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<以下は、下水処理と微生物について調べたうちの長男(中二)の夏休みの自由研究である。
 最近は、夏休みの宿題もワード、一太郎、又はパワーポイントで作成せよ。提出はフロッピーディスクか、先生のメールアドレスにファイル添付で送信してもよい・・・とのことである。
 私が学生の頃に比べると隔世の感は否めない。
 で、息子のワードで作ったファイルを、むりやりフロントページに貼り付けて作ったのが、今回のファイルである。>

 

 

 


2年○組 ○○番

△△ ▽▽

 

 

 

1.このテーマを選んだ理由

僕は小学校の頃に「水をきれいにするのに、微生物が関係しているらしい」というぐらいのことは習ったのだが、詳しいことは知らなかった。

そこで、この機会に、どのような微生物が、どのように関係しているのか調べることにした。 

2.分かったこと:下水処理場の仕組みは、下の図のようになっている。 

下水処理のしくみ

 

(1)  沈砂池

   処理場に送られてきた汚れた水は、まずこの池に入る。そして、大きなゴミや小石、砂が取り除かれる。

(自分で考えたこと)

 下水処理場には、様々な汚れた水が流れ込んでくる。

 僕の家で言えば、トイレで流した水、お風呂の残り湯、台所で食器を洗った水などが家の前の下水道管に流れて、東大阪市の川俣下水処理場まで流れていく。
 そのほかに、雨が降ったら、道路の土などと一緒に雨水は下水道管に流れ込み、やはり下水処理場へ流れていく。
 下水の中には、ゴミや砂、小石なども含まれている。
 そのようなものは、最初にスクリーンというくしの歯のようなものでこし取られたり、沈砂池というところで沈ませて取り除かれる。

 ここでは微生物の力は使われていない。

<スクリーンや沈砂池の写真>

 

        

(2) ポンプ室

 沈砂池で、大きなゴミや砂などが取り除かれた下水は、このポンプでくみ上げられ、最初沈殿池に送られます。 

(自分で考えたこと)

 下水道管というのは地中に埋められている。下水を流すために、管には角度を付けて(先になるほど低くなるようにして)自然に流れるようにしてある。
 だから、下水処理場に着く頃には、下水道管はだいぶ地中深く潜ってしまっている。そのため、ポンプ室でくみ上げてやらないといけない。 

(3) 最初沈殿池

 この池では、沈砂池では取り除けなかったもののうち、沈殿しやすいもの(細かい泥など)を、長い時間をかけて沈めます。

<最初沈殿池の写真>

       

(自分で考えたこと)
 目に見えるような大きなゴミ、小石や砂は、この前の沈砂池で取り除かれている。でも、もう少しきめの細かい泥の粒などはいったんは水に溶け込んだようになっている。そのような水をここで2時間くらいかけてゆっくり流す間に、泥などが沈殿していく。
 そして、その上澄みの水が、次のエアレーションタンクへと流れていく。 

(4)エアレーションタンク(反応タンク)

   ここでは、汚水に活性汚泥(バクテリアや微生物が含まれた泥)が加えられ、さらに空気もふきこまれます。元気になった微生物らが、汚水の中の汚れを食べ、水をきれいにしてくれるわけです。

(自分で考えたこと)
下水の中に入っていたゴミや、小石、砂、泥などはスクリーン、沈砂池、最初沈殿池で取り除かれ、その上澄みの水がこのエアレーションタンクという所へ流れてくる。

 では、その上澄みの水はもうきれいになっているのか、というとそうではない。

下水処理場のエアレーションタンクに流れ込んでくる下水には、トイレから流れてきた人間の尿や、洗濯機や風呂の排水に含まれている汗や脂、台所から流れてきた食器についていた醤油や油といった様々な汚れが含まれている。

