コラム 〜キャラクターのロールプレイ〜

キャラクターのロールプレイ


 ロールプレイって何だろう。TRPGをはじめてそろそろ8年になるが、この問いに対する明確な答えは見えてこない。ロールプレイという言葉を額面通りに解釈したものと、現実に行われているロールプレイは若干違うのだ。

 最初に、ロールプレイそのものを大別しておく。  まずは本来の意味のロールプレイだ。ロールプレイとは役割を演じるものという意味だ。役割とはたいていの場合プレイヤーキャラクターのパーティ内での役割と同義で、戦士や魔法使いといったいわゆる職業を指す。つまり、本来の意味のロールプレイとは戦士なら前線にたって戦闘し、魔法使いなら魔法を使ってパーティを助けることだ。
 次に、キャラクターのロールプレイ。同じ戦士でも、無用な戦いはなるたけ避けようとする平和主義な性格と、目の前の障害を正面から討ち果たす単純豪快な性格とでは言動が違う。そういったキャラクターの内面を描写するロールプレイがキャラクターのロールプレイである。

 ちょっとだけ背景的なものを考察しておこう。  RPGができた当初はいわゆるダンジョンシナリオがメインであり、本来の意味のロールプレイが中心でキャラクターのロールプレイを行う余地はあまりなかった。だから、どんなロールプレイを行っても多少ミッションクリアに有利不利が生まれる程度で、ストーリーそのものの方向性が左右されることはあまりなかった。
 しかし、その後RPGが発展していくに伴い、ロールプレイはどんどん複雑になっていく。いわゆるシティアドベンチャーでは、ダンジョンシナリオのころとはロールプレイという概念そのものが若干変わってくる。キャラクターのロールプレイが欠かせないものとなり、同じキャラクターを違う人間がロールプレイするとシナリオの方向性そのものが変わってしまうことがままあるのだ。
 日本独自のRPGが出るようになってから、話はさらにややこしくなっていく。外国産のRPGにないわけではないようなのだが、日本独自の風潮なのかキャラクターのロールプレイを積極的にルールに組み込んでしまうタイプのRPGが多いのだ。プレイヤーキャラクター同士の掛け合いでヒーローポイントのようなものがもらえたり、キャラクターのロールプレイを行うと経験点にボーナスが入ったり等など。ここにいたっては、ロールプレイそのものの性質が大幅に変質してしまっている。
 ようするに、今と昔では、ロールプレイの指すものが違うのである。おそらく、このことがロールプレイというものの概念を複雑にしている要因なのだろう。

 以上をふまえた上で、まずルールでのロールプレイのあつかいを2つに大別しておく。
 1つめが、キャラクターのロールプレイに対して罰則や制限が設定されているルール。GURPSの特徴や、ルーンクエストの宗教による禁忌など。
 2つめがキャラクターをロールプレイすることによって何らかのボーナスが与えられるルールだ。熱血専用の熱血論破や天羅万象の因縁なんかが該当する。
 前者のルールは、主に世界観に合わないキャラクターのロールプレイを禁止するためのものだ。つまり、よく知らないプレイヤーやマンチキンが好き勝手に暴走するの防ぐためにある。
 しかし、これだけではキャラクターをロールプレイすることによってシナリオを展開させるというタイプのプレイスタイルには不十分なのだ。キャラクターのロールプレイは、なれないとどうやっていいのかわからない。だから初心者や、システムの世界観をまったく知らないプレイヤーばかりだと、この手のプレイスタイルは往々にしてセッションが停止する。
 これを補うために作られたルールが後者のルールである。キャラクターのロールプレイに対し、禁止事項ではなく推奨事項をルール的に設定することによって積極的なロールプレイを促すのである。

 筆者は本来の意味のロールプレイ重視のプレイスタイルとキャラクターのロールプレイ重視のそれと、一概にどれがよいとも悪いとも思わない。が、セッションが崩壊する危険性は圧倒的にキャラクターのロールプレイ重視のプレイスタイルの方が高い。
 そのせいか、古くからのゲーマーの中には熱血専用や天羅万象などの積極的なロールプレイを促すルールを持つシステムに対し否定的な考えの人がいる。キャラクターのロールプレイに偏重するのは周囲を鑑みない自分勝手なプレイングの元凶だというのである。
 もちろん、彼らの論にも一理あることは確かだ。しかし、筆者はそれは正しくないと思っている。間違っていると言っているのではない。
 周囲を鑑みないプレイングの元凶はたしかに過度のキャラクターのロールプレイ重視によるところが大きいのだ。しかし、だからといってキャラクターのロールプレイ重視のスタイルを否定してしまうのでは、暴走族が迷惑だからバイクを否定しているのと大差がない。
 キャラクター重視のロールプレイは本来の意味のロールプレイに比べ自由度が高い。それ故に高度な技術が必要とされるのだ。また、キャラクター重視のロールプレイの歴史が浅いせいもあり具体的な高度な技術の実例というものがすくなく、方法論も確立されていない。
 方法論が確立されていないからと言って、上達できないわけではない。経験を積み重ねればそのうち上達するだろう。残念ながら、筆者はまだまだ未熟だが、うまくなりたいという気持ちはちゃんとある。

 筆者個人の好みの問題だが、RPGはストーリーが希薄だとつまらない。そのためには、ストーリーに色を添えるためのキャラクターのロールプレイはなくてはならない要素の一つなのだ。
 キャラクターのロールプレイをどうセッションに生かすか、また、セッションを楽しむためにどんなロールプレイが必要かはまだよくわからない。が、昔よりも今の方が上達しているという自信はあるし、さらに上達するために少しは考えている。
 最終的にみんなが楽しければいいのである。RPGに勝ち負けはない。あるとしても、参加者全員が勝利することが可能だ。
 だから、TRPGで遊ぶときは少しでいいからロールプレイというものを意識して遊んでもらいたい。強制する訳ではないが、どうせなら真剣に楽しく遊びたい。


 以上、生意気にもロールプレイなんぞについて語ってみましたが、どうでしょう? いや、それは違うとか、こう考えた方がいいぞ等の意見、または感想がありましたら ZVB05264@nifty.ne.jp までよろしくお願いします。



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