漢字のお話
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第三回 植物 a 紫陽花とかいてあじさいと読みます。中国では八仙花と書きます。語源は古語のあづ(集まる)にさあい(真藍)がくっついたものがあじさいになったとされています。陽の字は日の上がる様子を示す易(い)にこざとへん(小高いところを意味する)が付いて成った字で、明るく輝くという意味があります。日の光を浴びて鮮やかな紫色に輝く花というようなところでしょう。 八仙花は、仙の字が仙人と言うように優れた人のことを意味し、それから天子のことをも言うので、高位を示す紫との関係(漢代にこの風習ができたらしい)で仙の字が使われているのではないでしょうか。八には左右にわかれるという字義がありますが、関連は不明。花弁の形態と関係があるのかも知れません。 動物 a´ 寄居虫と書いてやどかりと読みます。寄居虫には巻貝の殻に寄生して居座る習性があります。語源は宿を借りるでしょう。なぜ虫が付くかと言えば、裸虫が人間のことを言い、毛虫が獣のことを示すこともあるように、虫には動物という意味もあります。蟲といえば小さな虫が群がる様子を表していますが、主に蛆虫のことです。死ねば肉体には蛆虫が群がることから、あらゆる動物をして虫と言わしめたのでしょう。 第二回 植物 a 裙蔕菜と書いてわかめと読みます。また、わかめの葉の荒いのを荒布(あらめ)、柔らかいのを和布(にぎめ)と言い、それが転じて若布(わかめ)となりました。mixiの漢字テストでは和布をわかめと読ませています。若には草の名という意味がありまして、杜若(かきつばた)などにも使われています。右には神の助けという意味があるので、それに草冠が付くと、太陽の恩恵で育つ植物という意味にでもなるでしょうか。天佑(てんゆう)なんてことばもありますね。 裙蔕(くんたい)というのはスカートの帯です。蔕は帯です。古代中国のひらひらしている帯を想像して頂ければよいかと思います。まるでわかめ。君という字には「丸くまとめる」という意味があり、それが「丸く取り巻く」というイメージになるそうです。君主などに使われる字ですね。それに衣偏が付いてスカートを表す裙という字になりました。 b 苧と書いてからむしと読みます。植物の一種で、二メートルぐらい、茎の繊維はロープの原料に使われるそうです。縄文時代から栽培されていたそうで、語源は灰汁につけて丈夫にした苧を、カラ(乾いた)にしてから繊維を取って、繊維をムシ(蒸し)たことにあるそうです。字源は佇立(ちょりつ/たたずむこと)などに見られる、佇の人偏をなくした字(ちょ/物を貯蔵する櫃を描いた図形)という字にあり、繊維を丈夫にするために苧を灰汁につけておいた様子が反映されています。 動物 a´ 魚偏に花と書いてほっけと読みます。北海道のほっけは美味しいですね。アイヌ語に由来するそうです。ほっけのけの音に花の字を当てたとか、花のように美しい模様があるからこうなったとか諸説あるようです。木偏だともみじになりますね。 b´ 魚偏に於と書いてどじょうと読みます。鰌とも泥鰌とも書きます。泥の中に住む習性があり、さんずいに於と書く泥を意味する言葉のさんずいが無くなり、代わりに魚偏を加えたものがこの字です。酋(しゅう)という字は、八(分かれることを意味する)と酉(酒ツボ)が合体して、酒ツボから香りがわき上がるイメージを持たせたもので、そこから酒を搾るイメージに繋がり、どじょうの引き締まった身体を表すのに用いたそうです。また、読みに関しては、ドロツウオがどじょうに転じたとあります。 第一回 植物 a 牽牛花と書いてあさがおと読みます。これは、あさがおの白と黒の種子は薬用とされ、牛を代金として牽(ひ)いて求めに行ったことに由来するそうです。日本では朝(あした)に咲いて夕(ゆうべ)には凋(しぼ)むことから、短命や儚さの象徴とされています。古典ではよく寝起きの顔と掛詞で使われます。 b 老杉と書いてろうさんと読みます。意味は古い杉のことですが、この杉という字は「たくさんのものが入り混じる」というイメージの三や参と同源で、針葉がたくさん枝から出ている様子を表しています。これらの元となった彡という字は間隔をおいて生えている毛の図形らしいです。杉は「直ぐ」生長するというので、すぐに木が付いてすぎになったということです。 動物 a´ 矮鶏と書いてちゃぼと読みます。ニワトリの一種で矮小なのであります。江戸時代にチャンパ王国(ヴェトナム)から輸入されたことで、こう読まれるようになったとのことです。 b´ 旗魚と書いてかじきと読みます。背びれを旗に見立てるので、こう書きます。其という字は箕(み/穀類をあおってふるい、殻・ごみを除く農具)を象形したもので、「四角い」という意味を持つそうです。これに、方偏に人と書いてエンと読む、旗が風に靡くさまを形象した漢字を加えて、旗という漢字が生まれたそうです。読みの由来は、船の梶をその鋭い上あごで貫くことから、梶木通し、これが縮まってかじきとなったらしいです。 |