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リラックスフォーラム報告

第94回  太陽光発電について
―太陽光発電の原理、経済、ECO効果―
平成19年9月22日(土)13:30〜16:00
会場:山内地区センター
テーマ:太陽光発電について
太陽光発電の原理、経済、ECO効果
講  師:高橋 元廣 氏【太陽光発電普及協会 東京支部代表】
コーディネータ:松下 秀亘 氏(当会世話人)

当会伊藤代表による開会挨拶に続き、コーディネーターの松下世話人より、高橋講師のプロフィールとフォーラムのテーマが紹介された。
以下は、質疑応答事項を含めた講演内容の概要です。
(なお、第93回リラックスフォーラム:吉村秀實氏による「身近な減災について―身近な危険にどう備えるか―」は台風のため中止となりました)



★太陽光発電の原理と構造
・太陽光発電システムは「太陽電池パネル+太陽光発電用インバータ+分電盤」を電線で接続した自家発電装置です。
・太陽電池パネルは10p角〜15p角、厚さ200ミクロンのセルが束ねられている。
・太陽電池パネルは発電量によって必要枚数が架台に並べられ、日照の良い屋根上に乗せられる。
・セルはP型シリコンとN型シリコンを接合した半導体で、太陽光があたるとPN接合部分に0.5Vの起電力が発生する。2つの電極を電線で繋ぐと電流が流れる。
・インバータはセル(パネル)で発電された直流電気を100V50サイクルの交流に変換する。
・インバータには屋内型と屋外型がある。
・分電盤を通じ、インバータを電力会社の電線に接続すると系統連係型システムが完成する。 
・電力会社の電線に接続しないと独立型システムとなり、太陽光で発電した電気だけで運転される。
・3kWシステムの太陽光発電は太陽電池パネル24枚で作られ、パネルと架台の重さは400〜450s程度で面積は25u〜30uとなる。荷重密度は16〜18s/uで太陽熱温水器の荷重密度の1/6以下にすぎない。
・住宅用太陽光発電は通常3kW〜10kWシステムです。
・一体構造に組み立てられた太陽光発電の架台は、屋根に置くだけの「屋根乗せ工法」なので、屋根を傷めず、取り外しもでき、パネルとインバータは他の場所で再利用が可能となる<(有)経営改善推進社の場合>。
・ソーラ式の電卓や時計の原理も太陽光発電システムと全く同一です。使用される電力が微細なので、ソーラの面積が小さくても同一の機能が得られる。

★太陽光発電の経済性
・発電コストは、3kWシステムの太陽光発電を自己資金180万円(60万円/kW)で設置した場合、年に3150kWh発電するので、30年間稼働すると19円05銭/kWhに相当する。
・4kWシステムの太陽光発電を設置すると、通常の家庭では50%〜100%の電気を賄うことが出来る。
・太陽光発電は曇りの日でも、通常の1割〜6割程度発電する。
・発電された電気はまず自分の家で使われ、余った電気は電力会社に売れ、周りの家に流れていく。(発電量の多い昼間は売電、発電が出来ない夜間や発電量が少ない朝晩は、電力会社の電気を利用する買電となる)
・太陽光発電が設置されると、従量電灯料金から時間帯別電灯料金のナイト10(東京電力)に切り替えられ、昼間に電気を高く売り、夜間は電気を安く買うことができる。
・安い施工業者を選び、ナイト10を利用すれば設備償却年数が20年以下も可能となる。
・電力会社は自社で太陽光発電をしない、太陽光発電は小規模発電に向いている。
・理論上は、小規模太陽光発電を数多く寄せ集めれば、日本国土の延べ0.27%の面積の太陽光発電で日本の総発電量(1.9億kW)の1/2が賄える。
・太陽光発電の発電効率は12%台だが、発電された電力は100%自宅と隣家(電力会社を通じて)で使われるので、送電ロスがない。
・自宅の余剰電力は電力会社で買取ってくれるが、電力会社は少量・小額の計算を正確にしてくれる。
・太陽光発電の設置は共同より個人で設置した方がよい。
・太陽光発電の架台が設置されると夏場でも屋根が涼しくなり省エネとなる。

