ネット処世術 〜お節介は慎重に〜

ネット処世術 〜お節介は慎重に〜


 ども、ご無沙汰してました。一部で妙に公表をいただいているこのシリーズ、久々に更新でございます。

 さて、今回ネタにしたいのはネット上の喧嘩について。掲示板やチャットに長い間出入りしていると、喧嘩に出会うことがある。ま、現実と同じでたいがいはしょーもない事が原因だったりするのだが、あまり見てて気持ちのいいものではない。
 喧嘩になるには二段階の手順があります。一番最初は、誰かの失言から入ることが多いようです。いわゆるネチケットに反する発言なり書き込みなりがあったりすると。そして、それに誰かが文句を付ける。ここで、非を素直に認めて謝罪すれば喧嘩なんぞ起こりっこないんですが、ろくに理由も説明されずに頭ごなしにしかられて面白いはずもなく、ついつい反論してしまう。こうなるとかなりの確率でハマります、泥沼に。
 一旦意地になってしまうと抜け出すのは容易なことではなく、掲示板なりチャットなりの管理者が強権を発動するかどちらかが投げるかでもしないと収まらない。ちなみに、どちらの終わり方も後味はよろしくない。

 とある掲示板であった論争を例に取ってみてみよう。そこはアニメファンが結構集まっている掲示板で、また草の根BBS時代からのネットのベテランが多くかなりネチケットにうるさいところだった。
 その掲示板でとあるアニメの台詞をパロった発言があった。これが受け取りようによっては暴言ともとれる内容で、元ネタがわからないと傍若無人に見える発言だったのだ。その発言に、ある古参の常連が食ってかかったのである。
 とても諭すという目的の感じられない一行のみの非難、もしくは皮肉。これをまずいと思った他の常連が両方をさとすという形で割って入る。大騒ぎになっているので最初の発言をした本人がいいわけを始め、それにまた誰かが食ってかかる。泥沼である。最終的には一番最初の問題発言をした人間が掲示板管理者に出入り禁止を言い渡されると言う後味の悪い事態に。
 はたして、この場合誰が一番悪いのだろう? もちろん、最初の問題発言をした人間に決まっている。が、彬兄的に一番まずいと思うのは最初に食ってかかった古参の常連である。どうしてかはあとの結論で説明するとして、こんどはチャットの喧嘩の例を見てみよう。
 そのチャットは、非常にに人の多いところであった。そこで二人が口論を始めたのである。原因は最初から見ていたわけではないので知らない。だから、彬兄は口論の波が去るのを黙って待った。事情がわからないので口の挟みようがないのだ。
 そして、口論が一段落したところでネットはじめて間もないと思われる人がチャットに参加する。入ってきて真っ先に出た台詞が「もう喧嘩は終わりましたか?」であった。
 これをきっかけに両者の口論が再び始まり、その初心者の人は再び沈黙してしまう。人が喧嘩しているのを見るのはあまり気分の良いものではない。で「なんかいたたまれないんで落ちます」といって出ていくハメに。
 この場合、もっともいたたまれないのは周囲である。たいていのチャットの常連は新参者を歓迎し、もっとおしゃべりがしたいと思っているのだが「いたたまれない」とまで言われてはなんだか責任を感じてしまう。

 さて、上の二つの事例はなぜそんなことになってしまったのだろうか? 掲示板の事例の場合、最初のきっかけになった人間に明確な形で非があるのは間違いない。素直に謝って何も言わないのであれば論争になることなどない。が、意固地になって反論に反論を重ねてしまったのは大いにまずい。だが、人はなにか失敗をすると多かれ少なかれ冷静さを失ってしまう。感情に流されたままずるずると反論のための反論を繰り返してしまう。
 どういうわけか、人を諭すのにいちいち威圧的な態度をとる常連というものがあるていど人が出入りするネットでは必ず居る。常識のないやつに常識を教えても無駄だと思っているのか、一方的に非難するだけで自分たちからは一向に妥協しようとはしない。
 まあ、ここまで極端ではないにしても自分の方が詳しい、しいては自分の方が正しいという意識があるものだから、物わかりの悪い子供を叱りつける親のような態度をとってしまう。そういう人は結構多い。
 すぐ意固地になってしまうウカツ者と高圧的なナニサマ古参が衝突すると事態は決定的に悪くなる。ふいごで煽った火のように、両者が熱心であればあるほど論争の炎は燃え上がる。

 まあ、現実はこれほど単純に出来てはいないが、ネット上での論争はかなりの確率でこのパターンに当てはめることが出来る。
 さて、それではこのような論争を手早く収束させるためにはどうしたらよいだろうか? 方法は三つある。

 1:きっかけとなった側が素直に謝ってそれまでのことを無かったことにする
 2:注意する側が角の立たない表現を使用して注意される側をそれ以上意固地にさせないよう配慮する。
 3:管理責任者が管理者権限を発動させる

 このなかでベストな方法はもちろん1である。が、意固地になってしまう人はいる。または、そのうち現れる。インターネットの現状を見ればわかると思うが、これはどうしようもないことだ。たくさんの人間が集まれば先天的にうかつな人が出てきてしまうのである。
 ちなみに、もっとも避けたい方法は3である。この方法は後味がよろしくないし、根本的な解決にはなっていない。最後の手段である。
 残る選択肢は2であるが、これは実は短期的な解決手段としては一番効果が薄い。「下手に出てればつけあがる」連中もいるし、注意する側としてはばかばかしいことこの上ない。どうして正しいことを言っている側が配慮して、譲歩してやらなければならないか。 しかし、よく考えてみて欲しい。現実問題として倫理的に正しいだけでは物事は解決しないのである

 さて、ここで最初の挙げた二つの例を振り返ってみよう。掲示板の例は最終的には管理者権限が発動された。もっともよろしくない解決方法である。なんども繰り返すが、一番悪いのは最初に失言をしてしまった人間である。彼が素直に謝って、反論や言い訳をいっさいしなければこのような事態は避けることが出来た。しかし、彼はそうすることが出来なかった。意固地になって自己弁護という名のコートを羽織ってしまったのである。
 ここで周囲の人間はその自己弁護のコートを正論という名の北風で吹き飛ばそうとした。これがいかんのである。周囲の人間それも古参で発言力のある常連は太陽たらねば円満で根本的な解決は望めないのだ。
 チャットの例も同様である。だれも醜い言い争いなど聞きたくはないが、どうしてもこういうトラブルは起こってしまう。見かけたら早急に諫めるか、それが出来ないのならば黙ってみているしかないのだ。
 あなた以外の人間になにかまずいところがあれば指摘する必要があるが、ネット上で出会う人間はあかの他人であるということを忘れてはいけない。正しい正しくないという倫理とはまた別次元の問題であるが、現実としてそういう配慮ができないのならばあなたには問題解決能力はない

 北風たるよりも太陽たれ。ネット上で円満なコミュニケーションを営むためにも、このことを覚えておいて欲しい。



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