僕は最初、何となく、汚れをきれいにするのだから、下水処理場では洗濯機に入れたり、食器を洗う時に使う洗剤のようなものを加えて、きれいにするのだと思っていた。
 でも、よく考えると、洗濯機に入れる洗剤は、例えばシャツについている汗や脂を、シャツから取り除くために働いている。シャツは汚れが取れてきれいになるが、シャツから除かれた汗や脂などの汚れは、洗濯機からの排水として下水処理場へ流れていく。
 台所で油のついたお皿を洗剤を付けて洗ったら、お皿はきれいになる。でも、お皿から取り除かれた油は、洗った時の水といっしょに下水処理場へ流れていく。

 それで、下水処理場では汚れをどうやってきれいにするかと言うと、その汚れ(有機質)を、水中の微生物に食べさせてきれいにするのだ。

 その、汚れを食べてきれいにしてくれる微生物は、酸素がたっぷりある状態で元気になって、さかんに、その微生物にとっての栄養分(人間にとっては「汚れ」)である有機質を食べて(体内に取り込んで)くれる。
 汚れを食べてくれる微生物というのに、どういうものがあるのかというのが僕にとって重要なことなので、いろいろ調べてみた。
 どうやら、栄養分が多いか少ないか(汚れているか、あまり汚れていないか)によって、活躍する微生物にも違いが出てくるらしい。

     活性汚泥の中に含まれる微生物の例 

平均的な汚れの状態の場合に出現しやすい微生物

ボルティケラ(和名:ツリガネムシ)

分類:繊毛虫類 縁毛目 ボルティケラ科
長さ:0.025〜0.05
mm特徴:形が寺の釣鐘に似ている。
 いつも1匹でいる。
 

エピスティリス

分類:繊毛虫類 縁毛目 エピスティリス科
長さ:0.025〜0.05
mm
特徴:ボルティケラに似ている。
 違いは、群れている点。
 

アスピディスカ(和名:メンガタミズケムシ)

分類:繊毛虫類 下毛目 アスピディスカ科
長さ:0.025〜0.05
mm
特徴:卵の様な形をしている。   背中にノコギリの様なトゲがある。
 

カルケシウム(和名:エダワカレツリガネムシ)

分類:繊毛虫類 縁毛目 ボルティケラ科
長さ:0.025〜0.05
mm
特徴:群体を形成する。
 ボルティセラと同様にミオネーム(柄の中の糸筋体)を持つが、不連続であるため、個々に伸縮運動ができる。              

下水があまり汚れていない時に出現しやすい微生物

アルケラ(和名:ナベカブリ)

分類:肉質虫類 アルケラ目 アルケラ科
長さ:0.03〜0.25
mm
特徴:アメーバの仲間で丸い殻を有している。
出現時は透明に近いが時間がたつにつれ褐色になる。

急激な環境変化があると黒くなったりもする。
硝化が始まったときに見られやすい。

スピロストマム(和名:ネジレクチミズケムシ)

分類:繊毛虫類 異毛類 スピロストマム科
長さ:
小さい種類 0.40.5mm
     大きい種類:長さ13mm
特徴:フロックの間をすいすい泳いで移動する。  
解体が始まるとよく見られる。
かなり大きな部類なので簡単に見つけられる。

リケイン

分類:ワムシ類の一種
長さ:0.18〜0.22
mm
特徴:しっぽのように見える2本の趾がある。 
趾を良く動かし、自らもじたばたと動き回る。

トコフィリア

分類:繊毛虫類 吸管虫類 アキネタ
長さ:0.05〜0.13
mm
特徴:毛のように見えるのが吸管で、ここで原生動物を捕らえて食事にする。ただし、吸管以外は動かない。

下水が大変汚れている時に出現しやすい微生物

リトノータス

長さ:0.1mm前後
特徴:繊毛で覆われており、行ったり来たりすいすいと泳ぎ回る。
水処理に対して汚水の負担がやや高いときに現れやすい。

パラメシウム(別名:ゾウリムシ)

長さ:0.1〜0.3mm
特徴:やや酸素不足と言った状態になると現れやすい。 

ボドー

長さ:0.015〜0.02mm
特徴:水処理する細菌に対して入ってくる汚水の負荷が非常に高いと現れることが多い。
小さいために見ずらいが、2本の鞭毛をもっている。

