文章のうまさが際立つ

堀井憲一郎『馬鹿が止まらない』(双葉社文庫、2000年6月)

★★★



 一人でボケて一人で突っ込む、おちゃらけた文章だからあまり意識しない人が多いかと思うが、堀井憲一郎は実は非常に文章を書くのがうまいのだ。本書は堀井さんの得意な調査を扱った本ではなく、身近な体験をつづったエッセイ集。それだけに余計にうまさが際立つ。

 「馬鹿が止まらない」というタイトルではあるが、本書の題材は、例えばビデオデッキにテープがからまってしまった話や、電車の中に残されていた赤ん坊のウンコを踏んでしまった話。取り立てて「馬鹿」というほどではなく、類似の体験を誰もがしているはずだ。それだけの題材をどうしてこんなに面白く書くことができるのか。 2007/3/28


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