は、イベント全体の管理を行ない、実施作業そのものは、イベント専門会社に委ねます。
Q.広告代理店に個人用のパソコンはあるのか。どの位業務で使っているのか。
社にもよりますが、一人一台の割合で机上にパソコンが用意され、それを自由に使って作業します。企画書作成やメールはそのパソコンで行ないます。
広告業界の場合、企業規模によって、給与水準にかなりの差があるのが実状です。基本的には売上高の多い社ほど、給与水準も高くなっています。しかし大半の社で生活に困らない程度の給与は得られますので、御安心ください。
Q.広告代理店と広告会社という2つの呼び方があるが、どう違うのか。
指しているものは全く同じです。欧米で生まれたadvertising agencyを訳すと、広告代理店です。Agencyというのはクライアントに代わって広告活動を代行するという意味が含まれています。 日本では80年代に入り、広告代理店の業務範囲が拡大したため、業界の中からの声として、自分達の事を「広告会社」と呼ぼうという動きが出てきました。 現在はどちらの言い方も使われています。
かつては接待が重要な営業活動として欠かせない側面もありましたが、今日の広告業界では、接待に依存したような営業活動は行なっている事はなく、また取引先もそのような事は望まないようになっていますので、きちんとした仕事をしていれば接待無しでも営業は務まります。ただし広告の仕事はチームワークですので、大きな仕事が一段落した際などには、取引先やスタッフへの感謝も含めて、打ち上げ(慰労会)のようなものを行なうのが仕事を円滑に進めるための礼儀ですので、必要な時には接待も行なえなければなりません。その時に酒が飲めなくても責められる事はないです。
各社共、入社後すぐに数週間の集団研修を行なうのが一般的です。その研修時に各自の適性を判断の上、実際の職場に配属され、それぞれの職種ごとに実際の業務を通じたオン・ザ・ジョブ・トレーニング(OJT)を行なってゆきます。各社共研修には力を入れる傾向にあります。
職種によって異なります。 営業職の男性は、スーツでの勤務が常識でしょう。女子の営業職も男性よりは自由な服装ですが、それでもTシャツにジーンズという訳にはいきません。取引先に行く時にはそれなりの服装が求められます。マーケ、SP部門は、スーツ派、カジュアル派が混在しています。クリエイティブについては、カジュアル派が一般的です。
そのような境遇の方もたくさん働いています。チームで仕事をする事が多く、また若い間は上司の指示で残業せざるを得ない事もありますので、どうしても帰宅が遅くなる時はタクシーでの帰宅も想定しておいてください。(基本的には、正当な理由があればタクシー代は会社から経費として支給されます)
主に取引きの多い広告代理店3−4社が、クライアントから課題(テーマ)を与えられ、指定された日時に企画案や広告表現案を提出します。採用されるのは1社です。官庁では自由に参加できるため、20社位での競合という場合もあります。
既に特定クライアントに対する担当者が決まっている場合が多いので、上司共相談の上、同じ会社の中でバッティングしないように営業活動を行ないます。 (クライアントに対し、同じ広告代理店から複数の営業チームが接触すると、同じセールス企画が別々に持ち込まれる事になるため、トラブルになります。それを避けます。) まだ誰もコンタクトしていたいクライアントであれば、自分のクライアントとして開拓できます。