★太陽光発電に対する国の施策
・自然エネルギー抑圧法とも評されるRPS法に見られるように、国は太陽光発電の促進を本気で進めているとは思われない、国は原子力発電に傾重している。
・原子力発電は全発電量の約4割を占め、365日24時間一定に出力させており、昼夜の電力を賄うベース電力と位置付けられている。
・RPS法(新エネ特措法:電気事業者による新エネルギー等の利用に関する特別措置法)は2002年6月に公布(施行は2003年4月)された。
施行規則にて、電力10社に2010年までに新エネルギー占有率を1.35%するように義務付けているものの、新エネルギーには、7〜8割を占めるゴミ発電が含まれている。
各電力会社に年度ごとの新エネルギー目標値を設定しながら、年度間のキャリーオーバーを認めている。
・家庭用の太陽光発電は、RPS法の中では特例として売買等価(同一時間帯)となっているが、風力発電など他の自然エネルギーはかなり安い金額で買取られ、上限を15円に設定されている。
・平成6年度に始まった太陽光発電に対する国の補助金(単相電気の住宅用補助金)は、設置費用の低額化に伴い、年々減額され平成18年度にはついに廃止されてしまった(三相電気の補助金は継続中)。
・オール電化やエコキュート(補助金制度あり)は電力消費量を増大させ、地球温暖化対策に反する。太陽光発電は地球環境保護を目的としている。ナイト10に変わり深夜料金が安くなっても、電力消費を増やすオール電化やエコキュートは使用しない方が望ましい。
・マンションの共用電灯へも太陽光発電の系統連係型接続を認めて欲しい。
 ・太陽光発電に適した屋根を建築基準法に盛り込むのも面白い。

★外国の太陽光発電に対する施策
・ドイツ(アーヘンモデル方式)では、発電コスト(=設置費用の元利金相当額)を全額助成して、太陽光発電の普及を促進している。太陽光発電で発電された電気を20年間にわたり、電気料金の市場価格の10倍で買取っている。財源は全市民の通常電気料金を1%上乗せするだけで、市は設備投資や補助金などの負担が無く、税金を使っていない。(韓国やスペインでも同様な方法で太陽光発電を促進している)
・ドイツでは、2010年の自然エネルギー占率を12%〜13%を目指し、日本の10倍もの高い目標を掲げている。
・米国カルフォニア州では、電力会社が太陽光発電に民間住宅の屋根を借り上げている。

★太陽光発電の環境効果
・ 3kW太陽光発電システムの地球温暖化ガス削減効果は、緑の森林面積1600坪に相当し、炭酸ガス削減量は約2300s/年、原油節約量(=削減量)は806リットル/年に相当する。

★太陽光発電の寿命、故障など
・太陽光発電は可動部分が無い装置(太陽エネルギーで直流電気を直接起電させる)なので、故障は殆んど起きない。メンテナスも殆んど必要なく、音や振動もしない。
・太陽光発電システムが原因で停電することは無いが、電力会社が停電すると停電してしまう。しかし、蓄電装置を付けておけば防災対策も可能になる。
・太陽電池パネルに落雷したことは無いが、アースを付けていてもインバータに影響を受けることがある。
・太陽電池パネルは硬質ガラスに覆われ、屋根の勾配に平行に架設されているので雹害にも強い。
・太陽電池パネルの架台は、屋根の勾配に沿って取り付けられるので、ゴミも溜まり難いので、掃除は実態として行われていない。
・架台の施工には風に一番気を使う、吹き抜け構造にすると良い。
・太陽光電池の寿命は正確には不明だ。国における太陽光発電のコスト計算は稼働年数を20年としているのが、設置してから24〜25年経っている装置もざらにあり、30年を超えても大丈夫と思われる。

 □高橋 元廣 氏のプロフィール
 昭和36年 立教大学卒
  同年   日立製作所入社
  以降   半導体の製造・研究開発、工程改善を担当
 昭和63年 日立製作所定年退職
       コンサルティング会社(有)経営改善推進社を設立
 平成 6年 太陽光発電普及協会に加入(前年、自宅に太陽光発電を設置)
       東京支部代表に就任
  以降   同社の業務内容に太陽光発電の設計、施工を追加


 □NPO法人太陽光発電普及協会
 設立:平成5年、本部:大阪府八尾市、会長:井口正俊、
 会員:約500名(太陽光発電の設置者でFX新聞の購読者)
 活動:経済産業省・資源エネルギー庁の太陽光発電に関する普及施策に苦言を呈す
    補助金の継続、RPS法の内容改善、等々


★議事録担当者の感想
 講師の高橋氏は、気持ちを込めて、大きな声で話をされる。
 細かいことに囚われず、ポイントをずんずん突き進む。
 質問には、即座に結論から回答される。
 官庁・電力会社との折衝時には、随分もどかしく感じておられることだろう。


(文責 前川治彦)

                                     
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