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推薦CD(好みのアーティスト)

「モーツァルト:レクィエム ニ短調」 カール・ベーム(指揮) ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団 ユニバーサル UCCG-3353
 モーツァルトの遺作レクィエムにまつわる話は映画「アマデウス」に出てきますが、なかなか興味深い話です。ただ、彼の死は毒殺ではなく、慢性水銀中毒による衰弱死が定説。死の約二週間前から病床で作曲を始め、結局完成出来ず、弟子のジュスマイアが完成させた作品。ジュスマイアはモーツァルトから詳細な指示を受けていたとされるので、モーツァルトが生前構想していた作品に近いものが発表されたのだと言われています。
 このベームのレクィエム、テンポは遅めですが非常に荘厳で厳粛な名演です。この頃からベームは最晩年の円熟期に入ったのだと思います。30年前の録音とは思えないぐらい、バランスの取れたもの。意外と迫力もあります。この作品の決定盤で、未だにこの演奏を凌駕するCDに出会っていません。この作品の規範となる録音で、歴史に残る名盤。
「ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第4番、第5番」 マウリツィオ・ポリーニ(ピアノ) カール・ベーム(指揮) ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団 ユニバーサル UCCG-3327
 両協奏曲とも格調高い演奏で、特に第4番はポリーニの演奏技巧とピアノの美音、オーケストラの巧さが渾然一体となった理想的な名演。第5番も立派な演奏ですが、ポリーニにしては少し平凡。ベームの指揮も第4番と比べると多少衰えを感じさせます。
「リスト:ピアノ協奏曲第1番、第2番」スヴャトスラフ・リヒテル(ピアノ)、ロンドン交響楽団(キリル・コンドラシン指揮) PHILIPS PHCP-3576 
 40年前のリヒテル壮年期の豪壮な名演。当時としては珍しい、最小限のマイクで録音したワンポイント録音。したがって、響きが自然で、まるでオーケストラホールの一等席で聴いている感じ。リヒテルの演奏は強靭かつ超絶的な技巧を駆使しての変幻自在なもの。正に現代のリストです。この曲の決定盤。何度聴いても凄い。
「パガニーニ:バイオリン協奏曲第1番他」庄司紗矢香(ヴァイオリン)、イスラエル・フィルハーモニー管弦楽団(ズービン・メータ指揮) ドイツグラモフォン UCCG-1020
 話題のヴァイオリニスト、庄司紗矢香のデビュー盤です。何気なく買ったのですが、聴いて驚きました。将来を感じさせる音楽性の持主と見ました。テクニックも申し分ありません。真摯な音楽がこのCDには詰まっています。大家の素質十分。
「チャイコフスキー:ピアノ三重奏曲 偉大な芸術家の思い出」 ウラディーミル・アシュケナージ(ピアノ) イツァーク・パールマン(ヴァイオリン) リン・ハレル(チェロ) 東芝EMI TOCE-59059
 チャイコフスキーは天性のメロディーメーカーだと思います。おそらく次から次へと頭の中にメロディーが浮かんで来たのでしょう。彼の曲が世界中に敷衍したのは、極めて分かりやすいから。言葉は悪いのですが、クラシック音楽における大衆作曲家ですね。彼と全く対照的なのがベートーヴェンやブラームスで、彼らは曲のスタイル、構成で聴かせる作曲家です。どちらが良いかは聴き手個々人の感性の問題。
 私はこの曲がとても好きです。曲の成り立ちからして内容的には非常に暗いのですが、感動的な名曲だと思います。このCDは三人の巨匠が自在に演奏している、スケール溢れる名盤。LPレコード時代から飽きることなく聴き続けています。


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