豚2kg・牛20kg
この数字、なんだとおもいますか。
じつは1日あたりのふん尿量なんですよ。

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 廃棄物で埋まる日本 → 「たい肥」への拡大解釈

牛は 20キロ ・ 豚は 2キロ ・・・この数字なんだか おわかりでしょうか。じつは、1日に一頭が排泄するふん尿の量なのです。多頭飼育でもっとも困難になるのが、ふん・尿の処理です。かりに 100頭の牛がいた場合1日に 二トントラック一杯のふん尿が出ることになります。1000頭いると20トントラック一杯という 恐ろしい量に成ります。家畜ふん尿だけで 年間9500万トン、これに 食品産業からの廃棄物・家庭からの生ゴミ を合わせると、2億8000万トンにもなるのです。まさに 日本中、ゴミだらけ・・・ですね。


 「たい肥」の拡大解釈 → 田畑はゴミ捨て場状態へ

昭和40年代の高度成長期以降、食生活が改善?され食肉の増加にあわせて 家畜の飼育頭数が爆発的に伸びてゆきました。現在は昭和30年の約10倍もの家畜頭数がいるとされています。当然 増え続ける生ゴミ・・そこで考え出されたのが【有機栽培】の勝手な拡大解釈です。まずは かつて「厩肥/きゅう肥」と呼ばれていた家畜ふん尿の名称を「たい肥」とかえました。手間ひまかけて作っていた植物質たい肥とおなじ名称にした!さらには国をあげての土作り運動です。家畜ふん尿に加えて食物の食べ残しそれに産業廃棄物・都市廃棄物など多種多様な物質が「十把一からげ」に「有機物」とよばれて、しばしば生同然の未熟な状態で、しかも大量に施用されてきたのです。
江戸時代の牛馬は ほとんどが農耕用でした。頭数ももちろん少ない。したがって家畜ふん尿の量もたかが知れています。田畑に直接家畜ふん尿をいれることは できない相談でした。


 たとえば米国の基準では

畜産大国米国では どうでしょうか。調べてみると、案外まともな法律があるようです。考えてみると 原則的に放牧の形で牛を飼っているわけですから、ふん尿は 平原にばらまかれているものとも考えられますね。
▲成長ホルモンや抗生物質を使用した家畜のふんを肥料として使用することの禁止▲下水の汚泥〔日本でいう活性汚泥〕を肥料として使用することの禁止▲遺伝子組換え作物を使用したものは『有機食品』と認めない▲農作物の腐敗防止を目的とした放射線照射の禁止 などです。

付け加えて日本の農水省のコメントです。▲再商品化法案
▲食品廃棄物が循環するためには循環するためには、食べ残しは捨てるのではなく再利用するものといった意識改革が必要。農家側も循環型社会をつくるために リサイクル肥料を積極的に利用して欲しい。

・・・この法律をみるかぎり、やはり 現在の日本では 行政は消費者サイドにあるとはいえないようです。各種の情報に注意して、自分の身は自分で守らねばならない時代なのかもしれません。                             


 「たい肥」とは植物質のものであったはずが・・

【昔のたい肥と現在のたい肥は、まったくの別物です】

昭和30年代ころまで有機原料としては ワラやモミガラ・河原の葦や野草・落ち葉といった繊維分の多い植物性の原料を発酵させて使用していました。しかし、昭和40年代以降 食生活の変化から増えつづけている全国の牛・豚・鶏のふん尿 と 大都市圏から排出される膨大な食べ残しが「たい肥」と称されて、しかも「有機栽培・リサイクル栽培」との美名のもとで 日本の田畑に施用され続けています。日本の田畑はゴミ捨て場ではないはずです。
『買ってはいけない』 が大ベストセラーになったのは みなさんご存知のはず。そのなかの食製品の中には 抗生物質や各種保存料・酸化防止剤などがはいっていたはずです。その危険度については どなたも納得されている。しかしこれがいったんリサイクルされると、不思議なことにどなたもその危険度については まったく気にされなくなる。むしろ 健康に熱心な方ほど リサイクルファン。リサイクルがくりかえされるごとに生物濃縮がおこっていくというのに。牛をはじめとする家畜の内臓は 各種薬品を消してくれる魔法の胃袋だとでもいえるのでしょうか。農産物に使用される農薬だけでも約300種類以上あります。これに上記の添加物質を加えるのですから、その残留の影響は計り知れません。
とかく健康食品について熱心な方が リサイクルに熱心なのは・・本当に不思議です。リサイクルよりも むしろゴミをださない生活が大事なのではないでしょうか。



 「たい肥」は植物質のものが理想です

自然林の地面には 落ち葉や枯れ木を微生物が分解してくれた ふわふわの土が広がります。【腐植】ってよばれていて、100年かけて1cmしかできない・・という学説もあるほど 貴重なものです。その腐植を人工的につくったものが 植物質のたい肥です。
広葉樹の落ち葉など植物質の資材を原料とした【たい肥】は 有機栽培の基本です。江戸時代の農業書『農業余話』もつぎのように語ります▲肥料がすぎると大きな害を招く。一般に、よく肥えている土に産するものは性質が虚弱で、やせた土地にのものは強靭である。このことは山野に自然に生息する猪・鹿・熊などの毛色の美しさからもよくわかる。だから、自然のものは 効用もあり、薬にもなるのである。動物を人家で飼育したものは効能も少なく、また体型も醜くなっている。これは食物を人から与えられ美食しすぎているからである。この例を参考に、よく注意して肥料の過不足を考えると良い。

そして、次ページからは 
家畜ふん尿たい肥やリサイクル肥料によっておこる障害について考えてみたいと思います。
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