パソコンよた話 〜BASICは基本〜

パソコンよた話 〜BASICは基本〜

 MSXの時にちらっと述べたが、私はN88ベーシッカーである。生まれてはじめてさわったパソコンはPC8801mk2。現在現役稼働してたらある意味MSXよりも貴重かもしれない三世代ほど前のパソコンである。

 まあ、骨董品パソコンの話はまたいつかに譲るとして、今回のお題はBASICである。
 BASICというのはプログラミング言語の一種で、今をときめくビルゲイツが遙か昔に作ったというある意味曰く付きのインタープリタ言語である。MS-DOSが出現するまではOSでもあったこともあり、昔のパソコンには必ずと言っていいほど標準搭載されていた。

 中高生当時はプログラミングを教えてくれる人などいないので、主に雑誌に掲載されているゲームのプログラムを打ち込んで遊び、そのプログラムを解析して勉強するという状態だった。
 今でこそBASICマガジンしかそのような雑誌は残っていないものの、昔はBASICプログラムを載せたゲームが結構あったのだ。しかも、当時の市販ゲームなどよりもよほど面白い作品が多く、中にはマシン語を駆使してアーケードゲームをほぼ完全に移植なんてものもあった。

 まあ、いくら隆盛を誇ったとは言っても所詮はシングルタスクの手続き型言語、時代の流れには逆らえず今ではほとんど使われていない…と思ったら大間違いである。
 実は大学に入ってからこのN88BASICを大いに活用する羽目になったのである。

 最初のうちは簡単な実験データの計算をさせる程度の大したことない用途だったが、GP−IBボードを使った実験機器を使うようになって話はがらりと変わってくる。
 工学系の出身でない方はよく知らないかもしれないが、GP−IBというのは計測機器からパソコンにデータを取り込むための規格の一種である。パソコンが普及しはじめた頃からある規格で、当時はBASICで制御するのがふつうだった。
 計測機器の耐久年数は十年以上あるものがざらだ。当然だが、それらの機器は当時最新だったパソコンにつなげないとデータが拾えないのである。
 というわけで、実験データ処理が卒業研究の題目だった私は、今更のようにBASICと格闘することになったのである。

 卒業研究そのものは、N88BASICフォーマットのバイナリファイルをbit単位で解析、データ変換してWinで読めるファイルを出力するという強引きわまりないプログラムをCで作ってお茶を濁した。不思議なことに、だいたい同じ値が出るという訳の分からないものだったが、教授陣がプログラムど素人なのをいいことにで口先で丸め込んでまんま卒業してしまった(笑)
 もっとも、おかげで困ったこともあったが。これを使えば「実験室のデータをLANで引っ張ってきて研究室でそのままデータを処理することができますよ」と教授に説明したら、「じゃあ実験室で行った実験のデータを研究室から、リアルタイムに見れるのか?」とか聞いてくる。計測機器からデータを取り込む根本のマシンがシングルタスクなのにそんなことできる分けないだろうが…。
 まあ、うちの研究室は学生にわかる人が結構いたからまだよかった。問題なのは訳の分からないままそれらBASIC利用の機器を使う羽目に陥っていた友人Sである。

 ある日、Sはサークルの連中の前に年代物のラップトップパソコンを持ってきた。教授にこれを使えば実験機器のデータが読めるからといって渡されたものらしい。
 そのパソコンはラップトップ(ノートと言うには大きさ的に無理があった)のくせしてフロッピードライブを標準で二つ装備しており、ディスクをいれずに起動するとロムBASICが立ち上がるという青液晶画面のすばらしい286マシンだった。
 どうやらSは、フロッピーをディスクBASICにフォーマットする必要があったらしい。ディスクBASICのマニュアルを見るとそのためにはBASICシステムディスクに入っているフォーマットユーティリティが必要とあるのだが、そんなものはないという。Sでなくとも、こんなんどないせぇっちゅうねんと悪態のひとつももつきたくなる。
 そこで、とりわけ古いコンピュータに関しては大学内有数のエリート集団(笑)であるゲーム同好会なら何かわかるかもしれないと相談しに来たのである。
 Sの判断は正しかった。なんと、居合わせたサークルの後輩Oが、MS-DOSですら骨董品扱いされている時分に、ディスクBASICのシステムディスクを、持ち歩いていたのである。
 すごいんだかすごくないんだかよくわからない逸話であるが、確率論的にこんなことは二度と起こらないであろうことだけは確かだ。

 結局、BASICのバイナリをWinに戻すという必要があるなど他にも問題が山積みで、最終的には使わなかったらしいのだが、Sの卒業研究は試料を変えただけのほとんど同じ内容の研究を毎年誰かがやっているらしい。誰が次にこの貧乏くじを引くのかは知らないが、全くもってごくろうなことである。

 窓環境でBASICでアプリケーションが開発できてしまうフリーソフトなども出回っているから、BASICそのものはまだまだ現役とも言える。センター試験にもBASICの問題が出題されることだし、お手軽なことも確かだから、これからプログラムをはじめようと思っている人はこれらのツールを探してみるのも面白いかもしれない。

 余談になるが、大学入試のセンター試験にBASIC問題が出たのが私が大学に入ってからで、問題を見て「こんなん小学生でも解けるやんけ! なんで俺んとき出えへんかったんや」と憤慨した覚えがある。

 

 今回のはちょっとなじみの薄い専門用語が頻発したのでわかりにくかったもしれないな…。感想や意見、誤字脱字などの指摘はZVB05264@nifty.ne.jpまでメールしていただくか、掲示板に書き込んでください。んでは、またいつか。


コラムのインデックスに戻る
トップに戻る