ゴルゴ13感想





ゴルゴ13の文庫版の感想を書いています。






4巻


「スタジアムに血を流して」

 オリンピックのシルエット競技(人像を的にする射撃)で世界最高記録をマークした男デイヴとの闘い。ゴルゴが飛行機から飛び降りてターゲットを狙っていたところ、なんと背後を取られて威嚇狙撃されてしまう。だが、妙なプライドがあるのか、几帳面なのか、デイヴは改めてスタジアムで決闘することを申し込む。「無駄口を叩く前に引き金を引け」とはゴルゴの口癖のようなものであるが、デイヴは殺し屋ではないし、後ろから撃つような卑怯な真似は性格が許さなかったのだろう。あるいは仇討ちには決闘という場が必要だったのか。姉を殺されているのに、この自制心は大したものだ。
 時間に正確なゴルゴがスタジアムに遅れて登場。正々堂々と闘うことを選ぶのはゴルゴらしい。ここでも早撃ちで負けて右腕を負傷するが、射撃の後に腕を直角に立てるというデイヴの癖を見抜いてた為、なんとか勝つ。急遽銃を左手に持ち替えての狙撃だった為、銃弾を額に撃ち込むことは出来ず、腹部に当たった。
 ラストには元凶のシンジケートのボスであるメランギに対して、「狼の傷が癒えた時がお前の最期だ!」などと独りごちているゴルゴが見られる。

「白の死線」

 この作品はファンの間では酷評されているらしい。確かにゴルゴらしくない行動が目立つように思う。
 今回はKGBの依頼で生物兵器の権威が西側へ亡命するのを狙撃しろというもので、ゴルゴはスキーで滑走しながらターゲットを射止めている。これは退路を確保するためかと思われたが、その後の行動を見ていると意味が分からなくなってくる。
 KGBが口封じに刺客を送り、逃げるゴルゴはイタリア−スイス国境間に聳えるペニン山脈の麓を駆け巡る。スコープで相手の姿を視認して犬の姿を捉えた際に、「イヌ!?」と素っ頓狂な顔で言うのが笑える。
 雪山へ準備も無く入ってしまい、危機一髪というところで山小屋を発見。そこにたまたま少女がおり、これが食料を持っていたので助かる。追っ手を回避するために再び雪山へ向かうと少女が着いて来た。ビバークして、「これで眠らなければ凍死はまぬがれる」と言っておきながら、自分が寝てしまうというボケをかます。
 脱出経路が雪山になるだろうことは酒を持参していることからも明らかで、それだのに必要な荷物を持って来ないのは意味不明と言わざるを得ない。