「グラマンX−29」 長谷川製作所製1/72スケールプラスチックモデルキット \800
アメリカの先進的国防調査計画局(DARPA)と空軍の主導により、前進翼の実験機としてグラマン社で開発されたX-29。その翼形の効果は後退翼と同じく翼面の衝撃波を緩和し、より高速での飛行を可能にすること。さらに後退翼に比して翼端失速が起きにくいことは既に第二次大戦中からの研究によりわかっていましたが、反面、捻り力を増幅する傾向があるために翼そのものの剛性を向上させる必要があります。X-29では主構造をアルミ合金とチタンの複合材とし、外板をグラファイト・エポキシ素材とすることで軽く強靱な主翼を作り出しました。また静的マージンがマイナスになるので、操縦は機載コンピューターの支援を受けるフライ・バイ・ワイヤとして安定性を確保しています。

製作費の低減と工期短縮のため、機体の主要構造はF-5Aフリーダム・ファイターを使用、またフライ・バイ・ワイヤやサーボ駆動装置、それに主脚はF-16ファイティング・ファルコンのものを流用した機体。エンジンはジェネラル・エレクトリックのF404ターボファンですからF-18ホーネット・・・と言うより、F-20タイガーシャークのそれですね。前進翼を得たとはいえ印象はF-5/20シリーズのそれに近く、そのためかコミック「エリア88」でもタイガーシリーズを使っていた主人公の最新鋭の愛機として登場します。作品内では実戦機として登場したため武装していましたが、実際には、試作戦闘機ですらないXナンバーの実験機ですから固定武装もありませんし、実のところ、捻り力の問題で翼下に武装を吊り下げることが出来るほどの剛性もありません。


前進翼の機体そのものはX-29以前にも何機か作られていますが、いずれも捻り力の問題をクリア出来ず実用には至っていません。X-29は「前進翼で史上初めて音速を突破した」ことで航空史に名を残すことになります。もっともその後、実戦機の流れはステルスの方向に進んだせいもあって、前進翼の実戦機というのは登場していませんけど。

 機体塗装は指定通り。白はC316番インシグニア・ホワイト。エンジンノズルは焼鉄色。コクピット内は制空迷彩グレーとグリーン、ブラックで塗り分け。ロゴやストライプは全てデカールを使用しています。何かと不評なハセガワのデカールですが丁寧に貼れば問題ありません。先々の色あせは予想されますが・・・


作例は1号機ですが、X-29には2号機も存在します。こちらは尾部にスピン回復用のドラッグシュートを装備して大迎え角の実験飛行を主に担当。また後期には窒素タンクを搭載し、大迎え角時に窒素ガスを流して機体周囲の渦流を積極的にコントロールして機首の向きを変える「ボーテックス・フロー・コントロール」の実験も行っていました。翼形共々マクロスプラスのYF-19の元ネタですね。機体デザインはほぼ同じですが、尾翼には実験飛行を主導したNASAのロゴが入り、GRUMMANのロゴがDARPA、NASA、USAFロゴ共々機側ストライプの中に。また主翼のストライプが追加されたものになっています。



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