厚労省と統一交渉団 「在園保障」部会開催
  医療の安全管理体制と 社会と遜色のない水準確保で 
        
決裂したまま開催が延びのびになっていた平成十五年度ハンセン病問題対策協議会(3月29日)に向け、在園保障部会が2月13日午後3時から5時まで、経済産業省1035号室において厚生労働省と統一交渉団によって行われ、

(1)療養所における安全管理体制について
(2)独立行政法人化(に伴う対応)について
(3)「統一要求書」の「在園保障」部門で、不自由者棟における三交替制勤務実施のための
   看護要員の確保および「医療協議」の場を設ける問題などについて交渉が行われました。


安全管理体制

平成十四年改正の医療法施行細則では、安全管理体制の確保が病院及び有床診療所の管理者に義務付けられていますが、「医療協議」において、療養所医療への患者参加を求めていく前提とし、次の事項についての調査を医療指導課に要請しており、先ず、その報告から行われました。


 ア.医療に係わる安全管理のための指針の整備、安全管理規定がすべて整備されている。
 イ.医療に係る安全管理のための委員会の開催、12施設で毎月、1施設では3月に1回程度
   (作業部会は毎月)、園毎に事故の起きないようにやっている。
 ウ.医療に係る安全管理のための職員研修の実施駿河は今月、他はすべて実施している。
    多いところで10数回、事例の検討や園内感染など。
 エ.医療機関内における事故報告等の医療に係わる安全確保を目的とした改善のための
   方策を講ずること


体制づくりはすべてできており、医療安全監理委員会(親委員会)、医療安全監理室(リスクマネージメント部会)は12園、一園は作業部会で、リスクマネージャー(医療安全管理者)は全園配置し、ヒヤリ・ハット事例(注)を安全管理室に報告することになっている。

(注)「ヒヤリ・ハット」とは、事故までに至らないが「ヒヤリ」したり「ハット」したことの意。


また、平成12年11月には国立病院部政策医療課が国立病院・療養所のリスクマネージメント
作成マニュアルを発表しています。それによると、国立療養所は以下の医療事故防止対策規程を
策定することになっています。


 ア.医療事故防止のための施設内体制の確立
 イ.医療事故防止対策委員会の設置及び所掌事務
 ウ.ヒヤリ・ハット事例の報告体制
 エ.事故報告体制
 オ.医療事故発生時の対応
 カ.その他、医療事故の防止に関する事項


これらについても、すべてきちんとやってもらっており、1、2の施設では具体的な
方法を検討している、という報告でした。続いて、次の質疑応答がありました。

 医療安全管理規程は自治会に公開されているか。

 応答:
 希望があれば見せる。


 事例集は配布しているか。

 応答:
 12年のマニュアル作成時に配布した。その後は各園で集積し、
 報告を求めないことで、出しやすくしているので本省は把握していない。

 医療事故報告はあるのか。

 応答:
 基本的対応は施設内が原則だが、重大な事例は地方厚生局をつうじて本省へ
 上がってきている。

 何件位か。

 応答:
 ハンセン病療養所の件数を区別していないので分からない。

 介護事故をどう見るか。

 応答: 
 療養所内で起きたものはすべて医療事故だ。


 職員研修は誰が、どのレベルまでを対象にしているか。

 応答:
 指針を示し、各園で工夫している。指針は全体向けで、ハンセン向けではない。

 不自由者棟での事故を未然に防ぐようにお願いしたい。

 応答:
 これは三交替制対策の増員と定員削減の問題に関係している。
 今は介護の研究班を組織し、不自由者に必要なケアや問題点を調査・検討している。
 研究結果が出た時に留意したい。


独立行政法人化

 「併任医師」がどのような影響を受け、今後どのような運営になるか。
 各療養所の現時点の併 任医師数、独法化による異動があれば、その数などの一覧を開示されたい。


 応答: 
 国立病院の併任医師は、そのまま併任できると考えている。公務員のままである。大学病院は
 公務員ではなくなる。現在、常勤81人、他施設に併任54人、他施設(ほぼ国立病院)から併任31人で
 原則、異動しない。心配のないようにいけると思っている。

 大学からは来られなくなるのか。

 応答:
 4月から来られなくなるという事例は聞いていない。

 医療指導課から独法担当課に異動するのか。

 応答:
 ハンセン担当は異動しない。


 「統一要求書」

不自由者棟の夜間看護のための48人の増員計画が実質8人増にとどまっているが、
20人程度の要員確保に努めたい考えと聞いている。人命にかかわることであり、
定期協議の3月29日には責任ある回答を聞きたい。


 応答:
 公務員は平成17年までの10年間で25%削減という計画がある。そのなかでは頑張った方だ。
 この実質増という解決にはもう少し時間がほしい。

 17年以後は、この足かせは外せるのか。

 応答:
 7月に総務省のヒヤリングがあるので、そこでハンセンは除けと申し入れる予定だ。


C型肝炎

 エコー関連で獲得できたものは何か。

 応答:
 411億が408億に減額した。人件費が4億円減である。その他は総じてプラスになった。
 但し、定員減がある分については割合的に減額のところもある。医療整備は5億7900万円で
 若干増額した。エコーはそこに入る。各園で優先順次を上げてもらい整備したい。

 C型肝炎対策費はどうか。

 応答:
 応援派遣について謝金で900万円、併任医師について独法化対策費として2300万円となっている。
 各施設で、肝炎専門医に診てもらえるよう、各園長に話していただきたい。

 了解した。5月に園長たちと会う。



ハンセン病療養所における安全管理体制の確保は、多くの不詳事を不問に付してきた隔離時代の
体質を払拭するものとなるはずであり、「社会の中で生活するのと遜色のない水準を確保するため」の
在園保障部会は今回、特に重要な作業を行ったといえるでしょう。



出席者 厚労省

 施設整備管理室・小野 勝予算係長・瀬戸昭則室長補佐
 企画課・伊藤経人企画法令係長・野本 宏補佐・吉田長司総括補佐
 医療指導課
 冨澤一郎高度・専門医療官・柳 健一課長補佐・長谷川博課長補佐
 前田雅晴総括補佐・土師宏之第二係長・大野 豊第二係


統一交渉団

 弁護団・古賀克重 外9人
 全原協・國本 衛 外6人
 全療協・曽我野一美  外7人