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2003年4月30日
愛川ウクレレ研究所 なみき
ピエゾピックアップのサドル型と貼り付け型の音の違いを、周波数分析で捕らえる。 ウクレレ友達のおやまさんから質問がありました。アンダーサドル型ピエゾと貼り付け型ピエゾの音の違いに ついてです。これを調べるため、ギブソンのスタンダードウクレレの3弦開放のCの音を、それぞれのピエゾピッ クアップで拾って、音響スペクトルの違いを観察します。 弦の弾き方は、出来るだけ一定にして、数回繰り返して記録しています。観察点は前回と同じで、音の立ち上 がりがグラフの5msのところに来たところとしました。 使用機材は以下のようです。貼り付けピエゾはブリッジの直ぐ下、サドルは固定されていて取れないので、サ ドルと弦の間にピックアップをはさみました。正確に言うと、サドル型ピックアップをサドル上に設置したとなりま す。 機材一覧です。 ピエゾピックアップ:φ30の圧電ブザー+250kΩのボリューム最大値キャパシタ無し。 60mmギター用サドル下バー型ピックアップ ベルキャット社製 録音機:SONY MDウォークマン MZ-R91 PC: IBM Thinkpad240 Cerelon300MHZ 周波数分析ソフト:Wavespectra ver 1.20 2.結果 測定したスペクトルを、図1,2に示しました。 ![]() 図1.サドル下バー型ピエゾピックアップで録音したギブソン3弦開放Cのスペクトル ![]() 図2.ピエゾピックアップで録音したギブソン3弦開放C音のスペクトル ![]() 図3.マイクで録音したギブソン3弦開放C音のスペクトル 1).聴感上の印象 サドル型と貼り付け型では、聴感上もスペクトルも大分違う結果でした。サドル型ピエゾの方が、耳障りのいい 音です。あまりキンキンした感じはしません。貼り付け型より、マイクに近い感じです。 2).周波数スペクトル 出力が、サドル型の方が小さいです。グラフは同程度に見えますが、縦のスケールが6倍違います。ただ、ノ イズレベルは低いです。プリアンプがいるかどうか迷うところです。 倍音の発生数は貼り付け型と同程度ですが、高音域の落ち方はマイクのようです。貼り付け型では3000Hz以 上にもピークがたくさんありますが、サドル型ではほとんど見られません。マイクも同様です。 3.考察 1).ピエゾのタイプと音色 今回、各ピエゾの拾っている音は、貼り付け型のピエゾもサドル下のピエゾもほぼ同様のはずです。貼り付け 型はブリッジプレートの振動、サドル型は弦の振動です。ピエゾによる違いは、設置場所によるものではないよ うです。 貼り付け型は一般に本来ブザーに使われるものです。元々警報装置なので、耳障りの悪い音をだすように出 来ている筈です。それから確認していませんが、共振周波数が2000-3000Hzのもっとも耳の感度がよいところ にあるそうです。上のデータでも貼り付け型ピエゾは、2000-3000Hzのピークが大きく、特にCの5倍音以上でピ ークの差がはっきりしています。 ピエゾの形による音色の違いは、各素子の周波数による感度の違いによると考えられます。 2).使い勝手 貼り付け型は、取り付けが簡単です。エポキシで固めるように指定されていたりしますが、両面テープで十分 です。ただし、弦以外の指がボディに触った音や服と楽器がこすれる音まで拾うので、雑音が多い感じがしま す。 サドル型ピエゾは、音色も聞きやすいし、雑音がのりにくいので澄んだ感じの音ですが、取り付けは大変で す。良質な電動工具か、特に器用な手指がないと、ブリッジ、ピックアップ、サドルがうまくかみ合わず、音が小 さくなります。エポキシ樹脂で固めてはどうかと思っていますが、それで失敗すると3つともダメになりそうなの で、他の方法がないか検討中です。 4.感想 一般に使われる貼り付け型ピエゾピックアップですが、本来ブザーや振動センサーに使われるものです。その 需要に比べて楽器ピックアップ用の需要は微々たる物で、わざわざ楽器用に製造するとは非常に考えにくいで す。おそらく、低価格の貼り付け型ピックアップはほとんどブザー用のピエゾが使われていると思います。サイズ にもよりますが、1個100円くらいのものです。この間秋葉原で40mmの大型のものを見つけたので、思わず買っ てしまいました。それでも\230でした。 サドル型ピックアップは、取り付けまでやってもらうと2-3万円かかります。ウクレレがもう一本買えますね。で も、電化が必要であれば、貼り付け型で不満を抱くよりは思い切ってサドル型にした方が良いようです。 貼り付け型ピックアップに、コンデンサー(キャパシタ)をかませてやったら、結構うまくハイ落ちになって聴き やすくなりました。これは、また次回の報告とします。
以上
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