その他の微生物

アメーバ

分類: 肉質虫類 アメーバ目 アメーバ科
長さ:
小さい種類 0.03〜0.04mm 
大きい種類  0.3〜0.5
mm特徴 :形をかえながら動く。おもに細菌や小さい原生動物を食べる。

ケントロピキシス(和名:トゲフセナベカブリ)

分類:肉質虫類 アルケラ目 ディフルギア科
大きさ:
長さ 0.11〜0.15mm 
突起の長さ0.02
mm以上
特徴:
形は、円筒形または卵形である。写真のように、短い突起がある。ほとんど動かない。

トリネマ

分類: 肉質虫類 グロミア目 ユーグリファ科

大きさ:長さ0.03〜0.105mm   

 幅 0.015〜0.06mm

アクチノフィリス(和名:タイヨウチュウ)

分類: 肉質虫類 太陽虫目 アクチノフィリス科
直径:0.04〜0.05
mm
特徴
:小形のアメーバである。太陽の形に似ているので、タイヨウチュウと呼ばれる。
形を変えずにゆっくり動く。細菌や小さい原生動物を食べる。

キロドネラ

分類: 繊毛虫類 キルトホラ目 キロドラ科
長さ:0.045〜0.05
mm
特徴:
泳ぎまわるときと活性汚泥の中にいるときと形を自由に変える。

トラケロフィルム

分類: 繊毛虫類 原口目 ホリフィリア科
長さ:0.04〜0.05
mm 
特徴
:毛におおわれている。身をくねらせたり、回転したりして動く。 主に小さい原生動物を食べる。

バギニコラ

分類: 繊毛虫類 縁毛目 バギニコラ科
長さ:0.04〜0.05
mm 
特徴:
筒の殻のなかに入っている。殻は動かず、虫が伸び縮みする。

ブレファリスマ

分類: 繊毛虫類 異毛目 ブレファリスマ科
長さ:0.15〜0.3
mm
特徴
:体はうすいピンクである。毛を動かしながら、ゆっくり泳ぐ。

リトノツス

分類:繊毛虫類 側口類 アンフィレプツス科
長さ:小さい種類 0.08〜0.1
mm
大きい種類 0.45〜0.5
mm特徴:短い毛が全身に生えている。前後に滑る様に動く。 

ユープロテス

分類:繊毛虫類 下毛目 ユープロテス科
長さ:小さい種類
0.05〜0.07mm
大きい種類 0.12〜0.165mm
特徴:アスピディスカに似ているが、
それよりも大きい。

ロタリア(和名:ヒルガタワムシ)

分類: 袋形動物 和虫類 ヒルガタワムシ目 ヒルガタワムシ科
長さ:0.3〜0.5
mm
特徴
伸び縮みしながら動く。小さな細菌類を食べる。

カエトツノス(和名:イタチムシ)

分類:袋形動物 腹毛類 毛遊目 イタチムシ科
長さ:0.22
mm
特徴:小さな微生物や藻類を食べて生きる。滑る様に速く動く。 

マクロビオツス(和名:クマムシ)

分類: 環形動物 貧毛類 原始生殖門目 アブラミミズ科 
長さ:1mm 
特徴 :ミミズのような動きをする。
 

ディプロガスター

分類:袋形動物 線虫類 
長さ:0.5〜3mm
特徴 :細菌を食べる。 

 

(5)最終沈殿池

   エアレーションタンクでできた、汚れを食べた活性汚泥が底に沈められます。ここで、汚れの90%が取り除かれます。 

(自分で考えた事)

  この時点で、すでに汚れの9割が取り除かれているのを考えると、活性汚泥の働きはすごいものだという事が改めて分かる。科学の力をかりずに、
水をきれいにするとは・・・。自然の力には、驚かされることが多い。

