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西太后と溥儀の部屋(2) 映画紹介「西太后〜垂簾聴政〜」、「続・西太后〜暴虐の美貌〜」
「西太后〜垂簾聴政〜」
主演女優は映画「芙蓉鎮」(87年。監督:謝晋(シエ・チン))で、しっかり者の豆腐屋の女房を演じていた劉暁慶(リウ・シアオチン)。
この映画は西太后(当時はもちろん「西太后」ではないのだが)が宮廷入りし、巧みに帝に取り入り男子(後の同治帝)を出産するまで、そして、咸豊帝亡き後、恭親王奕訢と結んで、実権を重臣粛順らから奪還するまでを描く。
ラストは、映画公開当時新聞広告などででかでかと取り上げられていた「人間壷漬け」のシーン。でかい壷から首だけ出してる、うらめしげな美女の顔を覚えておられないだろうか。
咸豊帝の寵愛を一身に受けていた麗妃の手足を切断し、だるまみたいにして壷の中に入れ、暗い倉庫で飼い殺しにするというものだ。
呂太后の「人彘(ひとぶた)」の話は、『史記』にも載っている(注)が、西太后のこんなことはどこかの野史演義に書かれているのだろうか。
それと、ラストで普通は「劇終」と出るのだが、この映画は「再会」と出た。1本の映画の前半・後半ってことなのか?
(注)
漢の高祖劉邦は、呂后との間の子(後の恵帝)に代え、寵妃戚夫人の子の如意を皇太子にしようとした。これを恨んでいた呂后は、劉邦の死後、如意を毒殺。戚夫人の両手両足を切り、目をくりぬき耳を焼き、口がきけなくなる薬を飲ませて厠室において人彘と名づけた。(『史記』:「呂后本紀」)
(資料)
監督:リー・ハンシャン
出演:西太后:劉暁慶(リウ・シアオチン)、咸豊帝:梁家輝(リャン・ジャンホー。後のレオン・カーフェイ)
製作年度:1984年。中国・香港。
「続・西太后〜暴虐の美貌〜」
冒頭、前作では幼な子だった同治帝が春風亭小朝のような顔をしたスケベそうな成年になっている。
帝が恋に落ちた宮女が、鞏俐(コン・リー。中国を代表する女優のひとり。映画「始皇帝暗殺」の紹介参照)である。
しかし、そんな召し使いを息子の近くに置けないと考えた西太后の差し金で、売春宿に追われてしまう。キャラ的に合ってたのか、あっという間に誰よりも蓮っ葉な娼婦になってしまう鞏俐。
それっきりストーリーにはからんでこないんで、「鞏俐も出ている」と言いたいがために無理にくっつけた感じ。
同治帝は色街で遊び、梅毒になる。看病を続けた皇后も感染した。
西太后は帝危篤の床から皇后を引き剥がし、この映画の売りのシーンのひとつ、アイアンクローで美女の顔を引き裂く。
ショックで同治帝は崩御。(←つまり、西太后が殺したようなもの?)
あまりの残虐さに東太后が伝家の宝刀を抜こうとする。咸豊帝が、気の強い西太后が東太后をないがしろにした場合に備え、彼女を処刑できる詔勅を東太后に与えていたのだ。
西太后は、未亡人二人でこの清朝を支えていくため私は憎まれ役をせざるを得なかったと熱弁をふるった後倒れる。
体調のすぐれぬ自分に与える薬湯のため、西太后が自分のもも肉を削っていたと聞いて感動した東太后は、詔書を燃やしてしまう。こっそりとほくそ笑む西太后。
その後に、「東太后は突然謎の死をとげた」というテロップがはいる。明言はしないが、西太后による毒殺を示唆するものである。
最後、残虐シーンで締めるのがこのシリーズのお約束となっているらしく、身重の同治帝皇后を後ろ手に括って暢音閣で吊り上げる。
ここは紫禁城内にある3階建ての京劇舞台だが、「孫悟空」などの出る京劇で立体的な宙乗り演技ができるよう、中央が吹き抜けになっているのだ。じわりじわりと綱が巻き上げられていく。
はるか天井の高みより西太后をにらみつける皇后。西太后が、にらみ返して、思い切り銅鑼を一打ちすると・・・・
西太后の入浴(行水)シーンがある。若返りのためか、赤ん坊のように女性の乳房を吸う西太后のシーンもあった。
宦官とベッドで戯れ、身悶えして嬌声をあげる西太后(宦官ショーアンとは安徳海のことだろうか。で、ショーアンは足つぼマッサージで西太后を攻め、声を上げさせていたのである)など、サービス過剰な映画であった。
前回が咸豊帝、今回が同治帝ということで、光緒帝の出てくる「続々西太后」はないのだろうか。それともラストで出てきたとおり「THE END(劇終)」なのだろうか。
(資料)
監督:リー・ハンシャン
出演:西太后:劉暁慶(リウ・シアオチン)
製作年度:1989年。中国・香港。
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