ドキュメントビューア使ってみました編1

注:現在、ドキュメントビューアは販売中止になっています。
 シグマブックに、ドキュメントビューアというものが登場しました。これを使えば、印刷できるドキュメントはみんなシグマブックで読むことができるという優れもの。オフィシャルページにはもう紙に印刷する必要はない、なんてうたい文句が踊っています。紹介記事(ケータイ Watch)
 さて、実際どの程度使えるものなんでしょうか、と気になって、詳しく見てみると……。あー、その、なんですか、結論から言わせてもらうと、仕様の時点で激しくだめぽというか、コスト的にやってられませんこれ。

 とりあえず、ぱっと説明を読んでみて目に入ったのが7,875円という価格。ふむ、まあコンバートソフトの値段としてはそこそこかな。と一瞬思ったが、良くみると違う。これは「実行権」のお値段。
 データのコンバータ自体はプリンタドライバという形式で無料で提供されている。印刷するときにプリンタにドキュメントビューアを選択すれば、Windowsで印刷可能ならどんなデータでも使用可能だが見るほうに金を払わないといけない、というからくり。

 しかし、なぜこんな使えない仕様になっているのか……。実は、ドキュメントビューアのプリンタドライバは、SDカード以外にもファイルが作成できたりする。どうやらプリンタドライバからは著作権保護機能が使用できないらしい。そのため、別の方法で著作権保護機能を組み込む必要があったではないかという気がする。
 シグマブックは、本体側でビューアをロードすることでソフトウェア的な拡張を行う方式をとっている。つまり、開発サイドから見ればSDカードにビューアをインストールするという感覚なわけだ。したがって、ドキュメントビューアひとつごと=SDカード一枚ごとに料金が発生する、と。ついでだから書籍販売サイトで売ってしまえという手っ取り早いし一石二鳥だねってとこですか。
 言いたいことはわからないでもないが、それは開発者サイドの理屈。紙に印刷できるような状態にあるデータをシグマブックでのみ閲覧制限をつけて何の意味があるというのか。SDカード+実行権7,875円を買えるだけのお金があれば、それなりの性能のプリンタが買えてしまう。価格に見合うだけの価値があるかと聞かれると、100人中100人がNoと答えるのは目に見えている。

 とまあ、一通りこき下ろしてみましたが、(時間はともかく)手間がかからずコンバートできるのはそこそこうれしいし、なにより拡大機能がある。現状のΣBookBuilderで書籍を作成した場合、PDF文書を読もう!でやったやり方だとファイルによっては字が小さくて読めたもんじゃない状況になってしまうので、拡大機能はぜひ欲しい(というか必須)機能の一なのだ。
 せっかくなので7,875円をどぶに捨てるつもりでひとつ購入して、以前PDFファイルを読もう!編で使ったCSTのPDFファイルを、ドキュメントビューアで変換してみた。倍率が指定できるが、とりあえず推奨の2倍拡大で印刷。

印刷設定画面

 まあ、ページ数が多いのでコンバート処理が重たいのはしかたがないが、やはり重いものは重い。スペックもそれなりにあるマシンでも、紙に印刷するより処理が遅いというのはどうか。印刷媒体の代用というにはコストも利便性もまだまだだ。まあ、一括処理できるのでそれでもbmp経由のコンバートに比べれば作業は格段に楽だし、個人的にはメリットはありますが。

 で、普通に拡大なしで表示すると、当然のことながらPDFを読もう!編で余白をカットしないバージョンとほとんど同じ。拡大なしでは非常に読みづらい。
 さて、問題の拡大機能だが、デフォルトである2倍拡大の画面はこんな感じである。

拡大モード

 確かに、これなら細かい字もきちんと読むことができる。が、しかし、こうなると今度は一画面内に一行が収まりきらない。細かい字で画面の端から端まで並んでいるような文章を読む場合は、拡大画面を一行読むごとに画面を左右に移動させねばならいわけだ。CSTはちょうど真ん中で段組がしてあるのでまだましですが、それでも細かく移動を切り替えねばならず、2倍以上の拡大機能を使いつつ通しで読むのは正直うざい。
 まあ、倍率を切り替えることもできるので、1.5倍で読めるドキュメントであればなんと見れそうな気配。贅沢を言えば、1.5倍時の移動が左右端だけではなくて中央よりがあればかなり使えるものになるのだけど。

各倍率ごとの画面比較図
倍率画像(240dpiスキャン)
1.5倍1.5倍拡大
2倍2倍拡大
3倍3倍拡大
4倍4倍拡大

 それと、気になるのがデータサイズ。実行権がSDカード一枚ごとに約\8kなんて状況にある以上、ファイルサイズはかなり重要。BMPコンバート版を基準に、それぞれの倍率でサイズを比較してみると……。

3ページのPDFファイルをコンバートした場合のサイズ比較
コンバートサイズ比較(%)
ΣBookBuilderのbmp変換1238kb100%
ドキュメントビューア拡大なし781kb63%
ドキュメントビューア2倍1519kb123%
ドキュメントビューア3倍2118kb171%
ドキュメントビューア4倍2784kb225%

 ΣBookBuilderでBMPファイルをコンバートしたファイルと比べると、拡大なしの場合はサイズは小さくなっているし、2倍拡大でもサイズは2割増といったところでしょうか。512Mでもぎりぎりのサイズを持ち歩くことがある彬兄的には、これはこれでありがたい。もうちょっと工夫して、画像変換して余白をカットした上で、一括印刷ソフトなどを使用してドキュメントビューアでコンバートするとけっこういい感じになるのかも。とりあえず、無理やりbmpファイルに出力してΣBookBuilderで取り込むよりは使いやすそうだ。
 しかし、どう考えても価格設定が痛すぎる。高い安いの問題ではなく、ドキュメントビューアの競合製品はΣBookBuilderでもリブリエでもなく、プリンタだ。無料で提供してでも、まず本体の普及を図るほうが先決ではなかろうか。

    まあ、コミケカタロムのコンバートといったきわめてピンポイントな用途には便利そうである。

2006.9.27更新

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