最初沈殿池の水 エアレーションタンクの水 最終沈殿池の水 最終沈殿池から上澄みとして流される水

 沈砂池の水や、最初沈殿池の水は汚れで濁っている。
 エアレーションタンクでの水は、活性汚泥を混ぜて、空気を加えてかき混ぜるから、上の写真のビーカー内の水よりもっと茶色く濁っている。
 僕は小学校4年の時、下水処理場に見学へ行った。その時は下水処理のことがよく理解できなかったし、中身も忘れかけていたけど、今回インターネットなどで調べている内に少しずつ思い出してきた。
 エアレーションタンクのところですごくどろどろになっていて、何か、よけい汚れてしまったな、大丈夫なのかな、と思ったことを思い出した。

 最終沈殿池でゆっくりと流されている内に、汚れを体内に取り込んで重くなった微生物が底へ沈んでいく。
 沈んだ微生物は死がいではない。一部は最終沈殿池からエアレーション・タンクに戻されて、また、空気を吹き込まれて元気になって、汚れを食べてくれる。
 微生物はがんばってくれているなあと思った。
 

<最終沈殿池の写真> 

      

@     塩素混和池

 最終沈殿池の上澄み水には、まだ大腸菌などが生きているので、塩素によって消毒されます。そして、きれいになった水が、川に流されます。

(自分で考えたこと)

 ここは下水処理場の中で、最初で最後の、薬品が使われる場所である。上の写真のように最終沈殿池の上澄みの水は、見た目はきれいだが、塩素(次亜塩素酸ソーダ)でさらに安全なものにする。
 

F汚泥処理施設

 ここでは、最初沈殿池および最終沈殿池で取り除かれた汚れが集められ、脱水機で水分が飛ばされます。

 例えば山形県では、こうして水分が除かれた汚泥の約半分は、堆肥などに利用されているそうです。
 しかし、都心部では肥料などの使い道があまりないので、例えば大阪市では汚泥は水分をある程度絞ったら、焼却炉で焼いて灰にして、大阪湾の埋立地で処分しているそうだ。 

(自分で考えたこと)

 水をきれいにする過程でできた汚れさえ有効利用されるとは、全くと言っていい程無駄が無い。素晴らしいしくみである。
都心部でも、この汚泥を完全にリサイクルできたらいいなと思った。

全体的な感想:この機会に、今まで深く考えることのなかった微生物について、真剣に取り組むことができ、微生物の大切さが分かった気がする。
 ところで、昔は、汚れた水をそのまま川に流しても、川に住む微生物たちの働きですぐにきれいになったそうである。汚れ自体の量が少なかったからだ。
 そう考えると、現在、水をきれいにするのに、活性汚泥を使わねばならないようになったのは、悲しい事である。
 しかし、1人1人が水の使用量を減らせば、また昔のように、川に汚れた水を流しても大丈夫な時代が来るかも知れない・・・・・と思ったけど、人間が使う水の量や、発生する汚れの量が減ることはないだろう。
 下水道は、何kmも各家庭から下水道管で汚れた水を運ぶ。その途中で雨水が入ってきて、まだきれいになっていない下水が川に流れたりすることがあるそうだ。
 また、下水処理場ではにおいがするとか言って、建設に反対が起こったりもしているとお父さんから聞いた。

将来、もっと科学が進んだら、それぞれの家に小さな下水処理場のような、水をきれいにする仕組みがついて、すべての家が自分の家から汚れを外に出さないような日が来るかもしれない。もちろん、工場や事務所でも、汚れは外へ出さないのだ。本当にそんな日が来たらいいのにな、と思う。
 
今回は、処理場の仕組みについて詳しく調べてみて良かったと思っている。

(参考)

HP「やまがたけんの下水道」

http://www.pref.yamagata.jp/db/toshikei/129900/db2gs120.html

HP「下水道の役割としくみ:活躍している微生物:(財)三重県下水道公社」
http://www.mie-kousha.or.jp/yakuwari/biseibutu.html

HP「名古屋市上下水道局:キッズページ」
http://www.water.city.nagoya.jp/kids_pages/cycle_pages/sewer.html
HP「浄水管理センターの仕組み:下水道:神奈川県逗子市」
http://www.city.zushi.kanagawa.jp/syokan/gesui/jousui.html

HP「東京都下水道局キッズページ:微生物図鑑」
http://www.gesui.metro.tokyo.jp/kids/biozukan/biozukan.htm


 

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